雨と一緒に女の子が降ってきた?!

ちぃびぃ

お泊まり

「大丈夫だったの、那夜なや!?」

ゆえが那夜の家まで行くと夜憂やうが心配そうに駆け寄ってきた。

「うん、大丈夫だよ……お兄さんが助けてくれたから」

那夜は故に背中から降ろしてもらいながらそう言った。顔はまだ少し赤かった。

「それなら良かったっ……」

夜憂が那夜に抱きついた。

「わわっ、お姉ちゃん?」

急に抱きついてきた夜憂に戸惑う那夜。

「本当に心配したんだから……」

夜憂の声に少し嗚咽が混じっている。それを分かったのか那夜のほうも夜憂に抱きつく。

「ごめんね、お姉ちゃん……心配かけちゃって」

「那夜が無事ならいいのよ」

しばらくの間二人はそのまま抱き合っていた。

●●●

 予定通りお泊まりはするみたいだった。僕は泊まるのはまた今度にするか聞くと那夜ちゃんがみんなと寝たいと言ったのですす夢乃ゆめのちゃんはそのまま泊まることになった。
 夜は僕も混ぜて五人でご飯を食べた。夜憂が張り切ってたくさん作ったけどみんなお腹が減っていたので全部食べた。デザートも食べて少し休憩しながらふと時計を見ると時間はもう九時を回っていた。

「僕はそろそろ帰るよ」

そう言って立ち上がると不意に那夜ちゃんが声をかけてきた。

「あ、あの!」

「どうしたの那夜ちゃん?」

僕が聞くと那夜ちゃんはこう言った。

「い、一緒に泊まってくれませんか?」

「え?」

一瞬なにを言っているのか分からなかったが、その意味を理解すると思わず声を張り上げていた。

「えええええっ!!」

「だめ、ですか?」

上目遣いでお願いしてくる那夜ちゃん。僕がこれに抗えるはずもなく、気付いたら頷いていた。

「分かったよ。でも一旦家に帰らないと。ちょっと遅くなるけど良い?」

「はい。……わがまま言ってすみません」

「いいんだよ。気にしなくても」

正直那夜ちゃんたち三人はあの事件で男がトラウマになったと思っていたので驚きだった。

「じゃあ、一旦帰るね」

「はい。ありがとうございます」

●●●

そのあと僕は自分の家でお風呂に入ってから夜憂の家に行った。鍵は閉まっていたが合鍵を持っているのでそのまま入る。ちなみに夜憂も持っている。

「誰もいない……」

リビングに行くと誰もいなかった。

(お風呂かな)

そう思いながらソファで座って待っていると雪の声が聞こえた。

『~~~♪』

少し聞こえてくるが鼻歌をしているようだ。そのあとすぐにガチャっと音がした。
故が振り向き、そして声が出なかった。なぜなら雪がバスタオル一枚でいるのだから。

「・・・・・・」

固まっていると雪がこちらに寄ってきた。

「あ、故にぃ」

「うっ……」

ふわっとシャンプーの匂いがする。自分の家とは違う匂いで安心感がある。少し髪が濡れていて頬に張り付いている。体にも所々水滴があり、扇情的だった。

(雪は妹雪は妹雪は妹雪は妹雪は妹雪は妹雪は妹雪は妹)

そう心で言いながら理性を保った。
 そうしているとまたも声が聞こえた。

「雪ちゃん服を着ないと。故に見られたら……」

やってきたのは夜憂だった。雪を連れ戻そうと急いでいたのか夜憂もバスタオル一枚の姿だった。故を見て言葉を失っている。

「・・・・・」

故はまたも固まってしまった。
 肩にかかるぐらいの髪から水滴が落ち、夜憂の身体に伝いバスタオルに吸い込まれる。初めて見るそんな夜憂の姿にごくりと喉を鳴らした。

「ど、どうして故がここに……鍵は?」

「合鍵で開けてここで待っていたんだよ。そしたら雪が入ってきて……なんにもしてないから!!」

「本当になんにもしてないでしょうね」

「雪は妹みたいなもんだからなんもしないよ!」

「そう。……雪ちゃんとりあえず服を着ましょう」

「はーい」

夜憂が雪を連れていき、やっと静かになった。

●●●

四人ともパジャマに着替えて戻ってきた。みんなで寝ると言うことなので居間に布団を五個敷いた。僕が端っこに寝ることになり、その隣は那夜ちゃんになった。ジャンケンで勝ったみたいだ。

「本当に隣でいいの?」

「はい」

もう遅いので電気を消してすばやく寝ることにした。今日は疲れたので僕はすぐに寝てしまった。

「…………とう……だ………き」
 
寝る前に声が聞こえたような気がしたがそのときにはもう意識が睡魔に負けていたのでなにを言っているのか分からなかった。

 ちにみに朝起きると雪が何故か抱きついていて大変だった。

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