家族に愛されすぎて困ってます!
22話 ハタとカズ(初の別視点)
「もう遅いし、今日はここまでにしましょう」
「はいよ」
「うぇ〜〜」
 亜紀斗は長時間ぶっ続けの勉強会で疲れたみたいだ。
「まさか、因数分解から分からないとは......」
 亜紀斗の脳は想像以上の皆無で、中学の時に習った因数分解すら曖昧だった。公式を覚えていなかったのだ。
「ほら、疲れてるんだったら早く帰って寝て方がいいぞ」
「そうだな」
「じゃまた」
「さよなら伊藤さん」
「あばよ」
 伊藤さんは素早く片付けを済ませ、教室を後にした。
「俺達も帰るぞ」
「おう!」
 ーー伊藤さん視点
 私の名前は伊藤 奏。16歳の高校1年生。一応、中間テストの成績は学年二位で、クラスの委員長も務めてます。趣味は読書と勉強、好きな教科は数学です。
 そんな勉強ばかりしている私にも、今ハマっているものがあります。
 それはーーゲームです!
 私の家系はとても厳しく、親が病院の院長をしていることもあって跡継ぎのため、勉強ばかりしていました。当然、ゲームは禁止。何一つ楽しみがありません。
 ですが、私は出会ったのです。スマートフォンから簡単にダンロード出来るアプリのバトルロワイヤルゲームと。
 私はこのゲームを初めてプレイした時、とても興奮したんです!ゲームってこんなに楽しいものなんだ!と。
 今日も家に帰って、そのゲームをします。なんと今日はアップデートが入りましたから。
「お母さん、ただいま」
「奏、お帰りなさい」
 リビングにいる母に挨拶した後、自室に行き、鞄を置いて、早速スマホを取り出します。
(あの人、やってるかな?)
 あの人とは、このゲームで知りあった人。つまり、ネットの友達です。
「あ。オンラインになってる」
 今日も一緒にゲームをします。この人とは、妙に親近感があって勝ち負け関係なく純粋にゲームを楽しめます。
 私のキャラクター設定は男です。何で?って聞かれると困りますが、ゲームの世界は自分と違う人が良かったからです。
??))今日もやろうぜ!
??))おう!
 ゲームをして、ご飯とお風呂を済ませ、またゲームをする。
 勉強から離れた一日を送るのは裕福だった。
ーー今日くらいは、勉強休んでもいいですよね。
 言い忘れてました。私のプレイヤー名はーー
ーー「カズ」。
 一部の内容を変更しました。
サバイバルゲーム→バトルロワイヤルゲーム
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