【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

裏・戦後処理

戦後処理も大筋終わった。
後は、祝賀会で、ローザスとフレットのお披露目が行われ、その席で僕の国の事を発表する。王国建国となる。時間的には、半年位で準備が終わるみこみだといわれた。そうしたら、僕達も1歳年齢を重ねる。
その前に、捕えた同級生たちの処置を考えないとならないだろう。
三塚マニュエル川島マルビン森中フィリッチには、真実を知って貰ってから、生きながらえて貰う事にする。何を言ってきても耳を貸さなければいいだろう。奴隷紋を刻んでもいい。食費位は貸しておいてやろう。今まで自分たちがしてきた事を考えれば、残り13年間は監獄の中でブクブク太って醜くなってもらおう。壁に怨嗟の文字を刻むのなら好きにすればいい。地球に戻って恨みを晴らしてもいいだろう。それだけの気概が残っているのならだろうけどな。
まずは、ミルとサリーカとアルマールとフレットに話をする事になった。4人に、マノーラ神殿の屋敷にある僕の執務室に来てもらった。
エミール達がお茶と摘むお菓子を置いて退出した。一口、お茶を飲み込んでから「三塚マニュエル川島マルビン森中フィリッチを捕えた。そこで、3人に処遇を話したいと思う」「・・・」「・・・」「・・・・。殺さないの?」
アルマールが殺す事を望んでいるのかもしれない。でも、殺すなんて優しい事をするつもりはない。殺すのなら、13年後にするつもりだ。
「うん。殺さないよ。監獄の中で残りの年月を過ごしてもらう。娯楽も何もない。6畳程度の部屋で、排泄も何もかも周りから見える状態でね。」「え”?」「・・・」「あっ!」
「やつらを殺してしまうと、やつらは、”白い部屋”に戻って、最悪は僕達の事を見ながら、残り3日半位を過ごすだけで終わるんだよ。そんな事をやらせるつもりはない。フレットのローザスの事やアルマールと旦那さんの事は勿論、僕達の事も見せるわけにはいかない。そう思っているんだよ。」「そうか、死んだらそれで終わりじゃないんだった・・・。奴らは、立花が最後に勝てればいいって考えるかもしれないんだった。」「そう、それをさせないためにも、情報を与えないで、地球に戻った後でも僕達に逆らう気にもさえもならない位に徹底的に痛めつけようと思っている。」「そうなんだね・・・でも、リン君それなら・・・。」
アルマールが気がついた様だ
「そう、僕は三人に僕達の事を教えてあげようと思っている。」「でも、奴らが逃げ出した時に、立花達と合流されたら面倒にならない?」「そうだね。今の監獄は、マガラ神殿の下層部分に作って、外からは転移の魔法が使える者しか入る事が出来ないようになっている。奴らが転移魔法を使えない事も古代魔法も無理な事は確認している。」「そう・・・」「うん。それに、逃げられても別に困らないからね。立花達の標的が僕達に絞られるって事でしょ。」「・・・。そうだね。」
それから、3人に来て貰って事を説明した。それぞれ因果がある相手だという事は解っている。その上で、相手が何も出来ない状況になっている事を認識させようと思っている。まずは、僕とミルだけが3人と話をする。その上で、僕の事を教えてあげる事にする。そして、次はミルの事を教える。自分たちがよく調べもしないで死んだ事にしてしまった者たちが全員生きていると知った時と、もう手が届かない差が生まれてしまっている事を認識させようとおもう。
4人に手順を説明した。全員が了承してくれたので、まずは、ミルと二人だけで転移をした。部屋の中の様子は、モニタリング出来るような仕組みを組み込んである。それを、眷属に言って準備させた。サリーカとフレットとアルマールが別室で見ている。タイミングを見て、転移が行える眷属につれてきてもらう事になる。
僕とミルが、三塚マニュエル川島マルビン森中フィリッチが居る監獄の前室に移動した。前室を作っているのは、奴らにここがどこかに繋がっている部屋だと認識させるためだ。わざわざ天井には鉄格子の隙間から外の天気と連動する様になっていて、時々近くを通る馬車の音を流したりしている念の入れようだ。どこかの屋敷の地下牢に閉じ込められていると思っているようだ。助けを求めたりしているのを見るのは滑稽だ。風は連動して流しているが、雨が降り注いでこない事である程度を察しろよと思ってしまう。
「リン様。ミル奥様。今日は?」
監獄の監視員も眷属が順番に行っている。前室の左右にも部屋が作られていて、そこに監視員達が屯する感じになっている。今は、6名で監視をしているが、最大18名まで増える事になる。その為の施設になっている。食事部屋や遊技場も用意してあるので、暇になる事は無いだろう。捕えている奴らに、食事風景や遊技場の様子を見せる事も監視の役割にしている。自分たちが置かれている状況を把握させる為には必要な事だと思っている。見える場所にダミーで置いたベッドなども心を削るには十分な物だろう。
「あぁ奴らに罰を与えるためにな。中央を使えるようにしておいてくれ」「かしこまりました」「あっそれから、奴らは臭いだろう?僕やミルの前に出ても大丈夫なようにしておいてくれ」「あっ解りました。まずは、誰から呼び出しますか?」「そうだな。川島マルビンからにしようか、次は森中フィリッチで最後が、三塚マニュエルにする。」「解りました。準備に15分ほどかかります。おくつろぎ下さい。」
「ねぇリン。どちらかの部屋をマジックミラーみたいに出来ないの?」「なんで?」「面倒だから、サリーカ達も今のうちに呼んできちゃえばいいんじゃない?」「あぁそうだね。」「それで出来るのなら、僕がサリーカ達を迎えに行くよ?」「出来るよ。あれサリーカも転移出来るよね?」「うん。でも、サリーカは二人しか移動できないからね。僕も行かないとダメだよ。」「そうか、それじゃお願いしていいかな。10分後位に来てくれれば大丈夫だと思うよ。」「了解。」
ミルが転移でもと居た場所に戻った。今居る部屋の前に石壁を出現させる。後は、透過を一方的に行う様に調整した魔法を施せば終わりだ。音は、マイクで拾ってからの再生になるから、すこしのタイムラグがあるが、まぁそんなに厳密な感じじゃないから大丈夫だろう。微調整をしていたら、ミルが皆を連れて戻ってきた。すこしだけ緊張した面持ちだ。特に、フレットとアルマールに関しては、チート能力が権限しているわけではない。僕の能力を貸し出しているけど、いざという時に使えないと意味がない。「大丈夫だよ。フレットとアルマールには結界を施しておくからね。それに、僕やミルやフレットだけじゃなくて眷属も側についているようにするよ」「うん」「ありがとう。大丈夫だよ。」
「リン様。川島マルビンの準備が出来ました。だるまにしましょうか?」「それには及ばないよ。」
「かしこまりました、それではどうぞ。」
尋問部屋に入る。そこには、用意している椅子に、川島マルビンが首輪をして、椅子の背もたれから、鎖が出て背もたれと一体化した穴を通って、足枷に伸びている。手枷も同じように、背もたれの穴で首輪から伸びている鎖に繋がっている。首輪は緩めに作られているが、内側には鈍い刃が付けられていて切れる事はないが抑えどころが悪ければ死に至る可能性がある。何日かぶりの風呂でさっぱりしてきたのだろう、服や下着も新しい物を身に着けている。僕とミルが入ってくるのを見ると・・・。
「おまえは、リン=フリークス。こんな事して・・・。」「いい加減にしてよね。聞き飽きたよ。何にも出来ないでしょ。それこそ、反撃されるような事がない”いじめ”しか出来ない人間なんだろ?」「なっおまえ・・・何言ってんだよ。」「千葉美久。確か、バスケ部で身長が高くてかっこよかったよな。川島茂!おまえが虐めていた子だよな。」「なっ・・・。なんでそんな事をおまえが・・・。」「神崎悠がプールで溺れ死んだ時にもおまえも一緒に居たんだってな。」「・・・神崎なのか?」「何を今更、そんな事はどうでもいいだろう?僕は、これでも侯爵で、これから国王になるんだからね。お前たちみたいな”有名になれない”奴らの相手をしているだけでもつかれるんだよ。」「なっおまえは死んだ。死んだはずだ、俺たちは、パシリカの時に、出て来る全員を・・・。」「そうだな。滑稽だったぞ。出て来る男女構わず触っていたんだろう。日本なら痴漢で捕まっているな。」「・・・。」「あぁやっと気がついたみたいだね。僕は、君をここで殺す事も出来る。彼との約束でもあるからな。」「・・・彼?だれだ?裏切り者が居るのか?」「さぁね。捕まっている3人の中かもしれないし、まだ捕まっていた、6人の中に居るのかも知れないな。」「教えろ、誰だ!」「川島。誰に口聞いているんだ。君をここで殺す事に僕が躊躇すると思っているのなら間違いだぞ。」「・・・。俺はどうなる?」「さぁね。どうしようか?ここで殺して退場してもらってもいいけど、それだけじゃつまらないからな。自分の腕や足はうまかったか?これからももっといろいろ食べさせたいからな。お仲間の性器を食べるのもいいだろうな。」「おまえ・・・そんな事して・・・。」「許さないとでもいいたいのか?許さなければどうするんだ?」
馬鹿が、暴れだしたが、手を出せば、首がしまる。立とうとしても鎖が伸びて腕を引っ張られるし、首がしまる。呪詛のような事を言っているが、話を続ける。
「そうそう、愚かなおまえにお前達が僕達に絶対に勝てない事を教えてあげるよ。」
そう言って、偽装を全部解除した状態で、川島の頭に手を載せた。屈辱に塗れる顔で僕を見ながら、ステータスを確認した。
「・・・馬鹿な・・・こんな事が・・・何をしたんだ。」「あえて言えば、君のお仲間の立花と山崎のおかげだよ。彼らが僕の能力が目覚めるきっかけをくれたんだよ。」「神崎。もしかして、そっちの女もなのか?」「あぁミルの事?そうだよ。ミルも、愚かな川島にステータスを見せてあげて」
ミルは、足を川島の頭に載せられる位置まで飛翔して、足で首根っこを押さえるような格好になった。なんとまぁ奇妙な格好だな。
「・・・鵜木和葉?」「それがどうしたの?次に何か僕やリンの事を馬鹿にしたら、胴体は頭の重さに耐える必要がなくなるようにしてあげるから、しっかり考えて喋るのね。」「・・・。」「ミル。いいよ。それで、川島。解った?」「あぁ・・・それで俺は・・・。」「さっきも言ったよね。決めるのは僕じゃないよ。」
眷属にアルマールを呼びに行ってもらった。今回の尋問は、他の二人には見えないし聞こえない状況になっている。アルマールが尋問室に入ってきた。
「あなたは誰ですか?」「おや、さっきまでの威勢はどうしました?」「・・・神崎。許してくれ。殺さないでくれ。」「神崎?誰ですかそれは?」「・・・。」「アルマール。川島マルビンの罪状は、どうでしょうか?」
川島マルビンは、私を虐めていた張本人。優しくしていたのが、下心からだったとは思わなかった。信じていたのに・・・。それに、神崎悠君の事も聞いた。それが真実かどうかなんてどうでもいい。私は、あんたを許す事が出来ない。リン君。川島マルビンに、死ぬより辛い罰を与えて欲しい。お願い。それが確認できたら、私は、ウノテさんからの求婚に安心して心から”はい”と答えられる。」「わかった。川島マルビン。おまえは、残り13年。ここの監獄で過ごしてもらう。死なない程度の食事は出してやるから安心しろ。」
「・・・アルマール。美久・・・なのか?」「あんたに、美久なんて呼ばれたくない。それに、私はアルマール。もう二度と逢う事は無いでしょう。リン君が許しても、私は一生許さない。」「俺は、いや、僕は、美久の事を思って・・・なぁ許してくれよ。俺・・・おまえの事が・・・。」「喋るな臭い。ミルおねがい。」「了解。」
アルマールからの一声で、ミルが刀を抜いて、奴の指を数本切り落とした。絶叫が聞こえてくるかと思ったが、そうならなかった。開かれた口の中に、アルマールが棒を突っ込んでいた。棒のさきっぽには、棘が付いていて口の中を傷つけている。その棒をミルが凍らせた。これでもう喋る事が出来ない。倒れ込もうにも、首輪から伸びた鎖がそれを出来ない状況にさせている。
「もう一度いう。私の事を美久なんて気安く呼ばないで、吐き気がする。私は、ウノテさんという最高のパートナであり伴侶を見つけた。リン君が許してくれて、死ぬ3名から外れる事を祈っているよ。」
「アルマール。もういい?」「うん。ありがとう。それで、今後の事も相談したいけど、後で時間貰える?」「了解。あぁこのゴミをこのまま監獄に入れておいて、死なない程度に治療だけをしておいてね。後で、拷問部屋にも案内したいから、殺さないようにね。」「かしこまりました。」
眷属が、川島マルビンを連れて行った。アルマールがミルと一緒に尋問部屋から出ていった。それと入れ替わるように、森中フィリッチが連れてこられた。
「貴様。川島に何をした。」「何って、そうだな。今からおまえにするのと同じ事だよ。だから、きにする必要はない。」「なっそんなことして、許されるとでも」「なんで、同じことを言うかな。僕は、君達に許されたいとは思っていないよ。」「・・・なんだと、貴様。何を言っているんだ。」「解らない?あぁそうだよね。大好きな子に振り向いて欲しいからって、親の権力を使って虐めて居るような蛆虫にはわからないだろうな。」「なっ・・・何のことだ?」「解らない?それとも、解らないフリをしているの?松田昴の事が好きで虐めていたんだろう?ガキでもあるまいし恥ずかしいやつだな。」「そ・・・おまえ誰だ?」「そんな事はどうでもいいだろう?そうだな。おまえの事をいろいろ教えてくれる人物が居たってだけだよ。」「だ。だれだそれは・・・教えろ。」「教えてどうするの?おまえ、ここから生きて出られると思っているの?神崎悠にした事を思い出せば、そんな事を考える事も出来ないだろう?」「・・・・神崎悠?」「そうだよ。お前たち10人がプールで溺死させた、俺の弟だ!」「・・・神崎・・・なのか?おまえ、死んだんじゃなかったのか?」
本当にテンプレの様な奴らだな。違う展開を期待したのに、殆ど同じ展開になってしまう。こんな連中だから、楽勝だと思えてしまうんだけどな。
まぁいい。これを繰り返せばいいだけなら話は簡単だ。
その後、フレットを呼んで、同じように尋問した。そして、フレットの逆鱗に触れて、もうローザス陛下の后になる身である事や、リンにお願いしておまえが死ぬ一人になってもらってもいい。とさえも言い出した。死ぬのは、僕とミルと後一人は多分立花になるだろうから、出来ないけど、脅し文句としては十分だったようだ。それから、一言も発する事はなかった、退出させる時に、ブツブツ何かを言っていたが気にしない事にした。
最後の三塚マニュエルも同じ展開だ。違うのは、サリーカのステータスを見て、僕の嫁になる事を告げられて、殺せと言い出した事だ。そんなつまらない事はしないと宣言して、両耳を削ぎ落として、口の仲に放り込んでおいた。眷属には、自分から死なないように注意をするように言っておいた。最悪の点滴はないが、栄養をとらせる方法なんて沢山ある。少なくても、後13年間は生かしておく必要がある。口枷して手枷して足枷して生活させればいい。生かしておけばいいだけなら魔法がある世界だとそれほど難しくない。餓死しそうな者に魔法で癒せるのか解らないが、やってみるのも実験的には意味がありそうだ。
こうして、3名の尋問が終了した。新たな情報は得られなかったが、それは必要なかった。死なせない状況を続ける事で罰とする事が決まったのだ。
拷問部屋も早速作る事にする。これから、後6名はここに迎い入れる事になるのだから、すこし位立派な拷問部屋と作ってもいいかもしれない。

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