クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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271話 受付嬢さん

「ダンジョンがいつからあるかですか………?そんな情報いります?」

確かにこれは探索には関係ないか………。
だが、知りたい。

「お願いします。その情報が欲しいんです。」

「………はぁ、えっと資料によるとあそこに魔物が生息しているダンジョンがあると言うのを冒険者ギルドが確認したのは150年前。…………ですが、それよりも100年ほど昔からあそこには謎の遺跡があったと近くの村人達は言っていたようですね。……………それが、あるときから魔物が遺跡より溢れ出るようになり冒険者ギルドに助けを求めてきたそうです。」

「なるほど…………。」

「………この話がなんの役に立って言うんです?」

受付嬢が訝しむような表情でこちらに確認をする。

「いえ………大変為になりました。」

これで分かったのはおそらくケヘランダンジョンはそんなに昔からあった遺跡ではないと言うこと………。
だった数百年昔にそんな古代文明のようなものがあったとして、この度半年近い冒険の中にその痕跡が無いなんてあり得ないだろう。それなら未来地球説は限りなく薄い。
てか、実際ヒスイにしろレヴィアタンにしろ、この世界……長命種族は多いみたいだし、少し前まで技術に優れた古代文明があったってのはあり得ないか。そんな昔から生きている知的生命体が今も生きている以上、そうそう技術が失われることない。
もしかしたらずっと昔から遺跡はあって最近発見された説も微レ存だけど。

その後、魔物の情報等を確認する。
メイド人形は銃以外にも剣・盾・斧・槍・あとは銃剣?のようなものもある。
レーザー銃は無いっぽい。良かった。

「こんなところですかね。説明するような話は。」

「ありがとうございます。」

「はぁ、ここまで説明させるわけだし、どうせ行くんでしょうけど、せいぜい死なないように気を付けることね。」

思い返してみればこの受付嬢、ケヘランダンジョンについてダンジョンがいつからあるのか?と言う質問は資料を見るまでもなくペラペラ話してたし、この人結構優秀かもな。

「そんな仕事できる人ならもっとめんどくさがらず、対応すれば良いのに…………。」

「一体なんのつもりですか?」

「すいません。私も正直なところ何の知識もない人間が、面倒がってるだけかと思ってましたけど……勉強されてるんですね。 」

エミリアさんも謝罪を口にしている。

「止めてください!………はぁ、私もちょっとイラついてて変な対応しちゃってたわ。申し訳なかったです。」

おお!
受付嬢さんも謝罪をしてきた!
最初は感じ悪いだけかと思ってたけど、本当はいい人だったのかも。

「何かあったんですか?」

「…………聞いてくれますかぁ?あのですね。ここの受付嬢はそもそもSランク以上受付、Bランク以上受付、Cランク以下受付の3つのクラスに分けられてるんですよ。当然クラスが上になればなるほど給金も上がるわけですよ。そしてクエスト受付で担当した冒険者のクエスト達成率で、階級が決まってくるわけですよ。」

なるほど。

「ですけど、ここの相談所はそもそも担当なんてないし、懇切丁寧に説明したらクエスト受付窓口の担当者の功績になるわ。クエスト失敗して死ねば、うちら相談所が真面目に教えてなかったのが悪いとか言ってくるわ。たまったものじゃないですよ。ここの相談所担当がより上のクラスの受付嬢になろうと思ったら余程凄い冒険者からの支持とか、冒険者ギルドが募集してるお世話になった受付嬢についての情報とかに冒険者の人達が積極的に参加してくれないとダメなんですよ。なのに私がここの受付に異動になってから、ここに来るやつはどいつもこいつも適当に資料読んで、はいさよなら!………その分厚い資料を一瞬で理解できるわけないでしょうが!!要点を聞いて来なさいよ!って感じですよ。こっちが何日かけてその内容覚えてると思ってるんでしょう?…………それで案の定失敗する。こっちがわざわざ詳しく説明しても煙たがるだけでまともに聞かない。」

お、おお……う。
爆発してるな。
エミリアさんも案外急にストレス吹き出すし、この二人似てるかも。

「特にこの時期は腕試しだー!とかで、そこら中から自信過剰な連中が集まってきて大した知識も無しにダンジョンだの、森だのに入って大怪我するし、その度にうちのせいにされて堪ったもんじゃないですよ。」

「普通のクエスト受付窓口には戻れないんですか?」

この人がここの相談所に異動になったってことは反対に誰かが、クエスト受付窓口に異動になったってことだよな?

「戻れるわけないじゃないですか。ここに来たらもう出世も、給金アップも無理、めんどくさい冒険者に絡まれるバッカリでみんな直ぐ止めちゃうし、どう足掻いてもクエスト受付窓口の人達に評価で勝てないんだもん。三人交代交代の常駐二人でBランク以上の相談所廻してるけど、三ヶ月で4回メンツが変わったわ。もうあたし達はおしまいなの。」

なるほど、ここは左遷職場みたいなもので、ここに来たら皆辞めてくのね。

「そもそも何でここに来たんですか?お姉さん結構優秀そうなのに。」 

「お世辞は止めてください。…………まぁ、私自身他よりはマシだと思いますけどね。あの娘ら冒険者が不釣り合いなクエストを受けに来ても、アドバイスしても冒険者が文句言って来るって、面倒さがって放置して。死んだら相談所のせいに…………。私はそれが嫌で冒険者達に積極的にアドバイスしたら、嫌われて専属の冒険者も居なくなって気付いたら相談所送り………。」

なるほど…………。
必死に頑張ってたのに、冒険者達に嫌われて、相談所送りになってやさぐれてたわけか。


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コメント

  • ELS GILBERT

    すいません。表紙ってどうやって張れるんですか?

    1
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