【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

学園街建設

出島の作成と街道の作成を眷属に頼んだ。流石に、一人で数百キロに及ぶ街道の作成は面倒^H^H現実的ではない。
マノーラ屋敷に戻ると、引っ越しの真っ最中だ。屋敷の大きさが大きくなった事や、四階の寝室は同じだが、五階部分を作成して、寝室の横にあった小部屋を移動させた。プライベートが確保された部屋になり、エミール達やミーシャ/ウィンザー/マルティンの部屋も作成された。ワンルームといった感じになっていて、トイレも備え付けられている。
屋敷に戻ったら、アデレードも戻ってきていた。マルティンも一緒に執務を手伝っていたようだ。「リン。」「ん?」「またおぬしは....。」「いいでしょ?」「あぁそうじゃな。でも、三階の客室は今度はいらないと思うぞ?」「なんで?マルティンのご両親とかが来たと・き・・と・・・か・・・・に.....あぁそうか、王家のプライベート空間に、他の国の人間を泊めるわけには行かないんだね」「そうじゃな。妾の父上や兄様は勿論、ギルド関係者もだな。」「あぁそうか、それなら、本丸内に高級な客室を備えた舞踏会会場を作った方がいいんだね。」「そうじゃな。」「わかった。早速作るけど、広さはどのくらい?」「場所はあるのか?」「うん。本丸のなかは結構スカスカだよ。王城と屋敷しか作っていないからね」「そうなのか?」「うん。見てこなかったの?」「あぁミル達は王城を見に行っているけど、妾とマルティンは残務の確認をしていたのでな」「そうだったんだ、ありがとう。アデレード。マルティン。」
マルティンの頭をなでていると嬉しそうに微笑んでくれた。最近、こういうのがなかったからなんだから癒される。可愛いマルティンを撫でていると、何故か髪の毛が引っ張られる。
「あるじさま。」「あぁゴメン。トリスタン。引っ張らないで。」「リン。その飛竜の幼体はなんじゃ?」「竜族の女王で、さっき眷属になった。トリスタン。僕の婚約者のアデレードとマルティンだよ。挨拶して」「そうなのか?あるじさまの婚約者なら、われと同じだな。魔物を統べる王の妻達よ。われは、トリスタン。竜族を統べる女王なり。」「「・・・・・・」」「えぇぇぇぇ!!!リンよ。どういうことなんだ。」「どういう事も、そういう事なんだよ。」「アデレード。落ち着いて....」「オルプネ。落ち着けるか?”魔物を統べる王"と”竜族の女王”なぞ、おとぎ話の中の話だぞ」「だから、落ち着いて、貴女たちのリン様なんだから、この位は出来るでしょ?」「「・・・・」」「ほら、マルティンも・・・・あれ?」「あっ固まっている。」「トリスタンとか言ったわね。」「はい。オルプネ様。」「貴女が今世の女王なの?」「はい。そのようです。」「瞳を見せて」
オルプネはトリスタンの青金妖瞳ヘテロクロミアを覗き込むように確認して
「キレイな、青金妖瞳ヘテロクロミアね。間違いないって事なのね。ジョブも女王になっているし」「はい。ですから、あるじさまと共に居る事になりました」「そうみたいね。アデレード。間違いないわよ。トリスタンは竜族の女王で。リン様の魔物の伴侶だわ」「そうなのか?」「うん。普段は、竜体の方が楽なのは、オレアード達と同じね。」
トリスタンが、僕の頭の上で胸を張っているのがわかる。なぜか、マルティンのロングフィールドと遊んでいるようにも思える。
「リン。トリスタンの事はわかったんじゃが、どうするのだ?」「どうするって?あぁ三階と舞踏会会場ね。作るよ。」「そうか、妾達も王城を見に行ってくる。皆にも、トリスタンの事を話しておくからな。『リンが魔王になって、竜族の女王を連れてきたってな』」「なっアデレード!?」「なんじゃ違うのか?」「違わないけど、悪意が感じられた。」「悪意なんてこれっぽっちもないぞ。」「そうなの?」「あぁそれに、魔物に対する対応はこれで問題ないのは間違いないだろうからな。」「うん。あるじさまの事は、バイエルンやファントムやレオパルトから、意識ある魔物に伝達されたから、大丈夫だよ。」「・・・・リン。バイエルンやファントムやレオパルトとは?」「海竜と飛竜と地竜だよ。」「あぁ・・・・やっぱりか・・・・。」
なんか釈然としないけど、アデレードとマルティンが納得して、王城に向かっていった。「リン様。少しよろしいですか?」「あぁ何?」「お屋敷の事なのですが・・・・。」「ん?今、アデレードから、三階の客間はいらないって言われたんだけど....そこは直すつもりだよ」「あっありがとうございます。それで、少しお願いがあります。」「なに?」
モルトが言うには、三階部分を僕の執務室にして、使用人部屋を備え付けて欲しいという事だ。二階部分には、イリメリ/フェム/アデレード/サリーカ/タシアナ/ルナの執務室を作成する事にした。ミルは、僕の執務室の横に待機部屋を作る事になる。使用人も、今までの人間に加えて、ドリュアス神殿やナーイアス神殿から加わった者で三倍近い人数になるという。使用人の部屋を二棟増設した。風呂は今の物があれば十分だという事だ。その代わり、エルフが沐浴出来るような場所を作って欲しいと言われた。裏庭でもいいようだが、できれば僕達と違うスペースの方がいいだろうという事で、使用人部屋の近くに、木々が生い茂る場所を作成した。屋敷の中に作ってあったダンスホールを屋敷の敷地内から移動させて、王城に作った謁見の間と同じくらいの広さにした。舞踏会会場となるダンスホールをまず作成した。上層部に、客室を幾つか用意する事にした足りないと困るので、四階分を使って20部屋を確保した。それぞれに、主賓質と会合が出来る部屋。従者を泊める部屋を3つ。簡単な食事が作れるキッチンとユニットバスを二つ。後は、リビングを一つある部屋になっている。
モルトに確認してもらうと、問題なさそうだという事だ。後は、モルトが内装や調度品を揃えるという事なので、全面的に任せた。
ミル達が王城から帰ってきた。「リン。本当に、好き勝手に作ったんだね。」「いきなり何?」「上から眺めると天下取ったって感じがしたからね」「あぁ屋上に上がれる所に気がついたの?」「あからさまにしておいて何を言うの?」「イリメリは気が付かなかったみたいだけどね」「へぇ誰が気がついたの?」「ん。僕。」「ミルが?」「うん。リンの事だから、絶対に、どこかにギミックを仕込んでいると思ったからね。」「見破られたのか....後で、一緒に行って、ここは見つけた?って言おうと思ったんだよな」「へへ」
そう、屋根裏部屋というべきなんだろうか。謁見の間から、マノーラ屋敷に戻る通路には仕掛けがしてあって、奥の扉を押すと、階段が現れて、上の階に上がれる様になっている。使うことはないだろうけど、謁見の間で何かありそうなときに、眷属を屋根裏部屋に上げる為だが、屋根裏部屋から更に上に上がれるようにしてあって、王城の一番上に出られるようになっている。そこから、島の全域が見渡せるようになっている。
「神殿にも行ってきてくれた?」「うん。今、マヤ達が魔物達と話をしているよ。」「そうか、それならいいよ。」「うん」「そうだ、イリメリとフェムとアデレードとサリーカとタシアナとルナにも執務室があるからね。使ってね。モルトからそうした方がいいって事だったからね」「ん。了解。でも、ギルドの業務とか引き継いじゃったし、そんなに無いと思うけどね」「そうだね。一度、どこかで確認をしよう。」
夜に、マヤが屋敷に戻ってきた。「マヤ。ちょっと話があるんだけど....」昼間に聞いた、名付けの事を問いただした。「あっ聞いちゃったんだ?」「うん。」「ゴメン。面倒だからね。」「面倒って....。」「だって、ランパスとかも黙っていたでしょ?」「あぁそうだね。」
ニンフ達が一斉に目線をそらす。魔物達から話が通っているんだな。でも、もう知ってしまったからには使う事にする。マヤからしっかりしたルールを聞いた。最終的には、僕の眷属にする事が望ましいという。ミル達の眷属のままでも寿命的な意味では同じだが進化の速度に違いが出てきてしまう。すでに上位種に進化してしまっている場合などは、ミル達の眷属のままだと進化が望めないという。まずは、ミル達がニンフと共に名付けを行う。名付けを行った物を、一斉に僕の眷属にする。と言った方法が一番いいだろうという事になった。問題の名付けルールは、基本部分だけを決めて、詳細部分はイリメリに任せる事にした。『イリメリとオカム』『フェムとウナル』『サリーカとアスラ』『タシアナとミーシャ』『ルナとイブン』がペアになって名付けを行うが、名前がかぶらないように、家名を付けるようにして、家名をニンフの名前にするようにした。ギリシャ文字を頭に付けて、ナンバリングと家名が続く。魔物たちに話を聞くと、名前の意味よりも、名付けの方に意味が強く。個体認識は元々念話で行っているので、問題無いという返事が帰ってきた。
明日から、マノーラ神殿に入っている魔物から順次名付けを行っていく。後日、僕がマヤと一緒にマノーラ神殿に赴いて、眷属の更新を行う。
目標としては、1週間程度で終わらせる事とした。その間、僕は、各神殿のち上部と神殿部分の調整を行う事になる。
まずは、明日は、学園街を作る事にする。ミーシャは、タシアナに付き合って名付けをするので、僕とエミールとミルとウィンザーで白虎街道の出発点から整備していく事にした。
今日は、そのまま新しい風呂に皆で入る事になった。寝室から滑り台で降りられる事や4階建てにしている所や中の施設には大きな違いはない。規模を大きくして、湯量を増やした。マノーラ神殿では日々魔素が発生してそれを通常返還する魔物達がいないので溜まっていってしまう。それを緩和するために、エネルギー源とする施設のかどうは必須な事になっている。その為に無駄に高機能になってしまっている。ユニットバス形式の洗い場もマヤを含めた人数分用意した。17人分だ。それぞれに大人になってからも手足が伸ばせるくらいの湯船を付けてある。トリスタンやニンフ達に聞いたら、湯船に浸かるのも気持ちがいいが、獣体のままの時には、ミストサウナが気持ちいいという事なので、温度が違うミストサウナを用意した。高温になるのは60度前後まであがる。標準的な物で、40度前後。低温の物で20度前後で、冷気ミストサウナも作成してみた0度に近いミストが吹き出す用意なっている。他にも、塩サウナやロウリュウサウナを作成してみた。寝湯の数も増やしてみた。それに合わせてギミックを作成して、ボタン操作でジェットバブが出る位置が変えられる仕組みになっている。広範囲からピンポイントでの刺激まで自由にする事が出来る。打たせ湯&蛸壺も数を増やした。アデレードが欲しいと言っていた、エステ台も設置した。この世界には、エステはなかったが、イリメリ達と話しているときに、エステの話しになって、やってみたいと言う事だったので、作っておいた。実際には、まだ仕込み中だが、そのうちエステティシャンが産まれてくるのだろう。僕としては先に垢すり職人とかマッサージ師が出てきてくれたら嬉しい。
いつものように、サウナを数回楽しんだ後で、寝湯で横になっていると、いつものように、ミルが横に寝てくる。「ねぇリン。」「ん?」「ウォルシャタ達はどうするの?」「どうもしないよ。」「いいの?」「良くはないけど、まずは自分たちが生活しやすい状況を作ってからだね。」「う~ん。殺してこようか?」「いいよ。それに、できれば絶望を味わってほしいからね。それで奴等が変わるとは思えないけどね。」「そうだね。」「それに、もしかしたら、もっと面白いことになるかも知れないからね」「どういうこと?」「ミル。後でまた話すけどね。」「へぇ何か仕掛けるの?」「仕掛けなくても大丈夫だとは思うけどね。」「今、奴等は、僕達はすでに死んだと思っている可能性が高いんだよね」「うん。僕が調べた所も、サリーカやアッシュからの報告でもそうなっているよ。」「奴等は、自分たちが生き返れると思っていると思うんだよね。」「そうだね。」「多分の動きだけど、ウォルシャタは、アゾレム領主になって、近隣の領を併呑していくと思う。もしかしたら、簒奪を試みるかもしれない。」「奴ならそうするだろうね」「それで、名前も売れて有名になれると思うだろうね。MOTEGI商会が不気味で、ちょっかいはかけてきているみたいなんだけどね」「え?そうなの?」「うん。アッシュからの報告にも、なんどかアゾレム領内の商人や手下と思われる人物が、MOTEGI商会と接触しようとしているとなっていたからね。」「大丈夫なの?」「うん。奴等が、真命の改竄に気が付かない限りね。まぁ気がついた所でどうか出来るわけじゃないだろうけどね。」「リン。そろそろ、皆の所に行こう。待っていると思うよ。」
そう言って、ミルが立ち上がって、僕に手を差し出してきた、柔らかい手を握って、そのまま抱き寄せられるように立ち上がった。そのまま皆が待っている大浴槽に向かった。前のものと比べて、倍程度の大きさにしてある浴槽では、マヤ達を除いて皆が揃っていた。「マヤは?」「ニンフ達を連れて、ミストサウナを楽しんでいるよ」「そうなのか?」「勝手にはじめていてって言っていたよ。何かあったら、ロルフをよこすって言っていたよ。」「了解だよ。って言っても、話す事は少ないんだけどね。」
「リン。各神殿の方はもういいのか?」「神殿って、島の神殿は明日からやるよ。外の方は概ねいいと思うよ。神殿内部は微調整が必要だとは思うけどね。」「そうなのか?」「うん。踏破した先に何も無いのは寂しいでしょ。何かないとね。」「あぁそれは暫くは大丈夫そうだな」「うん。でも、眷属たちが競い合うように潜っているからね」「そうなのか?」「うん。」「僕の眷属も僕がリンの所に居る時には、神殿に潜っているよ。多分、アデレードの所もだと思うよ」「へぇそれでなのじゃな」「何かあったの?」「あぁ何もしていないのに、ステータスが伸びたりしているからな。」「あぁそうなんだね。多分、眷属のステータスが上がったんだと思うよ。」
「ねぇリン。それで、アゾレムに対してはどうするの?」「う~ん。まだ何もしないよ。」「まだ?」「そう、まだ。ね。」「投資詐欺がそろそろ行き詰まりそうなんだろう?」「あぁアデレードは、ローザスから何か聞いたの?」「いや、ギルドに居るときに、アッシュから話を聞いただけ。」「う~ん。しっかりした状況判断はできないけど、行き詰まっているけど、後一年位は持ちそうだよ。何もしなければね」「・・・それで何かするのか?」「宰相に対する圧力を高めるのと、鉄鉱石や銀鉱石やミスリル鉱石を市場に出していくだけだよ。」「なんじゃ今まで売っていなかったのか?」「うん。多少絞っていたかな。これからは、必要だって言われた量を提供する事にする。」「魔物の素材とかもだろ?」「うん。折角島を攻略したからね。このタイミングで出すのがいいだろうね。」「ねぇそれで何が変わるの?」「ん?ルナ。市場経済だよ?」「うん。それはわかる。鉱石や素材の値段が下がっていくんだよね?」「そうだよ。それで、アゾレムがやっているのは、鉱石が値段が高いから、採掘して儲けが出やすいから、投資しませんか?って事なんだよ」「・・・。あっそうか、リンが放出すれば、それだけ元を取るまでに大量の採掘が必要になるって事なんだね。」「そそ、それで、僕達はいいよ。元々がお金儲けをしたくて出したんじゃないとしているからね。」「そうだね。でも、儲かると思って投資した人たちは慌てるだろうね。」「あっそれで買い占めるって言う話しに繋がるんだね。」「うん。アッシュとローザスとハーレイが今それを仕掛けているよ。」「それで、ハー兄様がリンに会いたいって言ってきたんだね?」「そうなの?ルナ?」「うん。私じゃわからないから、モルトに伝えてあるよ。」「あぁありがとう。調整してくれているんだろうね」
「どうしたの?エミール。難しい顔して・・・。」「いえ、リン様達が、転生者だって事を、こういう話を聞いていると、実感させられると思いまして・・・。」「うん。私も、タシアナ姉と一緒にいるときにすごく思う。」「妾はなれてしまったが、たしかにそうだな。」「・・・・」「それで、エミール。何か聞きたいの?」「いえ、大丈夫です。」「せっかくこうしているのだから、解らない事とかは聞いてね。」「はい。何かあれば質問します。」「うん。」
それから、現状認識のすり合わせを行った。ミーシャやウィンザーやマルティンには初めての事が多かったが、そういう物だと認識してもらう事にした。次に、眷属化した事で、ステータスが伸びるだけなら、隠蔽で隠しているから大丈夫だけど、魔法やスキルが増えてしまった時には、僕が隠す必要があるので、言ってくるように伝えた。これから、人の出入りが増える事もあるので、ステータスには十分注意する事になる。今はまだ身内しかいないからいいが、そのうち、各国の情報部門の人間が出入りする様になる。そうなったら、面倒な事になりそうなスキルが多い。だからと言うわけでは無いが、ニンフを含めて皆には、ステータス不可視の機能を付けた腕輪か指輪かイヤリングかチョーカをしてもらっている。ニンフにはおそろいのイヤーカフをしている。ステータス不可視属性は台座に付いているので、魔球の孔が2個づつ開いている形になっていて、それぞれが守護する魔球をセットしている。
今のところは、隠蔽しなければならないようなスキルに目覚めたのはなさそうだ。明日から名付けが始まって、そのときにまた何か違った感じにはなるだろう。
今日から暫くは、お風呂で集まる事が決定された。それから、少しお眠になってウトウトし始めたマルティンや気疲れが出てしまっている、ミーシャやウィンザーもいるので、解散となった。
滑り台は、エミールとマルティンとウィンザーに好評だったと付け足しておく。やっぱり、寝湯があまり人気が無いのが僕的には不思議でしょうがない。サウナも塩サウナや寝サウナは好評だ。アロマ的な効果を付けたフィンランド式サウナもすごく人気だ。そして、水風呂よりも、クーラサウナの方が人気が高い。後、この屋敷だから出来る。露天風呂もある。溶岩石を再現した僕の自信作何だけど、あまり人気はなさそうだ。認識阻害をかけているから、見られる事は無いんだけどな.....(あっ説明してなかった)
脱衣所で身体を拭いている。今回から、広くなった事もあり、脱衣所に冷魔庫を置いてある。風呂上がりに牛乳と行きたい所だが、まだ生で飲めるような牛乳は少ない。しょうがないので、炭酸飲料を果実で味付けした物を冷やしてある。これが、エミール達に大人気だ!!タシアナ作のドライヤーやヘヤーアイロンも完備している。こちらは、魔核を燃料に動く形になっている。朝使用人たちが調べて、魔核がヘタっていたら交換するか充填してくれる事になっている。かなりのハイペースで魔核を使っても、増える事はあっても減る事は無い。眷属たちが各地に散らばって、魔物を倒したり、神殿に潜っているためだ。
身体を拭いてガウンを羽織って、エレベータで四階の寝室に向う。エミール達は、五階の自分の部屋に戻ると言ったが、今日は寝室でみんなで寝る事になった。それだけの広さがある上に空調も完璧な状態にしてある。マヤとニンフ達とトリスタンも今日は寝室で寝るようだ。頭を中心に向けて円状になって寝る事にした。ニンフ達は円の真ん中に入って各々の形でねる。僕の枕元にはトリスタンが居て、マヤの枕元にはロルフが丸くなって寝ている。僕の右隣はマヤで左隣がミルが寝る事になったようだ。何かルールがあるようだが、そのルールを僕は教えてもらえていない。ただ今日は、マヤとミルだと言う事だ。
皆が布団に入った事を確認して、「暗くするよ」「「「はーい」」」僕が柏手を打つように2回音を鳴らすとそれに連動して、魔道具が作動して部屋を暗くする。ここまでは今までと同じだ。その後に、再度2回柏手を打つ。そうすると、天井に優しい光で星空が広がった。天井を透過させたわけではなく、プラネタリウムの様にしているだけで、再現しているのは、僕が覚えている日本の空だ
「うわぁ・・・何かやってあると思ったけど、こういう事だったんだね。」「へへ。いいでしょ。」「うん。真っ暗じゃなくていい。」「うん。森の中で寝ているみたい...」「うん。配置とかも変えられるからね。朝日が指す頃には消えるよ」「へぇ。ねぇリン。これって簡単なの?」「ん。簡単だよ。光の魔道具があれば出来るからね」「そうなんだぁハー兄様って案外ロマンティストでこういうのが好きなんだよな。」「そうなんだ、プレゼントしようか?」「うん。」「それなら、妾も欲しい。部屋で寝るときに、あるといいからな」「あぁぁ私も。」「僕も・・・。」「リン様。私も・・・」「いいよ。作るのは難しくないし、皆の分は僕が作るよ。その後、タシアナに作り方を押してるから、売れそうなら量産してね。」「あぁはいはい。了解」「だんだん。リンも解ってきたみたいね」「そうみたいね。」「え?何が?」「いいよ。リン。もう遅いからねよ。おやすみ。」「う~ん。まぁいいか。おやすみ、、、」
しばらくしたら、寝息が聞こえてくる。隣を見ると、マヤがこっちを見ている。「(リン。)」「(なぁに?)」「(ううん。もう寂しくない?)」「(うん。マヤが居て、ミルが居て、皆が居てくれるからね。)」「(そうだね。)」「(どうしたの?マヤ?)」「(ううん。長かったけど、早かったね)」「(そうだね。大変だったけど、充実していたね)」「(うん。リン。大好きだよ)」「(マヤ。大好きだよ)」
久しぶりにマヤと手を繋いで寝ることになった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
朝起きた時には、皆出かけてしまっている状態だった。ミルとエミールとウィンザーが食堂で待っているとメモが残されていた。トリスタンを起こして、食堂に向かった。
食堂は二つ作った。一つは全員で座っても余裕があるような広さになっている。もうひとつは5~6名で食べる様にした半個室が3つほどある部屋になっている。モルトに使用人も使っていいとは言っている。僕とトリスタンが入っていくと、一番奥のテーブルにミルとエミールとウィンザーがお茶を飲んでいた。給仕に軽めの食事を用意してもらって、飲み物と一緒に持ってきてもらう事にした。トリスタンは朝から肉が食べたいと言う事だったので、一緒に持ってくるようにお願いした。
「おはよう。」「おはよう。食事したら早速、白虎街道に向うからね。」「了解。」
持ってきてくれた食事を取りながら今日の作業の説明をする。この島に限って言えば、魔物は獣魔は一切心配ない。身内以外はまだ居ないから強盗や追い剥ぎの心配もない。
食事を終えて、屋敷から出て、白虎街道の始発点に転移する。まずは、視察を兼ねて、グリフォンでロックハンドまで移動する。眷属が、街道を作っているのがわかる。それと同時にレールを6路線引いている。
「ねぇリン。なんで6路線なの?」「ん?ロングケープとロックハンドとベアーブックにそれぞれ行きと帰りだよ。」「あぁ上りと下りで分けるの?」「そ。オイゲンの所は単線で途中で何度かすれ違いのための場所を作って、そこで休憩すると言う感じにしていたけど、今度は休憩は必要ないからね」「ん?なんで?」「あぁすれ違いの休憩のときに、娼館にこっそり行く事ができるだろう?」「なるほどね。」「あぁでも、こっちでも休憩場所は作るよ。」「そうなの?」「うん。4時間座りっぱなしとか辛いでしょ?」「リン様。4時間位なら短いと思いますし、使う場所はMOTEGI商会の新型ですよね?」「うん。でも、やっぱりお尻痛くなったりするし、トイレ休憩とかは有ったほうがいいからね。」「・・・。そうなんですね。」「うん。それで、1時間程度進んだら休める場所は作るつもりだよ。」「そうなんだね。」「うん。それに、連結馬車の速度もいろいろだし、新型が早くなっていくのは当然だから、追い越しが出来るようにしておく必要はあるだろうからね。」
暫く、飛んでいると、ロックハンド神殿の小屋が見えてきた。まずは、僕は、神殿の調整を行う事にしている。
白虎街道の3つの神殿は、ロングケープで職業訓練と研究者向けの施設及び中等部・高等部を用意する。ベアーブックで幼年学校から初等部までの学校を用意する。ロックハンドには、そこで働く人々の家や学生寮などが用意される。商店なんかは自然発生するのを待つ事にする。中心に塔ろ建てる。その後に、神殿の影響範囲で外周部分に石壁を作っていく。断崖絶壁だとは言っても侵入の可能性は否定できない。石壁の外側に監視塔を建てる事にした。高さは石壁と同じ高さにした影響範囲外に設置して神殿からの転移門トランスポートを設置しておく。次は、中心から外側に向かってレールを引いていく。外側までまっすぐに敷設できたら、今度は外周に沿って敷設していく。10分進んだ所に停留所っぽい感じの場所を作っていく。神殿を中心に8方向にレールを上りと下りで敷設した。次は、神殿の近くに教会施設と宿屋複数設置した。ギルドは塔の中で行えば良い。少し離れた所に、学生寮を大量に用意した。ウィンザーの意見を聞きながら、個室だけの寮と二人部屋が基本の寮と4人部屋が基本寮を作った。学年毎に分けたほうがいいと思っていたが、寮毎に特色をもたせたほうが良いだろうと言う事だ。一つの寮では50名程度でお風呂や食堂は共通で使うように一つ大きな物を作成した。個室だけの寮を1つに付き二人部屋の寮が2つと4人部屋の寮が2つの250名が入れる寮の塊を2つで、食堂と風呂を作っていく。この塊を10箇所に作った。これで、5,000までは対応出来るだろう。それから、研究者や従業員用は区画整理だけを行った。最初の頃はテルメン王家直営の宿屋は無料で解放して、1年居ないに住居を決定させる事にする。建築魔法が仕える眷属も居るので、彼らを派遣しても良いと思っている。
ロックハンドの基礎工事が終了したので、次はベアーブックに移動する。外周を石壁で覆うのと、監視塔の設置及び中心の塔は同じ様に作る。教会や宿屋は作らない。中心部にはマノーラ神殿からのレールとロックハンドの中心部から伸びるレールが敷設される。その上で、広く学校施設を作っていく。イメージは、日本のマンモス校だ。どういう区分にするのがいいのか解らないので、幼年学校と初等部の校舎を作っていく。校舎は、4階建てで、一階部分が幼年学年の教室にして、2階から二学年毎のつもりで作っていく。僕が通っていた小学校が40名位入れるクラスだったので、そのくらいの大きさにする。それを10クラス分づつ作っていく。余るようなら余らせればいい。これで、幼年部として400名。初等部として400×8で3,200名にもなる。この学校を2つ作っておく。学校の周りは石壁で覆っておく、後で神殿のちからを使って最弱の魔物が徘徊するような森を近くに作成しておく事にする。
次は、ロングケープに移動して、職業訓練校として、職人育成の為の学校と大人に文字や算数を教える学校を作っていく。こちらは最終的な人数が読めないが、それほどの数は来ないだろうと予測して、40名のクラスを5つづつ用意するに留めた。中等部と高等部は、中等部に関しては、学校の雰囲気のままクラスの規模を半分位した校舎を10クラス作成した。高等部用には10人位のクラスと数名で研究するようの部屋を用意する事にした。クラスの方は30クラス程度用意して、研究所は先生も使いたいだろうと思うので、150部屋を用意した。この建物を、3つ用意してある。それぞれを石壁で覆ってそれ以外には木々が生い茂るようにして、ベアーブックと同じように、魔物ポットを配置して最下層の魔物がポップするようにした。
それぞれの建物を作った所でミル達と合流する。ウィンザーに確認して貰ったが大丈夫だろうと言う事だ。細かい調整は今後していけばいいだろう。
今日は時間も来たので、屋敷に帰る事にした。

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