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魔帝國戦記~ムーアシア大陸編~

鈴木颯手

11・マーシャル連邦侵略戦争~第一次ウィティリック攻防戦~

翌日ゴブリンキング率いるゴブリン・キメラ連合軍約七百はマーシャル王国とハッドウ王国の国境にある年に向けて進軍した。それに遅れること二日。女王率いる蟻蜘蛛軍約千は首都から南東に位置するギルバート王国の都市に向けて進軍した。両軍ともに数は少ないが人間では到底勝てない実力を持っている。
そんな中、俺は首都に残り捕虜の相手をしていた。現在ここには先程俺が召喚したゴブリン五匹しかいないがそいつらには早速繁殖を行っておらうために地下牢へと送っておいた。数日もすれば百を超える数になるだろう。
「い、いいか!俺をここで見逃がせば国王様を殺したのは他のものと言ってやる。だから…」
「別に問題はないよ」
「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
捕虜の兵士が悲鳴を上げて絶命した。現在俺は魔人の作成に生を出している。プロットは複数の腕を持つ労働用の魔人だ。どうしても俺が住む場所の建築は蟻蜘蛛やゴブリンには向かなかった。その為大工のみならず荷駄隊や採掘も出来る魔人を目指している。だが、それがなかなか上手くいかない。どうやら本来人間ではありえない複数のうでの操作が難しいようだ。おかげで捕虜にした兵士1023名のうち四百近い兵士が実験の失敗によって命を落とし百名以上が抵抗したため材料となってもらった。
「さて、そろそろ成功させたいものだな。そうすれば生きながらえることが出来るのによ」
俺はそう呟きながらも恐怖で顔を歪める兵士たちに詰め寄るのであった。


















ゴブリンキングが率いる軍団は強行軍でマーシャル王国とハッドウ王国の国境にある都市ウィティリックに到着していた。
到着したゴブリンキングは早速攻撃命令を出し戦闘態勢の取れていないウィティリックへとなだれ込んだ。
「な、何だこいつらは!?」
「街に入れるな!」
「く、くそ!こいつら強ぇ…ぎゃ!」
見張りをしていた兵士達は逃げ惑う町民を誘導しつつゴブリン軍団に果敢に立ち向かうもステータスの差と圧倒的な数の差によってあっと言う間に皆殺しにされてしまう。
「町民たちは反対側より外へと逃げよ!兵士たちは陣形を組んでこれ以上化け物を町に入れるな!」
街を抑える太守が自ら前線に立ち指揮を取るもゴブリンの強さの前には敵わず少しずつ後退していた。
「く!誰か!ハッドウ王にこのことを知らせよ!」
守り切れないと判断した太守はこの化け物の事だけでも伝えようと伝令をハッドウ王国に向かわせた。しかし、その伝令が届くことはなかった。
「この街はやりやすいな。出入り口が二つしかないからな」
反対側の扉の前でギルはそう呟くと扉に手をかざす。すると扉を土が覆っていき安全に扉が塞がってしまったのである。これにより町から出るにはゴブリンがいる扉から強行突破するか扉を覆う土をどかして出るかの絶望的ともいえる二択のみとなってしまったのである。これには出ようとしていた町民たちは絶望するが中にはギルに向かって木の棒や剣をふるう者もいたが呆気なく鎮圧されてしまう。
「さて、あっちも決着がついたかな!」
ギルは興味なさげに太守が守る前線に視線を送るが直ぐに視線を外し周りの人間を拘束していく。
元は活発で元気溢れる少年であったが拓哉の改造によって姿は大人となり全ての物事に興味が薄い魔人となってしまったのである。彼の心を占めているのは主人である拓哉への絶対の忠義と姉のアルビーナの事だけであった。その為彼はたとえ殺しだろうと平気で行い主人の為に最善を尽くす魔人となったのである。これが卓也に取って言事なのかは本人すら知らないことである。
話を戻すと太守は伝令が無事にハッドウ王国に向かったと信じて疑わずに少しでも足止めするために自らも剣をふるっていた。しかし、圧倒的なステータスの差によって身体中傷だらけで立っているのが精いっぱいの状態であった。対するゴブリンはまだまだ余裕があり後方に目を向ければ家の中に入り略奪や人間を捕縛していた。その事が太守に無力感と絶望感を味合わせ続けていた。
「もはやここまでか」
遂に太守は力尽き地面に膝をついてしまう。肩で息をして武器として振るっていた剣は今では自分を支える杖代わりと化している状態であった。そんな太守に一匹のゴブリンが近づきとどめを刺そうと木の棍棒を振り上げる。しかし、それは振るわれる事はなかった。
「太守様を守れ!」
生き残った兵士たちが太守だけでも守ろうととどめを刺そうとしたゴブリンに襲い掛かったのだ。幾つもの槍や剣を受けて無事でいられるほどゴブリンは強くはなく遂にゴブリンが力尽きて倒れてしまうのであった。
しかし、彼らがたおした数は今倒した分も含めて僅かに十匹のみ。このまま行けば全滅するのも時間の問題であった。
「一部は太守様を連れて反対側から外に脱出せよ!残りは時間を稼ぐぞ!」
ウィティリックの町は特殊な構造となっており一本道が途中で分かれるように出来ているため反対側に行くには大通りを通る必要があった。彼らは大通りに陣形を作り死守の構えを見せる。その隙に太守と数名の兵士が反対側へと駆け出していく。ゴブリン達は逃がさないとばかりに攻勢を仕掛けるも陣形を用意には突破出来なかった。
しかし彼らは知らない。
扉についた先にはさらなる絶望が待っている事に。

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