ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~

佐倉唄

3章7話 喫茶店で、放課後デートを――(1)



「エクスカリバーの本来のスキルは封印されている!?」

 放課後、城下の街の小洒落たカフェのオープンテラスに、アリスの声が響く。

「うん、実はそうなんだよ」
「本当ですか、イヴちゃん、マリアさん!?」

「そうだよ~?」
「あはは……そうなんですよねぇ」

 アリスとイヴとマリアはこの時が初対面であったが、ここまでの道中で自己紹介を済ませている。

 どうしてこのような展開になったかと言えば、もともと、ロイとアリスが2人きりで帰路につこうとしたのだが、その途中で、イヴとマリアの2人に偶然にも出会ったからだ。

 それで今は、互いに親睦を深めるために、メインストリートのカフェで、少し遅めのティータイム、つまり放課後ティータイムにしている。

「ロイ、それって一体どういうことかしら?」

 紅茶を一口、口に含んだあと、ティーカップをソーサーに戻して、ロイは答える。

「ボクも一応、エクスカリバーの使い手だから、なんとなくはわかるんだけどね」

「エクスカリバーのスキルが?」
「うん、エクスカリバーのスキルは『使い手の剣に対するあらゆる想像・イメージを反映する』というモノなんだよ、たぶん」

「具体的には?」
「例えば、ボクが斬撃を飛ばしたいとイメージすれば斬撃が飛ぶし、エクスカリバーの大きさを調節したいと思えば調節できるし、さっきのゴーレムみたいに、聖剣でもなかなか斬れないモノでも斬ろうと思えばなんでも斬れる、って感じかな」

「じゃあ、さっきの模擬戦――」
「お兄ちゃんがエクスカリバーのスキルを使えていたら楽勝だったんだよ!」
「まぁ、スキルを使えないのに倒せたのって、逆にすごいんですけどね♪」

 ロイとアリスの会話にイヴとマリアが混じる。
 イヴは苺タルトを食べていて、マリアはチーズケーキを食べていた。
 ちなみにアリスはロイと同じく紅茶を頼んでいる。

「それで、封印っていうのはどういうこと?」
「ボクが初めてエクスカリバーを石から抜いた時、なんていうか、エクスカリバーの情報が頭の中に直接流れ込んできたんだよね」

「ええ、それで?」
「で、どうやらボクがエクスカリバーのスキルを使うには、エクスカリバーが見合う使い手にならなくちゃいけない。つまり、もっと騎士として強くならなくちゃいけないらしいんだ」

「ロイって、現時点でも同年代の騎士の中ではトップクラスの実力よね? それでも足りないの?」
「あはは……面目ない」

 言うと、ロイは困ったように笑う。

「ところでアリスさん! お兄ちゃんって同級生の間ではどんな感じなの?」
「それって、やっぱりロイのファンについて?」

「わたしもイヴちゃんも、やっぱり弟くんのことが心配ですからね」
「確か……入学してから今日までで、告白されたのは4回だっけ?」

「うん、でも……悪い言い方になっちゃって気が引けるけど、そのボクに告白してきた4人とも、お付き合いしてみんなから羨ましがられる男子なら誰でもいい、けっこう頻繁に男子に告白している、って噂っていうか評判を聞いたから、断らせてもらったけどね」

「ふぅ~、安心だよぉ」
「まぁ、入学してすぐに告白してくる女の子は、やっぱそういう感じですよね」

「他には、私の知る限りでは、手作りのクッキーを渡してきたり、お昼休みにランチに誘ってきたり、私と一緒に受けていない講義では隣の席に座ってきたり……一番過激、っていうか学院の風紀が乱れると思ったのは、ロイの前でわざと転んでパンツを見せつけてきた女の子ね」

「お、お兄ちゃんに、ぱ、パンツ……」
「弟くんにそんなことを……」

 2人揃ってモジモジするイヴとマリア。
 イヴもマリアも、白い頬を赤らめて、恥ずかしそうに俯き、両の太ももの付け根を擦り合わせてモジモジ、モジモジ。

「お2人が恥ずかしがるのもわかるんですけど、私としては、やっぱり学院の風紀を乱すのが許せないわ!」

「アリスらしいね」
「当然よっ」

「まぁ、そういうアリスもその時、現場にい合わせて、顔を真っ赤にしていたけどね」
「ちょ、ちょっと! そういうこと言わないで!」

 結局、アリスもロイにからかわれて赤面してしまった。

「ちなみにイヴちゃんとマリアさんの方はどうなんですか? ロイを紹介して~、とか。今度お部屋に遊びに行って、ついでにロイのお部屋にも入っていい~、とか」

「言われたよ! すっごい、すっごい、何回も言われたよ!」
「わたしもかなり言われましたね」

「お兄ちゃんを友達として紹介して~、っていうのが一番多いけど、他には、お付き合いすることを前提に紹介して~、っていうのもあったよ」
「わたしなんか、弟くんにエッチなことをしていいかい? って訊かれたこともあるんですからね」

「この国、本当に大丈夫かなぁ……」

 ふと、ロイは前世の日本を思い巡らせる。今の自分は、ジャ〇ーズで一番人気の一番イケメンのような状態なのだろう。そんな国中が羨むような人物が自分たちの学び舎にやってきたら……まぁ、こうなるのも頷けた。

 ロイは自分なりに(ジャ〇ーズで一番人気の一番イケメンが自分たちの学院に入学してきた女の子の気持ちはわかりづらいけど、男の子に当てはめるなら、美少女高校生アイドル声優が自分たちの学院に転校してきたようなものかな? それなら頷ける)と、1人で納得した。



「ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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コメント

  • いーちゃん

    この小説は男の理想ッ───!!

    10
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