魔帝國戦記~ムーアシア大陸編~

鈴木颯手

24・マーシャル連邦侵略戦争~ウィテリック・エニウェトク間の戦い1~

まず動いたのはエニウェトク別働隊一万三千である。
勢いよく正面に対陣するウィテリック軍二千に突撃していく。対するウィテリック軍二千は動かずその場で武器を構えている。
「ははは!異形の化け物どもよ!貴様らなど我らエニウェトク騎馬隊四千で蹂躙してくれる!」
別働隊一万三千の前方、歩兵と距離を開けつつある騎馬隊四千を率いる隊長は勝利を確信した表情で突撃していく。
「ゆけ!我が騎馬隊y…ゴハァ!」
騎馬隊の隊長は喉に突き刺さった矢のせいで喋り切ることなくこの世から消えるのであった。他にも矢の攻撃を受け落馬する者が何人かいたが全体での影響は低かったが騎馬隊は一発の矢を的確に命中させる敵に驚き少しであるがその速度が弱まった。その瞬間第二射が放たれ再び矢と同じ数だけ志望者が出るのであった。
「オ見事」
「コノ位問題ナイ」
矢を放ったのはゴブリンキングが生み出したボブゴブリンの中の一人とその者が率いる精鋭弓部隊であった。弓の攻撃に特化した部隊であり一人一人が確実に絶命させることを目的としているため発射速度は遅くとも命中率と敵の絶命率は完全に百発百中であった。
「第三射、放テ!」
ボブゴブリンの言葉に合わせて弓部隊十人が矢を放ち騎馬隊の十人が馬から崩れ落ちる。また、それに足を取られて馬が転倒して落馬する者もいた。しかし、敵は変わらず向かってきていた。
「マア、コノ位ジャ崩レル訳モナイカ」
弓部隊を率いるボブゴブリンの隣では自身の身長ほどはある大剣を軽々と持っているボブゴブリンがいた。彼は切り込み隊長でゴブリンの中でも剣術のスキルを有する者を百名ほど率いていた。
「切込ミ部隊行クゾ!俺ニ続ケ!」
ボブゴブリン切り込み隊長の言葉に配下のゴブリン達は雄たけびを上げる。それを満足そうに見ると大剣をすぐそばまで近づいている敵の騎馬隊に向けると叫ぶ。
「前進!」
その言葉を受け切込み部隊は一気に騎馬隊へと向かっていく。その勢いは騎馬隊に負けず劣らずで隊長を失い敵の正確な矢を受け続けた騎馬隊には少しきついものがあった。
更にボブゴブリン切り込み隊長は部隊の誰よりも早く騎馬隊に接近し、両手に持った巨大な大剣を横に薙ぎ払ったのである。その剣線はすさまじく目の前にいた数名の騎馬隊を切り払っただけではなくさらにその後ろにもかまいたちを起こし切り払ったのである。馬ごと切り殺された兵士は上半身を地面へと転がし馬にまたがっていた下半身もやがて地面に落ちていった。
この一撃により騎馬隊の勢いは完全に削がれそこへ切込み部隊が入って来たことにより騎馬隊はその突撃力を失い殺されていくのであった。
一方、騎馬隊に遅れる事歩兵隊も到着するがその頃には切込み部隊との戦闘により半数以上が失われその力を全く発揮できない状態になっていた。
「騎馬隊を助けるぞ!突撃!」
騎馬隊の惨状を見た歩兵隊の小隊長がそう叫び兵士を前に進ませていった。


















一方、崖の上にいるクサイエ軍一万と対峙したマジュロ軍は策もなしにただ敵へ突っ込んで行った。この軍には兵を指揮できる存在がいなかった。それどころかゴブリン軍を指揮できるもので今戦場ににいるのはベールナ軍千を率いるギル、全軍の総大将でウィテリック軍二千を率いるゴブリンキング、弓部隊と切込み部隊をそれぞれ率いるボブゴブリン二体しかおらずその結果マジュロ軍二千は目に映る敵に向かって突進したのである。
尤も、普通の軍勢であればそれだけでも脅威であり十分に警戒が必要であったが今回は違かった。マジュロ軍二千が崖の下に到着すると上から大きな音をたてて岩が落ちてきたのである。しかし、ゴブリンは普通の人間よりも強く岩を軽く避けていくが岩はかなりの量がありやがてゴブリン達は潰されていった。
全体の半数以上を失ったマジュロ軍は後方へと逃げていくがそこへ千ずつに分かれていたクサイエ軍の別働隊からの矢が一斉に放たれた。
マジュロ軍とクサイエ軍はもう二つの陣から少し離れて布陣していた。理由はクサイエ軍とエニウェトク軍の間にある突き出た崖のせいであるがクサイエ軍はここに兵を配置することで遠方にまで矢を届かせることが出来るようにしていた。その為クサイエ軍が放った五千以上の矢は瀕死のマジュロ軍を雨の如く襲い着実に殺していったのである。これは丁度ボブゴブリンが騎馬隊に突撃したころであったがウィテリック軍二千もベールナ軍千もそれには全く気付いていなかった。
この後マジュロ軍は矢の届かない場所まで逃げることが出来たがその数は五百を切り軍としての機能を完全に失うのであった。
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