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異世界転生~神に気に入られた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~

鈴木颯手

第四十六話

Elna Side
 防壁の建設は順調ですね。大陸行政府と名付けられた旧大陸総督府の一室からでも分かる程です。

「エルナさん、こちらの書類を会田大佐の下に持って行ってくれますか?」
「了解しました」

 博美さ……、朝霞大将のお願いを即答で受け入れる。お願いされた書類を運びながらこれまでの事を考える。シードラ王国のアインザックで父と母と私で暮らしていたけどドンドン吊り上がる税金を払えなくなり両親は殺され、私は着の身着のままの状態で追放された。アインザックの東側は何もない荒野であの都市ではそこに追放する事が刑罰の一つとなっていました。
 それを受けた私はこのまま死んでいくのだろうと思っていたけどそこを助けてくれたのが朝霞大将と日本帝国の総統閣下である鹿島良太様だ。良太様は周辺の調査に来ていて偶々私を見つけて助けてくれたのです。
 その後、私は日本帝国の帝都ヤマトで過ごす事が出来るようになった。私の周りには”臣民”と呼ばれる良太様が作ったという人間ばかりだったけど皆優しくしてくれました。
 そうして私は何不自由なく過ごす事が出来た。私は少しでも良太様に恩返しをしたくて軍に入隊しました。軍隊には臣民が沢山いましたが元山賊のキースさんなどを始め臣民以外の人も入隊していました。その事を良太様に話したら

『別に無理して軍隊に入らなくてもいいんだよ?他にもいろいろあるんだから』
『大丈夫です! お願いします!』
『う~ん』

 難色を示した良太様に何度も頼み込んで漸く入隊が認められたのが約二年前。去年には軍の階級に関してきちんと整備されたため私の出世は難しくなりましたが下にいても恩返しはできます。むしろ、下だからこそ見えてくる事を報告したりしています。

『エルナが教えてくれる事はとても助かっているよ』
『良太様の為ならこのくらい簡単です!』
『気持ちは嬉しいけど頑張りすぎないようにね?』
『勿論です! 良太様の為にもここで倒れる訳にはいきません!』
『そ、そう? なんかすごく忠誠心高くなったね。育て方、間違えたかな……?』

 そんな会話もあったりした。確かに私の忠誠心は高いと自覚しています。ですが、臣民の皆さまに比べれば全然と言えます。それでも私なりに良太様の為に出来る事をやっているつもりです。

「会田大佐、朝霞大将から書類です」
「ん? ……ああ、そこに置いておいてくれ」

 私は回想を一旦やめて会田大佐に書類を渡します。ちらりと見た表紙からは弾薬の消費と供給に関する書類の様です。私達が使っている兵器、銃という物は弾薬を大量に消費します。本来はきちんとした設備を用意しないと作れないそうですが良太様の力で生み出す事が出来るそうです。その話を最初に聞いた時は驚愕し、改めて良太様の凄さが分かった気がしました。
 とは言え何時までも良太様の能力に頼りきりになるわけにはいきません。それは朝霞大将も同じ思いの様でこの防壁もなるべく自分たちの手で行おうとしています。とは言え今の我々では出来る事など限られていますがね。
 会田大佐のいる部屋を出て朝霞大将の下に戻ります。今の私はただの一等兵です。昇級するには後二年待たないといけません。それは別にいいのです。とは言えガルムンド帝国の動きが活発になってきていますし穏便に昇級出来る事を祈るばかりですね。

「閣下、貴方に助けられた御恩は必ず返させていただきます」

 私は帝都ヤマトの方角を向きそう呟くのでした。






Ryouta Side
 な、なんか背筋がゾワッとした。風邪かな?

「む、お主に女難の相が……」
「輝夜、この状況でそれはシャレにならないよ?」

 俺は輝夜に向かってそう言った。今は部屋の炬燵で仲良く暖を取っている。今日は雪が振りそうなほど寒い。ぶっちゃけ秋津洲は大分北の方にある為冬は結構寒い。一年目の冬はとても大変だったな。急遽こたつと石油ストーブを用意する羽目になったからな。毎年これらは活用しているよ。
 ……それにしても。

「春樹は凄く大人しいな」
「そうじゃな」

 俺は隣で寝ている春樹を見ながら呟く。俺の言葉に輝夜も同意した。俺と輝夜の間に生まれた春樹は凄く大人しい。異常と言える程に。何しろご飯、トイレ、後は何か欲しい時とか以外では全くと言っていい程泣かないのだ。まるで、知能ある人物が・・・・・・・赤ん坊になった・・・・・・・みたいな感じだ。……まさかな?

「うむ、どうやらお主は”りのべ”と言う小説に出てくる憑依という奴を疑っておるのじゃな?」
「”ラノベ”な。というかこれは違うのか?」
「違うぞ。まぁ、一般的な人間の赤子とは違うとは思うがの」
「……やはり、輝夜が神だからか?」
「十中八九そうじゃろうな。わしも初めての出産だっからのぅ、詳しい事は分からぬのじゃ」
「そうか……」

 どちらにしろ春樹は俺達の大切な子供に変わりはない。半神半人という人間とは違った子になるのだ。多少世間一般の”普通”とは違ったとしてもそれを受け入れないとな。そう思いながら俺は春樹の頬に触れる。どんな夢を見ているのか、春樹の顔は笑顔になる。それを見ただけで自然と俺達の頬は緩んでいく。
 いずれなるとは思っていた”父”と言う存在に、俺は不安とお供に将来が楽しみという気持ちを感じながら平和なひと時を過ごすのだった。

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