未来国家建国記
003
ジリジリと照りつける太陽はしっかりと屋外のもので戦闘用の服は通気性はいいが何しろ見た目が暑苦しい。
ビタっとしているシリコン素材は耐久性、通気性共に優れてはいるが自分用に特注していない服ではどうしても隙間ができてしまいそこの擦れるのが気になってしまう。
何度も首近くにある空気を抜くためのボタンを押すがしっくりきてくれることは無い。
「いいか!これはいつもやっている模擬訓練では無い!実際に怪我もすれば死ぬかもしれない!皆心して実習を行うことだ!」
目の前にある壇上でいつかの女教師が声を張り上げて今日の実習についてのことを話している。
エルメイ実習メンバー選択用紙を3人という少人数で提出した俺たちはあのあと呼び出されたが、リーシャが言い負かしたことにより特例で認められた。
「実習の最中は必ず戦闘用の服を着込み、暴圧ヘルメットを着用すること!それと、警戒エリアからは絶対に出ないことだ!
エルメイはたまに逃げる奴もいて危険エリアから立ち入り禁止エリアにまで逃げる奴がいる!そいつは深追いせずにしっかりと探知者が指示を出せ!
探知者はもし戦闘員が危険にさらされても絶対に自分で追いかけずに私たち教師や今日来てくれている軍人に声をかけること!
いいか!探知者がいなければ戦闘員は探し出せない。絶対に警戒エリアから出ないこと!」
そう言って女教師は左手にいる軍服を着込んだ数人の男、女を見る。その1番端には中は軍服だがその上に黒いポンチョのようなものを着込みフードをかぶっている者がいる。
そいつのバッチは見えなないが軍人の全員がゴールドのバッチを付けている。
女教師は顔を前に向けなおす。
「出発は今から1時間後!
探知者は識別信号を付け直すのもよし!形態の最終確認するも良し!教師や軍人にアドバイスを貰うもよし!きっかり1時間後集まれるなら何しても良い!
それでは解散!」
その合図と共に生徒達は最終確認に入る。
良たちもいつものように3人で円になる。リーシャとハズナはゼリーを2人で美味しそうに飲んでいてワイワイと遠足のような光景だ。
「おい!遠足か!」
良がグッと拳を握りしめながら今にも殴りかかりそうなほどプルプルとふるえている。
「ん、なんだ良も食べたかったのか。ならば早くいえばいいものを、喜べ、美少女との間接キスだぞ!」
ハズナがグイグイとゼリーの飲み口を良のほっぺに押し付けてる。その間にも良の怒りのプルプルは速さ大きさ共に増していくがハズナもリーシャも関与せずといった顔で2人でゼリーを分け合っている。
「うがー!!!いらんわ!!お前の口のつけた物なんぞ!!そんなんより形態の最終確認をするぞ!!」
目を三角にして怒り出した良に笑いながら「イェッサー!」と敬礼をする2人はそれでちゃんとスイッチが入ったのか飲むゼリーの飲み口を締め、ポケットに入れると良が地面に書く丸3つと三角に注目した。
「分かってると思うが丸が俺たちで三角がエルメイだ。」
「「うんうん。」」
「リーシャは絶対に警戒エリアから出るな。識別信号の反応がしにくくなったとか、敵がどこから来るとか細かいことはすべて送ってくれ。」
そう言って良は少し離れたところに書いてあった丸1つと丸2つの間に線を引き、丸1つの方に安全という意味の星を書く。
「ねぇねぇ、リーシャ。」
ハズナがリーシャの耳元に口を寄せ小声で話しかける。それに応えたリーシャの声も当然小声だ。
「なに?」
「やばいよ。私、獣の良と二人っきりだよ!きっと向こう行ったらリーダーという地位を使って、あんなことやこんなことをぉぉ〜〜.......「聞こえてんぞハズナ!!!」」
「ひゃぁ!」
ハズナがいやー!と言うふうに言っていた言葉を遮り良が怒鳴る。
「全く!誰がお前みたいな貧乳に手を出すか!!てか、リーダーだからといってそんな権限持ってねーよ!バカが!」
地面に目印を書き込んでいた棒でトントン!と地面を突きながら良がハズナに向かって怒鳴る。
「はぁ!?貧乳って何よ!貧乳でもこーんなに美少女なら許されるのよ!てか、貧乳じゃ無かったら手を出すわけ!?じゃリーシャなら手を出すの!?こーんな小さな可愛い子に!どんな獣よ変態!」
ハズナがギャイギャイというように良にまくし立てる。そうである、良はハズナの触れてはいけない点について触れてしまったのである。
「はぁ!?リーシャに手を出すわけないだろ!こんなロリとか一部の物好きしか手を出さねぇよ!てか、貧乳に貧乳って言って何が悪い!てか、自分で美少女って言うとかお前大丈夫か!?」
プチンと来た良も負けじと言い返してしまい止まることが知らぬように愚痴がドバドバと出てくる。
「どっからどー見たって私は美少女でしょーが!てか、私が美少女じゃないって言うなんてあんたどんだけ目が超えてるのよ!あ、それかあんたビー専でしょ!残念ね!この学校は可愛い子が多くて!アンタのお眼鏡に叶うブスはそうそういないんじゃないのー?」
売り言葉に買い言葉。もー終わりそうにないこの喧嘩は、5分ほど続いた後にリーシャのエイ!という言葉と共に出された蹴りが2人の脛にあたったことにより終了を迎えた。
「うるさい。早く始める。」
「「ご、ごめんなさい」」
ロリでもこの学校で五本指に入るほどの体術を持っているリーシャの蹴りはとても痛く馬鹿にできない。涙を目尻にたまらせた2人は脛を抱えながら素直に謝ることのできるいい子だ。
「よ、よし、じゃあ、早速確認を続ける」
「そ、そうね、続けましょう」
さっきの痛さがまだ残っているのか少しおかしいが開始の合図をきった。
「俺とハズナは戦闘員として前線に出る。俺は後衛で銃で牽制するから遠慮なく突っ込んで行ってくれていい。」
良が一番三角に近いところにあった丸にまっすぐ三角に向かって矢印のついた線を引く。そして少し後ろにある丸からは少しウェーブのかかった線を引く。
「うん、でも今回の銃が合わなかったら?」
ハズナが近くにあった木の棒でウェーブの線にバツ印を書き入れる。
「そん時は俺も前衛で戦う。それでもハズナは前に進んでくれていい。俺は触手や雑魚を引きつけるから」
良が少し後ろの丸からまっすぐな棒を引き矢印の周りを円で囲った。
「わかったわ」
ハズナはうん。と頷きながら脳内でシュミレーションを組んでゆく。
「リーシャはもしもの時はすぐにでもゆってくれ。立ち入り禁止エリアギリギリまで狙った獲物は追いかけようと思う。」
良が全部の図を囲む大きな円を書き三角をその円の外に向かって矢印を書く。
「わかった。多分私も探知能力を広げれるのはそこまでと思う。多分計算で近い道を割り出せると思うからその時はちゃんと指示を聞いてね。」
「「了解」」
了解したとハズナがリーシャに返事をするとリーシャが2人の前に拳を突き出す。
2人ともそれを不思議に思わずにそのまま同じように突き出して3角を作る。
「狙いは秘宝級第六位だ。古代遺物級は出ないと思うがそれだけには気をつけろ。」
「「了解」」
そういった瞬間3人とも拳を更に突き出してコツンと音を立てる。
「よし!じゃあ、ゼリー飲もー!」
「うん。やっぱり戦闘前に栄養補給大事」
2人はすぐにポケットに入れていた飲むゼリーを取り出しすぐに飲み出す。
「ガチで遠足気分だろ」
2人は「集合!」と言われるまで遠足気分を楽しんでいた。
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