カオティックアーツ
17:子供達の救出
ブラス、フレア、カノン、ティオは、子供たちを救うために行動していた。
目的地は山賊達が子供を閉じ込めている牢屋。
なぜそんなものを持っているのかは謎であるが、とにかく、そこに子供が閉じ込められているのは間違いない。
だが、山賊の広いアジトの中で、牢屋をピンポイントで探し当てるのは難しい。
その問題を解決する方法は、楓が出していた。
楓が言うには、カノンの嗅覚はとても鋭いらしい。
どうやって、調べたのかは謎であるが、最近カノンと仲のいい楓がいうのならと、全員が信じた。
いつ、どのタイミングで持ってきたのか分からないが、この作戦が始まる前に、とらわれている子供のものを楓がカノンに渡した。
「これの匂いを探してくれ。そこに、こどもたちが捉えられているはずだ」
「がう! がうがう」
「はは、そうか。カノン、子供たちはお前に任せた。俺とクレハが精一杯かき乱してくるからちゃんと助けろよ」
「がうがう!」
現状は、カノンが楓からもらった物の匂いを嗅ぎながら捜索している。
山賊のアジトが近くになっているため、バレないように慎重に行動する。
見張りはあまり多くないが、見つかったら仲間を呼ばれるのは間違いない。
もしかしたら、子供たちが危険な目に遭う可能性もある。
「がう、がうがう!」
「カノン。本当なの? フレアさん。大体の場所がわかったって!」
「わかった。いま楓に連絡する」
フレアは魔法技術により完成した通信機器で楓と連絡を取った。
これで、楓とクレハが場をかき乱してくれるはずだ。全員はその場で待機して、山賊たちが混乱するのを待った。
「敵襲だぁぁぁぁ 全員とっ捕まえろ! 相手はガキが二人だ。数で押せぇぇぇぇ」
「っち、女の方は魔女でやんす。非常に厄介なんだな」
「あの男は何なんだ。よくわからねぇ武器を使いやがって。もしかしてあいつも【オルタルクス】から武器をもらっているのか!」
山賊たちが慌ただしく動く。
どうやら楓とクレハが行動を開始したらしい。
騒ぎを合図に、子供たちを救出するために動き出した。
フレアは騒ぎの中、山賊が言っていたことが気になっていた。
「みんな、この事件は思ったよりも危ないかも知れない」
「それは……どういうことだ」
ブラスの疑問は当然のこと。
この事件は山賊が子供を誘拐する事件だ。
子供たちが傷つく以上に危ないことが予想できなかった。
しかし、フレアはしっかりと聞いていた。
山賊立ちの中で【オルタルクス】の名が出ていたことを。
【オルタルクス】は、カノンの親に聖呪痕をつけた組織だと考えているフレアは、今回の事件が思った以上にやばいと感じていた。
命を実験道具としかいていない組織と噂されるほどの集団が関わっている以上、クレハと楓に危険が及ぶ可能性が高くなった。
「【オルタルクス】が関わっている可能性がある。あいつらの聖具が関わっていた場合、クレハと楓が危険だ」
「そ、そんな。お兄さんとクレハ姉さんは大丈夫なの?」
「わからない。だから、急いで子供たちを救出して、楓とクレハのところに行く必要ができた」
「子供達が見つかったら……俺が安全を確保しながら連れて帰るよ」
「……済まないな。戦えないのをわかっているが、人手が足りない。無理をいってすまない」
「いや、フレアさんが謝る必要はないよ。楓にもいろいろ言われているが、悪いのは俺なんだよ。何にも、何にもわかってないんだ」
「そう言うな。今は、子供たちを助けることを考えよう。そんぐらいまではあいつらも無事だろう」
「ああ、楓ならクレハを守りきってくれる」
「ブラス。おまえは随分と楓を評価しているな」
「俺は、あいつならなんとかしてくれる。そんな気がするんだよ」
その気持ち、わかるような気がする。フレアはそう思った。
どんなに優れた技術を持っていたって、楓は人間だ。
間違いも起こすし、道を外れたりもする。
知らないことだって沢山ある。
それが当たり前だ。
カノンの親の時もそうだったが、楓は仲間のために精一杯尽くそうとしている。
そんな姿がクレハと一緒で微笑ましい。フレアは強く思っている。
そして、そんな楓だからこそ信用できる。
そして今回もブラスのために……
そう思うと、クレハをしっかりと守ってくれる、危険になってもどうにかしてくれる。
そう思ってしまうのは無理もない。
だが、長時間待たせるとそれだけ危険が高まってしまう。
楓とクレハのため、もっと早く子供たちを助けるため、アジトの中にある牢屋を探した。
カノンの嗅覚によって、子供たちが捉えられている牢屋を発見した。
子供達を捉えている牢屋の前には、三人の見張りがいる。
外では、楓とクレハが対応しているため、見張りはいないと思っていた。
だからこそ対応できると思っていた。
「……お、俺は」
「ブラス、おまえは戦わないでいい。あいつらは私がやる。ティオ。援護を頼む」
「わかった」
先手必勝。
先に気を失わせれば問題ない、そう思ったフレアは見張りの三人に向かって魔法を放つ。
「閃光よ。迸れ。【エクレール・フロウ】」
フレアの魔法によって生成された、無数の光弾が敵に向かっていく。
三人の山賊たちは、いきなりの攻撃に対応できず、倒せると思った。
「っち、敵襲か」
「おい、一人やられたぞ」
「この攻撃は、魔法。敵に魔女がいるぞ」
「【オルタルクス】の野郎がくれた情報道理だな。魔女を殺すぞ」
「ああ」
山賊を倒せたのは一人だけだった。
相手は、輝く何かを持っていた。
それは、禍々しく輝いており、フレア、ティオ、カノンは不気味に思った。
その道具をブラスは知っていた。
【オルタルクス】は教会の組織であり、聖具の開発などを行っているモノたちがいる。
そこで作られた道具は聖騎士たちが使用して、魔女を狩る。
聖騎士の時、【オルタルクス】からの支援として配っていた道具に非常によく似ていた。
その道具の名は【聖呪具:シャットマジック】。
魔法の効力を著しく低下させる聖具とは名ばかりの呪具だ。
あの道具には聖呪が埋め込まれており、それによって使用者が強化される、非常に厄介な武器だ。
「っち、これならどうだ。閃光よ。その光により敵を惑わせ【エクレール・ミラージュ】」
フレアが使用した、敵を、惑わすための魔法。
これにより、敵はフレアの位置を正確に把握する事ができなくなった。
フレアは魔女であり、冒険者。
近接戦闘はあまり得意ではないが、魔法でうまくダメージが与えられない以上、直接攻撃するしかないと思った。
「まず一人!」
フレアは敵に向かって距離を詰めた。
そして、ナイフを抜いて、敵を貫いた。
「グフ、一体どこから」
「それは、あなたの想像に任せるわ!」
フレアがナイフで敵の動きを止めた瞬間に、ティオが矢を放つ。
それにより、一人の山賊を倒した。
「あと一人!」
フレアは、まだ魔法による不意打ちの戦法でもうひとりを倒すため、敵に向かって走る。
しかし……
「目くらましの魔法か! 畜生。あんまり使いたくなかったんだが……」
フレアは、山賊がそういったように聞こえた。
「【聖呪具:シャットマジック】! 俺を食らって敵の魔法をぶち壊せ!」
パリン。
何かが割れるような音がした。
いや、そんな音がしたような錯覚をした。
突然、フレアの魔法が打ち消される。
敵に向かって走るフレアの姿が見える以上、接近戦に慣れている山賊の方が有利となる。
「そこか。クソ魔女がぁぁぁぁ」
「っち、よけられない」
そんな光景を見たブラスの頭に、何かが駆け巡った。
それは、遠い記憶。
過去に、山賊に襲われている時に、騎士に助けられた時の記憶。
そういえば、カッコいいきしに助けられたから……騎士になろうと思ったんだ。
いま、傷つけられそうな人がいる。
それはブラスを仲間だと言ってくれた人。
仲間が傷つくことをただ見るだけが、騎士のすることか! そう思った瞬間、体が勝手に動いていた。
山賊とフレアの間に、盾を構ええて割り込んだ。
カキン!
武器と盾がぶつかる音がした。
相手は、突然現れれ、攻撃を弾かれたことに動揺して、次の行動に出るタイミングが遅れた。
その隙を見逃すブラスではない。
「ブラス! これを使え!」
「ああ、ありがとう」
後ろにいたフレアから、ナイフを受け取る。
それを持ち、山賊を切りつけた。
魔女を殺すための組織、聖騎士の一員であるブラスが切ったのだ。
ナイフだとしても、強力な一撃だった。
山賊は崩れ落ちるように沈んでいった。
見張りを倒したフレアたちは、牢に閉じ込められている子供たちのいる方に向かった。
多少怪我をしているものの、全員が生きている。
こうして、フレアたちは無事に子供たちを見つけることができた。
目的地は山賊達が子供を閉じ込めている牢屋。
なぜそんなものを持っているのかは謎であるが、とにかく、そこに子供が閉じ込められているのは間違いない。
だが、山賊の広いアジトの中で、牢屋をピンポイントで探し当てるのは難しい。
その問題を解決する方法は、楓が出していた。
楓が言うには、カノンの嗅覚はとても鋭いらしい。
どうやって、調べたのかは謎であるが、最近カノンと仲のいい楓がいうのならと、全員が信じた。
いつ、どのタイミングで持ってきたのか分からないが、この作戦が始まる前に、とらわれている子供のものを楓がカノンに渡した。
「これの匂いを探してくれ。そこに、こどもたちが捉えられているはずだ」
「がう! がうがう」
「はは、そうか。カノン、子供たちはお前に任せた。俺とクレハが精一杯かき乱してくるからちゃんと助けろよ」
「がうがう!」
現状は、カノンが楓からもらった物の匂いを嗅ぎながら捜索している。
山賊のアジトが近くになっているため、バレないように慎重に行動する。
見張りはあまり多くないが、見つかったら仲間を呼ばれるのは間違いない。
もしかしたら、子供たちが危険な目に遭う可能性もある。
「がう、がうがう!」
「カノン。本当なの? フレアさん。大体の場所がわかったって!」
「わかった。いま楓に連絡する」
フレアは魔法技術により完成した通信機器で楓と連絡を取った。
これで、楓とクレハが場をかき乱してくれるはずだ。全員はその場で待機して、山賊たちが混乱するのを待った。
「敵襲だぁぁぁぁ 全員とっ捕まえろ! 相手はガキが二人だ。数で押せぇぇぇぇ」
「っち、女の方は魔女でやんす。非常に厄介なんだな」
「あの男は何なんだ。よくわからねぇ武器を使いやがって。もしかしてあいつも【オルタルクス】から武器をもらっているのか!」
山賊たちが慌ただしく動く。
どうやら楓とクレハが行動を開始したらしい。
騒ぎを合図に、子供たちを救出するために動き出した。
フレアは騒ぎの中、山賊が言っていたことが気になっていた。
「みんな、この事件は思ったよりも危ないかも知れない」
「それは……どういうことだ」
ブラスの疑問は当然のこと。
この事件は山賊が子供を誘拐する事件だ。
子供たちが傷つく以上に危ないことが予想できなかった。
しかし、フレアはしっかりと聞いていた。
山賊立ちの中で【オルタルクス】の名が出ていたことを。
【オルタルクス】は、カノンの親に聖呪痕をつけた組織だと考えているフレアは、今回の事件が思った以上にやばいと感じていた。
命を実験道具としかいていない組織と噂されるほどの集団が関わっている以上、クレハと楓に危険が及ぶ可能性が高くなった。
「【オルタルクス】が関わっている可能性がある。あいつらの聖具が関わっていた場合、クレハと楓が危険だ」
「そ、そんな。お兄さんとクレハ姉さんは大丈夫なの?」
「わからない。だから、急いで子供たちを救出して、楓とクレハのところに行く必要ができた」
「子供達が見つかったら……俺が安全を確保しながら連れて帰るよ」
「……済まないな。戦えないのをわかっているが、人手が足りない。無理をいってすまない」
「いや、フレアさんが謝る必要はないよ。楓にもいろいろ言われているが、悪いのは俺なんだよ。何にも、何にもわかってないんだ」
「そう言うな。今は、子供たちを助けることを考えよう。そんぐらいまではあいつらも無事だろう」
「ああ、楓ならクレハを守りきってくれる」
「ブラス。おまえは随分と楓を評価しているな」
「俺は、あいつならなんとかしてくれる。そんな気がするんだよ」
その気持ち、わかるような気がする。フレアはそう思った。
どんなに優れた技術を持っていたって、楓は人間だ。
間違いも起こすし、道を外れたりもする。
知らないことだって沢山ある。
それが当たり前だ。
カノンの親の時もそうだったが、楓は仲間のために精一杯尽くそうとしている。
そんな姿がクレハと一緒で微笑ましい。フレアは強く思っている。
そして、そんな楓だからこそ信用できる。
そして今回もブラスのために……
そう思うと、クレハをしっかりと守ってくれる、危険になってもどうにかしてくれる。
そう思ってしまうのは無理もない。
だが、長時間待たせるとそれだけ危険が高まってしまう。
楓とクレハのため、もっと早く子供たちを助けるため、アジトの中にある牢屋を探した。
カノンの嗅覚によって、子供たちが捉えられている牢屋を発見した。
子供達を捉えている牢屋の前には、三人の見張りがいる。
外では、楓とクレハが対応しているため、見張りはいないと思っていた。
だからこそ対応できると思っていた。
「……お、俺は」
「ブラス、おまえは戦わないでいい。あいつらは私がやる。ティオ。援護を頼む」
「わかった」
先手必勝。
先に気を失わせれば問題ない、そう思ったフレアは見張りの三人に向かって魔法を放つ。
「閃光よ。迸れ。【エクレール・フロウ】」
フレアの魔法によって生成された、無数の光弾が敵に向かっていく。
三人の山賊たちは、いきなりの攻撃に対応できず、倒せると思った。
「っち、敵襲か」
「おい、一人やられたぞ」
「この攻撃は、魔法。敵に魔女がいるぞ」
「【オルタルクス】の野郎がくれた情報道理だな。魔女を殺すぞ」
「ああ」
山賊を倒せたのは一人だけだった。
相手は、輝く何かを持っていた。
それは、禍々しく輝いており、フレア、ティオ、カノンは不気味に思った。
その道具をブラスは知っていた。
【オルタルクス】は教会の組織であり、聖具の開発などを行っているモノたちがいる。
そこで作られた道具は聖騎士たちが使用して、魔女を狩る。
聖騎士の時、【オルタルクス】からの支援として配っていた道具に非常によく似ていた。
その道具の名は【聖呪具:シャットマジック】。
魔法の効力を著しく低下させる聖具とは名ばかりの呪具だ。
あの道具には聖呪が埋め込まれており、それによって使用者が強化される、非常に厄介な武器だ。
「っち、これならどうだ。閃光よ。その光により敵を惑わせ【エクレール・ミラージュ】」
フレアが使用した、敵を、惑わすための魔法。
これにより、敵はフレアの位置を正確に把握する事ができなくなった。
フレアは魔女であり、冒険者。
近接戦闘はあまり得意ではないが、魔法でうまくダメージが与えられない以上、直接攻撃するしかないと思った。
「まず一人!」
フレアは敵に向かって距離を詰めた。
そして、ナイフを抜いて、敵を貫いた。
「グフ、一体どこから」
「それは、あなたの想像に任せるわ!」
フレアがナイフで敵の動きを止めた瞬間に、ティオが矢を放つ。
それにより、一人の山賊を倒した。
「あと一人!」
フレアは、まだ魔法による不意打ちの戦法でもうひとりを倒すため、敵に向かって走る。
しかし……
「目くらましの魔法か! 畜生。あんまり使いたくなかったんだが……」
フレアは、山賊がそういったように聞こえた。
「【聖呪具:シャットマジック】! 俺を食らって敵の魔法をぶち壊せ!」
パリン。
何かが割れるような音がした。
いや、そんな音がしたような錯覚をした。
突然、フレアの魔法が打ち消される。
敵に向かって走るフレアの姿が見える以上、接近戦に慣れている山賊の方が有利となる。
「そこか。クソ魔女がぁぁぁぁ」
「っち、よけられない」
そんな光景を見たブラスの頭に、何かが駆け巡った。
それは、遠い記憶。
過去に、山賊に襲われている時に、騎士に助けられた時の記憶。
そういえば、カッコいいきしに助けられたから……騎士になろうと思ったんだ。
いま、傷つけられそうな人がいる。
それはブラスを仲間だと言ってくれた人。
仲間が傷つくことをただ見るだけが、騎士のすることか! そう思った瞬間、体が勝手に動いていた。
山賊とフレアの間に、盾を構ええて割り込んだ。
カキン!
武器と盾がぶつかる音がした。
相手は、突然現れれ、攻撃を弾かれたことに動揺して、次の行動に出るタイミングが遅れた。
その隙を見逃すブラスではない。
「ブラス! これを使え!」
「ああ、ありがとう」
後ろにいたフレアから、ナイフを受け取る。
それを持ち、山賊を切りつけた。
魔女を殺すための組織、聖騎士の一員であるブラスが切ったのだ。
ナイフだとしても、強力な一撃だった。
山賊は崩れ落ちるように沈んでいった。
見張りを倒したフレアたちは、牢に閉じ込められている子供たちのいる方に向かった。
多少怪我をしているものの、全員が生きている。
こうして、フレアたちは無事に子供たちを見つけることができた。
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