シロトクロ

むぎ

第9話 強敵

キグナス「さあ、キミたちはシロなのー?クロなのー?」
ユウ「なんだよ、そのシロとかクロとかって」
ギン「そういえば説明してなかったか」

そういうとギンは手短に説明を始める。

創造主の元に集いし白聖シロの一族、通称『シロ』

破壊神の元に集いし黒闇クロの鬼、通称『クロ』

相対する2つの勢力が存在すると。

ユウ「なるほど、だとしたら俺達は…」
ギン「そうだ…」
ユウ&ギン「シロだ!」

キグナス「はぁ……」
キグナスは大きなため息をついた後

キグナス「残念だキミたちとはマブダチになれると思ったんだけど……」

ギン「ってことはお前……!」

キグナス「そういうこと…クロさ…」

ユウ「クロ……敵って事か…?」
キグナス「そういう事に…なるねぇー!」
ユウ「!!」
ギン「こいつ!!」

キグナス「へぇー。避けたかー。さすがだねぇー。」

ユウ「くっ…戦うしかないのか…」
ギン「仕方ねぇ!クロである以上、ヤツらは俺達を破壊してくる!」

キグナス「安心しなー。楽に壊してやるよー。」

シュンッ
ユウとギンは距離を取ることにした!

ギン「ヤツの能力が何か分からないうちは無闇に近付かねー方がいい!」
ユウ「くっ!遠距離攻撃で攻めるしかないか…」

キグナス「距離を取っても無駄だよー。」

そう言うとキグナスは右手をゆっくりと大きく振り上げた。

ギン「何か仕掛けてくるぞ!」

ビュンッ!!

ユウ「!!」
間一髪避けるユウ

ユウ「なんだ今の!?」
キグナス「ほら、どんどんいくよー!」

ビュンッビュンッ!

ギン「特に腕を素早く動かしてるわけじゃねーのに!なんだこのスピード!!」

ユウ「くそっ!疾風弾しっぷうだんッ!!」
キグナス「撃ち落とすつもりかー。無駄だよー。」

スパッ!
キグナスの撃ち出す「何か」は疾風弾しっぷうだんを切り裂きユウに向かってくる!

ユウ「な、なに!!」
ギン「ユウ!!!」

キグナス「ほらね?無駄だったでしょー?」
ユウ「無駄じゃ……ねーよ…」
ギン「大丈夫か!ユウ!」

ユウ「作戦通りだ……ちと、危なかったがな…!」

そう言うユウの指先は何かを掴んでいた。
そう!
キグナスが撃ち出すその「何か」をしっかりと掴んでいたのだ。

キグナス「さ、作戦通りー!?」
ユウ「一か八かの賭けだったがな…」
ギン「そういうことか!」

疾風弾しっぷうだんで、「何か」を狙い撃ち当たった時の現象を確認する。
そして、スピードを多少落としてやる事によりしっかりと掴み正体を確認する。

これがあの短時間でユウが考えついた作戦だった!

ユウ「まさか、羽だったとはな!」
ギン「キグナスの名は伊達じゃなかったって事かよ」

キグナス「さすがだねぇー。だが、分かったところでキミたちは勝てないよぉー。」

ユウ「能力が分かればこっちのもんだ!」
キグナス「甘いよぉー。羽刃多切はばたきッ!」

無数の羽がユウに向かって飛んでいく!
さっきのそれとは比べ物にならないスピードだ!

ユウ「早いッ!でも、この程度なら!」

シュンッ!!

ユウ「疾風しっぷう……」
キグナス「避けて良かったのかなー?」
ユウ「!!」

無数の羽は向かっていく。
レンの元に!

ギン「こいつ!ユウが避けると分かっていてあいつのいるこの直線上に撃ち込みやがった!!」

ユウ「レン!!くそっ!間に合えっ!!」
ギン「あいつに俺の姿が見えなくても盾になるくらいはできる!!」
シュンッ……

ユウ「な、なんだこれ……体が……動かない……!!」
ギン「ど…どうなってる…!!」
キグナス「止羽トメハネ

キグナスの撃ち込む羽がユウとギンの影を捕らえたのだった。

ユウ「レン!!!危ない!!逃げろ!!!」

レン「危ないって、何のこ……」

ズドドドドッ!

レン「と……」

羽がレンを無情にも撃ち抜いた。

ユウ「レンーーーー!!!!!」
キグナス「キミが避けなければ守れたのにねー。」
ユウ「貴様ァァァ!!!!」

キグナス「刃羽貫ババヌキ…」

ドスッ!!

ユウ「ゆ…ゆる……さ…」
ギン「ユウーーーーッ!!」

キグナス「あとはキミを始末してジ・エンドだよー。」



つづく………

コメント

コメントを書く

「冒険」の人気作品

書籍化作品