ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~

佐倉唄

2章4話 混浴、そして一糸まとわぬ姿(2)



「えへへ……、ロイくん、お待たせ」 手を後ろで組んで、自分の素肌をロイに、最愛の人に見てほしいと言わんばかりに、身体のどこも隠さず、しかしテレテレしながらはにかんでいる全裸のシーリーン。

「ロイ、恋人同士でも、あまりジロジロ見るのはマナー違反よ? わかった?」 タオルは使っていないものの、両手で胸の頂にある桜色の蕾と、そして女の子の花園を隠し、少しツンとした表情で顔を赤らめる生まれた時の姿のアリス。

「お兄ちゃんと久しぶりにお風呂だよっ、やったね!」 イヴは兄相手なら未成熟とはいえ桜色の蕾も、ぷにぷにのソレも、見られてかまわないと思っているのか、やたらオープンに一糸まとわぬ姿ではしゃぐ。

「姉弟なんですから、たまには成長したことを忘れて、一緒にお風呂に入るのもいいものですね」 マリアは弟だから混浴はおかしい、というスタンスではなく、別に弟だから混浴したって問題ない、強がりでもなんでもなく、普通に意識なんてしない、というスタンスらしく、ロイに対して自分の身体の全てをさらけ出した。

「うぅ……、温泉ってタオル巻いたまま入浴するのって、マナー違反だったんだ……」 と、リタは自分でもよくわからない、生まれて初めての、恥ずかしさと照れくささとドキドキした感じの入り混じった、一種の高鳴りにも似た感覚に、自分のことなのに戸惑いつつ、赤面しつつも、ロイの前で裸を披露した。

「リタ、ちゃん……ガ、ード、よろし、く……ね?」 と、頬に乙女色を差したティナは、リタの後ろにピッタリ付いて、初めて女の子としての感覚が芽生えそうになっている友達を、なにも着ていない身体を隠すガードにしながら、浴場に一歩、足を踏み入れる。

「ご主人様、その……見ても大丈夫でございますが、少しだけ、で、ございますよ?」 なんて、最後に浴場に足を踏み入れたクリスティーナは困ったように微笑む。無論、彼女もなにも着ていない。

「ゴメン、どんな反応をしたらいいのか、わからない」
 混浴ということになった以上、ロイはなにも悪くないはずなのに、なぜかみんなに謝ってしまう。
 すると、まずはアリス、次にシーリーンがロイに言う。

「そうね、こんなこと滅多にないし、私の方も、ロイと同じように、どんなふうに振る舞えばいいかわからないわ」
「ならね、ロイくん、素直になればいいの。シィの裸、ドキドキする?」
「それは、まぁ」

 事実、ロイはシーリーン以外の女の子の裸にもドキドキしている。アリスはもちろん、恋人がいるとはいえロイも男なのだから、リタやティナにだって、少しは反応しそうになってしまう。
 胸が張り裂けそうなぐらいドキドキしているのは、シーリーンに問われるまでもなかった。

「あはっ、ロイくん、シィの裸にドキドキしているんだ」
「あ、っ、当たり前だと思うけど……」

「だったら、そういうことを口にして、それらしい反応をすればいいだけ♪ あっ、もちろん、ある程度は自制してだけど」
「前半には少し納得したけど、シィの口から自制なんて言葉が出るなんて!」

「ふふっ、今はリタちゃんとティナちゃんがいるから」

 ちなみに、自制といっても、ここで過度にイチャイチャしないように自制しようという意味ではない。それは言うまでもなく当然のことだ。シーリーンが伝えたかった自制というのは、単に、相手が不愉快にならないように、互いに気遣いながら混浴しよう、という意味であった。

 こうして、ロイと、美少女7人の混浴がスタートする。
 まず、みんながくる前にロイがそうしたように、生まれた時の姿の乙女たちは、かけ湯で身体を流してから、癒しの湯に爪先を入れる。そうしてから、いよいよ足全体を温泉の中に沈めて、奥の方に、ロイのいる方に進み、そうして各々、彼の近くで腰を下ろした。

「あはっ、ロイくんとこうしてイチャイチャできるなんて、数ヶ月前までは想像もしていなかったなぁ」
「そもそも数ヶ月前だと、ボクとシィって、出会ってもなかったしね」
「そうだね、本当に、シィはロイくんと出会えて――幸せだなぁ」

 シーリーンは温泉に浸かりながら、ロイの右腕に抱き付いた。当然、裸の状態で抱き付いてきたので、ロイの腕は今、シーリーンの胸に直に挟まれていて、なにひとつ邪魔な物がない、シーリーンという女の子の本来のやわらかさをロイは感じる。

 シーリーンの胸は信じられないぐらい、天使の身体の一部と錯覚するぐらい、スベスベで触り心地がよくて、ふにふにのふよんふよんでやわらかくて、心底、ロイは彼女の乙女らしい身体の乙女な部分に、心臓を高鳴らせた。

 それを自覚すると、ますます感覚に意識が集中して、シーリーンの宝石を溶かして糸にしたようなブロンドのバニラの香りに、そして、彼女の身体からの少し幼くもミルクの匂いに、頭がクラクラしそうになってしまう。

「ロイっ、あなたの恋人はシィだけではないでしょう?」

 対抗するように、アリスはロイの左腕に抱き付いた。
 貴族らしく、彼女からはかぐわしいバラのような匂いがする。

「アリスは結構そういうこと言うよね」
「なにが言いたいのかしら?」

「ちょっぴり自惚れちゃうけど、ボクをシィに取られたくないのかなぁ、って」
「取られたくないんじゃないわ」

「そうなの?」
「取られたいんじゃなくて、私は、ロイと同じぐらいシィとも仲良くしたいから、仲間外れがイヤなだけよ」

 アリスがギュ、っと、裸なのも気にせず、ロイの腕に抱きしめる力を強める。

 無論、アリスの胸はロイの腕に当たっていたが、アリス自身、最愛の人に自分の胸を当てている事実が、親密さの象徴のようで、イヤではなかった。そして、そのイヤではない気持ちが、みんなに見られているという恥ずかしさすらも上回る。

 これが、抽象的にいうならばアリスの傾向、具体的にいうならばアリスというエルフの性格のありがちな反応だった。明るい雰囲気の時は素直になれなかったり、シーリーンに対してヤキモチを妬いたり、ロイに好意を伝えることが下手なクセに、イイ雰囲気、あるいはある程度、落ち着いた雰囲気になると、本人が真剣に伝えた方がいいと思っているか否かは知る由もないが、とにかく、今のように好きな気持ちをロイにぶつけることが自然体っぽくなる。

 ゆえに、今に限って言えば、アリスがみんなの前だというのにロイに素直なのは、おかしいことではない。アリスならしなさそうな態度ではない。

 むしろ、アリスはこういう時はこう反応するのだ。

「おに~ちゃんっ、わたしは恋人じゃないけど、妹なんだからもっとかまってよ~」

 シーリーンとアリスに気が向いていたせいか、ロイはイヴの接近に気付けなかった。

 当のイヴは、湯船の中であぐらを掻いていたロイの足の上にすっぽりと収まる。

 イヴのぷにぷにのおしりが、ロイの大切な部分をむにっ、と、圧してきた。恐らく、自分のポジションを、ロイのあぐらの上にフィットさせるためだろう。

「わたしは逆ですね。わたしは姉で、弟くんは弟なわけですから、かまってもらうのではなく、かまってあげますからね」
「姉さん!?」

 一方で、マリアはロイにどいてもらい、彼の背後、彼と湯船のフチの間に入り込む。
 すると、マリアはロイを背後から抱きしめるようにして、自分が弟の背もたれになるような体勢を作った。イヴがロイを背もたれにしているように、マリアは逆に、ロイに背をもたれさせてあげたのだ。

 結果、ロイの背中にはマリアのたゆんたゆんな胸が押し当てられることに。

 シーリーンの素肌が初雪のような白さで、アリスの素肌が透明感のある白さだとしたら、この姉妹の素肌の白さは、まるで白磁のようである。

「ロイくん」「ロイ♪」
「お兄ちゃん!」「弟くんっ」

 四方から美少女に引っ付かれるロイ。

 女の子特有の甘い匂いがする。色で喩えるとパステルなピンクで、シュガーのように甘々で、耳元で愛を囁かれた時のように蕩けそうで、その匂いを感じると、身体がふわふわしてきて、胸が切なくてキュンキュンしてきて、頭の中がトロトロになる。喩えるならば、天使に抱きしめられながら、微睡《まどろ》みの中で愛おしく幸せな夢を見る感覚。それと同じぐらい、シーリーンとアリス、イヴとマリアからするその匂いの中心にいると、心が満たされた。

 永遠にこの匂いに包まれていたい、抱きしめられていたい。そう願うぐらい、そこには良い香りが広がっていた。
 ウソも偽りもなく、なにも知らない人がきたら、その美少女たちのパヒュームだけで、ここは楽園なんだ、と、言われても信じるレベルだろう。

「ご主人様、そろそろ潮時でございます」
「えっ」

「は・ん・の・う、されてしまいますと、流石にリタさまとティナさまは気まずくなってしまうかと思われますが?」
「いや! まだギリギリ反応しきってはいないからね!?」

「ティナ、反応ってなに?」
「さ、さぁ、……そ、れだ、けは……わたしにも、……、わから、ない、かなぁ……」

 おまけ情報だが、リタの素肌は適度に日焼けをした健康的な白さで、ティナの素肌は少し外出して日の光を浴びた方がいい、と、心配してしまうレベルの白さだった。


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