カオティックアーツ
39:危険な高級食材
レインから正式に依頼を受けた楓たちは、高級食材【マナタイトタケ】を取りに、森の中に来ていた。
森の中は妙に薄暗く、少しばかり湿度が高い。
近くに湿地帯があるらしく、そこから、じめっとした風が吹いてくる。
そのせいか、一部の森に湿度が高い箇所が存在する。
クラウスは、湿地帯に一番近い村であり、【マナタイトタケ】という高級食材を名産としていた。
【マナタイトタケ】は湿度の高い森にしか生息しない特殊なキノコのため、このあたりにしか生息しない。
なので、出荷する村がクラウスしかない状況とも言える。
ただ、【マナタイトタケ】は危険な森に行かねばならず、冒険者に依頼を出して、取ってきたものを村で売るのが殆どらしい。
楓たちは【マナタイトタケ】を探すため、湿地帯に近い、じめっとした森の中を散策する。
散策中、楓の機嫌がとっても悪かった。
森の中なので、魔物はいるが、今の楓に慈悲はない。
出会った瞬間、即退治している状況だった。
なぜ、楓の機嫌が悪いかというと、楓の後ろをトボトボ歩く二人が原因だった。
クレハとブラスだ。
レインと食事をして、依頼の話を済ませた後、宿屋に戻って休むことにした。
借りた部屋は三部屋。
なぜ、三部屋かというと、ブラスが楓を襲う危険性があると、フレアが言い出したからだ。
でも、楓は知っていた。
フレアが、こっそりブラスに鍵を渡すところと。
おそらく、こっそりと使用した魔法で、楓が泊まる部屋の合鍵を作ったんだろう。
楓の読み通り、ブラスはやってきた。
夜這いというやつだ。
男が男にという状況であったが……
近づくブラスに、楓が発砲した。
だが、ブラスはそれを盾で止める。
おそらく、攻撃が来ることを予想していたんだろう。
「ふふ、フレアさんからOKもらった。観念して、楽しい時間を過ごそう。はぁはぁ」
「息を荒げて近づいて来るんじゃねぇ。なんでおまえは残念なんだよ!」
つい、声を荒げてしまったせいで、よけなものを呼び寄せてしまった。
そう、クレハが楓の部屋にやってきたのだ。
もちろん、楓の部屋の鍵を持って……
楓が予測するに、フレアは修羅場的状況を作って楽しんでいるんだと思われた。
楓は、フレアに制裁を加えに行こうとしたとき、ブラスとクレハが争い始めた。
「ブラス、楓に何しようとしてんのよ!」
「ふん、お前だって同じようなことをしているんだから、なんとなくわかるんじゃないのか?」
「わ、わかるわけないじゃない」
今更、男の部屋にこっそり忍び込もうと考えていたことに恥じらいを持つ。
「ふん、その程度で恥じらっていちゃ、楓への愛はまだまだだな」
「な、何を。あんたなんて、まったく相手にされないじゃん。男だから。男だから!」
「せ、性別とか関係ないんだよ。愛に性別なんて関係ない!」
よくわからない喧嘩を始めた二人に、呆れながら、楓は訪ねた。
「お前ら、こんな夜中に何がしたいんだよ」
「「お喋り!」」
楓の知る夜這いとは違い、なんか健全だと楓は思った。
おかしな目的がない事に安心した楓だった。
だが、夜中に騒いでしまったのは事実であり、他の冒険者や、ギルド職員を起こしてしまった。
そして、現状を確認した全員が、楓を悪とした。
夜這い的な行動を、二人から取られている状況なので、9割は私怨であったが……
ともかく、楓は宿を追い出されてしまった。
被害者であるはずの楓は、仕方なく野宿することになったのだ。
そんなことがあったので、楓は機嫌が悪かった。
「何落ち込んでんの。元気を出しなさい!」
楓の背中をバンと叩くフレア。
元をたどればあなたが悪いと愚痴りたい楓だったが、それをグッと我慢する。
さすがに、ギルマスであり、異世界人である楓をすぐに受け入れてくれたフレアさんを攻撃したくなかった。
だが、今日のフレアのテンションは少しばかしおかしい。
どうやら、昨日の出来事が楽しかったようだった。
あの頭を撃ってやりたい……そう思う楓だった。
湿地帯を散策し始めて、2時間ぐらい経ったところにに、あらゆるキノコが群生している場所があった。
キノコが繁殖しやすそうな場所であり、多種多様なキノコが生えていた。
よく見ると冬虫夏草まである始末。
「さて、ここで【マナタイトタケ】を探すわけだ。みんな、手分けして探すぞ!」
「おう!」と元気よく返事をして、各自【マナタイトタケ】を探し始める。
しかし、誰も、キノコの群生を確かめようとはしなかった。
ただひとり、楓を除いて。
【マナタイトタケ】は、とても大きなキノコであり、高速で動くとレインから聞いていた。
楓は、高速で動くってなんだろう、と思いながら聞いていたが、どうせキノコだろ、とその疑問をなかったことにした。
「【マナタイトタケ】が出たぞ!」
ブラスの声が響き渡った。
楓も、ブラスの声を聞き、急いで駆けつける。
途中、高速移動する何かが、目の前を横切った。
「っち、なんだ!」
楓は、目の前を横切った何かを目で捉える。
「マナマナ~」
それは巨大なキノコ型の魔物だった。
「みんな、戦闘態勢に入れ。【マナタイトタケ】を狩るぞ!」
「「「了解」」」
楓は思う。
あれは絶対にキノコじゃないと。
森の中は妙に薄暗く、少しばかり湿度が高い。
近くに湿地帯があるらしく、そこから、じめっとした風が吹いてくる。
そのせいか、一部の森に湿度が高い箇所が存在する。
クラウスは、湿地帯に一番近い村であり、【マナタイトタケ】という高級食材を名産としていた。
【マナタイトタケ】は湿度の高い森にしか生息しない特殊なキノコのため、このあたりにしか生息しない。
なので、出荷する村がクラウスしかない状況とも言える。
ただ、【マナタイトタケ】は危険な森に行かねばならず、冒険者に依頼を出して、取ってきたものを村で売るのが殆どらしい。
楓たちは【マナタイトタケ】を探すため、湿地帯に近い、じめっとした森の中を散策する。
散策中、楓の機嫌がとっても悪かった。
森の中なので、魔物はいるが、今の楓に慈悲はない。
出会った瞬間、即退治している状況だった。
なぜ、楓の機嫌が悪いかというと、楓の後ろをトボトボ歩く二人が原因だった。
クレハとブラスだ。
レインと食事をして、依頼の話を済ませた後、宿屋に戻って休むことにした。
借りた部屋は三部屋。
なぜ、三部屋かというと、ブラスが楓を襲う危険性があると、フレアが言い出したからだ。
でも、楓は知っていた。
フレアが、こっそりブラスに鍵を渡すところと。
おそらく、こっそりと使用した魔法で、楓が泊まる部屋の合鍵を作ったんだろう。
楓の読み通り、ブラスはやってきた。
夜這いというやつだ。
男が男にという状況であったが……
近づくブラスに、楓が発砲した。
だが、ブラスはそれを盾で止める。
おそらく、攻撃が来ることを予想していたんだろう。
「ふふ、フレアさんからOKもらった。観念して、楽しい時間を過ごそう。はぁはぁ」
「息を荒げて近づいて来るんじゃねぇ。なんでおまえは残念なんだよ!」
つい、声を荒げてしまったせいで、よけなものを呼び寄せてしまった。
そう、クレハが楓の部屋にやってきたのだ。
もちろん、楓の部屋の鍵を持って……
楓が予測するに、フレアは修羅場的状況を作って楽しんでいるんだと思われた。
楓は、フレアに制裁を加えに行こうとしたとき、ブラスとクレハが争い始めた。
「ブラス、楓に何しようとしてんのよ!」
「ふん、お前だって同じようなことをしているんだから、なんとなくわかるんじゃないのか?」
「わ、わかるわけないじゃない」
今更、男の部屋にこっそり忍び込もうと考えていたことに恥じらいを持つ。
「ふん、その程度で恥じらっていちゃ、楓への愛はまだまだだな」
「な、何を。あんたなんて、まったく相手にされないじゃん。男だから。男だから!」
「せ、性別とか関係ないんだよ。愛に性別なんて関係ない!」
よくわからない喧嘩を始めた二人に、呆れながら、楓は訪ねた。
「お前ら、こんな夜中に何がしたいんだよ」
「「お喋り!」」
楓の知る夜這いとは違い、なんか健全だと楓は思った。
おかしな目的がない事に安心した楓だった。
だが、夜中に騒いでしまったのは事実であり、他の冒険者や、ギルド職員を起こしてしまった。
そして、現状を確認した全員が、楓を悪とした。
夜這い的な行動を、二人から取られている状況なので、9割は私怨であったが……
ともかく、楓は宿を追い出されてしまった。
被害者であるはずの楓は、仕方なく野宿することになったのだ。
そんなことがあったので、楓は機嫌が悪かった。
「何落ち込んでんの。元気を出しなさい!」
楓の背中をバンと叩くフレア。
元をたどればあなたが悪いと愚痴りたい楓だったが、それをグッと我慢する。
さすがに、ギルマスであり、異世界人である楓をすぐに受け入れてくれたフレアさんを攻撃したくなかった。
だが、今日のフレアのテンションは少しばかしおかしい。
どうやら、昨日の出来事が楽しかったようだった。
あの頭を撃ってやりたい……そう思う楓だった。
湿地帯を散策し始めて、2時間ぐらい経ったところにに、あらゆるキノコが群生している場所があった。
キノコが繁殖しやすそうな場所であり、多種多様なキノコが生えていた。
よく見ると冬虫夏草まである始末。
「さて、ここで【マナタイトタケ】を探すわけだ。みんな、手分けして探すぞ!」
「おう!」と元気よく返事をして、各自【マナタイトタケ】を探し始める。
しかし、誰も、キノコの群生を確かめようとはしなかった。
ただひとり、楓を除いて。
【マナタイトタケ】は、とても大きなキノコであり、高速で動くとレインから聞いていた。
楓は、高速で動くってなんだろう、と思いながら聞いていたが、どうせキノコだろ、とその疑問をなかったことにした。
「【マナタイトタケ】が出たぞ!」
ブラスの声が響き渡った。
楓も、ブラスの声を聞き、急いで駆けつける。
途中、高速移動する何かが、目の前を横切った。
「っち、なんだ!」
楓は、目の前を横切った何かを目で捉える。
「マナマナ~」
それは巨大なキノコ型の魔物だった。
「みんな、戦闘態勢に入れ。【マナタイトタケ】を狩るぞ!」
「「「了解」」」
楓は思う。
あれは絶対にキノコじゃないと。
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