俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。
第2章 17話 「シルバーゴーレム戦 #1」
やはり【魔王】は足が遅い。ただ、それはシルバーゴーレムも同じな様で動作の一つ一つがかなりスローモーションである。
「これなら何とかなるんじゃないか?」
「【魔剣ブロウ】は貫通攻撃ですからね」
その時、シルバーゴーレムの動き方が変わった。何やらスキルを発動させる為の予備動作に移っている様だ。
「リリス、何か来るぞ!距離を置け!」
「レンジくんは?!」
「おれは魔剣で受け止める!」
シルバーゴーレムは真上を見上げ狂ったかのように怒声を雄叫び、森中にその振動を響き渡らせた。
「っっるせぇ...!!」
その噪音に思わず3人は耳を塞ぐ。やがてその音が止むとリリスは自慢の足を生かして瞬間的にゴーレムに詰め寄った。
「あろう事かご主人様に迷惑をおかけするとは...!!所詮は野良の<第二位従属者>ね!」
リリスはあの十八番のスキルを発動させようと右手を伸ばした。
「吹っ飛びなさい!【バニッシュ・コンパルション】!」
掌から時空の歪みの波が放たれる。その波はシルバーゴーレムの脚部分にヒットする。第一波。第二波。そして....
シルバーゴーレムの身体は急激に熱を帯び、一つ一つの岩を赤く染めていく。まるで火の中の石炭の様に。
「?!リリスっ!離れろ!」
ドゴォォォォォォォォン.....。。轟音を鳴らした爆発は凄まじい砂埃と熱風を放ち、周辺の木々や俺達にまで被害が及ぶ。
吹っ飛んだのは....リリスの方であった。爆発をダイレクトに受けた彼女は一瞬にして爆風と共に森の奥へ姿を消した。
「あわわ...リリスさんが!!ミアはリリスさんの無事を確かめてきます!」
「頼んだ!!」
くそ、この石ころもどきめ。なかなかやってくれる。確かに動き自体は早いものでは無いが、スキルの発動時間が極端に短い。
タイムラグが殆ど無いので避けるのはかなり難しい。
更に霧のお陰で視界があまり良くない。状況は正に最悪と言った所である。
「何か...策は無いか...。」
何か閃かないかと急いでステータスを開いてみる。生憎、【魔王】の方は暫く使っていなかった為変化は...
「あれ?」
パッシブスキル【カリスマ】Lv.3【強制服従】Lv.1
アクティブスキル【従属者召喚】Lv.2 【絶対王者の風格】Lv.1【弱肉強食】Lv.1
【カリスマ】と【従属者召喚】のレベルが上がっている。どうやら以前使用した際にレベルが上がっていたようである。ま、大量に召喚したからね....。
【カリスマ】Lv.3 召喚した魔物を従わせることが出来る。一部の職業を持つ冒険者を任意で魔物に変化させ、従わせる事が出来る。
【従属者召喚】Lv.2 <第二位従属者>、<第三位従属者>の一部の魔物を召喚することができる。
うーん。いまいち使い道が分からないな。<第二位従属者>を召喚できるようになったのはかなりメリットだとは思う。
「【従属者召喚】!」
目の前に魔物のメニューが現れる。俺は<第二位従属者>を試しに放してみることにした。
「アウェークニングラビット10体召喚!」
10粒の光は俺の目の前に一斉に現れた。光の粒が1点に集まりその形を成してゆく。
「ゴガァァァァァアアア!!!!!」
両手持ち棍棒を肩に担ぐ二足歩行の筋肉兎は身長2mを超えるだろう。
うん、迫力半端ない。
「全員シルバーゴーレムを攻撃!」
ドドドドドドドド.....!アウェークニングラビット達は地響きを鳴らして一直線へ駆け出した。その踏みつけた地面はくっきりと足跡を残している。
「レンジくん!リリスさんを見つけました!」
アウェークニングラビットが飛び出したとほぼ同時にリリスとミアが戻って来た。
リリスは合わせる顔がないというような表情で目線を落としている。
「レンジ...くん。申し訳ありません....」
「仕方ないさ。それよりもダメージはどうだ?」
「一撃でHPの7割を削られました...情けないです...」
7割か。リリスは恐らくHPが0になっても復活することは無いのだろう。だから絶対に死なせる訳にはいかない。
ドゴォン!!!!とアウェークニングラビットがシルバーゴーレムを棍棒で殴る打撃音が次々と鳴り渡る。
が、シルバーゴーレムのHPは殆ど減らない。アウェークニングラビットは<第二位従属者>の中でもかなりSTRが高い方の魔物のはずだが、やつはそれを上回るVITなのだろう。さすがはレア種と言った所か。
シルバーゴーレムは多少なりとも喰らわせられた攻撃に怒ったのか、腕を振り回し自分の腕の部分を形成している岩を飛ばした。
見た目の割にHPが低いアウェークニングラビットは巨大な岩に押し潰され一撃で消滅した。合計4体がやられ、残りは6体となった。これはまずいな。
「アウェークニングラビット!【パワーバースト】!」
アウェークニングラビットの持つスキルの中で最高の威力を誇るスキルだ。その瞬間火力は俺のHPを軽く一撃で凌駕するものである。
両手持ち棍棒は青白く光輝き....綺麗な円を描いて上から下へ振り下ろされた。光の残像が暗い森を少し照らした。
6本中3本のスキルがヒットした。スキルの命中率自体も高い訳では無いし、視界が悪い分余計に不利であった。
「HP6割も残るのか...」
「私にリベンジさせてください!」
そう言うとリリスは走り出そうとするが俺は手を掴みその足を止めた。
「だめだ、俺がやるよ」
「ですがっ....」
「まぁ聞いてくれ。俺に考えがあるんだ」
「これなら何とかなるんじゃないか?」
「【魔剣ブロウ】は貫通攻撃ですからね」
その時、シルバーゴーレムの動き方が変わった。何やらスキルを発動させる為の予備動作に移っている様だ。
「リリス、何か来るぞ!距離を置け!」
「レンジくんは?!」
「おれは魔剣で受け止める!」
シルバーゴーレムは真上を見上げ狂ったかのように怒声を雄叫び、森中にその振動を響き渡らせた。
「っっるせぇ...!!」
その噪音に思わず3人は耳を塞ぐ。やがてその音が止むとリリスは自慢の足を生かして瞬間的にゴーレムに詰め寄った。
「あろう事かご主人様に迷惑をおかけするとは...!!所詮は野良の<第二位従属者>ね!」
リリスはあの十八番のスキルを発動させようと右手を伸ばした。
「吹っ飛びなさい!【バニッシュ・コンパルション】!」
掌から時空の歪みの波が放たれる。その波はシルバーゴーレムの脚部分にヒットする。第一波。第二波。そして....
シルバーゴーレムの身体は急激に熱を帯び、一つ一つの岩を赤く染めていく。まるで火の中の石炭の様に。
「?!リリスっ!離れろ!」
ドゴォォォォォォォォン.....。。轟音を鳴らした爆発は凄まじい砂埃と熱風を放ち、周辺の木々や俺達にまで被害が及ぶ。
吹っ飛んだのは....リリスの方であった。爆発をダイレクトに受けた彼女は一瞬にして爆風と共に森の奥へ姿を消した。
「あわわ...リリスさんが!!ミアはリリスさんの無事を確かめてきます!」
「頼んだ!!」
くそ、この石ころもどきめ。なかなかやってくれる。確かに動き自体は早いものでは無いが、スキルの発動時間が極端に短い。
タイムラグが殆ど無いので避けるのはかなり難しい。
更に霧のお陰で視界があまり良くない。状況は正に最悪と言った所である。
「何か...策は無いか...。」
何か閃かないかと急いでステータスを開いてみる。生憎、【魔王】の方は暫く使っていなかった為変化は...
「あれ?」
パッシブスキル【カリスマ】Lv.3【強制服従】Lv.1
アクティブスキル【従属者召喚】Lv.2 【絶対王者の風格】Lv.1【弱肉強食】Lv.1
【カリスマ】と【従属者召喚】のレベルが上がっている。どうやら以前使用した際にレベルが上がっていたようである。ま、大量に召喚したからね....。
【カリスマ】Lv.3 召喚した魔物を従わせることが出来る。一部の職業を持つ冒険者を任意で魔物に変化させ、従わせる事が出来る。
【従属者召喚】Lv.2 <第二位従属者>、<第三位従属者>の一部の魔物を召喚することができる。
うーん。いまいち使い道が分からないな。<第二位従属者>を召喚できるようになったのはかなりメリットだとは思う。
「【従属者召喚】!」
目の前に魔物のメニューが現れる。俺は<第二位従属者>を試しに放してみることにした。
「アウェークニングラビット10体召喚!」
10粒の光は俺の目の前に一斉に現れた。光の粒が1点に集まりその形を成してゆく。
「ゴガァァァァァアアア!!!!!」
両手持ち棍棒を肩に担ぐ二足歩行の筋肉兎は身長2mを超えるだろう。
うん、迫力半端ない。
「全員シルバーゴーレムを攻撃!」
ドドドドドドドド.....!アウェークニングラビット達は地響きを鳴らして一直線へ駆け出した。その踏みつけた地面はくっきりと足跡を残している。
「レンジくん!リリスさんを見つけました!」
アウェークニングラビットが飛び出したとほぼ同時にリリスとミアが戻って来た。
リリスは合わせる顔がないというような表情で目線を落としている。
「レンジ...くん。申し訳ありません....」
「仕方ないさ。それよりもダメージはどうだ?」
「一撃でHPの7割を削られました...情けないです...」
7割か。リリスは恐らくHPが0になっても復活することは無いのだろう。だから絶対に死なせる訳にはいかない。
ドゴォン!!!!とアウェークニングラビットがシルバーゴーレムを棍棒で殴る打撃音が次々と鳴り渡る。
が、シルバーゴーレムのHPは殆ど減らない。アウェークニングラビットは<第二位従属者>の中でもかなりSTRが高い方の魔物のはずだが、やつはそれを上回るVITなのだろう。さすがはレア種と言った所か。
シルバーゴーレムは多少なりとも喰らわせられた攻撃に怒ったのか、腕を振り回し自分の腕の部分を形成している岩を飛ばした。
見た目の割にHPが低いアウェークニングラビットは巨大な岩に押し潰され一撃で消滅した。合計4体がやられ、残りは6体となった。これはまずいな。
「アウェークニングラビット!【パワーバースト】!」
アウェークニングラビットの持つスキルの中で最高の威力を誇るスキルだ。その瞬間火力は俺のHPを軽く一撃で凌駕するものである。
両手持ち棍棒は青白く光輝き....綺麗な円を描いて上から下へ振り下ろされた。光の残像が暗い森を少し照らした。
6本中3本のスキルがヒットした。スキルの命中率自体も高い訳では無いし、視界が悪い分余計に不利であった。
「HP6割も残るのか...」
「私にリベンジさせてください!」
そう言うとリリスは走り出そうとするが俺は手を掴みその足を止めた。
「だめだ、俺がやるよ」
「ですがっ....」
「まぁ聞いてくれ。俺に考えがあるんだ」
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