ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~

佐倉唄

5章12話 その後の日常で、賑やかで大切な平穏を――(1)



 ロイが学院に復帰すると、その日だけで5人の美少女に告白された。
 その誰もが、「この前の決闘を見て好きになりました!」みたいなことを口にした。

 無論、ロイだって男の子だ。告白されてイヤな気はしない。
 しかし――、

「ダメダメ! ぜ~ったいに、ダメ!」
「ああ~~……、そういうわけだから、ゴメンね?」

 告白の瞬間、どこからともなくイヤな感じを嗅ぎ付けたシーリーンが介入してきて、ロイの代わりに美少女たちの告白を全て断った。

 そして今、2人は放課後の学生食堂にいる。
 2人向かい合って座っていた。

「むくぅ……」
「ど、どうしたの、シィ?」
「わかっているクセに!」

 幼い感じに頬を小さく膨らませてご機嫌ナナメなシーリーン。
 自分の恋人が他の女の子に告白されて、ヤキモチを妬き、不満で、少し悲しくて、少し寂しくて、切なくて、モヤモヤしてしまって、要するに拗ねているのである。
 そしていじらしいことに、拗ねている自分の姿をロイに見せて、かまってほしいのだ。

「シィは一夫多妻制に反対?」
「別にいいけど、シィが認めた女の子じゃないとダメだよ? 今日の女の子は、全員認められないもんっ」

 と、シーリーンは小柄なのにマリアよりも大きい胸を張る。

 その時だった。
 2人のいるテーブルに、とある物、が、運ばれてきた。

「こちら、クリーム&ストロベリー&チョコレートパフェになります~」
「わぁ!」

 そう、以前シーリーンが食べられなかったパフェを、今日ここで、もう1度頼んだのだ。
 もう、女の子限定メニューを頼んでも、シーリーンを笑う人はどこにもいない。

 それは当然、まだシーリーンをイジメようと企んでいるイジメっ子もいるかもしれない。
 しかしシーリーンの隣にはロイがいる。ロイが隣にいるのに、わざわざその状況でシーリーンを笑うバカは流石にいない。笑ったら、本気でロイに殴られる可能性すらあるから。

「ロイくんっ、これ、本当にシィが食べてもいいの?」
「もちろん」

 ロイは笑顔で頷いた。
 許可を得る必要などないのだが、ロイから許可を得ると、シーリーンは心の底から幸せそうに、目尻に少しだけ涙を浮かべながら「美味しいっ!」と、満面の笑みでパフェを食べる。

 嬉しそうで、幸せそうで、見ているこっちまでそう思えるヒマワリのような笑顔。

「ロイくん、ありがとう。シィがこうやってパフェを食べられるのも、ロイくんのおかげだよ♪」

 感謝されると、ロイは本当に満たされた気持ちになる。
 満足だ。今の自分の心は充実している。

 だからロイは、パフェを美味しそうに食べるシーリーンを眺めて思う。

(嗚呼――、この笑顔を取り戻せただけで、戦ったかいはあったかな――) と。

 そこでふいに、ロイとシーリーンのところに誰かがくる。
 アリスと、イヴと、マリアの3人だ。

 アリスはシーリーンの隣に、イヴとマリアはロイを挟むように席に座った。
 で、あろうことかイヴとマリアは、目の前にシーリーンがいるのに、ロイの腕に抱き付いて胸を押し当てるではないか。

「ほえ!? ちょっと! イヴちゃん! マリアさん!?」

「お兄ちゃん! シーリーンさんと恋人になったってどういうことなのよ!?」
「もう学院中で噂になっているんですからね!?」

「お兄ちゃんはわたしのお兄ちゃんなんだよ!?」
「弟くんは、私の弟くんなんですからね!?」

「ち、ちょっと、2人とも……っ?」
「うぅ……、イヴちゃんもマリアさんも、ロイくんから離れてください!」

「ハァ、やれやれね……」


「ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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コメント

  • 空挺隊員あきち

    ᔪ(°ᐤ°)ᐤᑋᑊ̣、コレがぁ!Japanese!
    syurabaネぇ?

    0
  • ウォン

    優しく暖かな修羅場

    8
  • 自称脳筋wwww

    ( ´⊇`)

    4
  • 小説家を褒めよう

    修羅場ッ!!

    10
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