魔帝國戦記~ムーアシア大陸編~

鈴木颯手

22・マーシャル連邦侵略戦争~建国準備と驚愕~

「アルビーナ。エンダーバリを落としたそうだな」
「はい、結構楽に落とせましたよ」
俺は現在エンダーバリに来ている。ここは何処の国にも属していない無法地帯への入り口でありマーシャル連邦は少しずつ開拓していたようだ。
「蟻蜘蛛のおかげでようやく国のようなものになってきたよ」
「そう言えばホーランドを落とした時に主の事を魔帝と言ってしまったんですがよかったですか?」
「勿論だ」
俺は今国造りのために動いている。中心は俺の魔物であり人間はモルモット的扱いをするつもりだ。勿論そんなことを国内すべての人間にやる訳ではない。国民は今まで通りの生活を送ってもらい必要なら適度に徴収する感じだ。
「国名はすでに決まっている。”魔帝國”。それが俺たちの国の名前だ」
「魔帝が統治する国だから魔帝國ですか…。結構安直なんですね」
「別に問題はないだろう。次に国旗だがこれも決めてある。日の丸の中に三本足のカラスだ」
「へぇ、結構かっこいいですね」
当たり前だ。八咫烏三本足のカラスは神話の生物だしな。今度作ってみるか?カラスの足を三本にすれば可能だし。
「それで今後は領内にいる人間についてだが基本モルモットで行こう。ゴブリンに送る女たちと遺伝子操作の実験体、俺への食料提供用を残して必要はないからな」
下手に権力を持たせても大変だしな。…っと、忘れていたが、
「予め言っておくがいずれ、俺は遺伝子操作のスキルを使いこの体を魔人へと改造する予定だ。コンセプトは決めていないため暫く見送るがムーアシア大陸を手中に収めるころには実行する予定だ。そのつもりでいてくれ」
「分かりました」
「よし、後はクサイエ、エニウェトク、ラリックの三都市を落とせばマーシャル連邦は魔帝國の元に統一される。その時はアルビーナにも働いてもらう」
「お任せください!陛下に逆らう愚か者は私がきっちり処分します!」
うん、アルビーナはギルと同じく頼りになるな。俺に対する溢れる忠義、吸血鬼という魔人故の若々しくも俺と同等の強さ、豊満な肉体…。
「…アルビーナ。今日は疲れてしまった。寝室に案内してくれ」
「…はい、分かりました。きっちり案内させていただきます」
俺の意図に気付いたアルビーナは少ししおらしく頬を染めつつもはっきりと返答し俺の前を豊満な体をわざとらしく揺らして案内する。…ふむ、意図を分かっていながらそれだけでなく俺を更に高ぶらせようとするとは…吸血鬼は淫乱なのかな?これは夜が楽しみだな。
…その夜は寝室から激しい男女の声が聞こえたそうだが残念ながらここには魔物しかいないため問題はなかった。


















「…今何と言った?」
俺は昨夜の情熱的な雰囲気は全て消滅してしまう程にギルの報告に驚いた。
『エニウェトク、ラリック、クサイエの三都市が連合軍を組みウィテリックに向けて進軍中です。数は凡そ四万』
最悪だ。まさか敵が連合して攻めてくるとは。これはこちらの見通しが甘かったと言っていいな。
『今は周辺の都市に連絡を入れ兵を集めていますがゴブリン五千が今のところ限界です』
兵力差は八倍か。いくらゴブリンが普通の人間より強くてもこの数相手ではかなりきついだろう。そもそもゴブリンは人間の兵士数人分の実力だ。とてもではないが勝てるはずがない。かといって恐らく国境都市以外のゴブリンの総兵力を集めたのだろう。
「分かった。俺もここにある兵を連れてすぐに向かう。それまでは何としても食い止めろ」
『了解しました。それでは私は準備に取り掛かるのでこれで』
ギルからの緊急の通信が切れた後ベッドで未だに夢心地のアルビーナを呼ぶ。
「アルビーナ」
「…は!?は、はい!」
一瞬呆けていたようだがすぐに立て直した。アルビーナの顔は真っ赤に染まり薄切れ一つ纏わぬ煽情的な体を手で隠しているが今は緊急事態の為何も言わない。
「アルビーナ。直ぐに蟻蜘蛛をウィテリックまで連れていく。敵の残った三都市が連合軍を結成してウィテリックに進軍中だ。敵の数は四万。直ぐに準備しろ」
「!?はい!直ぐに準備に取り掛かります!」
アルビーナは予想外の事を受け一瞬驚くもすぐにいつもの真剣な表情に戻り近くに投げ捨ててあった服を掴み部屋を出ていった。
準備にはそれなりに時間がかかるだろう。俺はそれまでにウィテリックが落ちないのを祈るばかりであった。
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