ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~
1章3話 ロイ、初恋について語る。(1)
翌日――、
七星団学院に向かう馬車の中――、
ロイとシーリーン、そしてイヴとマリアの4人は――、
「シーリーンさんがいつにもましてお兄ちゃんにくっ着いているよぉ……。お姉ちゃん、なにか知っている?」
「~~~~っ、イヴちゃんにはまだ早いですからね?」
「? う、うん」
キョトンと小首を傾げるイヴに対して、昨日の夜にロイとシーリーンがなにをしたのかをハッキリ理解していて、思わず赤面してしまうマリア。
が、少なくとも片方に、昨夜、自分たちがなにをしていたのかを知られているのに、シーリーンはラブラブ一直線でロイの腕から離れなかった。
「えへへ♡ ロイくん、大好き♡ 好き♡ 好き♡ 大好き♡ 愛してる♡」
「シィ、イヴと姉さんの視線が痛いから、少し……」
「も~、しょうがないなぁ~。その代わり、帰ったらまたシィのことを愛してね?」
「う、うん……」
と、ここでようやくシーリーンはロイから離れる。
「それにしても、シーリーンさんが羨ましいよぉ……」
「ロイくんの近くにいるから、かな?」
「それもあるけど、よくよく考えたら、お互いに初恋の相手とゴールインしたわけだよ?」
「そういえばそうですね。弟くんは故郷で恋愛していませんでしたし、一応訊きますが、シーリーンさんは――」
「当然、ロイくんが初恋の相手だよ? ねっ、ロイくんもそうだよね?」
「えっ?」
「「「……えっ?」」」
瞬間、馬車の内部の時間が止まったように、みな一様に動きを止めた。
まるで超高等な氷結の魔術をキャストしたような感じ。
シーリーンはもちろん、イヴもマリアも、その「えっ?」ってなに? という視線をロイに向けている。
動揺するロイ。明らかに反応をミスってしまったし、それを今さらなかったことにするのは、どう考えても不可能だろう。
しかし、かといって早々に次にどんな言葉を口にするかが決まるわけではない。
「あっ! ろ、ロイくん!」
と、シーリーンが急にロイのことを呼ぶ。
対してロイは言葉を詰まらせつつも――、
「ど、どうしたの……?」
「ロイくんって確か! いや、絶対に、幼馴染がいたよね!?」
「えぇ、っと……、イヴと姉さんに訊いてみたら?」
妹と姉に会話をパスするロイ。
直感的に、パスした方がいいと判断してしまったのだ。
「? わたしが村を出るまではいませんでしたね。それ以降のこと、イヴちゃんは知っていますか?」
「わたしも知らないよ? で、わたしが生まれる前のことは、たった今、お姉ちゃんが証言したし……」
手を頬に当てて、首を傾げるマリア。
そんな彼女に訊かれて、イヴは可愛らしく首を左右に数回振る。
しかし、そんな2人の疑問&否定を、シーリーンは声を大にして、改めて否定しようとした。
「違う! ロイくんは前に自分でほのめかしていた! ボクには幼馴染の女の子がいる、って! 具体的には、ロイくんがアリスのお父さんに負けちゃった日、シィがロイくんの前世を看破したタイミングで!」
確かにシーリーンの言うとおりである。あのタイミングで、ロイは間違いなく『唯一の友達である幼馴染の女の子とは、いつかお外で走って遊ぶって約束したのに、結局その約束を守れなくて、病気じゃなくて罪悪感で死にそうになった』『幼馴染の子との約束を守れなかったのも、全部! ボクの寿命が決まっていたせいじゃないか!』と言葉にしていた。
「あっ! 前世を看破したタイミングで、幼馴染の話が出てくる、ってことはだよ?」
「弟くん、前世にも女の子と……って、あっ!」
「どうしたんですか、マリアさん?」
「イヴちゃん! わたしたちも聞いていましたよね!? アクアマリンの月の18日に!」
「ああああああああああ!」
今度はマリアの言うとおりだった。ロイが今回の長期休暇を国王陛下から直々に与えられる少し前、そのタイミングで、ロイは幼馴染の存在を口にしていたのだ。
「あの時、弟くんは幼馴染の存在を明かしましたが、女の子とは言っていませんでしたからね……っ! てっきり男の子だと思い、スルーしてしまいましたね!」
「シィも思わずスルーしちゃいました! だってあんなに苦しそうに前世を懺悔し始めるし、帰ってきたらレナード先輩と戦うし、戦ったあとは入院するし、さらに入院中にアリスとも付き合い始めるし!」
「お兄ちゃん、どういうことなのよ!?」
自分に好意を寄せている女の子3人に迫れる。しかもその理由は、自分の初恋を巡ってときた。
間違いなく、ロイにしては珍しい修羅場タイムである。
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コメント
ペンギン
もう、マリアとイヴも婚約したらいいのではないでしょうか...?
この世界では特定の条件ならありみたいですし...
てか、その方がスッキリします!むしろ、お願いします!