【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

神殿巡り.02

長時間の会議で疲れてしまって、風呂に入って寝湯に使っていたら、いつの間にか寝てしまって、エミールに起こされてしまった。身体は大丈夫だったが、精神的に疲れているのだろう、ミルやエミールに言われて、今日はこのまま寝る事にした。
疲れているのも確かだな....寝室に移動すると、今日はまだ誰も寝ていなかった。時間も早いので当然と言えば当然かも知れない。一人布団に入って横になる。
「ねぇミル。居るんでしょ?」「うん。どうしたのリン?」「ううん。久しぶりにこうしていると、なんだか、不思議な気持ちになってきただけ」「そうなの?」「うん。そう言えば、エミールは?」「あぁモルトの所に言っているよ。マノーラ家の事をもっと覚えたいんだって」「へぇ無理しないでほしいな。」「大丈夫だと思うよ。みんな、リンの為に何が出来るのかを考えているだけだからね」「そう?僕なんかのために?」「そう。リンの為にね。」「ねぇミル。」「なに?」「ううん。ミルはいつも側に居てくれるんだね」「そうだよ。僕はリンの剣だからね」「ミルが剣でイリメリが盾?」「そう。イリメリが居るから、僕は前に出る。イリメリも僕が居るからリンを守る事だけを考える」「・・・・」「僕達は、リンから貰った物を返す為だけに居る。」「返し終わったら・・・。」「終わらないよ。」「毎日。毎日。大切な日々が増えていくだけ」「そうなんだ・・・。」「うん。リン。大丈夫だよ。」「うん。ミル・・・・。いつまでも一緒だよ・・・。」「もちろんだよ。僕はいつでもリンの味方だからね」「・・・ありがとう。ミル・・・・。」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「リン様。リン様。」「ん。あぁエミール。おはよう。」「おはようございます。」
「あぁいつの間にか寝てしまっていたんだね。」「おつかれでしたから・・・今日は、おやすみにしたらいかがでしょうか?」「それもいいけど、神殿巡りだけはしておきたいからね。」「そうですか・・・・。」「どうしたの?エミール。何かあるから言ってね。」「なんでもございません。リン様がご無理なされていなければいいと....。」「大丈夫だよ。無理そうなら言うからね」「解りました。本日は、どういたしましょうか?」「そうだね。ランパスとネレーシスには言っておきたいな。」「かしこまりました。ミル様は食堂でお待ちです。」「ん。解った。エミールこそ無理しないようにね」「はい。」
着替えて、食堂に行くと、ミルがウィンザーとオセロをしていた。そう言えば、ローザスが言ってきた、マノーラ家主催のオセロ大会はどうするんだろう?
「ミル。あっ・・・ゴメン」「リン・・・。」「ううん。気にしないで、僕は朝ごはん食べるからね。エミール。だし茶漬けをお願いしてきて。」「かしこまりました」
横目でチラチラ、ミルとウィンザーの対戦を見ている。口出したくなるのをぐっと抑えていると、エミールがだし茶漬けを持ってきた。
「エミール。そんな事はしなくていいんだよ。その為の使用人何だからね。」「・・・はい。でも・・・。」「いいよ。怒っているわけじゃないからね。エミールが負担じゃなければいいよ」「はい!」
お茶漬けを流し込むと対戦が終わった。ミルが辛勝と言うところだろうか?あぁそういう事なんだね。ミルは、ナパイアとも同時に対戦をしていた。そりゃぁ難しいよな。
そういえば・・・・「エミールとミル。ナパイアとアップルグッドのヒト型の時の下着や服は買ってきたの?」「まだだよ。お風呂に入る時以外にヒト型にならないからいいかなって思ってね。」「そうなの?でも、どこで必要になるかわからないから、買いに行こう。僕も、少しアルマール達に話をしたい事があるからね。付き合ってもらえると嬉しいな」
その後、朝の執務をしていた面々も加わって、午前中は皆で服を買いに行くことになった。ミーシャとウィンザーやマルティン用の服も買いに行くことになった。下着類は、なんだかんだ言って、地下三階のアルマールの店が一番いいのは間違いない。
大所帯になってしまった。マヤも来ているので、16名での買い物になってしまった。それから、気がついた時にやっておこうと思って、エミール。アスラ。イブン。ウナル。オカム。ミーシャ。ウインザー。マルティン。に、時空の袋タイムシフトポーチを渡しておく事にする。ニンフの下着や服を選んでいる間は、僕が居ても邪魔にしかならないだろうから、タシアナの工房を借りて、作ってしまおうかと思った。カエサル達を呼び出して、手伝ってもらう事にした。素材に関しては、問題なく揃っている。カエサルやトパーズ達が、スネーク山やイスラ大森林をはじめ各地の神殿を回って、警備をしてくれている。そのときに、襲ってきた魔物を狩っているだけでかなりの数になっているらしい。実際に、カエサル達は出会った当初は、レベルで20前後だったのが、最近では70前後にまで上がっている。流石にもう上がりにくくなっているとは言っているが....新しい神殿は最上級者コースでレベル100~130程度の魔物の巣を作って欲しいと言われている。眷属筆頭になっているカエサル達の活躍もあり、マノーラ家の地下倉庫には市場に出しにくい素材がてんこ盛りになっている。それらを使って、8個の時空の袋タイムシフトポーチを作ってしまおう。後は、時間があるのなら新しい魔球でも作っておこうと思う。
時空の袋タイムシフトポーチは作り慣れているので、問題なく作る事が出来る。次に魔球を作っていく。小さな魔核を何個か持ってきてもらって、魔力を込めていく。今まで、アクティブやパッシブの魔球は作れたが、トリガーを入れた魔球がまだ作れていない。それが作れれば、応用範囲が広がる。値段次第ではあるが、迷宮ダンジョンで一撃死以外で致命的なダメージを負った場合に、発動して治癒した後に強制的に、安全地帯まで転移させるなどの事が出来れば、探索の安全性が少し上げる事が出来るだろう。簡単なトリガーは出来るけど、古代魔法を発動させる場合などはやはり小さな魔核では足りなくなってしまう。自身の魔力を使うのなら、そんな事しないで魔道具にしてしまえばいいだけだし、複数の魔核を連結する事でなんとか作る事ができそうだと言う事が解ってきた。パーツを組み合わせて作る要領になっている。一つの魔核では、『入力。判断。出力。』の動作を繰り返すパターンと、『貯めて。出力』の動作を一回だけ出来る物が作れる事が分かってる。これらを合わせる事で一つの機能にする事が出来る。問題は、二つ。1. 判断が一つしかできない事。体力が10%未満とかの判断は出来るが、体力が10%未満で魔力が30%未満といった事が一つの魔球ではできなくて、二つに分かれてしまう。2. 複数の魔球を連結して作った場合に、一つの魔球だけの入れ替えが、現状僕達にしかできない。これらの問題が解決できれば、市場に出してもいいとは思っているんだけどな。
ひとまず転送が行える魔道具のか魔球の開発が出来ればいいかな。緊急脱出が出来れば目的の半分位は達成出来る事になる。
そんな事を考えていたら、カルーネが近づいてきた「リン君。嫁を放って置いて何しているの?」「あぁカルーネ。今、転移がもっと簡単にできないかっと思ってね。」「へ?必要ないんじゃない?」「え”なんで?迷宮ダンジョンとかで安全性がぐぅっと上がるよ?」「そうだけど、それこそ自己責任でいいと思うし、安全マージンが欲しければ、それこそ、リン君の眷属を貸し出すでもいいと思うけどね。」「貸し出すのは...ちょっとなぁ...」「まぁそう言うと思ったよ。転移が出来る魔球か魔道具があればいいの?」「うん。そうだね。」「いいよ。武器の作成も一段落して、もう殆どの部分をリン君の眷属達に任せられるようになってきているから、私が作るよ。」「本当?そうしてくれると嬉しいな。」「いいよ。なんだかんだ言って、リン君には世話になっているからね。」「そんな事ないと思うけどね。」「あるの!そうだ、魔球の台座さぁ剣や盾に組み込んでもいいよね?」「いいけどなんで?」「ミルとかイリメリは、武器や防具に魔法属性を付けて強化しているでしょ?」「うん。」「あんな事出来るのは一握りの特殊な人間だけなんだよ」「へぇ~~~~~(!!)」「あぁなんか悪い事考えたね。」「そんな事ないよ。散々人のことをチートだ異常だとか言っていたからね。言い返してやろうと思っただけだよ。」「辞めておいたほうがいいと思うよ。10倍か100倍で帰ってくるよ。」「・・・・。まぁいいよ。それで?」「うん。属性魔法を封印した魔球をセットして、火を纏う剣とかかっこよくない?」「いいねぇ火と氷の剣で戦うとか心を擽るね。雷の剣とかね。」「うん。そんな物を作りたいなって思っているんだよ」「いいよ。作成の為の情報やキットは来ている?」「うん。ミーシャに教えるために、タシアナが大量に持ってきたからあるから大丈夫。」「そうか、足りなくなったら連絡ちょうだいね。すぐに対応するからね」「うん。了解。あぁそうそう、買い物がそろそろ終わると思うよ。」「了解。ありがとう。」
タシアナの工房から出たら、エミールとミーシャがこっちに向かってくるのが見えた。ふたりとも、いろいろ買い込んだようだ。良かった気に入るものが有ったようだ。
「リン様。」「リン様」「良い物があった?」「「はい」」「それで、この後、フードコートで食事してから帰ろうと言う事になったのですが、リン様はどうするのですか?」「ん。一緒に行くよ?あぁそうだ、エミールとミーシャにこれを渡しておくよ。後、アスラ。イブン。ウナル。オカム。ウインザー。マルティン。にもあるから、渡したいし説明したいんだけどいいかな?」「はい。」8人が集まってきて、全員に時空の袋タイムシフトポーチを渡して、契約魔法をかけておく。これで、時空の袋タイムシフトポーチが持ち主以外に使えなくなる。使い方はわかると言う事だったので、注意点だけを伝える。少し高価な物だから人前で出す時には注意する事。あと、中は時間が止まっているから、時間の経過が必要な物をいれる時には、入れた後で、その部分だけ時間が経過するように設定する事。あと、反対に時間を進める事も出来るけど、進めすぎると本当にあっという間に時間が過ぎるから注意するように説明した。
「はい。リン様」「何?ウィンザー?」「これって、本当に私達が持っていていいのですか?」「うん。買い物に行ったりする時にも必要だろうし、ミル達も持っているから気にしなくていいよ」「リン様。少し高価って言っていましたが、どの程度なのでしょうか?」
「はいはい。少しじゃないからね」「サリーカ姉。少しじゃないってどういう事ですか?」「そこの常識知らずは置いておくとして、時空の袋タイムシフトポーチだよね。それって・・・。」「はい。そう言われました。」「魔法の袋マジックポーチは知っている?」「勿論です。時々、古い遺跡や教会なんかで見つかる貴重な物で、高い物で大金貨数十枚とかって物ですよね」「そう、その認識は合っている。」「えぇ」「その、魔法の袋マジックポーチが1万個集まった位の価値が時空の袋タイムシフトポーチには有るんだよ。」「「「「「「「「!!!」」」」」」」」
「サリーカ。それは、違うよ。この時空の袋タイムシフトポーチは、もう利用者魔法で制限しちゃったから、そこまでの価値にはならないと思うよ。いいところ、金貨数枚って所じゃない?」「・・・・。」
まぁこれで、何か有った時にもで対応出来るようになったと思う。
「サリーカ。エミール達の武器や防具は?マルティンは別にして、他は必要だろう?」「リン様。私にも武器や防具をお願いします。まだ戦えないですが、足手まといにはなりたくありません。」「そうか....サリーカどう思う?」「それは、アデレードに聞いて」「アデレード。どう思う?」「いいのではないか?」「特性を見ると、どちらかと言うと後方からでタイプとしてはルナに近い?」「そうじゃな。でも、確定しているジョブ名が、『双剣士』じゃぞ。」「うん。暫くは、後方支援に徹するとして、ステータスの上昇を見て、双剣使いになってもらうって感じでどう?」「了解じゃ。いいよな。マルティン。」「はい。リン様。アデレード姉様」
「リン様。私はどうしたらいいですか?」「エミールは、万能型なんだよな。」「万能型?」「うん。魔法も剣も使えるんだよな。」「そうなのですか?」「うん。ミル。どうしたらいいと思う?」「僕と同じでいいと思うよ。そう思って、リンの従者にしたんだからね。皆で話をしてね」「え”そうなの?それじゃ考えなくてよかったよ。」「うん。刀と小刀を持たせて、軽装備で、魔法伝導率のいい短剣で武装すればいいと思うよ」「了解。少し、実験も兼ねて、魔球が使える刀にするね。ミルもそうする?」「え”?リンが作るの?」「ううん。カルーネが作った物に手を加えるだけだよ。メイン武器じゃなくて、サブ武器の方だけね。」
結局、全員分の武器と防具に僕が最終的な細工を施す事になった。魔球が使える物にした。耐久テストをしていないので、今まで使っていた物以外で作ることにしたので、時間がかかってしまった。ニンフ達は下着と服だけを購入した。通常は、獣体で居るし、武器や防具も必要としないからだ。
耐久テストを兼ねて、ランパス神殿に行くことになった。半数以上が時空魔法が仕えると言う異常な集団である事もあり、移動がかなり楽になっているミルの時空魔法はすでにレベル6まで上がっている。
モルトに、暫くは帰らないので、緊急な要件の時には、眷属で連絡するようにした。
ランパス神殿の中層以降でで、カルーネやアルマールとフレットを含めたパーティで武具・防具の調整を行った。魔球に関しても組み合わせによっては威力が違ってくる事もわかったので、それらを含めて調整を行う事にした。。暫くは合宿を張る事にしたが、まぁ余裕ですね。基本、4人パーティでの戦闘にしている。アタック一人と中間一人と後方支援二人の組み合わせか、アタック二人中間一人と後方一人。全員が、加護を得ている関係で、チート級の力を得てしまっている。得手不得手はある物の、アタックでも中間での後方でもこなせてしまう。武技に合わせて得意武器を作成して、魔球でアタック・中間(攻撃支援かタンク)・後方(攻撃魔法・支援魔法)の調整が出来るようにした。後は、各々が眷属を使ってのフォーメーションを確認する事にした。僕は、それに合わせて、武器防具の調整を行って、カルーネとアルマールとフレットにも手伝ってもらって、いろいろ調整を行う。
ついでに簡易版のカプセルハウスを作った。カルーネとアルマールとフレットが、ワンルームでいいから、別々な部屋が欲しいと言う事だったので、ついでだからって事で、カプセルハウスにした。そこで、従魔と一緒に生活出来るような設備にした。この簡易版が飛ぶように売れるのは後日の話しになる。
皆が調整や武器試しに行っている最中に、僕は神殿の設営を行う事にした。今までと同じように、影響範囲ギリギリに石壁を作成した。その上で、中央に塔を設定した。迷宮ダンジョンはこのままで問題無いだろうと思うので、街並みを揃えていく。
なんだかんだで3日ほど居る事になってしまった。その間緊急案件がなかったのが幸いしたのだが、流石に、あまり神殿で建物を作り込みをするのも良くないだろうと言う事で、今回はこの辺りで、終わりにして、ネレーシス神殿に移動する事にした。
神殿の作り自体は単純な者だった上に、魔物も出現しなくなってしまっていたので、その辺りをまず調整した。地上部分は、今までと同じようにすればいいと思っているので、気が楽だ。近くに川と湖があったので、今度はお堀を作る事にした。街道まで、神殿の石壁から40km以上離れている事もあり、いきなり見つかる事は無いだろう。お堀を作った上で、神殿の中心部に街を形成する為の建物を建てるのは今までと同じだ。
神殿内部は、迷宮ダンジョンを構成していく。90層位まで作った上で、魔物を配置していく。トラップなどはまだ設置しないで、単純に魔物が徘徊するだけの者にしておいた。安全地帯もないので、実質的には踏破不可能になっていると思う。
二つの神殿を作った上で、石壁の中の掃討を行う必要があるが、眷属が順次回っているので、そのうち終わるだろう。人が実際に住み始めるまで数ヶ月以上かかるだろうし、いろいろ決めなければならない事も多いのだろう。
ネレーシス神殿では、2泊だけして、転移門トランスポートを作って、ゴッドケープ島経由でメルナの屋敷に帰る事にした。カルーネ達は、屋敷にはよらないで、マガラ神殿に帰るようだ。
「カルーネ。ありがとう。アルマールもフレットもね」「リン君。いいよ。楽しかったからね。それに、素材も手に入ったし、神殿が一個あると、珍しい素材とかの取得が楽に出来るね。欲しい魔物をポップさせればいいんだからね。」「あぁ倒せればだけどな」「そうだけど、それはどうにでもなるでしょ?」「そうだな。」「うん。何か必要になったら言うね。」「そうか、取り立てて今すぐ必要な物があったら言ってな。依頼出してもいいし、珍しい素材だったら個人的に連絡くれたら対応させるからな」「了解」
「あぁリン君。糸素材で強い物が有ったら欲しいな。」「糸かぁエミールなにか知らない?」「有名所だったら、アラクネの糸とかでしょうか?」「アラクネかぁ眷属の中に居るな。色が出せるか確認して大丈夫そうだったら送るは」「了解。」「何作るの?」「ん?秘密だよ。女の子に取っては必要な物!!」「わかった、なんだかわからないけど、解った。用意させるよ」
「フレット。教会関係者とも何処かで筋を通したいんだけど、どうしたらいい?」「う~ん。気にしなくてもいいと思うけどね。」「そうなのか?」「うん。もう教会云々のレベルじゃないからね。」「そうなの?ほら、僕って小心者だから、なるべく波風立てたくないからね。」「はぁ?誰が小心者?」「僕」「だから、どこの”僕”が?」「フレットの目の前に居る僕」「・・・。まぁいいや。」「うん。それでどうなの?」「話をすることは出来るけど、嫌味になってしまうよ」「そうなの?」「うん。神殿を攻略しました。その関係で、国家樹立をします。起きましては、支援お願いします?」「とでも言うの?」「う~ん。そこまでは考えていなかったな。強いて言うのなら、神殿への教会設営のお願いかな?」「それなら喜んでするとは思うけど、人がどの程度居るのことになるのかとか出てこないと難しいと思うよ。」「そうなんだね」「うん。まぁお父様に話をしておくよ。神殿の領域を今日みたいに作るのなら、例えば、塔の近くに教会施設があると後で誘致が出来ると思うよ。」「へぇ了解。様式とかはどうしたらいいの?」「それこそ、普通にキリスト教の教会をイメージしておけばいいよ。後は勝手に作り直してって言うのがいいよ。」「それなら楽できそうだ!了解。100人位が座れる場所で教会をイメージすればいいんだよね?」「うん。十分だと、100人位だと、10人前後が居住出来るスペースがあると嬉しいかな。」「ん。了解。お風呂は?」「沐浴と水浴が出来ればいい。」「そうか、シャワーみたいな物?」「うん。くれぐれも派手にしないでよね。」「大丈夫だよ」「本当かな?」「リン様。」「何、エミール?」「それなら、今から、どこかの教会を見に行って、それを真似すればいいと思いますがどうでしょうか?」「そうだね。でも、今日は遅いから、明日以降にそれをやってみるよ。」「フレット。丁度いい教会って何処かにある?」「う~ん。聞いてみるよ。明日以降に地下二階の私の店に来て」「了解。」
僕達は、屋敷に帰り着いた事には辺りが暗くなっていた。僕は、執務室に直行した。数日程度ではそれほど処理しなければならない案件は無いだろうと思っていたが、ナッセとナナから、学校の事とギルドの今後に付いての提言が届いていた。学校は、ゴットケープ島の中に移したいと打診していたが、その答えとして、ナッセとナナ両名とも賛成としてくれていた。そして、初代校長に、ナッセが就く事も了承してくれている。ニグラギルドに関しては、ブルーノがクローネと共に二代目の支部長になる。マガラ神殿のギルドは引き続きナナが仕切るが、トップとしては退いて、助言を与える役になるのだと言う、マガラ神殿の支部長には、ヘルダー夫妻が推薦されていた。確かに、今マガラ神殿のギルドでは、受付業務というよりも通行業務や地下三階での調整が多くなっている。それから考えると、ヘルダー夫妻が適任かもしれない。アッシュに関しては、テルメン国家の情報局の初代所長になる事が決定しているので動かす。後、ニグラ支部にいた、元奴隷達は本人たちの希望を優先するが、全員学校で働いてもらう事になる。支部の人事は、一旦ヘルダー夫妻とブルーノとクローネに任せて、僕の色を薄くする。ギルド本部の二代目代表にシュトライトが推薦されていた。
シュトライトとアッシュとナッセとナナとガルドバなど、シュトライトを除く初期のギルドメンバーで新国家の骨子を作ってしまえばいいと言う事だ。ギルドは、国に縛られない組織にしたいとは思っている。戦争にも加担しない。あくまで民衆の為に動く組織である。国々の法律や内情には配慮するが、基本的には、嫌なら出て行く。だけの組織とする。総本剤は、ゴットケープ島に作る事が決定している。そして、ゴットケープ島は、ギルドからの収益を使って、学校を運営する事になる。学校は、僕が今までやってきた事を踏襲する組織で大丈夫だと言う事だ。
ナッセとナナからは、国家の骨組みと早々に策定しないと先に進まないと言われて居る。学校に関しても同じ事で、今は休みだからいいが、始まってしまうと組織の変革をしながらだと難しいだろうと言う事だ。
なんにせよ。決めなければならない事が多い。自分がはじめた事だが、ここまで大きくなるとは思っていなかった。
さて、どうしたものかな....投げ出して、嫁達と各地を冒険しながら廻るのでも楽しいかもしれないな。できないだろうけど.....。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品