男の娘、転生してもやっぱり自分を貫く

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14話 オルド君…それって重罪じゃ……?

え!?
これって………。

目の前の城壁には縦横50cmもの穴が開いていて、その奥から暗い小屋の中に木漏れ日の様に光が射し込んできている。

「ちょっ!ちょっと!あ、あんた、まさか城壁に穴開けたじゃないでしょうね!!」

カナリアちゃんは掴みかかるような勢いでオルド君に詰め寄る。
ノンナちゃんは驚きのあまり、さっきから壊れたレコーダーの様に「ハワハワハワハワ」とずっと口にしている。
二人の驚きもその筈で、大きな都市にとって城壁というのは都市に入ってくる犯罪者や、魔物等の侵入を防ぐ超重要な施設、不用意に傷付けようものなら牢屋に入れられるし、悪質であれば犯罪者奴隷として鉱山送りにされることもあるほどの重罪なのだ。
私も二人の例に漏れず、驚きを隠しきれていない。

「お、落ち着けってカナリア。大丈夫だよこの穴は俺がここに来たときにはもう空いてたんだよ。」

その言葉を聞きなんとか平静さを取り戻した私とノンナちゃんとカナリアちゃん。
因みにアリアちゃんは最初から最後まで、そんなことは何処吹く風とばかりにおやつに持ってきていたクッキーを口に運んでいた。
ある意味尊敬する。

「バカオルドがやったんじゃなくて良かった~。………でも穴が開いてるのは確かだし、早く街の衛兵に伝えないと!」

そうだ!
速く衛兵さんに伝えないた方がいい!

「おいおいせっかくの外に出る方法を何もせずに衛兵に話したんじゃ勿体ないだろ?見つけた褒美として少し使ってから伝えても問題無いじゃん!街側は小屋があるし、外は草で隠してるから誰かに見つかることも無いだろうしな。」

オルド君の言葉を聞きカナリアちゃんが拳に顎を乗せて思案顔をする。
数秒間その体勢をしたのちに、ニヤリと悪そうな笑みを浮かべる。
嫌な予感が………。

「………そうね。私達はあくまでも城壁の穴を発見しただけ。衛兵に正確な事を教えるために、穴の向こうを確認するのは何ら不思議じゃないよね?」

「ええぇ!おこられるよ。止めようよ。」

「大丈夫よノンナ。ちょっと見て戻って来るだけだし。」

「………それなら良いけど………。」

強気なカナリアちゃんにノンナちゃんも陥落。
私的にも外は見てみたいし反対はしないけど。

「よぉーし!それじゃ意見も纏まったし行こうぜー!」

オルド君を先頭にして城壁の穴を四つん這いでくぐる。

「あーもう!草が邪魔くさい!」

オルド君が穴を隠すために設置していた草の葉を退かして、城壁の外側に出る。
それに続いて私達も街の外に出た。

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