幸せと悲しみ

今日は結婚式だ。ユウトとスリーティアは少し緊張しながら、会場となる教会へと足を向けた。そして、それぞれ個室へ通され、制服と、ドレスに着替えた。そして、式が始まった。ユウトは先に入場し、花嫁の入場を待っていた。すると、

「花嫁の入場です！」

と司会から放送が入った。
扉が開いた。そして、そこには白をベースとした、とても綺麗としか表せないようなドレスを完全に着こなし、顔を真っ赤にして、リーシアさんと入場してくるスリーティアの姿があった。
ユウトは、式だということを忘れて目取れてしまっていた。そして、式は段々と進んでいき、誓いのキスなども済ませ、最後に

「君を最後まで幸せにする」

とユウトがスリーティアに伝え、無事に式は終了した。


2年後

2人は、幸せで充実した生活を送っていた。そして、2人の間には女の子が産まれ、名前はサーシアと名付けられた。
スリーティアは、このまま幸せな日々が続けば良いなと思っていたが、ある日、突然ユウトが血を吐いて倒れてしまった。ユウトは診療所へ運ばれて、検査を受けた。その間サーシアをリーシアに預けスリーティアは診療所にいた。

「結核ですね。」

と医師から告げられた。

「えっ？」

リーシアは固まってしまった。
この頃、医療技術があまり発展しておらず、結核や、コレラなどは不治の病と言われていた。

「回復魔法などを使って、持って10年でしょうか。何もしなかったら、１年から２年です。」

医師から淡々と告げられる。
そして、スリーティアはユウトが眠っている病室へと入った。そこには、すでに目を覚ましているユウトがいた。

「先生はなんだって？」

ユウトが尋ねると、スリーティアは

「け、結核、だそうです。」

泣きそうな声で告げた。すると

「ごめんね」

ユウトが突然謝り始めた。それに対して、スリーティアは泣きながらユウトに抱きつき、

「なんで、なんでなんですか！？ずっと、ずっと一緒だって言ったじゃないですか！まだあと最低でも60年は一緒にいれるって…そうやって言ってくれたじゃないですか！？なんで…なんで…」

「ごめんね、ごめんね」

ユウトは謝ることしかできなかった。決してユウトが悪い訳ではない。しかし、ユウトはずっとスリーティアに謝り続けた。