カオティックアーツ
72:VSリリー
リリーはまっすぐ楓に襲いかかってきた。
楓は咄嗟に回避行動を取るが、間に合わない。
それを感じとたレヴィアが魔法により助けてくれた。
「ありがとう、レヴィア」
「へっへ~ん。なんだって最強クラスの悪魔なんだから。これぐらい容易いに決まっている!」
体制を立て直し、楓は【インフィニティ・マークⅤ】をリリーに向けて放った。
リリーが手をかざすと、透明なバリアのようなもので攻撃を防いだ。
楓は即座にクレハやフレアが使う防御の魔法と同類のものだと感じ取る。
だけど微妙に違うとろこがあった。
それは、バリアに当たった楓の弾が掻き消えたのだ。
クレハやフレアが使う魔法【クレラオ・アミナ・カタフィギオ】は守護聖域という名の要塞のようなものを魔力によって作り出すものだ。相手の攻撃がどんなものであれ、防ぐことが可能だが、相手の攻撃が消滅するようなことはない。しかし、リリーのそれは違った。
つまり、あれは魔力や聖法気など、エネルギーのみで繰り出したものを、反対の方向性を持つエネルギーで相殺するものだと感じ取った。
「っち、あれは実弾を使う【インフィニティ】じゃないと対処しようがない」
「ふ~ん、そうかな? 私なら、あんなバリアを破壊できるぜ! あれって相殺させてかき消しているだけだろ。だったら、そうさせないだけのエネルギーをぶつければいいだけだ」
レヴィアの魔力が高まる。大きな魔法を使う予兆なのか、周りの空気が震えだす。
それを見たリリーは機械的な、まるで人形のような表情でこう言った。
「Я、大きな魔力反応を確認。敵を嫉妬の悪魔、レヴィアタンと断定。対処のため、同等の悪魔の召喚を開始します」
リリーの手元に禍々しい黒の光を放つ魔法陣が現れる。
そこから溢れ出す赤い、怒気が感じられる煙が溢れ出す。
「召喚:憤怒の悪魔、サタンレプリカ」
召喚された悪魔は四枚の黒い翼があり、頭には悪魔を彷彿とさせる角が二つ。盛り上がった肉体は最強というにふさわしい空気を漂わせる。
悪魔の序列第一位。魔王と呼ばれるサタンが出現した。
「なぁ! なんであいつが……いや、違う、あいつは違う!」
「どうしたんだ、レヴィア」
「あの姿は紛れもなくサタンだ。あいつは悪魔の中でも最強で、怒りっぽくて意地悪で、プリプリ言っている姿が可愛らしいやつなんだ!」
「……恐る要素が薄いな」
「そんなことない。あいつ、とっても怖いんだぞ!
それだけに、あいつは人に力を貸したりしない。囁き、惑わし、陥れる。そして破滅に追いやることしかしないんだ。
だからあいつはサタンじゃない。同じぐらいの力を感じるけど、偽物だ」
「あいつが偽物だとして、どうすればいい」
「楓たちは何もするな。ブラスはドルフを相手に戦え。クレハとフレアは守護聖域を維持。アクア、ヴァネッサ、ティオ、ウィウィは長距離攻撃により、雑魚どもを蹴散らせ。
楓、お前の世界のものなら、あの人工魔女のことをどうにかできるだろう。私は、あの偽物を片付ける!」
そう言い残したレヴィアなサタンレプリカに飛びかかる。それと同時にレヴィアの姿が、本来の……リヴァイアサンの姿に変わった。
まるで怪獣大バトル的状況にまで発展する。
レヴィアには感謝しなければならないと、楓は思う。レヴィアがいない状態でサタンレプリカが召喚されたと思うとゾッとする。楓たちだけなら対処不可能だっただろう。
「俺は……俺のやるべきことをやるだけだ」
楓はリリーに向き直る。リリーは魔法により取り出したのか、大きな武器を構えていた。まるでゲームに出てくるような大きなランスだと楓は感じる。
楓は【ディメンションリング】より、【ハーフ・エナジー・グラトニー・マークⅡ】を取り出し【インフィニティ】に連結させる。
これにより、エネルギー補充料を増やして、不足分を補う。
そうすることでインフィニティシリーズの中でも最高の火力が出るはずだと楓は考えた。
戦闘準備をする楓を無機物な瞳で見つめるリリー。
「Я、敵の存在をターゲットと確認。任務再確認。ターゲット『楓』が所持する名称『カオティックアーツ』を奪取すること。その際にターゲットの生死は問わない。行動を開始する」
リリーは無詠唱魔法により風を纏った。その効力により、楓に向かって駆け出した瞬間、まるでロケットが発射したように砂煙をまき散らしながら突撃する。
楓はその風圧に押されて押されて一歩下がると、風がピタリと止んだ。
そこはクレハとフレアが展開する守護聖域内。術者の魔力が有る限る、どんな攻撃でも防ぎきる。
リリーの突撃が守護聖域に当たる。バリバリと怪しげな音を立て、守護聖域に亀裂が入る。
「楓、そいつを早くどけて! とんでもない火力だから魔力がどんどん無くなっていく!」
「わかった、クレハ。くらえ!」
楓はリリーに向かって威力最大にした【インフィニティ】による攻撃を放つ。
弾は螺旋を描きながら突き進み、リリーは当たる直前で後ろに下がって弾を弾く。
今の攻撃になんとのないようにするリリー。倒せる手段が全くない。だけど、どうにかするしかないと楓は思った。
絶対に、リリーを止めてみせると。
楓は咄嗟に回避行動を取るが、間に合わない。
それを感じとたレヴィアが魔法により助けてくれた。
「ありがとう、レヴィア」
「へっへ~ん。なんだって最強クラスの悪魔なんだから。これぐらい容易いに決まっている!」
体制を立て直し、楓は【インフィニティ・マークⅤ】をリリーに向けて放った。
リリーが手をかざすと、透明なバリアのようなもので攻撃を防いだ。
楓は即座にクレハやフレアが使う防御の魔法と同類のものだと感じ取る。
だけど微妙に違うとろこがあった。
それは、バリアに当たった楓の弾が掻き消えたのだ。
クレハやフレアが使う魔法【クレラオ・アミナ・カタフィギオ】は守護聖域という名の要塞のようなものを魔力によって作り出すものだ。相手の攻撃がどんなものであれ、防ぐことが可能だが、相手の攻撃が消滅するようなことはない。しかし、リリーのそれは違った。
つまり、あれは魔力や聖法気など、エネルギーのみで繰り出したものを、反対の方向性を持つエネルギーで相殺するものだと感じ取った。
「っち、あれは実弾を使う【インフィニティ】じゃないと対処しようがない」
「ふ~ん、そうかな? 私なら、あんなバリアを破壊できるぜ! あれって相殺させてかき消しているだけだろ。だったら、そうさせないだけのエネルギーをぶつければいいだけだ」
レヴィアの魔力が高まる。大きな魔法を使う予兆なのか、周りの空気が震えだす。
それを見たリリーは機械的な、まるで人形のような表情でこう言った。
「Я、大きな魔力反応を確認。敵を嫉妬の悪魔、レヴィアタンと断定。対処のため、同等の悪魔の召喚を開始します」
リリーの手元に禍々しい黒の光を放つ魔法陣が現れる。
そこから溢れ出す赤い、怒気が感じられる煙が溢れ出す。
「召喚:憤怒の悪魔、サタンレプリカ」
召喚された悪魔は四枚の黒い翼があり、頭には悪魔を彷彿とさせる角が二つ。盛り上がった肉体は最強というにふさわしい空気を漂わせる。
悪魔の序列第一位。魔王と呼ばれるサタンが出現した。
「なぁ! なんであいつが……いや、違う、あいつは違う!」
「どうしたんだ、レヴィア」
「あの姿は紛れもなくサタンだ。あいつは悪魔の中でも最強で、怒りっぽくて意地悪で、プリプリ言っている姿が可愛らしいやつなんだ!」
「……恐る要素が薄いな」
「そんなことない。あいつ、とっても怖いんだぞ!
それだけに、あいつは人に力を貸したりしない。囁き、惑わし、陥れる。そして破滅に追いやることしかしないんだ。
だからあいつはサタンじゃない。同じぐらいの力を感じるけど、偽物だ」
「あいつが偽物だとして、どうすればいい」
「楓たちは何もするな。ブラスはドルフを相手に戦え。クレハとフレアは守護聖域を維持。アクア、ヴァネッサ、ティオ、ウィウィは長距離攻撃により、雑魚どもを蹴散らせ。
楓、お前の世界のものなら、あの人工魔女のことをどうにかできるだろう。私は、あの偽物を片付ける!」
そう言い残したレヴィアなサタンレプリカに飛びかかる。それと同時にレヴィアの姿が、本来の……リヴァイアサンの姿に変わった。
まるで怪獣大バトル的状況にまで発展する。
レヴィアには感謝しなければならないと、楓は思う。レヴィアがいない状態でサタンレプリカが召喚されたと思うとゾッとする。楓たちだけなら対処不可能だっただろう。
「俺は……俺のやるべきことをやるだけだ」
楓はリリーに向き直る。リリーは魔法により取り出したのか、大きな武器を構えていた。まるでゲームに出てくるような大きなランスだと楓は感じる。
楓は【ディメンションリング】より、【ハーフ・エナジー・グラトニー・マークⅡ】を取り出し【インフィニティ】に連結させる。
これにより、エネルギー補充料を増やして、不足分を補う。
そうすることでインフィニティシリーズの中でも最高の火力が出るはずだと楓は考えた。
戦闘準備をする楓を無機物な瞳で見つめるリリー。
「Я、敵の存在をターゲットと確認。任務再確認。ターゲット『楓』が所持する名称『カオティックアーツ』を奪取すること。その際にターゲットの生死は問わない。行動を開始する」
リリーは無詠唱魔法により風を纏った。その効力により、楓に向かって駆け出した瞬間、まるでロケットが発射したように砂煙をまき散らしながら突撃する。
楓はその風圧に押されて押されて一歩下がると、風がピタリと止んだ。
そこはクレハとフレアが展開する守護聖域内。術者の魔力が有る限る、どんな攻撃でも防ぎきる。
リリーの突撃が守護聖域に当たる。バリバリと怪しげな音を立て、守護聖域に亀裂が入る。
「楓、そいつを早くどけて! とんでもない火力だから魔力がどんどん無くなっていく!」
「わかった、クレハ。くらえ!」
楓はリリーに向かって威力最大にした【インフィニティ】による攻撃を放つ。
弾は螺旋を描きながら突き進み、リリーは当たる直前で後ろに下がって弾を弾く。
今の攻撃になんとのないようにするリリー。倒せる手段が全くない。だけど、どうにかするしかないと楓は思った。
絶対に、リリーを止めてみせると。
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