甘々イチゴと滑らかカスタード

mimi

0話「一の転落人生!?」古橋一ルート

目覚まし時計の音で起きる日常生活。
まだ少し寒いけど今日から新学期!
(今日のリボンは赤にしよう。)
茶髪の髪にシュルシュルと真っ赤なリボン。
今日のリボンの出来はイマイチ...
「いーちゃん。ご飯置いとくからおばさん先に行ってくるわね〜!」

「はーい!」
おばさんは正確には私のいとこにあたる人で私の通っている学校の保険の先生。って、時間がない!今朝の朝食はサンドウィッチとオニオンスープそれとイチゴ!美味しそう。
「いただきます。」
手を合わせ早速食べていく。おばさんの料理はどれも絶品!なのに結婚も彼氏も何も浮いた話がない。いそいそと食べて学校に行くいつもの日常。

「いーちゃんおはよ〜!」
外ではもう友達のみっちゃんが待っている。
「行ってきます。」
日課である両親の遺影に手を合わせ友達の方へ向かう。みっちゃんとは中学以来の親友で何をするにも一緒。
「文化祭の出し物どーする?みんなもう決めちゃってるみたい。」
「それってさ早いもん勝ちだよね。」
「だよ。今回はお化け屋敷なんてどう?」
「だね。みんなにメールしよ。」

学校に行くころにはみんなからの返事がきていた。満場一致とはいかないけど反対が少なくお化け屋敷となった。
「おはよ〜」
「おはー」
「おはようございます。」
右から順に圭ちゃんになかちゃん。高校での友達。
「いっちゃん。岡本先生から登校したら生徒『指導室に来い。』と言伝てを預かったのですが何か心当たりはありますか?急ぎ口調でしたので。」
「え!?私何もしてないよ!?やだなー。」
「とにかく早くいって来い。」
瞬時に教室を飛び出した。

日頃からクラスのリーダーポジであったのだが悪い輩とは接点がない。扉の前にたでたのだがこれから起こることが全く想像できない今、ドアの圧がとても重い。
「失礼しまーす。」
そこにはいつもヘラヘラ笑っていたあの岡本先生が立ち尽くしていた。

「古橋。落ち着いて聞いてくれ。楢崎先生、君のおばが死んだんだ。」
「え。どうゆーことですか、だって今朝まで元気だったのに、それなのに。」
「理解できないのかもしれないが。事故死だそうだ。今から病院に向かおう。」
微かに岡本先生の手は震えていた。

「学校には早退にして置いた。」
「ありがとうございます。」
「親戚の家に連絡は着くか?」
「一応。」
「それは良かった。」
なんだ。両親が亡くなった時は一晩中泣きじゃくっていたのに何もない。
「そろそろ着くぞ。」
薄暗い病棟を歩くと霊安室があった。

おばさんの顔に白い布が被さっている。
怪我こそないが辛そうな顔をした。おばさんだった。
「古橋のおばさんであっているか?」
先生が聞きにくそうに尋ねる。
「はい。おばです。」

その二日後にお通夜で私はクラスメイト、おばさんの友達、恩師、岡本先生の悲しそうな顔をみた。
「岡本先生。」
「古橋か。実はな樽崎先生と婚約していたんだ。籍は君が20歳になってから入れる予定だったんだが、こんなことになるとは。」
「そうですか。」
私はそれ以外何も言えなかった。
「君はこれからどうするんだい?」
「まだわかりません。」
「突然の事だからね。困ったことがあったらなんでも相談に乗るからな。大船に乗ったつもりでいろよ。」
最愛の人を失ったというのに私の身の上の心配をしてくれるとは。ありがと。

「一ちゃんどうすんのさ。」
「私嫌よ!そういうあんたはどうなの?」
「それは、、、」
「前にも話しただろ。あの子だけが引き取り手になったじゃないか。」
「他に居無いのか。」
はぁ。前にもあった。あの時はおばさんが引き取ってくれたんだっけ。
「ねぇ。」
「はにゃ?」

「一?」
「スミレちゃん?久しぶり。帰ってきてたんだね!」
「また厄介払いになってるの?」
「あははっみたいだね〜!」
「空元気だし。」
グサ。
「しょーないじゃん!」
「どーせ。行くとこないんでしょ。ウチ来ない?」
「なにそれ。」
「いい話があるんだけど、ウチーー。」

「ばーや。」
「スミレ。なんだい?」
「古い屋敷があるだろ。ボロいけど。」
「あるけど。それがどうかしたのかい?」
「私、一とあの家で住む。」
「え、スミレちゃん。それは流石に。」
「話を聞こうじゃないか。」
「私の株利益プラスクラウドファンディングで一とお店を経営する。それで、あの屋敷を私に売って欲しい。」
「確かにお前の投資としての才能には一役かっているだが、オーナーとはなかなか糸筋な話ではいかんぞ。それでもか?」
「はい。誰の迷惑もかけません。なのでお願いします。あの家を売って欲しい、売ってください。」

「その覚悟は本当かい?」
「私の株、今の時点で600万稼いでる。株以外にもバイトしてるし多少の変動には対処できる。」
「お前料理なに一つできないだろう。」
「一がいる。あとは人材見つけて雇う。いくつか目星は出来ている。」
「そうか、よかろう。ならばせっかくの孫の独り立ちだ。金、とは言わんがお前に一つばかり投資をしよう。土地、屋敷は祝いだ。好きに使いな。」
「ばーや、」
「私も先は長くない。ちょっとぐらい試してみたいんだよ。頑張れよ。」
「ありがとうございます。ばーや。」

「スミレちゃん。ありがと。」
「ここが屋敷の地図。2週間後に引っ越して来て学校は転校してもらう。」
「そんな急に!?」
「了承したのはあんたじゃん。さっきの結構修羅場だったんだけど。」
「ごめんなさいわかりました。っとそれにしても未成年だから名義組む人はいないんじゃない?スミレちゃん私と年同じだよね。」
「それならパパにお願いする。私にめちゃ甘だもの。」
「あはは。」
転落人生の大どんでん返し?になった私は挙げ句の果てにお店の経営の手伝いを課せられた。これから先何があるのかわからないけどこの道しかないから進まなきゃ!

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