【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

ヴァズレ領

ヴァズレ領の門戸が閉じられて、2週間が経つ。そろそろ、内部の人間たちも限界が来ているのだろう。そう思っていたが、実際に内部を見てみると、それほど不満が出ていないようで安心したと共に、少し不安に思い始めている。恐怖政治を行っているようには思えない。言語統制を行っているとも思えない。何よりも、外から中に入ってくるのにあ制限があるが、出て行く分には問題ない。門戸を開放する時間が少ないのが唯一の問題位なんだろう。
「アッシュ。ヴァズレの様子はどうだ?」「平常とはいいませんが、安定しているように思えます。」「そうか、守備隊の隊長はいい統治をするようだな」「どうでしょうか、今の時点では、比べるのは、ヴァズレ男爵ですからね。彼よりはましという段階なのではないでしょうか?」「そうか...まぁいい。彼を助けようとは思わないが、領民をむざむざ殺させるわけにも行かないだろう。」
「カエサル。」「はっ御前に....」「頼みがある。ヴァズレに行って、守備隊の隊長と会ってきて欲しい」「はい。それはいいのですが、どういたしましょう?」「そうだな。彼が『自分たちはいい。領民だけでも助けてくれないか?』と言ってきたら、全員助ける。」「はっそうでなかったら?」「そうだな。食料を”領民に支援するが必要か?”と聞いて見てくれ。」「かしこまりました。」
カエサルが、映像珠を持って、ヴァズレに移動を開始した。ニグラからだと少し距離があるので、イスラ街道の小屋に移動する事にした。
ミルとウィンザーとエミールが着いてくる。イリメリとフェムは、アゾレム領の様子を見に行く事にしている。ルナとアデレードが、アロイとメルナを見に行く事になった。
それらの事が決まった後で、イスラ街道の小屋。イスラ小屋に移動した。前線基地としての役割になっている為に、ある程度の備蓄は用意されているが、街道の意味が殆どなくなっているので、今では通る者もほとんど居ない。アゾレム領が崩壊して、このままヴァズレの動向次第では、ここが前線基地にはならなくなってくる。建前的には、このイスラ小屋が最前線でここが破られたらまずいという感じにしている。貴族連合や立花ウォルシャタ達が斥候を放っていてもまぁ騙せるだろう。
小屋に着いたら、カエサルが守備隊の隊長に面談を始める所だった。
★☆★☆★☆★☆「マノーラ侯爵の使いの者だ。」「あぁお名前を伺ってもよろしいですか?」「我の事は、カエサルと呼べ。」
「ありがとう御座います。カエサル殿。私は、モランビル・アップルジャックといいます。モランとお呼びいただければ幸いです。」「わかった。モラン殿。我が主、マノーラ侯爵は、其の方等がどうしたいのかをお聞きしたいという事だ。」「それは、どういうことなのでしょうか?カエサル殿?」「言葉どおりですよ。其の方等がどうしたいのかで対応を変えるとおっしゃっています。」「私が貴方を人質にして、侯爵に協力を申し出るかもしれませんよ?」「やれると思うならやってみればいい。その時の対応は指示されていないが、私の判断で動く事をリン様はお認めになられると思っている。」「・・・降参です。私では、貴方の側に近づく事も出来ないでしょう。」「時間は黄金よりも貴重です。早めのご回答を・・・。」
「解りました。私は、ヴァズレで育って、ここの領主のおかげで隊長という過分な地位を頂いております。」「・・・」「ヴァズレはもう終わりです。領主が戻ってきたとしても、誰も着いていかないでしょう。」「それは?」「はい。私と私の部下が、ヴァズレ男爵の愚考を領内に喧伝しています。」「そうなのですね」「えぇ私達の正当性を主張するつもりはありませんが、ヴァズレ男爵が領主として正しかったのかを領民に判断して欲しいと思っています。」「そうですか?なぜ急にそうお考えに?」「あぁぁえぇぇと思い出したくも無いのですが、エスト街で四肢を何度も何度も切り落とされて、痛みや屈辱で殺してくれって何度も思ったのですが、生かされて、領内に戻されました。」「そうですね」「その時に、助かったと本当に思いました。そして、再戦の機会がある時には、油断などしないで、対峙したいと思っています。」
(隊長は、言葉を選んでいるけど、ようするに僕を憎んで殺したいって思ったって事でしょ?)(・・・リン。そうだけど、もう少し言葉を選ぼうよ。)
「あぁそれで?」「あっはい。領主に面談した時に、罵られて、部下たちを殺されてしまいました」「そのような事になっていたのですね。」「はい。侯爵が持たせてくれたポーションも2本だけは使ってもらえたのですが、後は男爵が搾取して行きました。馬車と一緒にです。」「えぇ」「私は、私なりに、男爵に忠誠を誓っていました。それが、部下たちを殺されてしまうという結果になったのです。」「そうなのです」「はい。その時に、もしかしたら、侯爵はこうなる事が判っていらっしゃったのではないかと思ったのです。」「・・・。」「それは、いいのです。私が愚かだったのです。その時に思ったのです、どこで間違えたのかと・・・・。」「それで結論は出たのですか?」「わかりませんでした。少なくても、私は今まで考えても居なかったのです。そこで、初めて部下たちと話をしました。これからどうするのかと....そこで、多分ですが、男爵はこの街に戻ってくるでしょう。もしかしなくても、他の貴族から守備隊を借りて・・・。その時に、領民が男爵を選ぶのならそれでもいいでしょうし、私達を選ぶのなら守り通すつもりで居ます。」「それでは、貴方たちは死ぬ覚悟なのですね?」「えぇそのつもりです。私達の命程度で、男爵のお考えが変わるとは思っていませんが、少なくてもヴァズレの領民の気持ちは変えられるかもしれません。」「そうですか・・・・。」
「はい。それで、筋違いである事も、今更こんな事を言っても意味が無いのかも知れないのですが、もし、侯爵が私達の事を少しでも御気にかけてくれているのなら、私達守備隊ではなく、領民を助けていただけないでしょうか?」
★☆★☆★☆★☆
「ミル。どう思う?」「ん。リンの好きにしたらいいと思うよ。」「ありがとう。この守備隊の隊長は、ここで殺すにはもったいない。」「本当に、優しいね。リンは・・・。」「・・・・。」
『カエサル。一旦戻ってきて、僕達をそこに連れて行ってくれ。』『かしこまりました。』
★☆★☆★☆★☆「モラン殿。5分だけ待って下さい。我が主が来られます」「??解りました。」★☆★☆★☆★☆
「リン様。御前に」「あぁカエサル悪いな。それじゃ転移をお願いね。この人数大丈夫?」「あるじさま。私も行きますよ。」「って事だけど、大丈夫?」「あっはい大丈夫です。」
「それじゃお願いね。」
モランの目の前に転移した。びっくりしている状態のモランを無視して、話を始める。
「カエサル。マガラ神殿に戻って、アロイとヴァズレを繋ぐように、サリーカかタシアナにお願いして」「はい。かしこまりました。それでは行ってきます。」
そう、僕がアロイとメルナを手中に納めた事により、マガラ神殿の上部にある。アロイとメルナに関しても手をいれる事ができるようになった。転移門トランスポートの設置をしても問題無い状態になったので、各地とアロイやメルナを結ぶ事ができるようになった。
「モラン殿。貴殿らの気持ちは解った。全面的に支援しよう。」「・・・・あっはい。」
「ミル。辺りを確認してきて、僕の読みが間違っていなければ、商隊のふりをした、男爵の手の者が居ると思うからね」「わかった。示威行為でいいの?」「そうだね。僕達が居るってよりも、守備隊の勢いがあると思ってもらったほうがいいね」「了解。それじゃ行ってくる。ウィンザー。トリスタン。一緒に行こう。」
「モラン殿?」「あぁぁマノーラ侯爵様。申し訳ない」「いえ、それで領民で希望する者は、難民扱いで、私が新しく取得した領内に移動してもらおうかと思っておるのですが問題ないですよね?」「あっはい。よろしくお願いします。」「よかった。もうすぐ、この屋敷の正面辺りに、転移門トランスポートが設置されると思います。それを通れば、アロイの街に移動出来ます。」「え?それは、噂は本当だったのですか?」「噂?その話は、後日お聞きします。まずは、残っていらっしゃる守備隊の皆さんで領民の誘導をお願い出来ないでしょうか?」「解りました。おい。皆で手分けして、領民を侯爵様のおっしゃった場所に集めろ。」「えぇその後は、カエサルと私の婚約者の一人が来ると思いますので、それらの指示に従っていただければと思います。」「解りました。侯爵様。領民は領民は....」「えぇ解っています。奴隷などに落とす様な事はいたしませんし、暫く生活できるだけの事はすると約束致します。」「ありがとうございます。それで厚かましいお願いなのですが・・・。」「守備隊の皆さんのご家族も勿論です。あと、怪我で戦えない守備隊の人もどうぞ、アロイに移動して下さい」「・・・・よかった。ありがとうございます。これで心置きなく男爵と対峙出来ます。」
「いえ、モラン殿。貴方も、一緒に行ってもらいます。」「なぜですか?私は、ここで果てるつもりで居ます。」「駄目です。僕からの要求をまだお伝えしておりません。これだけの事を無償で受け取れると思っておいでですか?」「・・・・。解りました、何をすればよろしいのですか?」「それは嬉しい。私が望むことは、モラン殿には生き恥を晒してもらいます。」「生き恥?侯爵様は、私に生きろとおっしゃるのですか?」「そうです。貴殿には生きてもらいます。その上で、これからの戦いで私の為に死んでもらいます。それが、ヴァズレの領民と貴殿の部下を私がお預かりする条件になります。」「・・・・解りました、私は、貴方の侯爵様の為に死ぬことにします。」「お願いします。それでは、モラン殿。貴方も、アロイの街に移動して、皆を落ち着かせて下さい。」「・・・・はい。かしこまりました。」
『リン。準備が出来たよ』『あぁタシアナが着てくれたんだね。』『うん。サリーカは、アロイで受け入れ準備をしているよ。』『ありがとう』『いいよ。それで、軽く食事を取れるようにしておけばいい?』『あぁ考えていなかったけど、それは必要だろうね。子供も居るし、もしかしたら、数日ぶりの食事の人も居るかもしれないから、胃に負担にならない物をお願い。』『うん。大丈夫。サリーカがおかゆを用意しているよ』『よかった。イリメリじゃなければ大丈夫だね』『うん。』
モラン殿達に案内されるように、領民が集まってきて、そのまま、アロイに向かっていった。向こうでの対応は、サリーカが対応してくれている。
屋敷に残っていると、ミルが戻ってきた。「リン。ここから時間的な距離で2時間位の場所に商隊が屯しているよ。」「そうなんだね。どんな感じだったの?」「う~ん。トリスタンが近づいたら逃げちゃったからわからないよ」「そうか・・・。」「でも、商隊の規模以上に守備隊が居たようだから、リンの予想通りだと思うよ。」「人数は?」「幾つかの商隊を装っているけど、全員が武装勢力だとしたら、200名位かな?」「あぁそうなんだね。残った守備隊の人数を考えれば、そのくらいで十分だと思ったんだろうな」「うん。こっちは何人だったの?」「残った守備隊の数は、20名ほどだから、10倍で攻めて来たんだね。」「へぇそれでどうするの?」
「ん?そうだね。僕の家の旗を立てようと思っているよ。」「立花ウォルシャタが居るのなら負けてもいいとは思うんだよね。どう?」「わかんないよ。上空からだからね。後、数時間で到達すると思うから、その時に確認すればいいんじゃないのかな?」「そうだね。エミール。ミルと到達予想地点の城壁に、旗を何本か立ててきて・・・。」「かしこまりました。」
さて、どうしようかな200名位だと、眷属を出せば終わってしまうんだけどな。
「リン様。旗を立ててきました。それから、領民は全て、アロイに移動を完了しました。」「ん。エミール。今度は、眷属を使って、領内の物資を全部運び出して、特に、食料とかね。食料はそのままアロイに送って、資料類はニグラ支部に送っておいて」「かしこまりました。」
あっ武器や防具を忘れたけど、エミールならやってくれるだろう。さて、そろそろ到着するかな?
「トリスタン。バイエルン。ファントム。レオパルト。200名位で物足りないかも知れないけど、怪我させる程度で追い払ってきて、一番偉そうにしている者だけ捕えてきて」「はぁい」「「「はっ」」」
ヴァズレが用意した守備隊は、城壁に到着する前に、眷属たちの襲撃を受けて、散り散りになってしまったようだ。
「あるじさま。捕まえてきましたよ」「あぁありがとう。」
「お前は、リン=フリークス!」「あぁそうですよ。貴殿を虜囚とした者ですよ」「殺すのか?」「そんな野蛮な事はしませんよ。」「・・・・。」「面倒なので、聞きたい事だけをいいます。それ以外の事を話さないようにお願いします。」「・・・・。」「話したくなければいいですよ。その時には、改めて身体に聞くだけですからね」「わかった」「いいですね。素直なら長生きできるでしょうからね。」「・・・。」「それでは、最初の質問です。貴殿は、ヴァズレの手の者でいいんですよね?」「そうだ。ここの領主様に使える者だ」「次に、ヴァズレ男爵は、今どこに居ますか?」「・・・・。」
足の指を切断する。「ぎゃぁ!何を・・・。」「身体に聞くと言ったでしょ。早く答えて下さい。答えたくなければいいですよ。もう一本切断します」「わかった。辞めてくれ。」「”くれ”?」「辞めて下さい。男爵は、アドゥナ伯爵のご領地にいらっしゃいます。」「そうか、そこから命令したんだね」「はい。」
「200名程度でヴァズレを取り戻せると思っていたのか?」「残っている守備隊は多くても40名で、領民も男爵を支持するのは当然の事だからな。」「そうか・・・。貴殿には、このまま、アドゥナ領に帰ってもらう。男爵に伝言をお願いする。」「伝言?」「そうだ『愚昧なるヴァズレ男爵。領地の事は、リン=フリークスがお預かりした。安心して余生を暮らされよ』とな。」「なっそんな・・・」「出来ないのなら構わない。お前の死体に文字を書き込んで、男爵に送り届けるだけだからな」「いえ、是非やらせて下さい。お願いします。」「最初からそう言えばいいですよ。面倒な人だな。」
レオパルトが戻ってきた「リン様。200名の掃討が終わりました。」「あぁレオパルトありがとう。後面倒だろうけど、この愚か者を、アドゥナ領に届けてほしいのだができるか?」「はい。私ではなく、アドゥナに行った事がある者が居ますので、その者にやらせますがよろしいですか?」「あぁ頼む。」
すぐに、レオパルトに連れられた眷属が帰ってきた。アドゥナ街の近くにおいてきたのだという。
映像珠でやり取りを記憶してきたというので見る事にした。
★☆★☆★☆★☆「隊長早かったな?ヴァズレ領は大丈夫だったか?」「・・・・。」「隊長?どうした?報告しろ」
「男爵様。モランの奴卑怯にも、リン=フリークスに領地を売り渡しておりました。」「何?侯爵が領地に居たのか?」「あっはい。侯爵の旗が領地のあちらこちらに立っておりました。」「それで、領地はどうなっておったのだ?」「・・・侯爵は、卑怯にも、エルフや獣人達を先導して、数万にも登る守備隊で私達を包囲したのです。為す術もなく、逃げ帰ってまいりました」
(そりゃぁ4名にやられたとはいえないよね)
「なっそれでは、我が領はどうなっておる。」「わかりません。ただ、近くまで行ってきましたが、領内にはひとの気配はしませんでした。侯爵が領民を奴隷として売ったのだと思います」「おのれ、儂の財産を・・・。」
「どうした?ヴァズレ男爵。」「これは、ホレイズ伯爵。私の領地を、リン=フリークスに奪われてしまったのです。」「なに?それは本当か?」「・・・・はい。不甲斐ない所存で申し訳ない。リン=フリークスは、我が領土を奪うのに、10万もの守備隊で攻めてきた様で、私は領民を逃がす為に、守備隊に命じたのですが、リン=フリークスは、卑怯にも領民を人質にして明け渡しを迫ったようなのです。私の守備隊は、領地より領民の命が大事だと判断して、領地を明け渡して来たようで、今、守備隊の隊長を褒めていた所です。」「そうか、そうか、ヴァズレ男爵の天晴な考え、素晴らしいと思うぞ。のう皆の者。卑怯者のミヤナック家や成り上がりのリン=フリークスでは考えられない事ができる。やはり、王国は我等がいてこそだとは思わないか?」「「そうだ、そうだ」」「リン=フリークスやミヤナックは、ローザス殿下を支えるのにふさわしくない」「「おぉぉぉ!!」」
「ヴァズレ男爵。」「はっ」「おぬしに、守備隊を預ける。領地を取り戻してこい。」「ありがたき。」
「お待ち下さい。」「なんだ。ウォルシャタ殿ではないか?」「伯爵様。リン=フリークスが卑怯者で臆病な事は、皆さんが周知の事だと思います。ただ攻めては、男爵領が荒れてしまいます。」「そうだな。何か考えがあるのか?」「はい。1万の守備隊をお貸しいただければ、私達でヴァズレを取り返して見せます」「本当ですか?ウォルシャタ殿?」「そうですね。私達は領内が不案内ですので、ヴァズレ殿から案内できる者をお貸しいただければ、取り返してご覧に入れます」「勿論です。隊長。ウォルシャタ殿と一緒に、ヴァズレ街を取り返してこい。」「はっ」
「伯爵。それで一つ策がございます。」「なんだ申してみよ」「西沢ゴーチエ。伯爵に先程のアイディアを説明しろ」「はいはい。伯爵様。ゴーチエ家のロラといいます。」
「ロラか、ゴーチエも来ておるのか?」「いえ、父はどうしているのかわかりません。」「そうか、それで何かいい考えがあるのか?」「はい。簡単な事ですが、リン=フリークスは、エルフや獣人を率いているようです。それも、今までの戦いでかなりの数になっていると思います、10万という数字では無いかとは思いますが、数万程度にはなっていると思います。」「そうだな。」「それが一箇所に固まっているのは、かなり厄介な事になってきます。」「あぁそうだな」「守備隊の総数では、伯爵様達のほうが多いので、これを3つに分けます。」「あぁ」「一つは、ミヤナック家に向かわせます。戦う必要はありません。向かわせるだけで十分です。」「なぜだ?」「ミヤナック家は、伯爵の軍隊を見れば、恐れ慄いて、リン=フリークスに救援を出すでしょう。あまちゃんなリン=フリークスは救援を出すでしょう。その上で、伯爵様。北方連合国ノーザン・コンドミニアムとの国境の街シャルムを伯爵様の物にします。その為に一つの隊を向かわせます。」「ほぉ」「はい。北方連合国ノーザン・コンドミニアムとの国境の街シャルムは未だ王家が握っています。最終的に、国土の全域を伯爵様が手中におさめてご統治されるのが王国の為だと思います。その為にも、国境の街シャルムを手中に収めて、北方連合国ノーザン・コンドミニアムからの商隊を引き入れるようにしてはどうでしょうか?」「そうだな。元々は、貴族が治める地域に国境の街シャルムを作って王家が勝手に統治していたのだから、儂らがそれに変わっても問題あるまい。」「えぇそう思います。その上で、ヴァズレ街に進行すれば良いかと思います。」「そうか、ロラとか言ったな。おぬしの考えは儂が考えていた通りの事だ。ウォルシャタとそちに全面的に任せる。守備隊を率いて、国境の街シャルムとヴァズレ街を取り返してこい。ミヤナック家には儂の部下を応らせる。」「御意。」
★☆★☆★☆★☆
ここで、映像珠は終わっていた。ウォルシャタが出てくるか、これは派手に負けないとならないだろうな。
北方連合国ノーザン・コンドミニアムとの国境の街シャルムは元々手を出していないからどうでもいいかな。嫌がらせ位はしておくかな。
『タシアナ。』『ん?何?』『領民の移動は終わった?』『あらかた終わったよ。後は、守備隊の人たちだけだよ。』『それじゃもう一つ頼み事があるんだけどいいかな?』『なに?』『うん。立花ウォルシャタ達が前線に出てくる事になりそうたんだよ』『へぇそうなんだね。』『うん。それで、北方連合国ノーザン・コンドミニアムとの国境の街シャルムに隊を進めるらしんだけどね。』『うんうん。撃退するの?』『ううん。彼らには、北方連合国ノーザン・コンドミニアムとの国境の街シャルムを攻略してもらうつもり』『なんで?倒しちゃおうよ』『勝ち誇らせたいから、まだダメ。』『・・・・それはわかったけど、何をすればいいの?』『うん。到着までまだ時間がかかるだろうけど、到着寸前位に、国境の街シャルムを蛻の殻にしておきたいんだよ。』『あぁ了解。それだけでいいの?』『ううん。その後で、アデレードと協力して、北方連合国ノーザン・コンドミニアムから国境の街シャルムに向かう商隊を全て拿捕するか、荷物だけを奪って欲しい。』『いいの?』『うん。構わない。それで、オルプネ神殿から眷属を出して助ける感じにするからね』『うぉあぁ最悪のマッチポンプだ。』『いいんだよ。多少あざとくてもね』『了解。そっちはアデレードに話しておくよ。』『お願い。』『うん。タイミングは教えてね。国境の街シャルムだから、ローザスにも話を通しておいてくれるといいかな。』『そっちはやっておくよ。』
これで、北方連合国ノーザン・コンドミニアムとの国境の街シャルムはいいだろう。
さて、ヴァズレを上げるにしてもただってわけには行かないだろうからな。何かおまけをつけておかないとな。
おもてなしの準備を始めよう。

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