生きる喜びを教えてくれたのは異世界に転生した君でした
47.遺跡探索~遭遇~
地上から続く小道は魔物の通り道だったのかもしれない。
小道を降り切って遺跡に辿り着くと、獣臭というか魔物臭というか軽い腐臭というか、とにかく人の鼻をつく生き物らしき臭いが立ち込めていた。
「エリー、この光球、もっと光度を強くして遺跡の高い位置に固定できない? 太陽みたいに」
何かがいるであろうことが判明したならば、光球を自分達の傍に置きながら探索をするのは格好の的になってしまうため非常にリスキーだ。ユウはそのリスクを少しでも下げるべく、光量を強くして遺跡全体を照らせないかとエリーに提案した。
「やってみるけど、どれだけ光が強くなるかはわからないよ?」
「いいよ、星明かり程度になっても今のこの的状態よりはマシになると思う」
「わかった」
エリーが光球に手を翳し、その手の角度を徐々に垂直にしていくとそれに合わせて光球も上へと昇っていく。天井が見えてきたところでその動きが止まると、光球は激しく光を放った。あまりの光量にユウ達は堪らず目を背ける。遺跡内の生物達も驚いたのだろう。蝙蝠が羽ばたくような音や鳴き声、野犬のような鳴き声もした。
目が慣れると、遺跡の中はある程度普通に見渡すことができるくらい明るかった。そして目の前に広がるのは、数百年前には確かに栄えていたであろう家々が並ぶ街並みと、その街のメインストリートと思われる大通り。
廃墟であることは間違いない見た目ボロボロの景観ではあったが、それでも今なおその形を留めていることからも、数百年前の建築技術の高さが窺える。建築技術というよりも、魔法技術なのかもしれないが。
「ありがとう、エリー、十分な明るさよ」
「よかった」
リズに頭を撫でられ満足気にはにかむエリーは、とても126歳には見えないただの少女だ。こうして見ると本当にリズと仲の良い姉妹にしか見えない。その様子に、ルカも羨ましげな視線を送っていたので、ユウはルカの頭を撫でてやる。
「僕がいるだろ?」
「オイラ、女の子が好きだから」
頭に置かれた手を柔らかにどかしながら、ルカはさらっとユウを拒む。
「はいはい、そうですか」
「もちろん、ユウ兄も好きだけどさ、やっぱり女のコでしょ! というか、エリーでしょ!」
「まぁ一番好きな人と触れ合いたいっていうその気持ちはわかるよ」
「だよね!」
などと話しているとユウ達の正面、大通りの先の建物の影に人影のような背の高い何かが揺らめき、全員に緊張が走る。
「誰か、見えた?」
「私は人影のようなものしか」
「「同じく」」
「……気を引き締めていこう。ルカ、君がどれくらい戦えるかわからないから、とりあえずエリーの後ろ、頼むよ」
「任せてユウ兄」
そして天翔ける竜の陣形を整える。前衛2人がユウとリズ。その後ろにエリー、その更に後ろにルカという形だ。
今回の探索の目的は、この遺跡が人の踏み込めるものなのかどうかの確認が最大の目的だ。魔法道具の獲得等は二の次である。もちろん、それを最優先で考えるパーティもいるだろうが、天翔ける竜は名は知れ渡っていようとも駆け出し冒険者なのである。経験も少ないため、まずは安全を最優先に考えつつ目的を達成することだけに注力する。
人影が見えたところまで進むが、何も出てこない。ちょうどそこは大通りが交差する交差点のようであり、人影が隠れた方に向かって角を曲がる。その先に再び、人影が建物の角を曲がるのが見えた。
「これ、どう見ても誘われているよね?」
「そうね……多分、そうだと思う」
「敵だと思う?」
「わからない。もしかしたら、私達を賊と思って警戒しているだけかもだし、もしくは相手が賊かもしれないし」
「誘い込もうとするだけの知性がある、ということだけは間違いなさそうって感じかな」
この広い遺跡で他にあてもないため、その誘いに乗ることしかできない。怪我をせぬよう最大限の注意を払って進むしかないのだ。人影を追って行くと、やがて大きな広場に辿り着いた。中央には蔦の巻きつくオベリスクのようなものが建っており、その根元には開いている扉が見える。その扉を目指し広場に足を踏み入れた時、隠れていた悪意が現れた。
「上よ!」
「みんな散って!」
突如として火の玉が降ってきた。ユウとリズは即座にそれぞれの位置していた場所から斜め前方に転がるように避け、ルカはエリーと共に後方に飛んでいた。一行がいた場所に落ちてきた火の玉は激しく燃え上がり、地面を黒く焦がす。
「ユウ兄! あの上にいる!」
ルカの方を見れば、見覚えのある四足歩行の魔物に囲まれている。ユウ達が冒険を始めた頃に戦った魔狼である。しかし、ルカとエリーを囲むのはそれだけではなかった。骨である。人型の骸骨がその手に剣を携えて群れを成している。
「ユウ!」
張り詰めたリズの声と共に背後に寒気を感じてそのまま前方に転がって振り返ると、骸骨がその剣でユウがいた空間を薙いでいた。リズもすでに骸骨を何体か屠っており、広場はあっという間に戦場と化す。
ルカは小柄な身体を素早く動かしてその拳で魔狼と骸骨を撃破している。ルカの武器は手甲を纏ったその拳。ルカは拳闘士だ。竜族の魔力を込めたその拳の威力は推して知るべし。殴る勢いのままに身体を回転させて蹴りを放ち、その衝撃の反動で飛び上がっては体重をかけて踏み潰す。エリーを守りながら八面六臂の大活躍だ。エリーもただ見ているわけではない。習得した地属性魔法でルカを援護し、時には地面を突出させたり石飛礫を放ったりして直接攻撃もしている。周囲への影響が大きい星魔法しか使えず、戦いに参加できずにいたあの頃のエリーは最早いなかった。
ユウも骸骨何体かと切り結びながら状況を把握する。その身に一撃を加えれば崩れ落ちるため骸骨自体の脅威は少ない。しかしそれに加え、時々飛んで来る火の玉が厄介だった。
ルカが教えてくれた通り、この火の玉の出元はオベリスクの上にいる。しかし、囲まれたこの状況、かつ、距離も高さもあって攻めあぐねていた。
「えぇ?! ズルくない?!」
緊迫する戦場にも関わらず元気に不満を発するルカの声の方を向くと、ルカ達が懸命に蹴散らしたはずの骸骨達が再び立ち上がっていた。その一方でユウやリズが撃破した骸骨達は起き上がる気配がない。
(アンデッドと言えば……)
ユウは自分達が倒した骸骨が起き上がらない理由に当たりをつけると、ルカに向かって叫んだ。
「ルカ! 手と脚にこれを! 聖力付与!」
ユウがルカの方に向けて手をかざすと、その手から光の玉が放たれる。ルカが飛び上がってその光に手と脚をくぐらせると、淡い光が纏われた。そして再び骸骨達を蹴散らすと、今度は起きてくることはなかった。
「ユウ兄すげぇ! 魔法使いなんだね!」
「違うけどまぁそんなもんだよ! あとで話す!」
ユウの読みは当たっていた。ユウとリズが倒した骸骨が起き上がらない理由、それはユウとリズの武器が神より与えられた聖なる武器だからだ。
しかし骸骨撃破の心配がなくなったところで状況は変わっていない。親玉と思われる者はローブを翻しながら未だオベリスクの上からユウ達を見下ろしていた。
「ユウ! 電光石火であそこまで行けない?!」
「この辺り一帯、任せることになるけど――」
「行って!」
「了解っ」
頼もしい愛しき相棒に背中を押されては行かないわけにはいかない。ユウは電光石火を唱えると、オベリスクの上に向かって飛ぶ。ローブを纏う親玉に向かって剣を振るうがその手に持っていた杖で防がれ、その勢いのまま体当たりをする形になった。二人が50メートルはあろうオベリスクの上から落ちる。
「こっわっ! 重力操作!」
落下速度を調整しながら、ユウは地面に叩きつけられた親玉の傍に舞い下りる。しかし、その親玉は全くダメージを受けた気配もなく立ち上がる。その体は禍々しい濃紫のオーラに包まれており、顔も覆い隠すローブの隙間からは白い骨が見えた。
(やっぱりこいつもアンデッドか)
などと思っていると、脳内に重低音の声が響く。想定はしていたが、いつになってもこの脳内への直接伝達は慣れない。
『永劫、我が城を踏み荒すことは許さぬ』
この街の主だったのだろうか。この街の崩壊と共にアンデッドとなったのか、崩壊前にアンデッドとなったのかはわからないが、その言葉には自ら望んでアンデッドとなったような想いが窺えた。
「まだ荒らしてはいな――」
『許さぬ』
親玉の纏うオーラが形を変え、いくつもの人魂のような塊が周囲に浮かび、ユウに向かって飛び込んでくる。
「聞く耳持たずか」
下がりながら1つ1つその塊を切り捨て、距離を詰めようと駆け出すと次は火の玉が飛んできた。避ければ後方で戦っているみんなのもとにこの火の玉が飛んでいく。
「反射」
ユウが手をかざすと、火の玉は親玉の方へと弾き返される。その流れに乗って火の玉の後ろに隠れるように駆け出し、親玉に着弾する瞬間、重力操作を使い飛び上がった。上空から火が消えるのを見下ろしていると、リズが覚えたての風魔法を使って火を吹き消した。
親玉のローブは燃え、骨だけがその場に立ち尽くしている。
「ごめんな」
親玉に向かって落下し、全体重をかけてその脳天に剣を突き立て、そのまま体を真っ二つに斬り裂く。カラカラと音を立てて骨は崩れ落ち、親玉がその身を維持できなくなると、後方でも同様に複数の骸骨が崩れ落ちたのだった。
小道を降り切って遺跡に辿り着くと、獣臭というか魔物臭というか軽い腐臭というか、とにかく人の鼻をつく生き物らしき臭いが立ち込めていた。
「エリー、この光球、もっと光度を強くして遺跡の高い位置に固定できない? 太陽みたいに」
何かがいるであろうことが判明したならば、光球を自分達の傍に置きながら探索をするのは格好の的になってしまうため非常にリスキーだ。ユウはそのリスクを少しでも下げるべく、光量を強くして遺跡全体を照らせないかとエリーに提案した。
「やってみるけど、どれだけ光が強くなるかはわからないよ?」
「いいよ、星明かり程度になっても今のこの的状態よりはマシになると思う」
「わかった」
エリーが光球に手を翳し、その手の角度を徐々に垂直にしていくとそれに合わせて光球も上へと昇っていく。天井が見えてきたところでその動きが止まると、光球は激しく光を放った。あまりの光量にユウ達は堪らず目を背ける。遺跡内の生物達も驚いたのだろう。蝙蝠が羽ばたくような音や鳴き声、野犬のような鳴き声もした。
目が慣れると、遺跡の中はある程度普通に見渡すことができるくらい明るかった。そして目の前に広がるのは、数百年前には確かに栄えていたであろう家々が並ぶ街並みと、その街のメインストリートと思われる大通り。
廃墟であることは間違いない見た目ボロボロの景観ではあったが、それでも今なおその形を留めていることからも、数百年前の建築技術の高さが窺える。建築技術というよりも、魔法技術なのかもしれないが。
「ありがとう、エリー、十分な明るさよ」
「よかった」
リズに頭を撫でられ満足気にはにかむエリーは、とても126歳には見えないただの少女だ。こうして見ると本当にリズと仲の良い姉妹にしか見えない。その様子に、ルカも羨ましげな視線を送っていたので、ユウはルカの頭を撫でてやる。
「僕がいるだろ?」
「オイラ、女の子が好きだから」
頭に置かれた手を柔らかにどかしながら、ルカはさらっとユウを拒む。
「はいはい、そうですか」
「もちろん、ユウ兄も好きだけどさ、やっぱり女のコでしょ! というか、エリーでしょ!」
「まぁ一番好きな人と触れ合いたいっていうその気持ちはわかるよ」
「だよね!」
などと話しているとユウ達の正面、大通りの先の建物の影に人影のような背の高い何かが揺らめき、全員に緊張が走る。
「誰か、見えた?」
「私は人影のようなものしか」
「「同じく」」
「……気を引き締めていこう。ルカ、君がどれくらい戦えるかわからないから、とりあえずエリーの後ろ、頼むよ」
「任せてユウ兄」
そして天翔ける竜の陣形を整える。前衛2人がユウとリズ。その後ろにエリー、その更に後ろにルカという形だ。
今回の探索の目的は、この遺跡が人の踏み込めるものなのかどうかの確認が最大の目的だ。魔法道具の獲得等は二の次である。もちろん、それを最優先で考えるパーティもいるだろうが、天翔ける竜は名は知れ渡っていようとも駆け出し冒険者なのである。経験も少ないため、まずは安全を最優先に考えつつ目的を達成することだけに注力する。
人影が見えたところまで進むが、何も出てこない。ちょうどそこは大通りが交差する交差点のようであり、人影が隠れた方に向かって角を曲がる。その先に再び、人影が建物の角を曲がるのが見えた。
「これ、どう見ても誘われているよね?」
「そうね……多分、そうだと思う」
「敵だと思う?」
「わからない。もしかしたら、私達を賊と思って警戒しているだけかもだし、もしくは相手が賊かもしれないし」
「誘い込もうとするだけの知性がある、ということだけは間違いなさそうって感じかな」
この広い遺跡で他にあてもないため、その誘いに乗ることしかできない。怪我をせぬよう最大限の注意を払って進むしかないのだ。人影を追って行くと、やがて大きな広場に辿り着いた。中央には蔦の巻きつくオベリスクのようなものが建っており、その根元には開いている扉が見える。その扉を目指し広場に足を踏み入れた時、隠れていた悪意が現れた。
「上よ!」
「みんな散って!」
突如として火の玉が降ってきた。ユウとリズは即座にそれぞれの位置していた場所から斜め前方に転がるように避け、ルカはエリーと共に後方に飛んでいた。一行がいた場所に落ちてきた火の玉は激しく燃え上がり、地面を黒く焦がす。
「ユウ兄! あの上にいる!」
ルカの方を見れば、見覚えのある四足歩行の魔物に囲まれている。ユウ達が冒険を始めた頃に戦った魔狼である。しかし、ルカとエリーを囲むのはそれだけではなかった。骨である。人型の骸骨がその手に剣を携えて群れを成している。
「ユウ!」
張り詰めたリズの声と共に背後に寒気を感じてそのまま前方に転がって振り返ると、骸骨がその剣でユウがいた空間を薙いでいた。リズもすでに骸骨を何体か屠っており、広場はあっという間に戦場と化す。
ルカは小柄な身体を素早く動かしてその拳で魔狼と骸骨を撃破している。ルカの武器は手甲を纏ったその拳。ルカは拳闘士だ。竜族の魔力を込めたその拳の威力は推して知るべし。殴る勢いのままに身体を回転させて蹴りを放ち、その衝撃の反動で飛び上がっては体重をかけて踏み潰す。エリーを守りながら八面六臂の大活躍だ。エリーもただ見ているわけではない。習得した地属性魔法でルカを援護し、時には地面を突出させたり石飛礫を放ったりして直接攻撃もしている。周囲への影響が大きい星魔法しか使えず、戦いに参加できずにいたあの頃のエリーは最早いなかった。
ユウも骸骨何体かと切り結びながら状況を把握する。その身に一撃を加えれば崩れ落ちるため骸骨自体の脅威は少ない。しかしそれに加え、時々飛んで来る火の玉が厄介だった。
ルカが教えてくれた通り、この火の玉の出元はオベリスクの上にいる。しかし、囲まれたこの状況、かつ、距離も高さもあって攻めあぐねていた。
「えぇ?! ズルくない?!」
緊迫する戦場にも関わらず元気に不満を発するルカの声の方を向くと、ルカ達が懸命に蹴散らしたはずの骸骨達が再び立ち上がっていた。その一方でユウやリズが撃破した骸骨達は起き上がる気配がない。
(アンデッドと言えば……)
ユウは自分達が倒した骸骨が起き上がらない理由に当たりをつけると、ルカに向かって叫んだ。
「ルカ! 手と脚にこれを! 聖力付与!」
ユウがルカの方に向けて手をかざすと、その手から光の玉が放たれる。ルカが飛び上がってその光に手と脚をくぐらせると、淡い光が纏われた。そして再び骸骨達を蹴散らすと、今度は起きてくることはなかった。
「ユウ兄すげぇ! 魔法使いなんだね!」
「違うけどまぁそんなもんだよ! あとで話す!」
ユウの読みは当たっていた。ユウとリズが倒した骸骨が起き上がらない理由、それはユウとリズの武器が神より与えられた聖なる武器だからだ。
しかし骸骨撃破の心配がなくなったところで状況は変わっていない。親玉と思われる者はローブを翻しながら未だオベリスクの上からユウ達を見下ろしていた。
「ユウ! 電光石火であそこまで行けない?!」
「この辺り一帯、任せることになるけど――」
「行って!」
「了解っ」
頼もしい愛しき相棒に背中を押されては行かないわけにはいかない。ユウは電光石火を唱えると、オベリスクの上に向かって飛ぶ。ローブを纏う親玉に向かって剣を振るうがその手に持っていた杖で防がれ、その勢いのまま体当たりをする形になった。二人が50メートルはあろうオベリスクの上から落ちる。
「こっわっ! 重力操作!」
落下速度を調整しながら、ユウは地面に叩きつけられた親玉の傍に舞い下りる。しかし、その親玉は全くダメージを受けた気配もなく立ち上がる。その体は禍々しい濃紫のオーラに包まれており、顔も覆い隠すローブの隙間からは白い骨が見えた。
(やっぱりこいつもアンデッドか)
などと思っていると、脳内に重低音の声が響く。想定はしていたが、いつになってもこの脳内への直接伝達は慣れない。
『永劫、我が城を踏み荒すことは許さぬ』
この街の主だったのだろうか。この街の崩壊と共にアンデッドとなったのか、崩壊前にアンデッドとなったのかはわからないが、その言葉には自ら望んでアンデッドとなったような想いが窺えた。
「まだ荒らしてはいな――」
『許さぬ』
親玉の纏うオーラが形を変え、いくつもの人魂のような塊が周囲に浮かび、ユウに向かって飛び込んでくる。
「聞く耳持たずか」
下がりながら1つ1つその塊を切り捨て、距離を詰めようと駆け出すと次は火の玉が飛んできた。避ければ後方で戦っているみんなのもとにこの火の玉が飛んでいく。
「反射」
ユウが手をかざすと、火の玉は親玉の方へと弾き返される。その流れに乗って火の玉の後ろに隠れるように駆け出し、親玉に着弾する瞬間、重力操作を使い飛び上がった。上空から火が消えるのを見下ろしていると、リズが覚えたての風魔法を使って火を吹き消した。
親玉のローブは燃え、骨だけがその場に立ち尽くしている。
「ごめんな」
親玉に向かって落下し、全体重をかけてその脳天に剣を突き立て、そのまま体を真っ二つに斬り裂く。カラカラと音を立てて骨は崩れ落ち、親玉がその身を維持できなくなると、後方でも同様に複数の骸骨が崩れ落ちたのだった。
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