異世界転生~神に気に入られた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~
第三十六話
Ryouta Side
「閣下、パララルカ王国の船団を全滅させました」
「よくやった」
俺はその報告を聞きホッ、と息を吐く。パララルカ王国は分かっていないと思っていたようだがこちらは空の上からでも動きを見れるんだ。船団の動きなんてお見通しさ。敵が帆船であったおかげで聯合艦隊を向かわせる事も出来た。まぁ、そのせいで燃料を作り出す羽目になったがな。
「それと、閣下の指示通り生き残った者は全てとらえました」
「敵の偉そうなやつは誰か捕らえたか?」
「はい。副総督という地位に付く者がいました」
「副総督? それって統治者って事か?」
「何でも秋津洲が健在の時は総督として大陸領の統治を行っていた人物の様です。特に反抗的な様子もないのですがアクラと同じ牢獄に入れてくれ。今度改造するけどな」
「わかりました」
牢獄も本格的に作らないとな。今のところ、パノプティコンみたいなものがいいかもしれない。いや、その前にパララルカ王国を何とかしないとな。
やっぱり、滅ぼすべきだろうか。いっその事ガルムンド帝国が持って行ってくれてもいいんだけどな。……と、そんな事を考えていたせいだろうか。新たに飛び込んできた人物によって驚愕の知らせを受け取る事になった。
「閣下! ガルムンド帝国で政変です! 島原外交官以下全員が危険な状態にあります!」
「なんだと!?」
その報告に、俺は思わず立ち上がり叫ぶのだった。
No Side
ガルムンド帝国では半年に一度国内の貴族、皇族のほかに各国の使者や外交官も参加できるパーティーが行われる。島原雄星は日本帝国を代表としてこのパーティーに参加する事が決定した。
「ふむ、これで良いか?」
「そうですね。問題ないと思います」
島原雄星は正装としてスーツを着込んでいた。本来は袴を用意していたがあまりにも目立つと思われた為比較的地味なスーツでの参加となっていた。それでも新興国である日本帝国にとっては無難な選択かもしれなかった。
今回日本帝国で参加するのは島原雄星の他に護衛の兵士が一人だけだった。あまり大人数で行く意味がなかったうえに目立たないようにするためだ。
今の島原雄星の目的はガルムンド帝国の貴族や他国の人間と交流を深めて置く事である。その為に悪目立ちをしてはあまり良い印象を抱かれない可能性があった。少人数で行き、新興国らしさを出していれば問題ないとふんでいたのだ。
「これが終われば一度秋津洲に戻ろうと思います。直接報告したい事もいくつかあるのでね」
「それが良いかもしれませんね。いない間はこちらでつなぎましょう」
「助かるよ」
すっかり仲良くなった二人は護衛と兵士という立場を忘れて時間が来るまで談笑する。そして、時間が来たため二人は会場へと足を踏み入れた。
会場は帝城の大広間で行われた。定期的にパーティーが開催されている為部屋はかなり大きな作りとなっていた。
「成程、これほどの規模とはな」
「貴族の数もかなり多いですね。流石は世界最強の国家というべきでしょうか?」
二人は日本帝国の代表として様々な貴族や各国の使者と交流を行う。とは言えガルムンド帝国の貴族にも派閥は存在しており別派閥の貴族と話す時には島原も神経をすり減らしていた。
そんな感じでパーティーに参加している扉が開き皇族の来場を告げる。
「ガルムンド帝国皇帝ウェリアム・ロ・ガーフィス陛下! 皇后ミアーシャ陛下! 皇太子グランハム殿下! 皇女メリエル殿下のご来場!」
衛兵がそう大きな声で言うと会場にいる者の大半が一斉に扉の方を見た。そこには老齢に入るであろう二人の男女とそれに続く形で後ろにいる男女がいた。戦闘に立つ二人は堂々とした様子で歩き後ろの二人もそれに続く。
そして玉座に到着した老齢の男女、皇帝と皇后は席に付くと話し始めた。
「皆のもの、今日はよくぞ集まってくれた。半年ぶりに無事に行う事が出来て余は安堵している。今日は楽しんでいっていくといい」
短い皇帝の挨拶が終わり先ほどと同じように穏やかにパーティーは進んでいく。一方で、島原たちは皇帝の方を眺めながら話し合う。
「総統閣下とはまた違った覇気があるな」
「いえ、あれなら閣下以上と言った方が良いですね。閣下はまだ若い。ガルムンド帝国の皇帝のような経験からくるカリスマ性は持ち合わせていませんからね」
二人は自分たちの君主とガルムンド帝国の皇帝を比べながら話す。流石にチート級の特典を持ち、僅か6年で国を作り、領土を拡大して国際関係の場に出て来たとは言えガルムンド帝国の皇帝とは比べようがなかった。大国の主たらんとする皇帝との経験の差であった。
そんな感じで会話をしている時だった。唐突にそれは起こった。
「メグル公爵、すまぬが前に来てくれないか?」
「何だ?」
「何かしら……?」
唐突に皇帝がメグル公爵を呼び出したことで会場はざわめきだす。疑問に思うもメグル公爵が普段とは変わらない雰囲気で前に出てきた。しかし、その表情には少なからず疑問の感情が浮かんでおり事前連絡がない、突発的な事であることがうかがえた。
そんな会場とメグル公爵の疑問に答えるようにグランハムが叫ぶように話し始めた。
「メグル公爵! 今この場を借りて貴様の罪を裁く!」
「っ!?」
その言葉はこの場の誰もが驚愕すると同時に今後のガルムンド帝国の運命を決める重大な出来事となっていくのだった。
「閣下、パララルカ王国の船団を全滅させました」
「よくやった」
俺はその報告を聞きホッ、と息を吐く。パララルカ王国は分かっていないと思っていたようだがこちらは空の上からでも動きを見れるんだ。船団の動きなんてお見通しさ。敵が帆船であったおかげで聯合艦隊を向かわせる事も出来た。まぁ、そのせいで燃料を作り出す羽目になったがな。
「それと、閣下の指示通り生き残った者は全てとらえました」
「敵の偉そうなやつは誰か捕らえたか?」
「はい。副総督という地位に付く者がいました」
「副総督? それって統治者って事か?」
「何でも秋津洲が健在の時は総督として大陸領の統治を行っていた人物の様です。特に反抗的な様子もないのですがアクラと同じ牢獄に入れてくれ。今度改造するけどな」
「わかりました」
牢獄も本格的に作らないとな。今のところ、パノプティコンみたいなものがいいかもしれない。いや、その前にパララルカ王国を何とかしないとな。
やっぱり、滅ぼすべきだろうか。いっその事ガルムンド帝国が持って行ってくれてもいいんだけどな。……と、そんな事を考えていたせいだろうか。新たに飛び込んできた人物によって驚愕の知らせを受け取る事になった。
「閣下! ガルムンド帝国で政変です! 島原外交官以下全員が危険な状態にあります!」
「なんだと!?」
その報告に、俺は思わず立ち上がり叫ぶのだった。
No Side
ガルムンド帝国では半年に一度国内の貴族、皇族のほかに各国の使者や外交官も参加できるパーティーが行われる。島原雄星は日本帝国を代表としてこのパーティーに参加する事が決定した。
「ふむ、これで良いか?」
「そうですね。問題ないと思います」
島原雄星は正装としてスーツを着込んでいた。本来は袴を用意していたがあまりにも目立つと思われた為比較的地味なスーツでの参加となっていた。それでも新興国である日本帝国にとっては無難な選択かもしれなかった。
今回日本帝国で参加するのは島原雄星の他に護衛の兵士が一人だけだった。あまり大人数で行く意味がなかったうえに目立たないようにするためだ。
今の島原雄星の目的はガルムンド帝国の貴族や他国の人間と交流を深めて置く事である。その為に悪目立ちをしてはあまり良い印象を抱かれない可能性があった。少人数で行き、新興国らしさを出していれば問題ないとふんでいたのだ。
「これが終われば一度秋津洲に戻ろうと思います。直接報告したい事もいくつかあるのでね」
「それが良いかもしれませんね。いない間はこちらでつなぎましょう」
「助かるよ」
すっかり仲良くなった二人は護衛と兵士という立場を忘れて時間が来るまで談笑する。そして、時間が来たため二人は会場へと足を踏み入れた。
会場は帝城の大広間で行われた。定期的にパーティーが開催されている為部屋はかなり大きな作りとなっていた。
「成程、これほどの規模とはな」
「貴族の数もかなり多いですね。流石は世界最強の国家というべきでしょうか?」
二人は日本帝国の代表として様々な貴族や各国の使者と交流を行う。とは言えガルムンド帝国の貴族にも派閥は存在しており別派閥の貴族と話す時には島原も神経をすり減らしていた。
そんな感じでパーティーに参加している扉が開き皇族の来場を告げる。
「ガルムンド帝国皇帝ウェリアム・ロ・ガーフィス陛下! 皇后ミアーシャ陛下! 皇太子グランハム殿下! 皇女メリエル殿下のご来場!」
衛兵がそう大きな声で言うと会場にいる者の大半が一斉に扉の方を見た。そこには老齢に入るであろう二人の男女とそれに続く形で後ろにいる男女がいた。戦闘に立つ二人は堂々とした様子で歩き後ろの二人もそれに続く。
そして玉座に到着した老齢の男女、皇帝と皇后は席に付くと話し始めた。
「皆のもの、今日はよくぞ集まってくれた。半年ぶりに無事に行う事が出来て余は安堵している。今日は楽しんでいっていくといい」
短い皇帝の挨拶が終わり先ほどと同じように穏やかにパーティーは進んでいく。一方で、島原たちは皇帝の方を眺めながら話し合う。
「総統閣下とはまた違った覇気があるな」
「いえ、あれなら閣下以上と言った方が良いですね。閣下はまだ若い。ガルムンド帝国の皇帝のような経験からくるカリスマ性は持ち合わせていませんからね」
二人は自分たちの君主とガルムンド帝国の皇帝を比べながら話す。流石にチート級の特典を持ち、僅か6年で国を作り、領土を拡大して国際関係の場に出て来たとは言えガルムンド帝国の皇帝とは比べようがなかった。大国の主たらんとする皇帝との経験の差であった。
そんな感じで会話をしている時だった。唐突にそれは起こった。
「メグル公爵、すまぬが前に来てくれないか?」
「何だ?」
「何かしら……?」
唐突に皇帝がメグル公爵を呼び出したことで会場はざわめきだす。疑問に思うもメグル公爵が普段とは変わらない雰囲気で前に出てきた。しかし、その表情には少なからず疑問の感情が浮かんでおり事前連絡がない、突発的な事であることがうかがえた。
そんな会場とメグル公爵の疑問に答えるようにグランハムが叫ぶように話し始めた。
「メグル公爵! 今この場を借りて貴様の罪を裁く!」
「っ!?」
その言葉はこの場の誰もが驚愕すると同時に今後のガルムンド帝国の運命を決める重大な出来事となっていくのだった。
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