クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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259話 樹精霊

「それで秘密ってのはこの………精遺物に関係があるのか?この精遺物……樹属性に関係ありそうだが、樹属性でここまでの力を持つ精霊なんて心当たりも無いんだがな。」

「いや…………、その精遺物……うちのヒスイのやつなんですよね。」

「はぁ?………てことはなにか?そのヒスイって女の子は精霊ということか?」

「うそ………ですよね?………因みに……何の精霊なんです?」

「私は世界樹の精霊よ。固有精霊の一種らしいわね。」

………………。
二人の顔がポカーンとした表情になって色んな事を考えているように見える。

「精霊学にはくわしくないですが、さっきの強さを見る限り、精霊王級の強さ……、余程の信仰や感情を吸ってない限りそこまで強くなれないはず、………しかし、世界樹なんて聞いたことない。」

「それはどうでもいいことだろう?問題はこいつが沢山あれば聖剣を作れるってことだ。わざわざ正体を明かしてくれたってことは嬢ちゃんコイツを作れるのか?この精遺物を………。」

「う~ん。1日十時間で20個が限界ね。世界樹のある島でなら何個でも余裕だけど、ここではそれが限界。」

「おいおい、精遺物は精霊の肉体の一部だって聞くぞ?そんなに沢山大丈夫なのか?」

「他の精霊がどうなのかは知らないけど、植物の特性の1つは成長と再生。この世界樹の材木を作ってる間は力が弱体化するけど、作らなくなったら数日で力を取り戻せるわ。」

「1日20本…………行けるな。というか挑戦したい!しかも精霊本人が居るなら真聖剣すら作れる。」

「何ですか真聖剣って?」

今度は僕だけじゃなくサバウさんやリリアも頭に疑問符を浮かべる。
そんな中エミリアさんが話を引き継ぐように語る。

「確かに精霊の加護を受けた真の聖剣の姿と聞き及んでいます。三百年前の勇者様も光の精霊王から授けられた精遺物を錬成し、聖剣に鍛え、それに更に光の精霊王の加護を受けたことで真の力を発揮したとか?」

エミリアさんはガイドミル王家の第2王女(元)だからな。
その辺のことは詳しいのか。

「あぁ、………詳しいな。俺もそこまでは知らなかった。………ともかくヒスイ嬢ちゃんの協力があれば、今までで最強の逸品を作れるかもしれない。」

「完成までどのくらい掛かりそうですか?」

「分からん。俺も初めての挑戦だしな。最低でも1ヶ月、長くて数年は掛かるかもな。」

なるほど………取り敢えず暫定1ヶ月と考えておきあんまりにも長くなりそうなら代案を考えるとするか。

「あと、武器の件は了承したが、アクセサリーについては多少勉強したが詳しくは門外漢だ。だが、弟子の一人に一流の装飾職人で、鍛治も学びに来たってやつがいる。奴に任せるといい。装飾の腕ならこの国で五本には入るはずだ。…………俺は一刻も早くこの精遺物の特性を研究したい。取り敢えずは癖が少なくて、様々な素材と相性が良い鉄と混ぜる。ヒスイ嬢ちゃんは借りるぞ。」

「えぇ~~ここ暑いんだけど………。」

「ヒスイ頼んだ。」

「うへぇ~~仕方ないわねぇ~」

必要な犠牲だ。
ヒスイ……お前の勇姿は忘れない…………一時間くらいは……………。

「あと、リリアっていったっけ?あんたはそこにあるの持ってきな。」

フレウラさんが指差したのは巨大な剣。

「アゼリアってS級の嬢ちゃんがうちの剣を愛用してるらしいから試しに作ったんだが、テスト品でね。…………さっきの魔法エンチャントを多少使っても直ぐにボロにはならないはずだが、大切に使え。」

書斎の入り口にめちゃくちゃなサイズの大剣がある。
リリアはどう考えても100kg以上あるであろう大剣を片手で持ち割り箸を降るかのように振り回す。

「しっくり来る重さです。ありがとうございます。」

リリア…………君は孫悟空(西遊記)か何かか?

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