モテない俺にある日突然モテ期が来たら

ドラオ

知り合いを探せ!

「外に出なければ始まりませんよ!」


というマイムの言葉に急かされて自宅を出て5分。俺は既に後悔していた。


本日も外の気温は35度を越す猛暑日。
自室にエアコンが無いとはいえ、やはり外の直射日光は人体に多大な影響を与えるのには十分な熱線である。


「暑い、やっぱり帰らないかマイム?」


滴る汗。乾く喉。上がる息。

一つとして身体に良い事など無い。
部屋に帰ったってそりゃ暑いけれど、この直射日光よりは幾分かマシだ。


「駄目ですよ!?昴さん!せっかく外に出たんですから、まずは好みの女の子でも物色しましょーぜ親分ってなもんですよ」


悪者の子分みたいなマイムは、見た所、汗ひとつかいていない。


馬鹿な…この気温でそんな人間がいるのか?いや、そもそもマイムは人間なのかどうかも疑わしいが、もしかすると魔法で《ズル》でもしているのかもしれない。


「なぁマイム。お前暑くねぇの?良く考えたらエアコンの無い俺の部屋でも涼しい顔してるし、今も全く暑いそぶりも見せないけど」



マイムは人差し指を口に当てて、ん〜と考える仕草をしてから


「暑いですよ♪」


と笑顔を見せた。



嘘つけ!俺は信じないぞ!この暑さの中で汗一つ出ないなんて!


「まぁ、昴さんの理想の女の子が《汗っかきな女の子》だったら私も今頃全身シャワーを浴びたように濡れていたでしょうけど。そうじゃないって事は昴さんの理想は《汗をあまりかかない》女性って事なんでしょうか?理由は良く解りません♪」



マイムは自分の腕から指先までを一瞥いちべつするとニコっと俺に笑顔を向けた。



《汗っかきな女の子》が理想な奴なんていないだろ!?とツッコミを入れたくなったが、この広い世界にはそういう趣味の人間もいるかもしれない事を考えると納得せざるを得なかった。



マイムは街中をウロウロと人探しのように
歩き回り、女性とすれ違う度に



『あの人は知り合いですか?』


『親分、あの女子おなごなんか良いんでないですかい?』


等と言ってくるのだが、そもそもそんな簡単に知り合いに出くわす事など無い事は明白だった。なんせ俺にはそもそもこの街に知り合いなんて殆どいないのだから。


「なぁマイム。やっぱり辞めて帰らないか?」



マイムに提案しようとすると



親分おやびん!あの娘なんか超絶美人ですぜ!どうでやんすか!?」


そこには、水戸○門のうっかり八兵衛になり果てたマイムしか居なかった。


やれやれ、どうせ知り合いなんて居ないのに…とマイムの視線の先に目を向けると



!?



その視線の先には奇跡的に見知った女性が気だるそうに歩いていた。


俺の担任の教師の晶ちゃんだった。

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