End Cycle Story

島地 雷夢

第22話

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「ソウマぁぁああああああああっ……!」 ソウマの胸を貫いた針が地面にぶつかると、更に小さく分裂してソウマの背中へと襲い掛かった。 それと同時に、私の胸も針が貫いた。ソウマの方にばっかり視線を向けていたから、何が起きたのか分からなかった。皮の胸当ては無残にも孔が開き、背中に回している留金を壊してぼとりと落ちる。 私は仰向けに倒れながら空を見上げる。そこには先程倒した蜂よりも大きい蜂が宙を羽ばたいて静止していた。 まだ、終わりじゃなかったんだ。まだ、レガンが残ってたんだ。「あ……っ」 息を吸うと、溺れたかのような感覚に陥ってしまう。もしかして、肺に液体が入り込んできてる? ううん、そんな事よりも。「ソ、ウマ」 私は直ぐ隣に俯せで倒れているソウマに手を伸ばして手を握る。 私がしっかりとソウマの手を握ってもぴくりとも動かないソウマ。何時もだったら優しく握り返してくれるのに。ねぇ、どうして握り返してくれないの?「ソウ、マ」 口から赤い液体が零れ落ちても、私はソウマの名前を呼ぶ。口を動かしてくれないソウマ。何時もなら反応をしてくれるのに。ねぇ、どうして反応してくれないの? ソウマは口を半開きにしてそこから一筋の血を流し、瞳は曇ってしまっている。私はこのような瞳をした人を見た事がある。それは父さんだったり、母さんやシイナさん、サウヌさん、ソアネちゃんがしてた目。死んでしまった人が持ってる、生気を失った眼だ。 ねぇ、変な冗談はやめてよ。笑えないよ。怒るよ? 私はそう心の中で呟いていても、ソウマの眼には光が戻らない。 嘘……だよね? 嘘だって言ってよ。 必死で手を握るけど、全然返してくれない。私に返ってくるのは、瞬きを忘れた光の無い瞳の視線。 ソウマが……死んじゃった。 私の所為で、死んじゃった。 私を庇って、死んじゃった。 やだ。やだやだやだ! 死んじゃやだよ! お願い! 起きてよソウマ! 起きて! 私を置いてかないで! 私を、一人にしないで……! 涙で視界が霞んでくる。ソウマの手を握る手に、ソウマの傷口から流れ出てくる血が触れる。温かくて、ひんやりとする。そんな矛盾を孕んだ赤い液体が、容赦なく地面に円を描いて広がっていく。 御免。御免ソウマ。私の所為で……私の所為で……っ!「あぐ……っ」 懺悔をしていると、お腹に痛みが走る。それは先程胸を貫いた針の感触と同じだった。多分、上を飛んでるレガンの蜂が針を撃ったんだと思う。視線をお腹に向けると、案の定と言えばいいのか、太い針が突き立てられていた。 そして、熱さと寒さが同時に訪れて体が震えて、眼がもう少し霞んでくる。さっきも体験したこれは、毒を食らった事による症状だ。毒消し草を呑めば、回復する。けど、私は呑まない。 力が入らなくなって手を伸ばせなくなってるからと言うのもあるけど、それよりも、私は助かろうと思ってない。そもそも、この傷を放置したままで助かるなんてありえない。回復薬はもう無いし、『ヒール』を使おうにも、魔力は底を尽いてしまっている。それに、今上空にはレガンがいる。上空への攻撃手段が無い私には、もう手は残されてもない。 なら、せめて。 私はソウマの手を今の自分で出来る限りの力で握る。 私ももう直ぐ死ぬ。だったら、少しでもソウマの温もりを感じていたい。一人で死ぬのは怖い。一人になるのも怖い。だから、例えエゴだとしても、ソウマの温もりがまだ残っている手を握って、一人じゃないって錯覚させて、怖い思いをしないで死にたい。 ――御免なさい、兄さん。私は一足先に父さんと母さんの所に行きます。私が死んでも、悲しまないで下さい。 ――ソウマ。死なせてしまって御免。直ぐに、私もソウマの所に行くよ。「ソウマ……」 ぎゅっと手を握る。「……え?」 すると、何時ものように握り返してきてくれた。 ソウマは私の手を握ってくれてる。さっきまでは握り返してくれなかったのに、握ってくれる。 そして、ソウマの全身から黒い何かが噴出して体を包み、繭のような形になった。 楕円形の繭は横に伸びていたけど、次第に起き上がって縦に伸びていった。ソウマの手を掴んでいた筈の私の手は、黒い繭の中にすっぽりと収まっている。 繭の天辺が割れ、それが全域に広がって繭の形を形成しなくなる。 繭の無くなったそこにいたのは――。「キルリ」「ソウ、マ」 ソウマだった。目が霞んで姿がよく見えないけど、この声は間違いなくソウマだ。ソウマが手をぎゅっと握ってくれている。「ソウ、マ……っ!」 生きていてくれた。それが嬉しい。「キルリ、これ呑んで」 ソウマが私の口に何かを入れてくる。かさかさとした感触。毒消し草だった。私は必死になって口を動かして噛んで呑み込む。感じていた寒さと熱さが引いて、目の霞もある程度よくなった。 私は改めてソウマを見る。 胸に開いてた孔は消えて、口から流していた血も消えている。多分、背中に刺さっていた針も消えているんだと思う。そして、そんなソウマの左足は馬の足のようになっていて、背中には蝙蝠のような黒い翼が生えていた。爪も少し長くなっている。 人間離れしたこの姿は、一体?「ソウマ、だよね?」 つい、私はソウマにそう問い掛けてしまう。「あぁ、俺はソウマだよ」 優しく微笑んだ彼は、間違いなくソウマだった。うん。この笑顔を見た事がある。私が作ったサンドイッチを美味しいと言ってくれた時の笑顔だ。風呂から上がって牛乳を受け取った時に浮かべる笑顔だ。二人で組んで門番の人に勝った時に浮かべる笑顔だ。 あぁ、そっか。ソウマは、祖先の血が目覚めたんだ。セデンさんが言ってたっけ。祖先の血の力を宿している人は両目の色が違うって。ソウマは両目の色が違ってた。だから、この姿は祖先の血の影響なんだと思う。 そう言えば、兄さんも瞳の色が左右で違ってたっけ。だったら、兄さんも祖先の血が目覚めるのかな?「ちょっと待ってて。なるべく早く終わらせてくるから」 私がそんな事を思いだしてると、ソウマは視線を渡しから外して空へと向け、睨む。ソウマの視線の先には、あの蜂のレガンがいるんだと思う。 私の手を握っている手をゆっくりと離し、地面に転がっていたゴールグさんの物だった鉄の剣を持って、ソウマは背中の翼を羽ばたかせ、上空へと飛んで行った。 大きな蜂がソウマに向けて針を撃って行く。でも、ソウマは左右に避けながら前へと進んでいく。 距離を取ろうと離れかけた蜂だけど、ソウマが左手でレガンの蜂の頭を掴んでそれを阻止した。「ナイトメア」 ソウマがそう呟いたのを聞き取れた。ナイトメア? そんな魔法は存在しない筈だけど、もしかして、祖先の力なのかな? そう思っていると、蜂が急に動かなくなって、段々と落ちていく。ソウマは蜂と同じ高度を保ちながら、鉄の剣で何度も何度も切り付けていく。特殊技を使う気力はないようで、ずっと剣で切り付けるだけだった。鉄の剣でも蜂の外殻を壊す事は出来ずに、何度も跳ね返されている。けど、それでもソウマは攻撃の手を緩めなかった。 蜂が地面に激突する三メートル手前で、ソウマは五十を超えた連撃をやめて、少しだけ高度を上げ、蜂のレガンの背中に剣の切っ先を付けてそのままレガンと一緒になって落ちていく。 地面へと激突したレガンは、同様に落ちたソウマの手に持った鉄の剣が衝撃によって背中に突き刺された状態になった。そこから亀裂が走っていく。それと同時に、鉄の剣がぼっきりと折れた。どうやら鉄の剣の耐久度が落下の衝撃に耐えきれなかったみたい。 ソウマはひびが全身に行き届いた蜂を両手で持ち上げると、再び空へと舞いあがる。先程同じくらいまで上がるとレガンを離して落下させる。どうしてだか身動きを全くしないレガンは、そのまま重力に任されて、地面に接触する。それと同時に欠片となって弾け飛んで光となって消えた。 凄い。ソウマはあの大きい蜂のレガンを一人で、それも相手に抵抗させずに倒しちゃた。 けど、流石に大変だったみたいで、肩で息を切らせながら地面に降り立った。そして、背中の羽が消えて、左足も元に戻っていった。 ソウマに駆け寄って肩に手を添えて支えてあげたいけど、今の私の状態じゃ無理だ。お腹には針が刺さったままだし、胸に開いた孔からも血が流れている。息も苦しいし、頭がくらくらする。こんな体じゃ、とてもじゃないけど支える事なんて出来ない。「キルリ」 ソウマが息を荒げながらも、私の方へと走り寄って来る。「あいつ、倒したよ」「うん、見てた」 ソウマは報告してくるけど、ソウマの顔は険しいままだった。「どう、したの?」「……御免。俺、今『ヒール』が使えないから、治してあげられない」 顔に陰を作りながらソウマは済まなさそうに言ってくる。何だ、そんな事か。「いい、よ。ソウマには、助けて貰ったし、ソウマが、生きてるだけ、で、充分」 そう。ソウマが生きてさえいてくれればそれだけでいい。「いや、俺の所為でキルリはこんな怪我をしちまったんだ。それなのに、怪我を治せないのが……」 ソウマは首を横に振って、唇を閉じて横に引っ張る。「ううん、ソウマの所為なんか、じゃ、ないよ。ソウマが、最初に庇って、くれなかったら、私は今よりも、もっと酷い状態だったの。それに、私の所為で、ソウマに、酷い怪我をさせちゃって……死ぬような思いを、させちゃって。最後に、ソウマだけにレガンの相手を、させちゃって。私の方が、謝らないと、いけないの」「そんな……そんな事無い! 俺があの針を適切に対処してれば!」 ソウマは歯を食い縛って肩を震わせる。これ以上、ソウマが自分を責める姿なんて見たくない。ソウマは悪くない。悪いのは気が付かなかった私なんだよ。だから、これ以上自分を責めないで。「ソウマ」 私は、重くて上がり難い腕を必死で伸ばして、ソウマの首に手を回す。 そして、そのまま腕を引いてソウマの顔を渡しに近付けさせる。「ん……」 ソウマの唇と、私の唇が重なり合う。ソウマは何が起きたのか分からないと言った感じに目を白黒させていた。それが、ちょっと面白いな。「私の、ファーストキス。私からの、御礼、だよ」 唇を離して、ソウマに笑って見せる。「あ、ソウマの、唇に、私の血、が、付い、ちゃった。不快だったら、御免」「……ううん。不快なんかじゃないよ。でも、何でこんな」「それを、訊くの?」 もしかして、ソウマって鈍いのかな?「御礼、だよ」 ちょっと意地悪して、まだ言わないでおこう。「いや、御礼にしたってこんな……ファーストキスだったんだろ? いいのか? その、俺なんかに」「いいん、だよ」 傷付くなぁ。俺なんかなんて言われちゃ。もっと自分に自信を持って欲しいな。私はね、そんなソウマを――。「好きだか、ら、キスを、した、んだよ」 漸く言えた。ソウマが驚いてる。うわっ、今までそれとなくだけど手を繋いだり、お昼ご飯を一緒に食べたりしてアプローチしてたんだけど、効果なかったんだ。 初めてソウマを見た時は、好きなんて感情は湧かなかった。でも、勘違いだったとは言え、自分の家族の為にと自分の身に起きた事よりも最優先して助けようとした姿勢が父さんに重なって、そして、自分と接点の無い人の亡骸を丁寧に弔って、冥福を祈る姿に誠実さを感じて、そこから、段々と引かれていったんだよ。 最初に嘘を吐いていたのは哀しかったけど、それでも危険な状態だったスーネルちゃんに薬草を無理のないように呑ませて助けたり、愚痴を零さずに亀裂の数を減らしたり、模擬試合で私に勝てない事に悔しがったりする姿が、今でも鮮明に思い出せる。 私の為に道具袋を買ってくれた。私の作った料理を美味しいと言ってくれた。私と一緒に組んで門番の人と模擬試合を行った。それも、思い出せるよ。 変なレガンの亀裂で倒れてて、目を覚まさなかった時は、胸が締め付けられるように苦しかった。亀裂の中でソウマが怪我を負った時は、私がフォローし切れなかったからって後悔した。ソウマがスーネルちゃんと楽しげに話してると、胸がちくっとして痛かった。 毎日台所で横に並んで夕飯の準備。何時もお風呂上りにする牛乳を飲みながらの他愛も無い会話。どれもこれも、他の人にとっては些細な事だろうけど。私にとっては、切っても切り離せないくらいに大事な事だった。今日もソウマと一緒にいる。それを実感出来たから。「ねぇ、ソウ、マ」 私はソウマの顔を近付け、額を合わせる。「もう一回、いい?」「何を?」「キス」 私はソウマの答えを訊く前にソウマの唇に自分の唇を重ね合わせる。好きと言ったから、もう我慢する必要はないよね。 さっきよりも長い間唇を触れ合わせる。ソウマの唇って、温かくって、そして柔らかくって気持ちいいな。ずっとこうしていたい気分になる。 けど、私はソウマにまだ大切な事を訊いてない。「ソウマ」 私は自分から唇を離して、ソウマに訊く。「何?」「ソウマは、私の事、好き?」 そう、ソウマが私の事をどう思ってるのか、それを訊いてない。 ソウマは目を逸らし、口をもごもごさせていたけど、決心がついたのか、一度目を瞑ってから私の眼を真っ直ぐ見据えて口を紡ぐ。「正樹」「……え?」 マサキ? 何の事だろう?「俺の、もう一つの名前。ソウマ=カチカもちゃんとした俺の名前だけど、加藤正樹……マサキ=カトウも、俺の名前なんだ」 そうなんだ。名前が二つもあるなんてソウマって何処かの王族か何かな? でも、どうしてソウマは私にそんな大事な事を伝えてくるんだろう。 そう疑問に思ってると、ソウマは少しだけ目を逸らて、少し頬を赤らめながら、ぶっきら棒に伝えてくる。「……俺が好きな人には、こっちの名前で呼んで欲しい」 ソウマの口から漏れた言葉。え、それってもしかして――。「俺も、キルリの事、好きだったみたい」「みたい、って、何よ?」 嬉しいんだけど、ちょっと拍子抜けする答えだった。「好きって言われて確信したんだよ。俺はキルリが好きだって。話をしてるだけでもどきどきしてたし、風呂上りのキルリは艶っぽくて魅力的で、剣を持ったキルリはとても可憐で凛々しく見えて、一緒に組んで模擬試合をして勝った時に浮かべる嬉しそうな笑顔に見惚れて、時々見せる年相応の反応が可愛くて、何時も一緒にいてくれて、それだけで見知らぬ地にいる俺にはとても心強い支えになってくれて、他愛ない事でも俺を気に掛けてくれて、俺はそんなキルリに引かれていってたんだ」 ……訊いてて、恥ずかしくなってくる。殊更自分の事を言われてるから特に。 でも、本当に嬉しい。両想いだったなんて。夢みたい。「ソウマ……ううん、マサキ。好き、だよ」「あぁ。俺も、キルリが好きだ」 そして、三度目となるキスを交わす。三回目が一番、私の心に滲み入るような感覚に陥った。 あぁ、何か、お互いが好きだって知ったら安心しちゃったみたい。少し、眠くなってきた。 私は名残惜しくも、唇を離す。「御免、マサキ。私、疲れ、ちゃった、みたい」「キルリ?」 瞼が重くなって段々と閉じていく。口もあまり動かなくなってきた。腕に力も入らなくなって、マサキの首に回していた手が重力に従って落ちる。「ちょ、っと、だけ、寝、るね……」 私はそうマサキに告げて、体の力を完全に抜いて微睡みの中へと旅立つ事にする。 今起きた事が、夢ではありませんように。 目が覚めても、マサキと両想いのままでありますように。 私は、切にそう願う。 ………………。 …………。 ……。
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「キルリ?」 キルリは、微笑みながら、ゆっくりと眼を閉じてしまう。 弱々しくも、きちんと上下に動いていた胸が止まる。 胸と針が刺さったままの腹に開いた孔からは、もう血が流れなくなっていた。「キルリ?」 俺はキルリの体を抱き起す。妙だ。変に重たい。何時よりも重力が加わっているかのように。まるで、筋肉が機能しなくなってしまったかのように。「キルリ?」 体を揺さぶってみる。キルリはかくんかくんと首を揺らすだけで、眼を開けてはくれない。その首の動きも、完全に筋肉の機能が停止し、本来は無意識のうちに制止されているだろう方向にまで傾けられる。そして、最終的には、キルリの首は重力に従い、後頭部が地面に接するくらいまで下げられる。 全身の血がざっと音を立てて下がって行くような感覚に襲われた。視界が急速に狭まるような感覚に襲われた。心臓が早鐘を打ち始める。 俺は急いでキルリの口元に手を持ってくる。掌には、キルリの吐息を感じられなかった。その手を今度はキルリの弛緩し切った手首に当て、脈を確かめる。規則正しい脈動は伝わってこず、脈動すら感じ取れなかった。「おい、キルリ。冗談は止せよ。笑えないって。なぁ、キルリっ!」 力任せに、俺はキルリの体を揺さぶる。信じない。信じたくない! キルリ! 目を開けてくれよ!「キルリ! キルリ……っ!」 けど、返ってくるのはキルリが揺さぶられた際の反動だけだった。 そんな……そんなそんなそんな!「キルリ……」 消え入りそうな声をひり出しながらも、俺はキルリを静かに横たわらせる。 そして、急に力が入らなくなった体は前のめりになり、キルリの胸に顔を埋める。俺の耳には、キルリの心音は全く聞こえてこない。 もう、認めるしかないのか? キルリが、死んでしまった事を。 毒は消せても、傷までは治せず、傷口から血を流し過ぎてしまったから、死んだ? 心の中でそう呟いてしまったら、俺の頬に涙が伝った。顔の筋肉が変に引き攣った。嗚咽が漏れ出した。「う、う、うっ」 零れる涙は止まらなかった。顔の筋肉は言う事を訊かなかった。嗚咽は段々と荒げられていく。「うっ、うぅぅっ、ぅぅううぅぅううううううぅぅっ!」 顔を上げると、涙でぼやける視界には、まるで幸せな夢を見ているかのような表情をしたキルリの顔が入ってきた。 ……俺は、結局キルリを助けられなかった。 好きだと分かった相手を、死なせてしまった。 『ブラッド・オープン』が解放されても、駄目だった。 背後から、硬い何かが壊れて崩れる音が聞こえたが、そんなのはどうでもよかった。「ぅぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」 俺はただただ、徐々に温もりが失せていくキルリの体を抱き寄せて、子供のように声を荒げて泣くだけだった。

『レガンビー五体を倒した。 レガンクインビーを倒した。 レガンキングビーを倒した。 2051セルを手に入れた。 経験値を3767獲得した。 レベル:12に上がった。 魔法『ライフドレイン』を習得した。 魔法『メンタルドレイン』を習得した。 特殊技『スラッシュ+』を習得した。 アビリティ『アナライズ』を習得した。 アビリティ『リミットオーバーアタック』を習得した。 『血継力』の上限値が上がった。 ステータスポイントを8獲得した。 装備:陶蜂の軽鎧を手に入れた。
 クエスト『エルソの災害』をクリアしました。 レアクエスト『特訓っ!』のクリア条件が消失しました。』





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