クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

238話 対人


「[エアバーン]!」

「[ファイヤーウォール]!」

さっきから人拐い達は僕らを分断するように攻撃を仕掛けてきて、炎の壁で分断されてしまった。
ニキスならこんな魔法位無視して無理矢理合流出来るだろうけど、向こうも心配だしなぁ。
相手のレベルを確認してみると平均30程度はあった。
リーダー格のおとこのレベルは51、スキルは目立って優秀そうなものはないが、剣術等の武器の基礎系スキルや、トラップ関係等多彩だ。
下手に人間が多いと相手の戦術に翻弄されるはめになるかもな。

「ニキスこっちは任せてくれ。」

炎の壁の向こうにいるであろうニキスに声をかけた。

「分かりましたマスター。ですがあの男、攻撃スタイルが読めません。特に麻痺効果の付いた魔剣はガードしても貫通して効果を与えてきます。気を付けてください。」

ニキスと会話をしていると、後ろから殺気の様なものを感じとっさに避ける。
後ろを振り向くと今の今までいたところにナイフが飛んでいっていた。
今躱してなかったら刺さってたかも。

「今のをあの段階で躱すとは、あの腕力も含めると……………猫人もヤバかったがお前も中々ヤバそうだな。」

相手は人拐い裏組織の人間、恐らくは対人戦のスペシャリスト、絶対に油断は出来ないということか。
因みにあの腕力もというのは僕が開幕先制でそこら辺の5m位の岩を拳で粉々に砕いた件のことだろう。
リリアさんがやったみたいに相手がビビって投降してくれたらよかったんだけど、このリーダーっぽいが「投降してら粛清されるかもしれねぇぞ!?それなら俺らの力を信じて戦うしかねぇ。安心しろ俺らなら勝てる。」と言って落ち着かせた。
どうも人拐い達の中では信頼が置かれている人物らしい。

「悪ぃがさっさと決めさせてもらう。」

速い!
一瞬で間合いを詰めてきて拳で殴りかかってきた。
速いが対応できないほどじゃない。
ニキスの忠告通り躱す。
相手にカウンターをしようと体に力を入れる。

「!?」

躱したはずなのに体が!?

「ふっ!戦い中の正直者は痛い目見るぜ!」

相手の男が中サイズの剣で斬りかかってくる。
まずい!
痺れた体を無理矢理動かし体を捻った。

「っ!」

なんとか無理矢理体を捻ったお陰で臓器を傷付けられることは無かったが変わりに腕をざっくり斬りつけられた。
メッチャクチャ痛い。
その様子を見てか、目の前の男がニヤニヤした表情で話し掛けてきた。

「………予定通りとはいかなかったが、その腕もう使えまい?」

「……そいつはどうだろうな?」

<[状態異常妄想(再生レベル3)]>

再生レベル3によって、出血は止まり、一瞬でとは言わないものの目に見えてで分かる速度再生する。
運良く体を捻れたからこそ、まだまともに戦えるけど、一歩間違えば死んでた。

「ちっ!なんだそりゃ![スラッシュ]!」

相手の男は未だ僕の体が痺れているのかと思ったのか全力で斬り込んでくる。
これはチャンスだ。

「[鉄装擊][波擊]!」

相手の攻撃を引き付けてから無防備な体に結構な威力で攻撃をかました。

「グボッッ!!?」

3,4m程ぶっ飛んでいっていた。
うーん?もう少し吹っ飛ぶかと思っていたんだけど………思ったほど飛びなかったな?
血を吐きながら相手の男が立ち上がる。

「………てめえ…………化けもんか…その威力、それにその回復力。腹にこれ入れてて運が良かったぜ。」

服の中から幾つかの武器が転がり落ちてきた。
多くの武器は変形してしまっている。
どうやらさっきの一撃はこれのせいで威力吸収されたらしい。
それにもし、[鉄装擊]を発動してなければ今頃手が血塗れだっただろう。
恐らくそれが狙いでそこに入れてたんだろうな。

「マスター。こちらは終わりました。」

「なっ!」

「おっ、さすがニキス。」

さっきから少し視線を向けていたが、エミリアさんは相手の足を凍らせて行動不可能にしてた。他の人達もかなり個人の戦闘スタイルを生かした戦闘をしていた。そしてニキスは全体を見ながら相手の魔法を影魔法で弾いて相殺していた。

「どうやら決着は付いたと思うけど?投降したらどうだ?命までは奪うつもりない。」

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