魔帝國戦記~ムーアシア大陸編~

鈴木颯手

05・蟻蜘蛛

『えっと、これでいいのかな?…ハイキメラ、聞こえているか?』
『はい、聞こえております』
お、返答が返ってきた。ちゃんと変換されているようだな。声は渋い男の声か…。なんか急に執事が欲しくなってきたな。材料を手に入れて今度作成でもしようかな。
『通信が出来ると言う事はキメラを配下に置いたのか?』
『はい、先ほど、似た糸も服従を勝手に誓ってきました。一体何があったのでしょうか?私には分かりかねるのですが』
『ああ、あれね』
ハイキメラの言葉に俺は苦笑する。確かに先ほどキメラ達が腹を見せて寝転がっていたな。確かにステータスはハイキメラのほうが上だし明らかに大きさが違うからな。こうなっても仕方ないか。
『なら、早速頼まれてくれるか?』
『なんでしょうか?』
『キメラを連れて反対側の森の端までちょっと行ってきてくれるか?』
『了解しました』
『頼むぞ。何かあったら連絡するように』
俺がそう伝えるとハイキメラはキメラを連れて森の奥へと走って行った。見えなくなるまで見送ると俺はエントが捕まえた他の動物を見ることにした。
フム、あまり良さそうなものはいないな。この先チートだけでは乗りきるのが困難なこともあるだろうからな。なにか偵察に使える魔物が欲しいな。…と、そう考えていると足元を歩く蟻を見つけた。
…成る程、蟻を使えばそれも楽になりそうだな。蟻は小さいがその分見つかりにくいし、蟻の中には人すら食す個体がいるからな。これをベースにしたり他の生物に遺伝子を組み込むことで使いやすくなりそうだな。何かいないか…。お、あんなところに蜘蛛がいるではないか!丁度良い!単体で行動する蜘蛛に蟻の遺伝子を組み込み集団で行動させればかなり便利そうだな。更に簡単に壊れない糸にすれば罠や拠点などにも使えそうだし初見で意表を突くことが出来るな。ならば早速作らねば!
先ずは蟻の巣の中から女王蟻を取り出しその辺の蜘蛛に遺伝子を加える。そうしたついでに蜘蛛を大きくして野球ボール程の大きさにする!後はさっきも行ったとおり蜘蛛の糸を丈夫にして他にも動物の胃から消化器官を取り出して蜘蛛に付け加えることで極めて高威力な酸を吐き出すことが出来るようにした。蜘蛛の糸はこの蜘蛛が出す酸のみ弱くすることで他の耐性をアップさせた!これなら簡単に破られないが臨機応変に蜘蛛の糸を操ることが出来るようにした!
次に兵隊を作る。俺の指示を女王を通して聞くようにする。兵隊は蜘蛛の関係から五匹しか無理であったが一応完成させた。因みに兵隊には酸は加えていない!理由は複数あり先ずは動物の胃が底をつきかけていることだ。使用したのは動物の胃であるがエントが捕まえた動物は少ないため酸は希少なのだ。そして何より兵隊にも入れていては死骸を敵対者が持ち帰り酸を用いた兵器を開発されると困るからだ。そうなっては蜘蛛の糸は少し足を止める程度の物になってしまう。兵隊は一生を兵隊で過ごさせる予定なので付け加える必要はないだろうからな。
そして最後に女王と兵隊の間に位置する隊長を作成する。酸は隊長からつけることにした。さすがに女王だけだと手が回らないだろうからな。これは二体完成させた。
ステータスは次の通りになった。

名前:種族:魔物蟻蜘蛛・兵隊レベル:1体力:500/500魔力:500/500筋力:150防御力:300俊敏力:150抵抗値:300運:100ノーマルスキル:・爪術レベル1・補食レベル1ユニークスキル:・熱耐性レベル1・酸耐性レベル1・毒耐性レベル1・テレパシーレベル1エクストラスキル:・糸操作レベル1称号:兵隊蜘蛛

名前:種族:魔物蟻蜘蛛・隊長レベル:1体力:800/800魔力:500/500筋力:200防御力:400俊敏力:200抵抗値:500運:150ノーマルスキル:・爪術レベル1・酸噴射レベル1・捕食レベル1ユニークスキル:・状態異常耐性レベル1・テレパシーレベル1エクストラスキル:・配下通信レベル1・上下通信レベル1・糸操作レベル1称号:隊長蜘蛛

名前:種族:魔物蟻蜘蛛・女王レベル:1体力:1200/1200魔力:700/700筋力:300防御力:600俊敏力:250抵抗値:550運:180ノーマルスキル:・爪術レベル1・酸噴射レベル1・捕食レベル1ユニークスキル:・状態異常耐性レベル1・斬撃耐性レベル1・テレパシーレベル1エクストラスキル:・並列思考レベル1・配下通信レベル1・眷属作成レベル1・糸操作レベル1称号:蟻蜘蛛の女王

素晴らしいではないか!これは予想以上に強くできたぞ!…だが、また分からないスキルが出てきたな。何となく分かるものもあるが詳しくは分からないな。また鑑定するか。
【酸噴射】
【口から強力な酸を吐き出す。レベルが上がれば上がるほど酸の威力と飛ばす範囲が広がる】
【糸操作】
【自身が出す糸を操作する能力。レベルが上がれば上がるほどコントロールの正確さが上がる】
【眷属作成】
【自身の眷属を魔力を消費してレベル分作成することができる。レベルが上がれば上がるほど作成できる数があがり消費魔力が低くなる】
なかなか強いな。これならすぐに増えていくだろう。後はハイキメラの連絡を待つのみだな。その間に昼飯でも食べて待つか。

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