テロリストが作った人体強化人間が異世界で暴れまくります

鈴木颯手

レオル帝国の皇帝

    「…何!?たった一人の男に5000の軍勢が壊滅しただと!?」
    レオル帝国帝都「レオル城」の謁見の間では椅子に座った偉そうな肥満の男がわめいていた。
    彼こそがレオル帝国第28代皇帝の「ドリス・ハーテンス」である。
    代々レオル帝国の皇帝は覇気と武勇を備えたものが多かったのだがここ最近はおとぎ話となるほどに落ちぶれていた。
    現在進行形でわめいているドリス皇帝も同様で昼間から酒を被るように飲み、毎日違う女を抱いていた。
    政治を家臣に任せっきりでその癖戦争を起こしてレオル帝国の民から沢山の税をとるばかりで民のためになることは一切やってこなかった。
    そんな彼は長年敵対してきたサジタリア王国の植民地化を推し進めた。
    サジタリア王国の使者を帰り際襲ったのもそのためである。
    サジタリア王国は確かに大きい国ではあったがレオル帝国はそれ以上に大きかった。
    無理を通して軍勢を出せば20万は軽く出せるだろう。
    そんな彼は5000の軍勢を先手として繰り出した。
    しかし、その軍勢はほとんどのものが死んで生き残って戻ってきたものは数人しかいなかった。
    生き残って戻ってきたものに事情を聴こうにもそのものたちは後ろの方にいたため全線で起こっていることがわかっていていなかったのだ。
    「5000も出したんだぞ!それなのにいったい何をしていたんだ!」
    ベアード砦を落とした気でいたドリス皇帝にとってこの報告は寝耳に水であった。
    あまりの勢いに彼の部下は誰も言えなかった。
    「次はもっと軍勢をだして必ず砦を落としてこい!落としてくるまでは誰一人として帰ってくるな!」
    遂にドリス皇帝は無茶な命令を下した。しかし、部下たちは急いで頭を下げて従うことしかできなかった。
    「それとナタリーも出す。これだけあれば砦何て一捻りできるだろう」
    ドリス皇帝はたからかに笑うのであった。

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