クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!
162話 奪還
「まあいいや、取り敢えず手遅れにならないうちに助けにいくよ。終わったあと良い返事を聞けたら良いんだけどね。」
さて、助けることは決まったがどうするか………。
相手は空を飛ぶ魔物、僕の[エアロダッシュ]じゃあとても追い付けそうにない速度だ。
となれば、アイツが巣に帰る所を狙うとかするのが良いんだろうが、巣に帰る前に子竜の命を奪う可能性は十分に考えられる。
地上を走って追い掛けるなら恐らく僕の速度の方が早いと思うけど、森を通るせいで翼竜を見失う可能性が高い。
………もしも助けるなんて言っといて、失敗でもしようものなら…………まあ………考えないことにしとくか。
なんとか飛んでいる翼竜に追い付く方法はないものだろうか?
僕が頭を悩ませているとリリアが声を掛けてくる。
「美月様、あの鳥?に追い付く方法を考えているのですよね?」
「あぁ。何か良い方法は無いものか………。」
「私の樹魔法は速度が遅いし捕まえれそうにないわ。」
「ニキスの[影転移]なら追い付く事自体は可能だと思うのですが、あれはニキスしか移動できませんし、ニキスだけでは空を飛ぶ魔物に攻撃は出来ないです。すいませんマスター。お役にたてなくて………」
ヒスイとニキスがそれぞれの意見を言うが残念なことに役立ちそうにない………。
「美月様!………私に一つ案があるのですが……。」
なんだ?
リリアが自信無さそうに提案してくる。
「どんな方法なの?言ってみてよ?」
「はい。まず①に私が剣の刃を横にしてを思いっきり振ります。②美月様がタイミングを見合わせてその刃の上に飛び乗り、振り抜くタイミングに合わせてジャンプします。③加速した状態のまま[エアロダッシュ]を使用してもらい翼竜に追い付く。と言う方法なんですが…………。」
なかなか豪快な方法だなぁ。
だけど面白そうだ。
それに勝算もそこそこ高そうな気がする。
「よし、それでいこう。そうと決まれば急ごう。」
早速、僕の筋力値と敏捷値を状態異常妄想で三倍まで強化する。
「では美月様行きますよ。3…2…1…ッ!」
リリアは3…2…で剣を振りかぶり、1で溜め、0で振り抜く。
僕はジャンプをして0になる瞬間にリリアの剣に着地する。
重!
ちょっとでも力を抜くと体感がぶれて変な方向に飛びそうだ!
なんとか体勢を整えリリアが振り抜く瞬間に僕も剣を踏み込む。
強化された僕の脚力+リリアの剣を振り抜く力はとてつもない威力を発揮した。
ほんの数秒で翼竜との間の距離を半分程に縮め、地上200~300m位の高さまできた。
加速感はなくなり、徐々にスピードが落ちているが[エアロダッシュ]を使うことでその速度をなるべく持続させる!
翼竜がかなり近い。
[高位鑑定]を発動させる。
翼竜のレベルは106、名前はウィンドワイバーンと言うらしい。
この島に来てレベル100以上の魔物と出会うのは7回目。
かなり強い魔物だろうけどレディアに比べたら大したことない。
一方レディアの子である子竜はレベル24.
あのレディアの子だけあって、ステータスはかなりのものだが、さすがにこの高さから落ちれば死にかねない。
「キギャー!?ギギィ!!」
ウィンドワイバーンが僕に気付いて進行方向を変えようとするがもう遅い。
<[鉄装撃]、[風撃]>
ウィンドワイバーンは僕の一撃を喰らい子竜を離す。
すかさず子竜を奪う。
コメント
ペンギン
さすが、美月...w