異種深愛物語

友達から…

何だかんだであれから3日。
2人は色々と話した。ユウトの先祖が人々から嫌われ、人里を追放されたこと、両親のことも。スリーティアも自分のことや、両親、祖父母のこと、そして、エルフの里について話したり、2人で談笑を楽しんでた。
すると、スリーティアが、

「その、貴方となら友達になれそうな気がします。私のことは、これからティアと呼んでください!」

ニコ

「あぁ、わかった。」

ユウトはそう返すのが精一杯だった。

「そろそろ帰らないと心配してますね。」

「そうだな、もう帰った方が良いかもな、」

「あの、本当に助けていただいてありがとうございました!」

ティアはそう言いながら、帰って行った。
それから、数日後。

コンコン

とユウトの家のドアを、ノックする音がした。

ガチャ

ユウトがドアを開けると

「こんにちは!来てしまいました!」

と笑顔でユウトに挨拶する、ティアの姿があった。

「どうした?」

とユウトが尋ねると、

「この間のお礼をと思いまして。」

「クッキーを焼いて来ました。食べてください!」

そう言いながらティアは、手に持っていたバスケットをユウトに渡した。
ユウトは受け取りながら、

「ありがとう。それより、上がりな。」

そう言いながら、家の中へ促す。

「お邪魔しまーす。」

そう言いながら、2人で家の中でまた談笑を始めた。
そして、日が傾き始め、

「そろそろ帰ります。また来ます!」

そう言いながら、帰って行った。
帰り道、ティアは

(これが恋でしょうか?きっとそうです!ずっと一緒に居たいと思えるのですから。)

そう思いながら、里についた。
そして、ティアは1つの決心をした。

「ただいま戻りました」

「お帰り、ティア。ご飯できてるわよ?」

と、とても優しそうな笑顔でティアに言葉を掛けたのは、ティアの母である。

「あの、お母さん。話があるのですが、よろしいですか?」

と、ティアは母に切り出す。

「どうしたの?急に改まって。」

「その…私…人間の男の人に…恋をしてしまいました!」

と、顔を真っ赤にして自分の母に告白する。
すると、

「あんた!バカじゃないの!?人間になんて恋をするんじゃないよ!」

と、初めてティアに怒鳴りつけた。
ティアも初めてみる母の反応に、最初は驚いていたが、真剣に

「この間、オークから助けてくれた人です。その人は、とても優しく、話してると笑顔になってしまい、そして、ずっと一緒に居たいと思ってしまう人です!私は、諦めません!お母さんが認めてくれなくても、駆け落ちをする覚悟であの人に告白します!」

「本当に、その人は信用できる人なのね?」

「はい。」

「その人は、貴女のことどう思っているの?」

「それは…分かりません。だから明日告白しようと思って、お母さんに打ち明けました。」

「わかったわ。私に、貴女の恋愛を妨害する権利なんて無いからね。一度好きにしてみなさい。」

そう言いながら、ご飯の支度を再開した。

「ありがとうございます!」

そして、次の日。

コンコン

とユウトの家のドアを、ノックする音が聞こえた。

「どうした?」

ユウトは、俯いているティアに問いかけた。すると、ティアは顔を真っ赤にしながら、

「あの!…その…す、好きです!貴方に恋をしてしまいました!良ければ…私と…お付き合いしてください!」

ユウトは唖然といた。
その反応を見て、ティアが、

「その…ダメですか?」

と問いかけて来た。ユウトは我に返り、

「俺も、ティアが好きだ。でも、人間とエルフは寿命が圧倒的に違う。俺は君を最後まで幸せにすることが出来ない。」

実を言うと、ティアはユウトと同い年だったのだ。

「そんなの、どうでも良いです!私は、貴方と一緒に居られるだけで幸せなんですから。」

そう言いながら、ティアは笑った。その顔を見てユウトが、

「僕で良かったら是非。」

と返したのである。ここから、2人のラブストーリーが始まる。


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