財宝の地図

はお汰

前夜

  この港町で死ぬまで生きていくことが、俺にとってはどうしようもなく窮屈きゅうくつだったのだ。

  ここの人間は領主に尻を叩かれ、地べたを這いずって働き、その見返りとして享受きょうじゅすべき幸せを搾取さくしゅされ、その残りカスを有難ありがいと有難いと頂戴ちょうだいするのだ。

  この町に生まれた以上、それは仕方の無いことだから俺も抗うこともなく、何も疑問に感じることなく、あつらえたような幸せで満足していた。
  俺があの時あの地図に出会わなければ、今でも疑問には思わなかっただろう。

  何はともあれ、夜が開ければ待ちに待った旅立ちの時だ。今晩は時間もあるし、今までの事をつらつらと書き連ねて置くことにする。

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