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魔帝國戦記~ムーアシア大陸編~

鈴木颯手

27・マーシャル連邦侵略戦争~ウィテリック・エニウェトク間の戦い4~

「…コレデラストダナ」
ボブゴブリン切り込み隊長はそう言うと完全に怯え切ったエニウェトク騎馬隊の最後の一人を切り殺した。彼の体は血だらけであり周りを見れば同じように体を地に染めた切込み部隊の姿があったがその数は半分以下の三十しかいなかった。流石に無傷で騎馬隊四千を屠る能力は切込み部隊にもなかったのだ。
「…後ハ崖ノ上二陣取ル敵ノミダナ」
ボブゴブリン切り込み隊長は大剣を振るい、ついた血を落とすと肩に担ぎ生き残りを纏めてウィテリック軍の方へと歩き出した。
「戻ッタカ、早速ダガ移動ダ。街道ノ方ヘ陣ヲ移スソウダ」
そう言って話しかけてきたのはボブゴブリン弓部隊隊長ですでに陣を移動する準備を終えて崖の方を注意しつつ待機していた。
「街道ノ方ノ味方ト合流シテ街道沿イニ進軍スル」
「分カッタ。直グニ準備スル」
ボブゴブリン弓部隊隊長の言葉に返事をすると自身の軍勢に指示を出して街道の方へと向かうのであった。

















その時であった。突如としてウィテリック軍に岩石が降ってきたのである。
「何ダ!?」
岩石の雨を避けつつボブゴブリン切り込み隊長は叫ぶが周りのゴブリンに分かる筈もなく次々と振ってくる岩石によって被害は少ないが混乱が発生しており指示系統が壊滅していた。
「…落ち着け!」
と、そこへ野太い声が響く。その声に思わず誰もが動きを止めた。あのボブゴブリン切り込み隊長ですら動きを止めていた。
「岩石は向こうの崖から降ってきている!恐らく投石機だ!急ぎ街道の方へと走れ!それが唯一助かる方法だ!急げ!」
野太い声の持ち主、ゴブリンキングは直ぐに指示を出すと走り出した。それを見てほかのゴブリン達も後に続き走り出す。その間にも岩石は降り続いていたが街道の方へと近づくにつれて届かなくなっていきやがて岩石が降ってくる事は無くなっていた。
それと同時にベールナ軍千と合流することが出来、ギルとゴブリンキング、ボブゴブリン二体は今後の予定を話し合っていた。
「四万対五千で始まったこの戦いは既に一万七千対三千四百にまでなっている。現状此方が未だに不利ではあるが敵は今までのような数に任せた戦術は使えないだろう。それに身軽な我々は敵の陣形が整う前に攻撃できる利点もある。これを使わない手はない」
「ナラバ我々切込ミ部隊ノ出番ダナ。突破口ヲ見事作ッテ見セヨウ」
ボブゴブリン切り込み隊長は自信満々に言うが彼の部隊はかなり消耗しているため戦争初期のような活躍はほぼ無理であった。それはギルも分かっているため却下する。
「切込み部隊は後方で傷を少しでも癒せ。突破力は落ちるがウィテリック軍にやってもらう。ゴブリンキングもそれで構わないな?」
「勿論だ」
「ならば敵が対応しきれていない今のうちに敵の陣地に突っ込むぞ」
「「「オウ!!!」」」
こうして直ぐにまとめたウィテリック・ベールナ軍三千は街道を進み崖を登ったのであった。一方、ヨーゼフの指揮の元エニウェトク軍とクサイエ軍も対陣を済ませいつでも待ち構える準備を整えていた。
ウィテリック・エニウェトク間の戦いも最後の決戦へと向かっていくのであった。






















「急げ!敵は待ってはくれないぞ!走れ!」
ホーランドとマジュロ間を俺は急いで走っていた。とは言っても後ろからついてくる蟻蜘蛛に合わせてのペースであるが。…こうしてみると一万五千もの大きな蜘蛛が凄いスピードで迫ってくる姿はかなりの恐怖を感じるな。これはこれで使えるかもしれないな。人間よりも速いスピードで迫ってくるとても大きな蜘蛛の波…考えただけで恐ろしい。このことは考えないようにしよう。
先程ギルから連絡があり敵の半数以上を倒して最終決戦をこれから行うそうだ。約三千対一万七千か…。とてもじゃないが正面からではきついだろう。ゴブリンはあくまで人間よりも強い程度だ。何十人もの人間を一人で相手に出来るほど強い訳ではない。例えギルが負けてウィテリックを取り戻されても蟻蜘蛛の軍勢なら難なく倒せるだろうがせっかく増えてきたゴブリンをこれ以上減らしたくはない。…いや、残りの三都市に行けば補充は可能だろうが数は多い方がいいからな。
「陛下!マジュロが見えてきましたよ!戦場までもう少しです!」
そこへ先行していたアルビーナが叫ぶ。アルビーナの言う通り遠くにうっすらと城壁が見えてきた。もう少しだな。俺は今度は後ろを向いて叫んだ。
「よし、ようやく半分だ!このまま戦場まで走りぬくぞ!」
待っていろよ、ギル!今蟻蜘蛛一万五千がもうすぐそちらに到着するからな!
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