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詩詩詩

ノベルバユーザー226236

アンバランス


君に貰ったお菓子口に入れたら
舌が緑色になって笑った 夏の日
箸が転げるだけで笑った 懐かしい

両手広げてバランスを取れず転んだ
泥だらけになって笑った そんな
君のこと知ってるの僕だけ

黒い髪が肩に届いた頃
幼いまま大人になって
アンバランスな君の弱いところ知ってる
純粋過ぎるから全部飛び越えて
後戻りなんて出来ないぐらい遠くまで




君は強がりでゲームに負けたら
口数を減らして笑った 夏の日
輪の中で僕だけが気付いた

陰に隠れて誰にもバレず泣いてた
言葉を知らない僕は黙った そして
隣に座って泣き止むまで待った

そこから先は何も無かったけど
それから先は何も無かったけど
君のこと知ってるの僕だけ



細い指と瞼濡れた頃
知らないまま大人になった
アンバランスな君が笑う場所を教えて
純粋過ぎるから全部飛び越えて
後先なんて考えないまま飛び出して
戻れなくて 進みたくもなくて
立ち止まって 座り込んで 

話すこともなくて 何も聞きたくなくて
君の手を引いて 帰り道歩いて


アンバランスな君が笑う場所を教えて
手を引くから

アンバランスな君が笑う場所を教えて
手を引くから

笑って



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