ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~

佐倉唄

3章9話 ノーパンで、金髪の美少女が――(1)



 ノーパンだった。

「きゃああああああああああ!」

 ロイとイヴとマリアの3人は寄宿舎に戻ると、いったん、それぞれの部屋に戻った。
 しかし、ロイがトイレをしようと部屋を出ると、階段から、1人の女の子が落ちてくる。
 恐らく足を滑らしたのだろう。

「ど、どいてぇ!」
「えっ、ちょ……っ」

 宝石を糸にしたような、この世のものとは思えないほど美しく、そして川を流れる水のようにさらさらで、絡まることを知らない、ブロンドのロングストレート。

 二重でパッチリしていて、常にうるうるしているような、愛くるしく、稚く、あどけない、そんなつぶらで大きい黒の瞳。

 そしてその黒い宝石のような瞳を際立たせるかのように、初雪のように白い肌。

 身長は150cmを少し超えるぐらい、少なくとも155cmは絶対にない。

 だというのに、女の子の象徴である胸の膨らみは、たわわに豊満に服を内側から押し上げているではないか。自分の身体は年頃の女の子らしく健全に発育している、ということを誤魔化せないレベルで、下手したらマリアよりも大きかった。

 身体からはミルクのような甘い匂いがして頭がクラクラする。

 最後に――、
 ――パンツを穿いていなかったからこそ見えた、純潔の乙女の花の楽園。

「うぐぅ!?」
「ぐへ!」

 可愛らしい声をあげる美少女。
 一方で、情けない声をあげるロイ。

 美少女の階段からの落下地点にロイがいたので、あろうことか、2人は激突して廊下に音を立てて倒れてしまう。

 しかも、ロイの顔面に、女の子がノーパンのまま花園を押し当てる形で突っ込む。
 これでは顔面騎乗位だ。

「すみません、すみません、すみません、すみません!」
「い、いえいえ……怪我がないようならなによりです……」

 すると、金髪の美少女は立ち上がるも、太ももを切なそうにスリスリさせながら、頬を紅潮させて、ハァハァ、と、荒い息を吐いた。

「あれ? どこかお怪我でもしましたか?」
「重ね重ねすみません! お、おトイレ……を、その……我慢、していて……」

「っっ、し、失礼しました! どうぞ行ってください!」
「あぅ~、お詫びをしたいので、申し訳ないですがそこで待っていてくださいぃ!」

 そして3分後。
 唐突という言葉では足りないぐらい、想像を絶する展開を終えたロイは、なぜか先ほどの女の子の部屋のベッドに寝かされていた。

 当然と言えば当然だが、ベッドは女の子が毎晩使っているはずの物なので、彼女の残り香がする。

「癒せ、癒せ、癒せ。唱えるたびに祈りは強く、祈るたびに、光は優しく。【優しい光サンフテスリヒツ】」

 女の子が癒しの魔術でロイの頭を癒す。
 トイレを済ました女の子は、ロイが自分のせいで床に後頭部をぶつけたとわかっていたので、自室に呼び出して癒しの魔術をかけてあげたのだ。

「はい、これで大丈夫のはずだよっ」
「うん、そうらしいね、ありがと」

 ヒーリングが終わったので、ロイは女の子と並んでベッドに座る。

「えっ、と、キミは――」
「あっ、自己紹介がまだだったね。シィは、シーリーン・ピュアフーリー・ラ・ヴ・ハートって言います♪ 魔術師学部ヒーラー学科のシスターです。気軽に、シィ、って呼んでください!」

「ボクは――」
「ロイ・グロー・リィ・テイル・フェイト・ヴィ・レイクくんだよね?」

「知っているの?」
「あはっ、有名人だもん」

 屈託のない笑顔でシーリーンは応じる。

「ところで、1ついい?」
「ぅん? なにかなぁ?」
「非常に訊きづらいんだけど、どうしてさっき、……、その……パンツ穿いて、なかったの?」

 間違いなく女の子に訊くようなことではなかった。
 しかし同時に、好奇心を抑えられるようなものでもない。

 パンツを穿いていない女の子が階段から落ちてきたら、普通、どんな感情に基づくものであれ、事情を訊くだろう。

「その、シィって……あんまり学院には行ってないんだけど、このままじゃダメって思って……、今日は頑張って学院に行ったんだけどね?」

「うん」

「シィのことをイジメている女の子たちに捕まっちゃって、パンツを脱がされちゃったんだ。あ、あはは……」

 その瞬間、ロイは罪悪感に駆られる。



「ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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コメント

  • 空挺隊員あきち

    顔面騎乗位はパワーワード

    1
  • ノベルバユーザー308692

    始まりが衝撃的。

    7
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