ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~
1章4話 真偽錯綜のプレリュード(2)
「暴行が確か60回以上、上納金が間違いなく48回、そのうち、耳を揃えてくれたのは32回。酒やタバコの献上は誠意ってことでノーカン扱いだから……、アァ? 残りなんぼだ?」
「全額払えなかったのは16回だろ? ってことは、その16回分の満額をもう1回払わせれば、確実に残りは全て賄えるだろ」
「でも、これ、俺たちに暴行してもらったんだぜ? それと利子もある」
なんでこんなことになってしまったのだろう……? 自分は病気の幼馴染を助けたかっただけなのに……。と、ルークは光が差さっていないような無感動な瞳孔で自問自答する。
もともと、ルークは奴隷階級一歩手前の貧民ではなく、本当に奴隷階級に属していた正真正銘の奴隷だった。その後、『とある事情』により管理されるべき、と、判断され戸籍を得て、魔王軍の軍人を育てる軍立第35騎士及び魔術師育成学院に入学できた。
が、今思えば、戸籍なんて得ない方がよかったのかもしれない。
いっそのこと、一生を奴隷のままで終わらせた方がよかったのかもしれない。
ここはどこか?
そうグロースロート、即ち魔王軍最上層部の中でも純血遵守派閥に属する1人が統治する国家である。
元奴隷が軍立の学院に入学?
迫害と嘲笑、憐憫と差別の対象になるだけだし、事実、ルークは今、こんな不条理に身を置いている。
徹底した上級と下級の隔絶意識。
血統の純度と伝統の重みが全てを決める社会。
端的に言えば住む世界が違う、というありふれた表現を地で往っており、それを学生どころか教師でさえ体現しているのが、少なくともルークが在籍している第35騎士及び魔術師育成学院であった。
暴行やカツアゲなんて日常の1つに過ぎない。
虫の死骸を無理やり口に押し込まれたことだって――、
異性の前で自慰行為を強制させられたことだって――、
あてがわれた借家を燃やされて野宿したことだって――、
こればかりはほんの数回とはいえ、麻薬の試し打ちをされたことだって――、
忘れたい。
でも、忘れたくない。
つらい現実だから。
忘れたら、いつか復讐できないから。
「これ、未使用だと思うか?」
「断言はできねぇが、意外なことに可能性はあるんじゃないか? これの『外見』、気持ち悪いだろ?」
「まぁ、髪も身体も服装も、こっちで『用意』してやったからな」
「そうそう、薄汚れた状態じゃ誰もレイプしようとは思わないだろうし。ついでに母体経由で病気を持っているかもしれないし」
「そもそも人の形を使わせてもらっている奴隷だからな。犬を犯すようなモンか」
「まっ、逆にすでに使われている可能性も普通にあるが。むしろそっちの方が9割以上だが」
「つーか、なんでもっと早くこうできなかったんだ?」
「外堀を埋めたり、この状況を作るためにいろいろ仕組んだり。あぁ、それと、全てが終わったあと、他の勢力に気付かれないように事後処理を進めるための準備に手間取ったんだよ。これが死んだあと、『あれ』を献上して魔王軍幹部の方のお目にかけていただくのは俺だからな」
「ハッキリ言って、親のパワーバランスはそっちに傾いている。こちらに勝算はない。だから――」
「――勝ち馬に乗る、だろ? 契約書まで作ったんだ。約束は守る。いずれ父上が死に、兄上から継承権を奪ったあと、まぁ、便宜を」
好き勝手なことをベラベラと話す2人。
整った服装をして、香水さえ付けて、大通りの露店で買った酒を片手に下劣な談笑をする未来の貴族。
その様子をルークは死人のような瞳で、涙を流しながら視界に入れていた。
憎悪ゆえに睨んでいたわけでも、憧憬ゆえに見上げていたわけでもない。
カメラで捉えていてもボタンを押さないように、頭を空っぽにして呆然と目を開けていた結果、たまたまその範囲で2人がやり取りしていただけである。
そして――、
――どうやら1人目の客がきたようである。
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