リバース・シリーズ

シオン@makia-to

『第6話 カーナ編』

異世界ものでお馴染みなのはラスボス…すなわちドラゴンとかがいるのだろう。そう思い俺は扉を開けた。
最初のように呪文を唱える必要なくすんなりと開いた

「ここは……」

ボシュッ
1つの松明が着くと続けて松明に火が灯り始め部屋全体を明るくした。

「シオン殿…!誰かいます……」
「えっ…」

ロイゼンの一言に驚き俺は数十メートル先を見た。

『たしかに…だれかいる!』

俺とロイゼンは顔を見合わせ臨戦態勢に入った。
俺は二刀流…ロイゼンはどこから取り出したのか小刀を構えていた。

「お、おぉい。そこの君?迷子かな?」

我ながら馬鹿みたいな質問だ。
人影はこちらを向き……ニヤリと笑った。

刹那…背筋に寒気が走る。数十メートルさきだというのに  笑っている  ことを俺は感じ取っていた。
野生の勘だろうか…。はたまた死の宣告か……。

「ロイゼンさん…!」
「わかっておりますとも。あの者は普通ではありません。」

 『さて、どうしたものか…。』

そしてまた刹那…左頬を風が吹き抜けた。

『風…?ドアは…いつの間に閉まって……!』

俺はとっさにロイゼンの方を見た。
そこにロイゼンはいなかった。

「ろ、ロイゼンさん…?」

俺はまさかと思いつつ後ろを向いた。
そこには全身が血に塗れたロイゼンがいた。

「な、ろ、ロイゼンさん…!」
「う、うぅ~……」

よかった…生きているみたいだ

「シ…オン…殿。わたしに…構わ…ず。」
「そんなことできるわけ!」

そう言った瞬間…腹部に衝撃が走った。

「…えっ。」

見るとそこには先程の人影だろうか?
俺の脇腹に拳が刺さっていた。

「我を前によそ見とは…。余程の余裕と見える。では我の攻撃を受けたのはわざとかな?」

16歳ほどの容姿だった。
だがその拳は決して子供の力ではなく。
ロングの黒髪が風に揺れ美しく舞っている。

「いてぇな…おい。」
「そうか?優しくしたつもりなのだが…。最近の人の子は脆いな。だがお前は人のことは少し違う匂いがする。」

少女は上をむく。紅く美しいその目は俺を確実に捉えていた。

「あいにくだったな。俺は人の子さ。」

そして俺も負けず劣らずの1発を相手の腹部に御見舞してやった。

「痛いではないか…?我が痛みを感じるなんて何百年ぶりのことだろうな?」
「悪いな…やさしくしたつもりだったんだよ。てかお前それで10代じゃないなんて詐欺だろ。」
「まぁ許せ。我はこの姿が気に入っておるのだ。」

そうして少女は数歩後ろへ行く。

「お前で三人目だ。初見で我の不意打ちで膝をつかなかったのは。」
「そりゃ光栄だな。で、お前誰だよ。」
「ん?我か?我はこの遺跡……『大地の遺跡』の守護者 。人々は『大神』と我を呼ぶ。そなたは?」
「俺は……シオン。『エリュ・シオン』だ。冒険者やってるよ。」
「では名もしれたことだしな……続きをしようか。我は今、久々の殺し合いがワクワクしておるのだ。」

こいつイカれてやがるな。
殺し合いがワクワクだ……?

俺の中でなにかが切れる。

「おい…大神。死ぬ覚悟はあるんだよな?」
「もちろんだとも。だがそう簡単に我は死なぬぞ?」

言質……とったからな。


この世界に来て不思議に思った魔力がある。
【創造魔法】のことだ。
創造魔法というのは物体を作り出すことができるということは知っている。何度も試したが。如何せん。一つだけ疑問に思うことがある。
それは向こうの世界のものが作れるのか…ということだ。
文字からしたらまぁできるのだろうが今まで試す機会もなかった。
幸い今はロイゼンは意識が朦朧としている。

「ふぅ~は〜。   【創造魔法】……発動!!」

瞬間。俺の周囲に電撃が走る。
青の電撃のなかから4つのボックスが現れる

「お、なんじゃその箱は?」
「……お前を殺す箱 『パンドラの箱』さ。」

パチンッ
俺の合図で箱が蓋を開く。
『八連型追尾式ミサイル系32バージョン』

「目標補足。初期弾道予測……完了。発射……!

大きな爆音でそれらは放たれる。
それらは迷わず大神に向かっていくが、回避しようともしない。

そしてミサイルの先端は地面にぶつかる。
同時に爆煙と地響きがあたりを覆う。

「お、お前……。な、なに者だ。我の防御壁を貫通する威力じゃと?ありえん……!」

大神はボロボロの状態で現れた。

『あんなミサイル32発じゃラスボスはやっぱ倒せないか。だがまだ俺には手がある。』

「【創造魔法】発動……」

するとまた青い電撃が俺の周りを覆った。
無数の剣が刀が槍が斧が。数百の単位で現れる

「これで終わりだな。    『ソード・アート!』」

無数の武器が大神に降りかかる。
大神はまたそれを回避せず……いや出来なかったのか。
串刺しとなった。

「おわったな……。    あ、ロイゼンさん!」

俺はロイゼンの元へと駆け寄った。

「シ…オン殿。先程のは……」
「喋らないで…!今治療しますから」

『ひでぇな。全身の骨が折れやがる……』
「『エクストラ・ヒール』」

俺はロイゼンにエクストラ・ヒールをかけた。
金色の暖かい光がロイゼンを覆った。

「かたじけない。シオン殿」
「いえ、そんなこと。」
「それでシオン殿…先程の魔法は?」

げっ、み、見られてたのか……。
なんかもうロイゼンさんなら俺のステータスを見せても…手助けになってくれるかもしれない。

「ロイゼンさん…今から言うことは他言無用でお願いします。」
「わ、分かりました」

そして俺はステータスをロイゼンに見せた。

「こ、これは…!?」

そういえば俺も最近ステータス確認はしてなかったな。

【〜キサラギ  セント〜】
【Lv4904】
【種族】  人族       【性別】   男    【年齢】17歳
【称号】  転生者     剣s…いn     大地の天敵

【体力】       35,700/40,000
【魔力】       578,000/850,000

ー能力ー

【気力】       SSS                  【器用】        SS
【敏捷】       SSS                  【決断力】    SSS
【知力】       SS+                    【統率力】    SSS
【筋力】       S+
【魔力供給】       1分間~12,000~

ー魔法ー

【火属性】 Lv500
【水属性】 Lv450
【木属性】 Lv450
【風魔法】 Lv440
【鋼魔法】 Lv400
【雷魔法】 Lv500
【光属性】 Lv670
【闇属性】 Lv969
【治癒魔法】 Lv500
【創造魔法】 Lv929


【スキル】

【マップ】 
【全語学】 Lv10
【索敵】 Lv100
【鑑定】 Lv10  NEW!
【剣術】 Lv測定不能
【武力】 Lv560
【体術】 Lv500
【弓力】 Lv400
【物理耐性】 Lv500
【魔力耐性】 Lv500
【アイテムボックス】 Lv10


加護による付与

【自然治癒力】 Lv777

ー加護ー


【創造神の加護】 Lv10
【剣聖の加護】 Lv測定不能
【闇の加護】 Lv測定不能

ーーーーーーーーーーーーー

また色々とカンストが……
ロイゼンさんは……あ、やっぱ口をあんぐり開けてる。
てかスキル増えてた!よくある【鑑定】だ!
でもなんで新しいやつがLv10なんだ……?


「ロイゼンさん……お分かりいただけました?」
「え、えぇ。」
「お主がなぜ我より強いのがよくわかった」

あれロイゼンの一人称って我だっけ?
ふと俺は自分の胸になにかが当たった……黒髪だ。

「な、なに!?お、お前生きてんのか!?」
「さすがに危なかったが我の魔力全乗せの防御壁で
何とか生き延びた。でもそのおかげで魔力がすっからかんだけどな……ところでだ。」

そうしては大神は俺に近づく

「お主、我と契約を結ばぬか?」
「け、契約?」

俺が呆気に取られているとロイゼンさんが説明をしてくれた。さすが姫様専属の執事だけある

「契約とは本来…本人とその従魔の間で交わされる協力関係を表したようなものです。
ですが契約は自分より下位のものにのみ適応されるものなのですが……」
「その通り。お主は我よりもはるかに強い。よってこの儀は成立するはずじゃ」
「まてまてまて、契約するとどうなるんだよ?」
「ただの主と下僕の関係になるだけじゃな」
「じゃあお断りだ。俺と対等の関係じゃないなら契約する気はない。」

元々俺は自分の下に誰かを置くのは好きじゃない。
だから元の世界でも俺は仲間と対等の関係でいた。
ぶっちゃけ王国とかそういうのもあんまり好かないんだ。

「なるほど……  ならばせめて召喚契約だけでも結んではくれないか?」
「召喚契約……?」
「召喚契約とはお互いが対等な関係でありいつでも呼び出しが可能となるものです。」

ロイゼンさんがまた丁寧に説明してくれた。

『召喚契約か……。『ポケ ン』みたいな感じか?』

「それならまぁ。」
「よし決まりじゃ!ならさっそく……」
「まて、契約する前に。お前、人襲う気があるか?」
「我はここを護りし者だ。よそ者が何も手出ししてこなければ我からは何もしないさ」
「ならいい。で、召喚契約って具体的に何すりゃいいんだ?」
「我に少しでいいから主の血をくれ。そして名前をつけてもらう。」

血は……まぁなんとかなるとして。
名前かぁー。んーー?

「血はとりあえずいいとして主は名前だけ我にくれればいい。血は後で吸わせてもらう」
「吸うって……吸血鬼かよ。 しかもお前名前あるじゃん。大神って」
「それは太古の昔に人間どもが我を呼んでいたからじゃ。契約する今、我には新しい名が必要じゃ」

そうかぁ。んーー。よし、決めた!

「お前の名前は……大地の神  ガイア  からとって  
カーナ にしよう。」

大地の神  ガイア を  カーナに少し変えたのはまぁこいつも女だし…。ガイアなんて少しごつい名前は可哀想だと思ったからだ。

「カーナ   か……     うむいい名じゃ!」

するとカーナの体は眩い光に包まれ数秒で戻った


「なんだ!?今の」
「契約が成立した証じゃ。」
「え、血は?」
「主がいつの間にか切っていた傷から少量頂いといた。ほら、そのひじのあたり」

確認すると確かに血が少し薄く滲んでいた。
何をされたかは想像すまい。

「そっか。そんじゃカーナ。これから宜しくな?」
「こちらこそ宜しく頼む」

こうして俺はカーナと召喚契約なるものを結んだ
後に俺は召喚契約を結ばなければよかったと後悔するのだが、それはまた別の話で





遺跡を出る際にカーナが俺たちに褒美をくれた。
それは古の本とこれまたコンパスのようなものだった

「カーナ   これは?」
「ん?そっちの本は世界のありとあらゆる倫理が記されておる。そしてそのコンパスは【約束の地】を開くのに必要なものじゃ」

と、俺は今しがたにロイゼンさんから受取ったコンパスをカーナに見せた。

「な、それは  【剣聖の遺跡】で叢雲(むらくも)が護っていたはずの!?  」

どうやらカーナはこの持ち主を知っているようだ。
だが俺はそんなことより気になることが今の発言にあった。

「……なぁカーナ。叢雲って【天叢雲】の事じゃないのか……?」
「ど、どうしてそれを!?まさかあるじは叢雲を斬ったのか!?」
「残念ながら叢雲のことは知らない。ここに入る前
この遺跡の前で発見されたものらしい。」
「なんと……。そうか」

そしてカーナは少し考えたようでまた口を開いた

「主よ。我もこのまま主の旅に同行する許可が欲しい。」
「理由を聞いてもいいか?」
「……剣聖は我の親友なのだ。奴の安否を我の目で確かめたいのだ…!」

そういうことか。こいつもなかなか仲間思いなやつだな……

「わかった。同行するのは構わない。もとよりそのつもりだったしな。」
「ありがとう…!」

そうして俺らは出口に向かった。


コメント

  • シオン@makia-to

    ごめんなさい!
    話数をかなりミスりました……!
    誤字などがあったら教えてくださ〜い!

    0
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