異世界転生~神に気に入られた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~
第三十話
No Side
ガルムンド帝国が誇る港町ア・ガ・ムンドは縦長の形をしている。これは奥に行けば行くほどガルムンド帝国にとって有効的な、または重要な国という扱いになる。その為、赤い日の丸の旗を掲げた船がシードラ王国と共に奥の方へと進んでいく光景は他の国々の船にとって衝撃だった。
―あの船は何処の国のものだ!?
―シードラ王国と共に奥へ入れるなんて……
―始めてみるが既にガルムンド帝国に認められているというのか!?
彼らはその船、日本帝国の外交官がのる帆船を驚愕の表情と共に見送っていく。
そんな事とは露知らずに日本帝国外務省所属(となった)島原雄星はガルムンド帝国でも屈指の港町に感心していた。
「一件無防備に見えるがいたるところにバリスタが配置されているな」
「それだけではないですね。布に隠れている部分には恐らく大砲が設置されていますね。有事の際以外で見せないように布を巻いているのでしょう。兵士も銃剣付きの銃を持っています」
出発前にある程度は聞かされていたとはいえこの世界最強の異名にふさわしい科学技術を前に島原雄星や護衛の兵士は圧倒される。技術面では日本帝国が圧倒的に上だがそれを効率よく運用できているかと言われればそうではない。何しろ鹿島良太はあくまで学生だったのだ。軍事面も政治面も知り尽くしているわけではないのだ。必ず穴が出る。
そう言って意味では研究の失敗を何度も繰り返し、今の技術力を手に入れたガルムンド帝国の方が効率よく運用できていると言えた。出なければ、聖オクシデント法王国に侵攻しつつ大陸西部の国々と戦争を行い、連戦連勝する事など不可能だろう。
「総統閣下からは絶対に侮るな、と言われていましたがこれを見れば侮る気なんてわきませんね」
「私も部下に徹底させます」
そんな感じで日本帝国がガルムンド帝国の様子に気を引き締めていると漸く接岸ポイントに到着し水夫たちが慌ただしく動き出した。ロープを回し陸地と固定すると錨を下ろして停泊する。それを確認すると外交官と護衛の兵が陸地へと上陸を果たした。彼らは日本帝国最初の大陸到着組となった。
船を降りるとガルムンド帝国の使者が居り人数分の馬車が用意されていた。
「この度はガルムンド帝国にようこそおいでくださいました。今後貴国の対応を全面的に行う事になったガムリエルと申します」
「島原雄星です。今日はよろしくお願いします」
握手を交わしガルムンド帝国の案内のもと馬車に乗り込む。馬車はゆっくりと進みだし帝都へと向かって行く。帝都までの道のりは整備されており馬車専用の道と徒歩専用の道の二つに分けられている。立派なインフラは島原雄星を始め日本帝国の者にとってとても驚きと感心を集めた。
「島原さん、これも撮った方が良いのですかね?」
「そうだな。一応バレないように気を付けて写真を撮ってくれ」
「わかりました」
護衛の兵士はそう言うと小型カメラで写真を撮っていく。彼らの役目は島原達外交官の護衛のみならずガルムンド帝国の様子を写真や動画に収める事もあった。未だ発展途上の日本帝国でも真似したり参考に出来る部分が多いにあると考えられその為に現物は無理でも写真に収める事で様々な人に共有できるようにした。
護衛の兵士たちがもう一つの役目を果たしながら二日かけて一同はガルムンド帝国帝都ウィーザーランドへと到着した。帝都ヤマトを超える規模の街並みが日本帝国の外交官たちの目に飛び込んでいく。
摩天楼と呼べるような高層ビルは一つもないが三階建てや四階建ての建物が並び”高層ビルが出来る前の古き良き大都市”を思わせる風景だった。日本帝国から来た誰もがその光景に目を奪われそれを見たガルムンド帝国の者達が自慢げな表情をする。
「これが……、ガルムンド帝国」
「大陸最強の国家か……」
島原は”真の意味で”ガルムンド帝国を大国として認めた。そして、今からそんな大国の者達と交流を持ちなおかつ国交樹立をするという大役に重圧を感じる事となった。
??? Side
「兄さん、この国は酷いね」
「ああ、全くだ」
俺は弟の言葉に同意する。この世界に誕生して早18年。前の世界での年齢を超えてしまった。本来なら今頃は学業に精を出しわずかしかない青春を謳歌しているはずだったのに……。
「準備はできているか?」
「勿論。兄さんの命令一つで僕たちは動き出せるよ。クラスメイト、いや今は”同士”か。彼らも準備万端さ。むしろ兄さんの命令を今か今かと待っているよ。早くしないと暴走するかもね」
「ふ、なら安心しろ。時は満ちた」
そう、この18年で仕込みはばっちりだ。腐りきったこの国を奪い、我らの国にしてすぐに大陸統一を果たす。その為の科学技術、そして魔法の研究も行ってきた。……大陸最強と言われているガルムンド帝国という国がどの程度の実力かは知らないが我らで倒す事が出来るだろう。
「それじゃ行こうか、大和兄さん」
「勿論だ。武蔵」
見ていろよ、くそったれのクソ女め。我ら皇兄弟が大陸統一を果たした後は貴様を殺しに行くからな。首を洗って待っていろ!
ガルムンド帝国が誇る港町ア・ガ・ムンドは縦長の形をしている。これは奥に行けば行くほどガルムンド帝国にとって有効的な、または重要な国という扱いになる。その為、赤い日の丸の旗を掲げた船がシードラ王国と共に奥の方へと進んでいく光景は他の国々の船にとって衝撃だった。
―あの船は何処の国のものだ!?
―シードラ王国と共に奥へ入れるなんて……
―始めてみるが既にガルムンド帝国に認められているというのか!?
彼らはその船、日本帝国の外交官がのる帆船を驚愕の表情と共に見送っていく。
そんな事とは露知らずに日本帝国外務省所属(となった)島原雄星はガルムンド帝国でも屈指の港町に感心していた。
「一件無防備に見えるがいたるところにバリスタが配置されているな」
「それだけではないですね。布に隠れている部分には恐らく大砲が設置されていますね。有事の際以外で見せないように布を巻いているのでしょう。兵士も銃剣付きの銃を持っています」
出発前にある程度は聞かされていたとはいえこの世界最強の異名にふさわしい科学技術を前に島原雄星や護衛の兵士は圧倒される。技術面では日本帝国が圧倒的に上だがそれを効率よく運用できているかと言われればそうではない。何しろ鹿島良太はあくまで学生だったのだ。軍事面も政治面も知り尽くしているわけではないのだ。必ず穴が出る。
そう言って意味では研究の失敗を何度も繰り返し、今の技術力を手に入れたガルムンド帝国の方が効率よく運用できていると言えた。出なければ、聖オクシデント法王国に侵攻しつつ大陸西部の国々と戦争を行い、連戦連勝する事など不可能だろう。
「総統閣下からは絶対に侮るな、と言われていましたがこれを見れば侮る気なんてわきませんね」
「私も部下に徹底させます」
そんな感じで日本帝国がガルムンド帝国の様子に気を引き締めていると漸く接岸ポイントに到着し水夫たちが慌ただしく動き出した。ロープを回し陸地と固定すると錨を下ろして停泊する。それを確認すると外交官と護衛の兵が陸地へと上陸を果たした。彼らは日本帝国最初の大陸到着組となった。
船を降りるとガルムンド帝国の使者が居り人数分の馬車が用意されていた。
「この度はガルムンド帝国にようこそおいでくださいました。今後貴国の対応を全面的に行う事になったガムリエルと申します」
「島原雄星です。今日はよろしくお願いします」
握手を交わしガルムンド帝国の案内のもと馬車に乗り込む。馬車はゆっくりと進みだし帝都へと向かって行く。帝都までの道のりは整備されており馬車専用の道と徒歩専用の道の二つに分けられている。立派なインフラは島原雄星を始め日本帝国の者にとってとても驚きと感心を集めた。
「島原さん、これも撮った方が良いのですかね?」
「そうだな。一応バレないように気を付けて写真を撮ってくれ」
「わかりました」
護衛の兵士はそう言うと小型カメラで写真を撮っていく。彼らの役目は島原達外交官の護衛のみならずガルムンド帝国の様子を写真や動画に収める事もあった。未だ発展途上の日本帝国でも真似したり参考に出来る部分が多いにあると考えられその為に現物は無理でも写真に収める事で様々な人に共有できるようにした。
護衛の兵士たちがもう一つの役目を果たしながら二日かけて一同はガルムンド帝国帝都ウィーザーランドへと到着した。帝都ヤマトを超える規模の街並みが日本帝国の外交官たちの目に飛び込んでいく。
摩天楼と呼べるような高層ビルは一つもないが三階建てや四階建ての建物が並び”高層ビルが出来る前の古き良き大都市”を思わせる風景だった。日本帝国から来た誰もがその光景に目を奪われそれを見たガルムンド帝国の者達が自慢げな表情をする。
「これが……、ガルムンド帝国」
「大陸最強の国家か……」
島原は”真の意味で”ガルムンド帝国を大国として認めた。そして、今からそんな大国の者達と交流を持ちなおかつ国交樹立をするという大役に重圧を感じる事となった。
??? Side
「兄さん、この国は酷いね」
「ああ、全くだ」
俺は弟の言葉に同意する。この世界に誕生して早18年。前の世界での年齢を超えてしまった。本来なら今頃は学業に精を出しわずかしかない青春を謳歌しているはずだったのに……。
「準備はできているか?」
「勿論。兄さんの命令一つで僕たちは動き出せるよ。クラスメイト、いや今は”同士”か。彼らも準備万端さ。むしろ兄さんの命令を今か今かと待っているよ。早くしないと暴走するかもね」
「ふ、なら安心しろ。時は満ちた」
そう、この18年で仕込みはばっちりだ。腐りきったこの国を奪い、我らの国にしてすぐに大陸統一を果たす。その為の科学技術、そして魔法の研究も行ってきた。……大陸最強と言われているガルムンド帝国という国がどの程度の実力かは知らないが我らで倒す事が出来るだろう。
「それじゃ行こうか、大和兄さん」
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見ていろよ、くそったれのクソ女め。我ら皇兄弟が大陸統一を果たした後は貴様を殺しに行くからな。首を洗って待っていろ!
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