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異世界転生~神に気に入られた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~

鈴木颯手

第四十三話 準備

No Side
 ガルムンド帝国の皇帝となったグランハムはズーク公爵と共に国内の掌握を行ってきた。その結果、元々皇太子であった事もあり国内の7割の掌握に成功していた。僅かひと月でここまで行える辺りグランハムの優秀さがうかがえた。

「へ、陛下。聖オクシデント法王国の前線が後退しています。前線にいる兵士の半数が陛下に懐疑的でして……」
「どんな事をしても良い。迅速に掌握し、これ以上の前線の後退はさせるな」
「は、はっ!」

 グランハムは報告を行いに来たズーク公爵の部下に溜息をついた。あまり能力が高いとは思えない上に性格は醜いと言っていい程権力者に媚びを売る。グランハムは二度と見たくないなと思いつつ地図を確認する。

「ハクレイド帝国は我が国の港町ル・グ・ドルドを奪い取った。これ以上の領土縮小をするわけにはいかない」
「勿論です。既に西部方面は掌握しています。直ぐにでも奪還する事が出来るでしょう」

 グランハムの呟きにズーク公爵が笑顔で答えた。自らの娘がグランハムに嫁ぐことが決まってから彼の表情は明るく機嫌も良かった。

 グランハムがクーデターを行った事で国内は混乱していた。元々皇太子だったという事で独立を目指したり反乱を行ったりする勢力はなかったがそれでも不満を持つ者達は一定数いた。その影響は戦線の後退という形で出ていた。

「それと、各国の使者の脱走が出ています。大半は捕らえたり処刑しているのですが一部には逃げられてしまっています」
「我が国は最強にして最大の国家だ。我らの命令を聞けない者達は処刑して構わん」
「はっ!」

 ズーク公爵の報告にグランハムはそう答えた。グランハムにとって各国は自分たちの動きに追随すると思っており自国に戻ろうとする者達は反旗を翻そうとしていると思ってしまう事があった。
 皇太子の時から出ていた行いだが皇帝となった事でその行為はエスカレートしていた。それを止められるであろうズーク公爵は特に反抗は無いようで一度も注意する事は無かった。

「逃げた使者は大半が西部の中小諸国の国々です。デガルタ王国などの大国と呼べる国々は未だ帝都に残っています。それと、日本帝国という新興国の国も逃亡しています」
「日本帝国? 確か最近出来た国だったか? そんな国がどうやって……」
「それが、半島のパララルカ王国を滅ぼしてそこから逃げたようでして……。ア・ガ・ムンドに向かうと思っていたのでそちら方面の警備は手薄でして……」
「……そうか。分かった」

 グランハムはズーク公爵の話を聞いて考える。国際港としてたくさんの国の船がやってきている。他にも港は幾つかあるが一番規模が大きいのはア・ガ・ムンドで国外の船は全てそこ以外にやって来る事は無い。
 その為、ア・ガ・ムンドに向かう道は封鎖し使者の脱走を防ぐことはしていたがそれ以外は全くと言っていい程警戒をしていなかったのだ。
 グランハムは考えをまとめるとズーク公爵に声をかけた。

「ズーク公爵、日本帝国に関する情報をすぐに集めよ。我らの指示に従わない新興国に我らの恐ろしさを教えてやるのだ」
「直ぐに準備致します、陛下」




Asaka Side
 私は現在総統閣下の指示によりシアーリス半島の視察に来ています。パララルカ王国軍五万が降伏した後その軍勢は北部の都市ラーシィに押し込んでいます。彼らの処遇は今後決めていくことになるでしょう。

「それにしても、この半島の地形は酷いですね」

 そう言いながらこの半島の地図片手に話しかけてきたのはエルナです。7年前にシードラ王国から逃げて来た少女も今では20歳になりました。二年前には入隊し、今は昇級試験を受けて一等兵へと昇給していた。
 最近、軍内部の改革が行われた結果昇給における取り決めが出来た。軍学校卒業者以外は全て二等兵から始まる事になっていた。それが出来たのは半年くらい前の事なので二年以上軍に在籍するエルナは戦争にでも行かない限り昇給は難しい状態になってしまいました。
 とは言え当の本人はあまり気にしていないようで「階級が下でもいいから私を助けてくれた良太さんに恩返しがしたい」と言っていますが。

「半島の北西は山ばかりで人が入る事も難しい様な傾斜の高くなっています。防御には適している半島ですが生産性はあまりないですね」
「そうですか。取り敢えず皆さんでどうするかを考えましょう」
「分かりました」

 エルナには私の補佐官として働いてもらっています。閣下の下で育ったエルナはその辺の平民を上回る知能と知識を持っています。身体能力も高く昇級条件に軍役期間がなければ佐官にでもすぐになれますね。
 取り敢えずエルナの話はここまでにして本題を考えましょう。私達の目的は来るガルムンド帝国との戦争に備えて防衛線を築く事です。作戦計画では最初の方は防衛に徹する事になるので強固な防衛線を築く必要があります。重機は全てに荷揚げが始まっていて計画が出来上がり次第すぐに作業に入れるでしょう。
 シアーリス半島の防衛、相手が大陸最強の国家とあっては一筋縄ではいかないでしょうけど閣下の為にも粉骨砕身の気持ちで頑張るのみです。

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