魔帝國戦記~ムーアシア大陸編~

鈴木颯手

26・マーシャル連邦侵略戦争~ウィテリック・エニウェトク間の戦い3~

「何だあれは!?」
突如として街道に現れた壁を驚きながらクヌートは見ていた。彼は現在自身が最も信頼する将軍ルドガー・アーレントの指示に沿ってウィテリック軍二千の横を付こうと行動していた。エニウェトク軍の攻撃は止められえると予想しての行動であった。その予想は当たりエニウェトク軍の騎馬隊はその数を大きく減らし歩兵にも被害が出始めていた。更にそれを行っているのがわずか二百に満たない少数の部隊であったのだからクヌートは改めて敵の脅威を確認してルドガーの策を実行しようとした時に壁が出来たのである。
「くそ!敵中央への攻撃は中止だ!ルドガーのもとへと急ぐぞ!」
「し、しかしルドガー様の策はすでに発動しているのですが…」
「ルドガーは俺にとってなくてはならない存在だ!この策よりも重要である。反転してルドガーの所へ向かうぞ!」
クヌートは部下の言葉を聞き入れずに壁の方へと軍を反転させ街道の方へと向かった。この時ルドガーの指示通りに動いていたら連合軍に勝機があったがそれを知るのはこの戦場においていなかった。
「敵は一体どうやってこんなものを作ったというのだ…」
改めて近くまで来たクヌートはその壁の強大さに再度驚愕する。壁の大きさはラリックの都市の壁と同等くらいまでありいびつな形であるが登ることは不可能なくらいきれいに積まれており登ることは不可能であった。
「太守様、かなりの大きさですがこの辺にいたはずの軍勢がいないところを見るとこの中にいると思われます」
「そうか…。分かった。ルドガーと対峙していた軍が襲ってくるかもしれない。急いでここを離れるぞ!」
「了解しました!」
クヌートの言葉を受けて兵士が答えた瞬間であった。
ピキリ
その音が壁の方から聞こえてきた。クヌートが急いで後ろを振り返るとそこには大きくひび割れた壁があった。それを見たクヌートは息を大きく吸って叫ぶ。
「全軍!壁から離れろ!」
そう叫んだ瞬間壁が破壊され大量の水が流れてきた。壁の近くにいた兵士は巻き込まれ水の勢いで圧死する者もあらわれていた。クヌートも近くにいたが運よく圧死されることは免れたが水の勢いは留まらずその勢いを保ったままエニウェトク軍歩兵隊の横に突っ込むこととなった。
「やばい!このままではぶつかる!」
クヌートはその事に気付くもその時には遅く水はウィテリック軍と争う横側を味方の兵士を含んだ水がぶつかるのであった。


















「…上手く行ったか」
水浸しとなった敵の陣を見てギルは呟いた。丘を作り簡易的な防御陣地を築いたギルは敵を全滅させるためにこの作戦を実行した。敵は流され中央部隊のところまで流された上に全員が水に濡れていた・・・・・・・
ギルは手に雷を発生させると敵の方へと向けた。
「…落雷サンダー
瞬間雷が走り敵の方へと向かい水に触れると感電した。水に濡れていたり水に浸かっていた者たちは高電圧の電流をもろに浴びて焼けこげるほどの電流を浴びるのであった。更に鎧を着ていたため水に触れていなくとも歩兵隊全体に広がり九千もの兵がいた中央は今では切込み部隊によって数を減らしている騎馬隊のみとなるのであった。
「…大よそ五千対二万、か。悪くない数字だ」
此方は大した犠牲もなく敵の半数を倒せたことにギルは満足げな表情を作った瞬間であった。矢がいくつか刺さったゴブリンが現れギルに耳打ちした。
「…敗走、か。分かった。混乱を落ち着かせるために後方へ移動せよ。混乱が収まり次第街道に沿って移動して崖の横から急襲せよ」
ギルにそう指示されたゴブリンは頷き陣を去っていった。それを見送ったギルは再び呟く。
「…三千対二万。陣を移動させる。準備せよ」


















一方、歩兵隊が全滅したのはヨーゼフからも見ることが出来た。
「まさか敵がこんな事を出来るなんてね…これは僕にも分からなかったよ」
ヨーゼフは敵の規格外さに驚きを通り越して呆れていた。これでは自分の策略など全く通用しないだろう。
「…だけど、敵もそこまで強い訳ではないというのも知ることが出来たな。敵はまだまだいるだろうけどたった五千程度でこのざまじゃ奪還は難しいかもしれないね。…っと、敵も動き出したか。それじゃあ、こちらも動くとしようか。クサイエ軍に連絡を入れて」
「はっ!」
ヨーゼフは既にウィテリック奪還は困難であり作戦の変更を迫られていることを察し行動するのであった。
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