【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

また、いろいろ準備

マノーラ家に久しぶりと言っても、5日ぶりだったが帰ってきた。モルトに、エミール達の事をお願いして、久しぶりに風呂に入って身体を伸ばした。
「ねぇリン。この屋敷はどうするの?」「ん?ここはこのままにしておくよ。いきなり屋敷がなくなったら、今王国内で起こっている、屋敷消滅事件の犯人が僕だって事になっちゃうからね。実際そうだから、余計にね。」「そうなんだ。」「うん。いいよ。もう要領はつかめているし、今度はもっと効率よく作れるからね。」「・・・・。それに、土地の制約もなさそうだしね。」「そうだね。」
「そうだ。リン。父上にはいつ会いに行くのじゃ?」「うん。陛下の都合次第だよ。僕はいつでもいいからね。」「そうじゃな。兄上に聞いておくよ。」「うん。お願い。」
「ルナ。ハーレイにも連絡しておいてくれると嬉しいな」「了解。」「フェムは、明日にでも、シュトライトとナッセとナナに招集かけて、ギルドの事を話したいって事を伝えておいてね。」「了解」「サリーカ。」「何?」「アッシュに、報告を聞きたいから、僕が本部に居るときに来てって伝えておいて」「了解」「タシアナ。」「ん?」「アルマールやフレットやカルーネへの説明をお願いできるかな?」「いいよ。フレットには、教会関係者への連絡もお願いしておくね」「あぁ忘れていた。お願い。教会にも筋を通しておいたほうがいいね。」「イリメリ。」「何?」「ミーシャに話をしておいて欲しい。それから、時間があるときに、ヘルダー夫妻の所にも行くと伝えておいて」「うん。いいけど、二人がこっちに来るって言い出すとおもうよ。」「それでもいいけど、僕が行った方がいいから....行くから待っていてってお願いして」「了解。」「ミル。皆に都合が着くまで神殿巡りをしたいんだけど、付き合ってもらっていいかな?」「勿論。」「マヤ...は、ニンフ達の話をしておくんだね」「そうだね。どうするのかとか含めて、新しい子達とも話しておくよ」「うん。お願い。」
お風呂からでて、皆は寝室で休むと言う事だった。ニンフ達もそのまま一緒に寝るのだと言う。
僕は、執務室に戻って、「モルト。ウォード家からの婚姻話が来ているのか?」「はい。」「そうか、ミーシャ嬢で間違いないな?」「はい。」「責めているわけじゃない。事実確認をしたいだけだ。」「はい。解っております。書状はこれにあります。イリメリ様からご連絡頂いて、ご用意しておきました」「うん。返事は?」「これでよろしいかと思われます。」
モルトに一枚の書状を渡された。
モルトが書いた書状には、婚姻を受けると返事がしたためてあった。マノーラ家からの要望としては、他の妻達の次に婚姻の儀を執り行う。それまでの間当家預かりにし、婚約扱いとする。パシリカまでは学校に通ってもらう。
「これでいいのか?」「はい。問題無いかと思います。」「この条件では、マノーラ家に有利じゃないのか?」「はい。大丈夫だと思われます。」「そうか、それなら、この条件で、ウォード家と交渉してくれ」「かしこまりました。」
「エミール達は使えそうか?」「はい。さすがはエルフと言う所でしょう。物覚えもいいですし、すぐに貴族との話し合いの場に連れて行っても問題ない位にはなれるでしょう。」「そうか、苦労かけるが、よろしく頼むな。」「いえ、マノーラ家のためです。苦労だとは思いません。むしろ、もっと苦労させてください」「・・・そうか、多分、近いうちに発表されると思うが、そう遠くない未来に、僕は国王になると思う。初代と同じように国を興す事になる。モルトが良かったら付いてきてくれるか?」「勿論でございます。老骨ですが、リン様の為に働きとうございます。」「うん。頼む。」
この日は、溜まった書類に目を通していたら、朝になってしまった。イリメリとフェムとアデレードにおもいっきり怒られてしまった。今日から、徹夜しないように、エミール達のうち誰かが付き合う事になった。
今日は、まずはオイゲンに会いに行く。エミールとミルを連れて行く事になっていたので、そのままエスト街に転移した。
オイゲンの母親の宿屋で待たせてもらっていると、エルフリーデが小走りにやってきて「リン様。何か有りましたか?私達含めて全員に用事があると伺ったのですが....」
しまった。イリメリかフェムかアデレードを連れてくればよかった....
「エルフリーデ様。リン様は、無事最後の神殿を攻略されまして、その事で、オイゲン様にご相談があるとの事です。」
おぉエミール。お前使える奴だ。ミルと二人で肩をすくめるしかできないダメな二人をよそに、エミールがエルフリーデに説明している。
「エミール。続きは、オイゲン達が居る所でしよう。エルフリーデもその方がいいだろう?」「申し訳ありません。気が付きませんでした。」「いや。いい。エルフリーデもいいよね。案内してくれる?」「はい。こちらです」「屋敷でいいんだよね?」「はい。」「それじゃ面倒だから、転移するよ。」
屋敷の前に転移した。「リン様。少しお待ち下さい。」「うん。解った。」
本当にすぐに、オイゲンが「おい。リン。入ってこいよ」「あぁ解った。」
「リン様。オイゲン様が男爵様ですよね?」「あぁでも、男爵って呼ばないで、オイゲンでいいからな。」「・・・はい。かしこまりました」「僕の事も、身内見たいな物だから、侯爵って呼ばないようにね」「はい。」
「リン。思った以上に早かったな。」「あぁ攻略も何もなかったからな」「そうだったんだな。」「エミール。オイゲン達に、島での事やこれから僕がお願いする事まで全部説明してあげて」「かしこまりました」
エミールは出来る子ではなく、すごく出来る子だ。島攻略から、僕が気絶して帰ってきた事を含めて全部綺麗に順序立てて説明している。自分のステータス見せて、神殿の管理者になった事や従魔達を眷属可した事を説明した。
「おい。リン。これがお前の秘密か?」「そうだな。俺たちの秘密だ。」「それを俺に見せて、どうするんだ?」「お前にも俺に協力してもらおうと思ってな。」「どういうことだ?」「簡単な事だよ。そこのエルフリーデやシャトルフやコリンズやヴィネッティと一緒に、僕達と生きないか?と言う誘いだよ。お前に断る権利は無いがな。」「??」「お前はヒト族で、エルフリーデはハーフエルフで、他の三人は獣人だよな?」「あぁそうだが?」「オイゲン。お前は、その四人と共に居ることを誓うんだろ?」「もちろん。一生一緒に居ると誓う。日本に帰らないつもりだ。」「そうか、それならなおさら僕の誘いに乗るべきだ。」「だから、どうしてだよ?」「お前以外の四人は気がついているみたいだぞ。」「嫁達の口から言われるよりも、僕から命令するほうがいいだろう。この鈍い奴をまっていたら、時間だけが過ぎてしまう。」「「「「・・・・・。」」」」「いいみたいだね」
四人が頷くのを見て
「オイゲン。いいか、お前はヒト族だ。」「あぁそうだな」「エルフリーデは、ハーフエルフだ。シャトルフやコリンズやヴィネッティは、種族は違うが、獣人だ。」「あぁだからなんだ」「お前の寿命は、長くても80年だ。そして彼女たちは多分エルフリーデが200~300年で、獣人は150~200年だ。この意味がわかるか?一生一緒に居ると誓って起きながら、それはお前の一生であって、彼女たちの一生の半分以下かもしれないと言う事だ。」「・・・・。考えもしなかった・・・・。」「あぁそれで、少なくても彼女達が死ぬまではお前は生きて居る必要がある。ニンフの加護を貰えば、僕やミル達の様になる。ほぼ、不老不死になる。お前に選択肢はない。エルフリーデやシャトルフやコリンズやヴィネッティを看取った後で死にたくなったら僕が責任持ってお前を殺してやる。だから、それまでは生きろ。これはお前の義務だ。茂手木義徳!」
「リン様」「なに、エルフリーデ?」「一つ勘違いをされています。そこを訂正させてください。」「何かな?」「はい。私やシャトルフやコリンズやヴィネッティは、オイゲン様を一人にはしません。最後を看取らせるような事はいたしません。オイゲン様が悠久の時を生きるのでしたら、私達もそれに従います。リン様やニンフ様のご許可をいただけるのでしたら、私達はオイゲン様と共に生きます」
「だとよ。オイゲンどうする?」「どうするもないよな。リン。お前の提案を受けるよ。勿論。考えていなかったが、そうだよな。残せるわけないよな。」「オイゲン。ありがとう。エルフリーデもありがとう。」「いえ。私達のことまで考えていただいて嬉しく思います。私達の心と身体はオイゲン様の物ですが、リン様のお役に立ちたく思います。」「うん。僕からのお願いは二つ。『僕達を裏切らないで欲しい。』もう一つは『オイゲンと仲良くしていて欲しい。』だけだよ」「はい。かしこまりました。」「それじゃ従魔達も連れて神殿に行きたいけど、時間は大丈夫?」「あぁ大丈夫だ。」
シャトルフやコリンズやヴィネッティにも、グリフォンを与えた。ヒト型になれる従魔はそのままオイゲンの眷属化を希望した。従魔達も一体づつの眷属を付ける事になった。エルフリーデには、屋敷を守っていた、クラーケンが眷属化を望んでいた。
オイゲン達を連れて、まずは、マガラ神殿の管理層に飛んだ。ディブックが待っていた。「リン様。お待ちしておりました。あぁディブック。オイゲンに加護を与えて欲しい」「かしこまりました。」「オイゲン。スプリガン体のニンフで残念ながら、男のニンフだ。」「リン。お前わざとだろう?ニンフは女性だと決まっているんだろう?」「いや、そんな事ないぞ。現実に、ディブックは男だからな。」「リン様。ありがとうございます。オイゲン様。何か問題でもあるのですか?」「そうだよ。僕達では満足できないの?」「違うぞ、違わないけど、違うぞ。」「もういいよ。オイゲン。さっさと加護を貰え。後ろがあるんだからな」「あぁそうだな。リン。悪いな。」
「俺は、オイゲン=フンメル・エストタール。よろしく。」「ん」
『我。赤魔法を司るニンフ。ディブックなり。汝、オイゲン=フンメル・エストタールの守護者とならん』『俺は、オイゲン=フンメル・エストタール。ディブックの加護をお受けいたします。』
従魔達とグリフォンを眷属化した。続いて、ディブック神殿になったマガラ神殿の管理者を僕に戻して、オイゲンを副管理者にした。
これで、オイゲンも人外の存在になった。
続いて、島に移動して、ビッグスロープには、エルフリーデブルーフォレストには、シャトルフフレグランスリバーには、コリンズベアーブックには、ヴィネッティの加護を付けて、従魔とグリフォンを眷属化した。オイゲンも喜んだがそれ以上に彼女たちが大喜びだ。
「それで、リン。神殿の管理とかはしなくていいのか?」「いいよ。やりたいのか?」「面倒だから、いいよ。俺は、エスト街と周りをまとめるだけで精一杯だよ」「そうか、それなら僕がこのまま管理するよ。」「リン様。よろしければ、一つ私達にやらせて頂けませんか?」「うん。いいよ。マガラ神殿でもいいし、新規の所でもいいけど、どうする?」「できましたら、新規の所で試行錯誤が出来るような場所が嬉しいです。」「それなら、ビックスロープ神殿を任せるよ。」「よろしいのですか?」「あぁいいよ。シャトルフとかはどうする?」「私達は、オイゲン様やエルフリーデ様の補助をしています。できましたら、ブルーフォレストの副管理人も外れて、エルフリーデ様の補助に入れればと思います。」「いいよ。他の二人も?」「「はい」」「そうか、それじゃ、ブルーフォレストとフレグランスリバーとベアーブックの副管理人を外して、ビックスロープの副管理人に任命するね。オイゲンはどうする?」「あぁそれもそうしてくれ。エルフリーデの所に入れておいてもらえればいい。」「解った。ディブックの副管理人から外れて、ビックスロープの副管理人に任命する。」「『ビックスロープ』『ブルーフォレスト』『フレグランスリバー』『ベアーブック』.....あぁぁぁぁぁ”大阪”・”青森”・”香川”・”熊本”。お前.....」「いい名前だろ?」「それに、『ディブック』って”日本”じゃないか」「そうだよ。今頃気がついたのか?」「・・・・。それに、俺たちにやらせるのが、”大阪”って、お前狙っていたのか?」「いや、それは偶然。いい商人あきんどの神殿にしてくれよ」
一旦、ビックスロープ神殿に移動して、エルフリーデに神殿の説明をした。こればっかりは僕にしかできないからしょうがない。
小屋を作って、転移門トランスポートをオイゲンの館に繋げた。これで、いつでもここに来られるようになった。後は、好きにしていいと伝えた。
ただ、ヒトを誘致するのは少し待って欲しいとだけはお願いしておいた。まだ他の神殿の準備もできていないので、それらが全部できてからお披露目する事になるとだけ伝えた。
それから、ステータスを確認して全員隠蔽を施した。最初、そんな必要はないと言っていたが、自分達でステータスを見て、すぐに理由がわかったようだ。このステータスがどんなに危険な物なのか....。
オイゲン達は、少し神殿を作ったり壊したりして行くようだ。
戻ろうとしたときに、飛竜ワイバーンが一体話しかけてきた。僕の眷属になりたいと言う事だ。ここまで来たら"毒を食らわば皿まで”だっと言う事で、全魔物を集めておくようにお願いした。今日はまだやることがあるので、後日になるが希望する魔物は全員眷属にすると約束した。その上で、魔核がまだ残っている物が居る場合には、取り外す事も約束する。イリメリが獲得したスキルだが、僕も使えるようになっている。二人でやればすぐにとは言わないけど終わるだろう....。
ギルドの執務室に飛んだ。シュトライトが入ってきた「リン様。侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラの攻略。おめでとうございます。」「あぁありがとう。それで、近々全体会議をしたいんだが、予定を調整してもらえるかな?」「かしこまりました。いつがよろしいでしょうか?」「ギルドの支部長を全員呼んでほしいから、予定の調整を頼むよ。僕の予定は、モルトと調整して」「かしこまりました。あと、リン様。ヘルダー夫妻とレーゼルが青い顔してリン様を待っておりましたが、通してよろしいですか?」「あぁミーシャとウィンザーも来ているのか?」「はい。両名とも揃っております。」「それなら。全員を執務室に呼んで欲しい。」「はっ」
しばらくして、ドアをノックする音がした。「リン様。ヘルダーでございます。」「申し訳ない。入ってくれ。」「はい。」
「ベックもヒルダもそんな緊張しないでくれ。レーゼルもだよ。僕からのお願いなんだから。嫌なら断ってくれてもいいんだから。ね。」「ダメ。私はリン兄のお嫁さんになる!」「私も!」「ミーシャ!」「ウィンザー!」「二人は、僕のお嫁さんになってくれるの?」「「うん」」「そうか、それは嬉しいけど、まずは、お父さんやお母さんやお姉ちゃんと話をさせてくれる?」「うん」「もちろん」「急な話で悪いとは思っているけど、マヤやミル達とも話をして、両親や姉妹が問題なければ、そうさせてもらおうと思ってね。」「理由をお聞かせいただけるのでしょうか?」「そうだな。エミール。簡単に説明してあげて」「はい。かしこまりました。」
エミールは今度は本当に簡単に説明した。僕が神殿を攻略して、その結果加護を与えられる人間が増えたこと。自分たちも加護を貰っている事。ミーシャとウィンザーにも協力してほしいと言う事。なぜ二人かと言うと、このまま空白にしておくと、諸外国や有力な豪商がねじり込んでくる事も考えられる。それならば、僕の為になんでもする人が空席を埋めたほうがいいだろう事、その条件として、恩義を感じている事。好きになっている事。僕が少なからず好意を寄せている事が挙げられる。この条件に当てはまるのが、ミーシャとウィンザーあと言う事を順序立てて説明している。
僕やミルではできない芸当だ。
「リン様。話は解りました。私達家族がリン様に返しきれない恩義があります。命を差し出せと言われても喜んで従います。」「そんな事は望まないよ」「えぇ解っております。そして、娘がリン様に並々ならぬ好意を寄せているのも感じておりました。」「・・・・」「絶対に"叶わない想い"と諦めさせるつもりで居ました。実際、街の職人や商人から縁談の話が来ていましたが、娘と妻に断られてしまっていました」「そうなんだ。すごいなミーシャ!」「うん。私は、リン兄のお嫁さんになるって決めているから、断って貰っていたんだよ」「そうか、うれしいよ。」「この話を聞いたときに、娘の話を疑いました。その後に、イリメリ様から説明されました。今説明された話と同じ事でした。試すような事をして申し訳ありません」「いや、いいよ。当然の事だと思うからね」「妻と話をしました。リン様。不遜だとは思いますが、娘の父親としてお願いがございます。」「何でしょう。僕に出来る事なら、なんでもしましょう」「ありがとうございます。私達からは一つだけです。娘を幸せにしてください。他の方々と同列に扱って欲しいなどとはいいません。娘が笑顔でいられる日々をお願いいたします。」「もちろん。約束しよう。ミーシャを泣かせるような事はしない。今の仕事もパシリカまでは続けて欲しい。それでいいか?」「はい。それ以上は望みません。」「リン様。私も同じです。ウィンザーの姉として、これ以上の縁談はないと思っています。尊敬するリン様が、ウィンザーを娶ってくれる事以上に私の幸せはありません。」「ありがとう。レーゼル。」「私も今まで以上にリン様にマノーラ家にご奉仕致します。」「うん。よろしく頼む。レーゼルには、近々別の仕事をお願いする事になると思う。そのつもりで居てくれると嬉しい。」「かしこまりました。何なりと!」「ミーシャとウィンザーもいいね。パシリカまでは、学校の寮長をお願いするね。それから、モルトに付いて貴族としてのマナーを勉強してもらうからね。」「「はい」」
話が終わって、ミーシャとウィンザーを残して、ヘルダー夫妻とレーゼルは仕事に戻った。二人には、今話していなかった寿命の話をした。
両親や姉ともいずれ死に別れてしまう事も正直に全部話した。二人にそれでもいいのなら、僕の所においでと言った。明確な答えが帰ってきた「『両親姉』は年上だからどのみち先に死んでしまう。それなら、マヤ姉やミル姉達と一緒に居て、リン兄のお嫁さんになりたい。」だった。もう一度だけ答えを聞いたが、明確に「「はい」」とだけ答えた。
ミルもOKだと言う事だったので、二人を連れて、島に移動した。パシリカ前だったが、問題ないと言う。ただし、教会が行っているパシリカを受ける前にステータスを確認して隠蔽しておくほうがいいだろうと、ナパイアが忠告してくれた。当然そうだろうなと思ったが、パシリカも別に受けさせる必要が無いんだよな。僕がそれをやればいいんだから.....。
とりあえずは、ミーシャとウィンザーに加護を与える事にした。
ロックハンドには、ミーシャロングケープには、ウィンザーの加護を付けた。眷属も地下二階に居て仲良くなったというワーウルフを3体づつ眷属にした。グリフォンもそれぞれに付けた。
子供ながらに素晴らしいステータスになってしまったが、まぁいいだろう。二人には、力を使うなとは言わないけど、見せびらかすような事をしたら封印するからね。と注意しておいた。封印なんてできないんだけど、まぁいいかぁそのうち考えよう。
二人のステータスの隠蔽を行ってから、一度ギルドに送って、今日は両親と姉の所で休むように伝えた。
ギルドの執務室に戻ると、アッシュが面会を申し込んできた。話をしないとならないのは、間違いないので、執務室に来るように伝えた。
「リン様。このたびは「それはいい。」はっ」「うん。それよりも、どうだ状況は?」「はい。まだ数日ですが、MOTEGI商会から販売されました、ステータス不可視の魔球は、飛ぶように売れております。」「そうか、無事、宰相派の連中も買っていっているんだな。」「はい。間違いなく。」「そうか、それならうまく噂も廻っているんだろうな?」「はい。大丈夫です。ですが、いいのですか?」「ん?何がだ?」「魔球の原材料が魔核だって言ってしまって、噂話しとして流しては居ますが、真実ですよね?」「あぁそうだな。でも、いいんだよ。普通に魔核を入れても反応しないし、ムリに入れたら魔核も台座も壊れるからな。」「そうなのですか?」「あぁ過剰に魔力が流れたり、僕の魔法陣が組まれていない魔核では力が出ないし、壊れるようにしてあるからな。」「あぁなるほど、そうなのですね。」「あぁそれに、これで下がっていた魔核の値段もあがってきているだろう?」「はい。まだ数日ですが、市場に出ると、買い占めに走る商人が出ております。」「そうかぁそうかぁ、宰相派の商人だろ?」「はい。ギルドに登録している商人には、魔核の買取を控えるように言ってありますし、売る場合には、ギルドやマノーラ家やエストタール家/ミヤナック家/ウォード家/フレーゲル家に出すように言ってあります。」「うん。それでいい。」「後は、市場でどの珠・・あぁ魔球って名前にしたんだよな。の需要があるのかを調査しておいてくれ。」「わかりました。」「それから、アゾレムの方はどうだ?」「恐ろしいほどに静かです。」「そうか、街の様子とかはどうだ?」「以前よりは活気が出てきております。」「そうなのか?投資詐欺で得た金が回り始めたんだろうな。アゾレムもそこまで馬鹿じゃなかったって事か・・・。ウォルシャタ達は?」「はい。それなのですが・・・・」「なんだ言ってみろ」「はい。リン様達に勝った事を喧伝して居て、食客達を連れて、宰相派の貴族の屋敷を渡り歩いているようです。」「・・・何してんだか....」「はい。そこで、その街の近くに現れる魔物を狩っては自慢しているようです。」「そうか、村々では感謝されるのだろうな」「えぇ一部では英雄視されております」「そうか、それは楽しいだろうな。」「どういたしましょうか?」「ん?どうもしないよ。」「よろしいのですか?」「うん。いいよ。我が世の春を謳歌していて貰っていいよ。どうせ、長く続かないからね。」「・・・・」「あぁそうだ。ウォルシャタ達に付いている眷属に、ウォルシャタ達が行きそうな村々の近くに居る魔物で意識が有ったり、意思疎通が出来る物が居たら連れて帰って来てとお願いして、襲ってくる物は気が付かれない様に始末しておいてって言っておいて、そうだね。低位の魔物位は残しておいてあげて、ね」「・・・かしこまりました。」「うん。他には何かあったの?」「はい。後は、定時報告になりますので、いつものように資料にいたしまして、マノーラ家の方に送ってあります。」「解った、ありがとう。」「いえ。それで....」「何?」「リン様。国を起こされると伺ったのですが?」「あぁそれは本当だよ。もう少し後になると思うけどな」「わたくしもその国に連れて行っていただけないでしょうか?」「ローザスはいいのか?」「はい。ローザス様にもご許可を頂いております。」「そうか、僕としてもアッシュが居てくれると助かる。し、今後もトリーア王家ともローザスとも仲良くしたいから、その橋渡しをしてくれると助かる。」「ありがとうございます。」「うん。でも、ギルド所属にしておけば、もしかしたら、国の垣根を超えて活動出来るかもしれないぞ」「それも魅力的ですが、リン様の国で情報部門の一員にさせてもらえればと考えております。」「う~ん。それはダメだ。」「ダメでございますか。」「あぁアッシュには諜報部門の責任者になってもらう。それで手足になる部下を使って、大陸中の国々を相手にしてもらわないとならないからな。あがってくる情報を精査してまとめてくれ」「・・・・。責任者ですか?それも、諜報部門の?」「あぁお前がローザスや陛下に情報を流している事も解っているが、お前以上に情報を整理できる物は、イリメリ位だろうからな。」「・・・・解っていながら、私を・・・。」「あぁそうだな。それに、お前が流す情報は、僕にも必要な物だし、ローザスや陛下が知っていると思って動けばいいだけだからな。」「・・・参りました。リン様。その話お受けいたします。その上で、ローザス様や陛下に流す情報もリン様にご許可いただく事を約束致します。」「うん。そうしてくれると嬉しいけど、無理しなくていいからな。僕に、ローザスや陛下に隠さなければならない事なんて何もないからな。あるとしたら、嫁達との会話位だからな。」「・・・・。リン様。これからもよろしくお願いいたします。」「あぁ頼むな。アッシュ。」「はい。」
ギルドでの執務を終えて、マノーラ家に帰ると、モルトが陛下からの書状を持ってきてくれた。モルトから書状を受け取って、執務室に入って早速封をあける。
そこには、かなり突っ込んだ事が書かれていた。僕の独立を概ね認める事。その為の条件が書かれていた。1. アデレードをそのまま妻とする事2. 陛下の在任中は、僕の国とトリーア王国との取引で関税をかけない事3. マガラ神殿をそのまま王国で利用できるようにする事4. マノーラ家として王国での活動の税はトリーア国に納める事5. ローザスが即位した後でも、関税や税制を変えないで欲しい旨が書かれていた
「モルト。どう思う?」「はい。リン様のお好きな様になさって問題ないかと思います」「そうか、陛下に、全部お受けすると返事を出す。準備してくれ」「はい。すでに、準備できております。後は、リン様のサインと押印をいただければと思います。」「・・・・そうか、解った。」
書類にサインをして押印をして、封蝋をした。モルトに書簡を渡して、
「モルト。頼むな。それで、用意した返事はこれだけだったのか?」「はい。リン様ならお受けすると思っていました。」「ありがとう。モルト。さがっていい。」「はい。」
これで、陛下。トリーア王家から、侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラへの上陸の証明が貰えて、それに独立を許可する旨の文言が期待できる。それを今度は、各国に書簡として出すことになる。ここまで来たら宰相に気取られてもいい。潰せるもんなら潰していい。そうしたら、マガラ神殿やそれらの施設ごと新天地を求めて移動するだけだからな。
明日からは、神殿巡りをしながら、予定が入った物からやっていく事にしよう。また暫くは、忙しい日々が続きそうだな。

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