シロトクロ

むぎ

第1話 運命の歯車

F県A市門之町門之町かどのちょう
平穏な静かな町である。

キーンコーンカーンコーン
下校のチャイムが鳴る。

生徒達「さよならー!」
先生「気を付けて帰れよー!」
生徒A「ふぁーー。ねみぃ。」
生徒B「ユウ…お前今日ほとんど寝てただろうが……」
先生「立野たての!お前昨日また夜更かししたのか!?」
ユウ「ワ、ワールドカップが……」
生徒B「お前、サッカー興味ねーだろ(笑)」
ユウ「ばか!うるせーよ!」
先生「はぁ……学校は昼寝をするところじゃないんだからな…しっかり…」
ユウ「さ、さよならー!先生!」
生徒B「ま、まてよ!ユウ!」

立野たてのユウ
勉強もスポーツもそつなくこなすがやる気がない。
女子からの人気もそこそこである。


生徒B「はぁ…はぁ…やっと追いついた……」
ユウ「レン…お前あそこはワールドカップって事にしとけよな…」
レン「わりぃわりぃ…あいつサッカー部の顧問だったな…はぁ…はぁ…」

久能くの レン
ユウ程ではないがスポーツ万能。
元体操部なので身のこなしは軽い。
バカである。

レン「ヘックション!あぁー……」
ユウ「おい、汚ねぇな(笑)」
レン「どっかで可愛い女子が俺を噂してんなぁ〜??」
ユウ「どうせ、バカって噂してんだろうよ(笑)」
レン「てめぇー(笑)」

ゴゴゴゴゴゴゴ………

ユウ「!?な、なんだ!?」
レン「地鳴りか?」
ユウ「地鳴り!?こんな音すんの!?」
レン「し、しらねーよ!!」

シーン………
音が収まる。


レン「おい、ユウ…相当凄い音だったよな?今の」
ユウ「凄いなんてもんじゃねーだろ!」
レン「ならよ……何で俺ら2人以外平然とした顔してんだ……」

辺りを見渡すと焦っているのは2人だけ。
他の人にはまるでその音が聞こえていないようだった。
なので、急に2人が慌てふためく姿を見て顔を合わせまいと、完全に不審者だと思われてしまった。

ユウ「これじゃあ、完全に俺達がやべえヤツらみてーだ」
レン「場所変えんぞ!」

2人はこの先にある空き地へと走り出した。


ユウ「はぁ…ここなら…」
レン「落ち着いて…話せるな…はぁ…はぁ…」

いつもの空き地の前に到着し、ここでゆっくりと話そうと2人は考えていた。
つい先程までは……

ユウ「え…」
レン「な、なんだよこれ……」

昨日、いや朝まではたしかにそこにあった空き地。
たしかにそこにあったのだ。
だが、今2人の目の前に広がる空き地だったもの。
そこには大きな穴のような空間が広がっていたのだ。

ユウ「ち、ちょっと待て…なんだよこの穴…」
レン「さっきの音と関係してんのか!?」
生徒C「おーい!レ〜ン!ユ〜ウ!」

1人の生徒が2人に向かって走ってきた時であった!

ゴゴゴゴゴゴゴ………
ゴゴゴゴゴ…

ユウ「!?」
レン「まただ!!」


…………だ
や………み…………ぞ

ユウ「な、なんだよ…」
レン「や、やべぇって!早くここから…」

その時、目の前に広がる空間が光を放った


ユウ「やべぇ、体が…」
レン「う、うごかねぇっ……!」
生徒C「お前らー!!ここ来るなら声かけろよー!」

1人の生徒が走りながら叫ぶ

ユウ「だめだ!!来るな!」
生徒C「なんだよそれ!てか、ここまで来て来るなもくそもねーだろ!」
レン「今すぐ……今すぐ逃げ……」

ドン!!!!!
鈍く低い爆発音が轟いた。

平穏な日々、空き地のあった場所。
その変化に気付いた者達の
「運命の歯車」が動き始めたのかもしれない……


つづく………

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