【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

ヴァル・デ・ハラ攻略

ルナを先頭に皆が遊技場に入ってきた。「ハー兄様。どんだけ負けたんですか?」「ルナ...」「情けない声を出してもダメですよ。リンが強いのはわかるでしょ。」「そうだけど、一回くらいは...」「ローザス様。どうだったんですか?」「全然。おしいって所までも行けない。こりゃぁダメだよ」「でしょうね。」「ルナ....」「まずは、私達に全勝出来る位じゃないとリンに勝てないですよ。」「そうなの?」「はい。この中でリンに一度でも勝った事があるのは、イリメリとミルとカルーネ位ですからね」「・・・・。スキル無しで?」「はい。スキルなしです。」「さっと、ビリヤードで僕はスキル使ったけど、勝てなかった。リン君もスキル使ったのか?」
首を横に振る。
「そうか、それじゃもうお手上げだね。」「だからそう言っているのです。」「兄様。」「やぁアデレード。お帰り。随分強くなったみたいだね。」「ぇぇ最初は戦いの日々でしたからね。レベルも上がりますわよ」「そう言えば、ルナ。その頭の所に居る、小型のドラゴンは?」「そうですね。ここでは、何なんで食堂に行きましょう。私達も軽く何か食べたいですからね。」
皆で食堂に移動して、モルトに全員分の飲み物と食べ物をお願いした。話しながらになるから、サンドウィッチでお願いした。もうすでに用意してあるとの事だ。所定の位置に付くと、飲み物を持ってきている。
「まずは、マヤ達の旅の成果を教えて」「そうだね。まずは、それぞれのニンフを紹介するよ。僕は置いておくとして、ミルには、谷の精であるナパイアの加護がイリメリには、冥の精であるランパスの加護がフェムには、水の精であるナーイアスの加護がタシアナには、木の精であるドリュアスの加護がサリーカには、海の精であるネレーシスの加護がルナには、山の精であるオレアードの加護がこれで、私アルセイドを入れて、7ニンフの加護が集まった事にある。これで、天の精である、オルプネの攻略を開始出来る。」「マヤ君。質問何だけどいいかな?」「何でしょうか?」「君以外のニンフ様は、獣体を取っているけど、ヒト型になれるの?」「はい。なれますが、私と違って、人に憑依しているわけではないので、本来の形に近い獣体の方が楽なのです。」「そうなんだね。それでもう一つ質問。こっちが本命何だけどね。天の精と言ったけど、オルプネ様ってニンフじゃなくて、神だよね?」「いえ違います。それはヒト族が間違った伝承を伝えた結果です。オルプネはニンフです。ただ、私達よりも神の近くに居る事があって、神の声を真面目にヒト族に伝えていたので、そういった間違った認識が伝わったのだと思います。」「・・・・。そうだったのか?ん。それじゃ、オルプネ様の加護は...」「そうです。アデレードが受けてもらいます。」
マヤ達の神殿攻略の話しと、現状の説明を行った。神殿は現在攻略不可能な状態になっていると言う事だ。その上で、皆の意見を総合すると、”リン=フリークス”に管理者権限を付与して設定を行う事になった。基本的には、全部地上部の入り口に施設を立てる。ナパイアに聞いた所、影響範囲は地上でも問題なく展開出来ると言う話しだ。地上に、神殿の地上部に土地が確保できれば、そこに神殿を立てたりする事も出来るのだと言う。マガラ神殿の様な物を連想する。それなら思った以上に簡単に出来るかも知れないな。その前に、ドリュアス神殿とナーイアス神殿に残されているエルフや獣人達や眷属希望者の生活を安定させなければならない。
「ちょっと待ってね。今、エルフリーデに来てもらうから、ついでにオイゲンにも・・・。エルフの話はそれからでいいよね。」「獣人の皆さんの数は?」「はい。1,484名です。侯爵様」「君は?」「はい。フェム姉様達の従者をしております。エミール=ラフト・ゼッタ・ナーイアスです。」「そう。他の4名も?」「アスラ=ベルティエ・ゼッタ・ナーイアスです」「イブン=グレーヴィス・ゼッタ・ナーイアスです」「ウナル=ベルティエ・ゼッタ・ナーイアスです」「オカム=レオニード・ゼッタ・ナーイアスです。」「そう。僕は、リン=フリークス。リンと呼んで欲しい。それから、僕の事を侯爵と呼ぶのは禁止だからね。解った?」「「「「「はい!」」」」」「うん。それで、1,484名は全員と考えていいの?」「はい。侯爵じゃなかった、リン様に仕えたいと申しております。」「そうか、ねぇ、ナーイアス。神殿ってマガラ神殿と同じように、転移門トランスポートを作ったりできないの?」「できますよ。ただ、距離的な話で、アルセイド神殿と繋ぐ事はできないかと思います。」「そうなのかぁ」「とりあえず、この屋敷の地下と繋がればいいんだけどね。」「それならば可能かと思います。」
各神殿から、屋敷の地下に転移門トランスポートを作成する事になった。設定の事もあるので、一度ゆっくりと各神殿を回らなくてはならないようだ。
「あぁそれで、エミール達はどうしたいの?」「はい。お許しいただければ、私達5人をマノーラ家の従者にしていただきたく思います。」「うん。いいよ。その代わり、しっかり働いてもらうからね」「「「「「!!!!はっはい!!!!」」」」」「いいの?リン。簡単に決めて。」「いいよ。だって必要でしょ?」「そうだけど....。」「それに、マヤ。この子達。エルフじゃないでしょ?」「「「「「!!!!」」」」」「うん。やっぱり、リンはわかるんだね。」「そりゃぁねぇ」「あっは。そう、詳しい事は今度でね。」「わかった。」「それじゃエミール達もいいよね?」「はい!」「そうだね。モルト。エミール達にメイドや従者の事を教えてあげて」「かしこまりました。」「それじゃ頼む。」
モルトが、エミール達に一人づつ声をかけて、従者らしく僕の後ろに移動させた。奥に置いてある椅子を自分で持ってきて座っている。そこまでしなくてもいいのにっと思ったが、本人たちも嬉しそうだから、そのままにしておく。
「イリメリ。エルフの数は?」「ナーイアス神殿は、エミールの方が詳しいよ。」「そうなのか?エミール?」「はい。成人前が31名。成人男性が297名。成人女性が337名です。」「そうか、ドリュアス神殿にも居るんだよね?」「うん。成人前が23名。成人男性が493名。成人女性が673名。ちなみに、リンの眷属になりたいと望む魔物は、2,497名だよ。」「え?多くない?」「うん。でも、安心して、全員魔核は外してあるからね。」「いや、そういう問題じゃなくてね」「あぁ忘れていた。僕の神殿にも魔核が無くて、眷属にしてほしいって言う魔物が居たんだった・・・。」ナパイヤの信じられない告白から、ナーイアスを除く全ての神殿で、神殿の管理者が現れた事で庇護を求めて神殿に集まっていると言う事だ。マガラ神殿の時と同じ現象が発生している。やはり早急に神殿巡りをしないとならないようだ。とりあえずの対処として、ヒューマに言って、眷属を数名づつ選抜して、神殿に行かせて、神殿の入り口に小屋を作って、そこで対応をしてもらう事にした。
ハーレイとローザスお待ちかねのステータスチェックをする事になった。うん。無事みんな人外の存在になれたようだ。素のステータスが一番低いのはミルだが、ミルの場合には眷属化した従魔達のステータス補正がものすごい事になっている。本人のレベルが12なのに対して、補正で多分いちばんレベルが高いフェムを上回る数値になっている。眷属が居るとレベルが上がりにくいのだろう。僕も、残念なレベルで止まってしまっている。確認しながら隠蔽を施していく。ローザスとハーレイの顔から、このままだとまずい事は一目瞭然だ。一番ステータスの合計値が低いフェムでもすでに、国のトップの戦士長よりも強いだろうと言う話だ。その上彼女たちは、魔物を合計すれば1万近く倒してきている。その数は、持って帰ってきた魔核や素材で明らかだ。
皆。ミルの数値を基準に隠蔽や改竄を行った。そのときに気がついたのだが、僕がスキルを触る事で解析が行われて、僕がそのスキルを使えるようになっている。う~ん。なんだかずるいような気がするが、後で皆に謝ればいいか
「そうだ、忘れていた。リン。あの、カプセルハウスは何?」「え”何って...ダメだった?何か使いにくかった?」「そうじゃなくて...」「リン君。そのカプセルハウスって何?」「ちょうどいい。ローザス様やハー兄様にも見てもらいましょう。」
ルナが裏庭に移動するように言って、マヤからカプセルハウスを受け取って、裏庭の中央に置いた。広さ的には十分だ。魔法陣が展開されて、家が作成された。うん。想定通り!。良かった。しっかり使ってくれていたんだね。
「リン。これは・・・どういう事だ?」「リン君。これは?」「え。家だよ?」「それは見ればわかる。馬鹿にしているのか?」「いや、何って聞かれても、家としか答えようがないよ」「そういう事じゃない。これは、あの小さな物からできているのか?本当に使えるのか?」「うん。使えるよ。ルナもこの家を使ってくれたんだよね?」「使ったよ。キッチンはあるし、お風呂も有るし、寝室もある。野宿が馬鹿らしく感じるくらい快適だったよ。防御結界も有るんだろう?」「うん。お風呂はそれ以上大きくしようと思うと、カプセルを大きくしないとダメだったからできなかったんだよね。あと、冷魔庫の他に、温魔庫や魔法レンジを作ったけどこれも組み込めなかった。使いにくかったらゴメン。防御結界は、魔核で反応するから、魔核有りの魔物にしか効かないんだけどね。」「・・・・。ね、ハー兄様。わかって貰えた?」「あぁ解った。馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、ここまで馬鹿だったのか?」「馬鹿ってひどいなお義兄さん。」「もういい。それで、これはまた小さくなるのか?」「勿論。一旦みんな外に出て・・。」
リンがスイッチを押して家から出てきて、家がまたカプセルに戻る。「本当は、投げたら大きくなるって感じにしたかったんだけどね。ちょっとできなかったんだよね。」「そんな細かいディテールの話をしていない。リン。これは、量産出来るのか?」「う~ん。どうなんだろう。素材さえあればって所だね。あと、もっともっと機能を削れば、それほど難しくなく作れるよ?」「そうなのか?リン君。」「うん。寝る所とトイレとシャワー位でよければ、素材だけなら金貨1枚もあれば十分揃うよ。後は、実際に家を作って魔法陣を組み込めば終わりかな。その場合には、防御結界とかも作れないけどね。」「!!それで十分。誰でも作れるのかい?」「時空魔法が必要だからね。誰でもってわけには行かないけど....カプセル化する所だけ、僕達が作って、家をレシピ通りに作ってくれれば、できなくはないと思うよ。」「是非。売ってくれ。100個でも200個でも買う。」「いいけど、何に使うの?そんな中途半端な物使いみち無いでしょ?」「はぁアデレード。お前の旦那さんは、感覚がおかしいのか?」「そうじゃな。兄様の義弟は、常識って物を知らなすぎる。」「ひどいな二人とも、僕は常識人だよね?」
全員が否定の意思を表現している。
「・・・。」「リンよ。妾達も、兄様の意見に賛成じゃ。このカプセルハウスが売りに出されれば、爆発的に売れるだろう。それこそ、商隊や守備隊の備品と引く手あまただろう。」「そうなの?」「あぁそうじゃな。妾達も長期間屋敷から離れたから解ったが、攻略中に排泄で困る事が多いがこれがあればその問題はある程度解決する。」「うん。それは考えているよ。後寝床としての機能だよね?」「そうじゃ。それに、持ち運べると言う所が大きい。今までも、なかったわけではない。しかし、運ぶための人員が必要だ。人員が増えるということは、それだけ食料も必要だし、行軍が遅くなる。それを全部防げる画期的な物なんだ」「へぇそうなんだ。それなら、オイゲンに言って、MOTEGI商会で『カプセルハウスSDK』として卸すよ。」「ついでで悪いけど、これも見て欲しいんだけどいいかな?皆が攻略している最中に作ってみたんだよ。」
指輪/腕輪/首輪/イヤリングメガネを、それぞれ取り出した。
「何これ?」「うん。メガネはかけて誰かを見たらわかるよ。」
アデレードがメガネを手に取ってから、僕を見た「!!!」「アデレードどうしたの?」「イリメリ。かけてみればわかる。」今度は、イリメリがメガネをかけた。「リン。これってスカウタ?」「あたり!!数値は、体力/魔力/腕力/敏捷性しか表示できないけどね。」「何?それで見ると、ステータスがわかるのか?」「そ。数値だけだけどね。」ハーレイやローザスも順番にかけてみる。「・・・。なんてものを作るんだ君は?」「そう?だって、今でも触ればわかる情報でしょ。」「そうだけど、これがあれば戦いが楽になるのは間違いないぞ。魔物もわかるんだろ?」「うん。わかるよ。勿論、でも、スキルや経験はわからないから、目安程度にしかならないと思うよ。」「それでもだ。これも・・・」「うん。大量生産は出来るよ」「どのくらいで?」「実は、これってそんなに難しくなかったんだよね。値段の前に、他の物の説明していい?」「あぁ悪い。頼む。」
他の物には、穴が幾つか空いている。イヤリングなどは一個でペンダントには5つの穴が空いている。穴にすっぽり入る珠を幾つか取り出した。フェムはもうわかったようだ。
「リン君。その珠って魔核なのか?」「そうだよ」「それにしては、色が綺麗だし...」「あぁそうだね」
腕輪に透明の珠を一つ入れて、腕に装着した「ローザス。さっきのメガネで僕を見て」「あぁ・・・・え”どういう事なんだ?」「ステータスが読めないでしょ?」「あぁ壊れたのか?」「ううん。違うよ。メガネを外して、僕の身体に触ってステータスを見ようとしてみて!」「あぁ・・・え?読めない?なぜ?」「うん。そういう事なんだよ。さっきの透明な珠は、ステータスを見る事を防ぐ結界が封じ込められていて、指輪や腕輪や首輪やイヤリングに装着して身につけることで発動するんだよ。」「え?それって、他の珠もそれぞれ違う効果があるのか?」「うん。そうだよ。もちろん」
ステータス不可視/毒耐性/寒さ軽減/暑さ軽減/筋力アップ/魔力軽減/後は各魔法属性の珠がまずは作れた。魔法属性に関しては、一回その魔法が使えると言う物だ。魔力コントロールがうまい人なら、数回使う事も出来ると思うが使い捨てだと思っていい。勿論、治癒魔法の白魔法の珠も作る事が出来る。込められる魔法も限られているので、あまり使いみちはないと思うと説明した。
「・・・・・」「・・・・・」「ねぇリン。これって掛け合わせできたりするの?」「お!フェムいいことを言ってくれた!勿論だよ。例えば、この腕輪は、穴が4つ開けられたんだけどね。灰灰黒黒と珠を入れて、魔力を込めると・・・ほら、氷の魔法になる。本当は、時空魔法で帰還の魔法とかを組み込みたかったんだけどね。小さい魔核では耐えられないみたいなんだよね。」「え”小さくなければ出来るの?」「うん。もちろん。こぶし位の魔核になっちゃうよ。」「そうか、金額的に・・・って事なんだな」「そ。今、小さい魔核が大量に有るでしょ。あれをそのまま売ってもいいんだけど、何か付加価値付けられないかって思っていたら、やってみたらできたんだよね。それに、魔核自身が少しづつ魔素を吸収しているから、一回限りじゃなければ、半永久的に使えるよ。」「お前。なんてものを作るんだ?」「え?使い道なかった?」「違う!馬鹿なのかこいつは、えぇルナ。どういう教育しているんだ。いいか、リン。これは、革命だと言ってもいい。ステータスを見られるというのは昔からの問題になっていたんだ。何人もの賢者がその問題に挑んで生涯を無為に過ごしていたんだ。その過程で、魔核の有効利用とかを思いついた奴等も居たが、今まで誰もできなかった事を、お前は・・・そんなに簡単に・・・。」「ねぇリン君。それって大量生産できるの?」「あぁこれは簡単だよ。ステータス不可視に関しては、古代魔法が使えないとできないけど、それ以外の魔法なら、その魔法が使える人が居れば作れるよ。」「そうなのか?」「うん。作る装置も作ってみたからね」「あぁ・・・。」
魔核をセットして、魔法を流せば、成功すればその属性の色に魔核が変化する。失敗したら、魔核のままか割れる。土台の方は、同じく規定の穴を作った状態で、機械にセットすれば作れるようにした。その機械自体は、古代魔法をベースして作った魔法陣が組まれていて、それに魔力を流すと発動して、珠とのリンクが出来るようになっている。セーフティロックもしっかり作っている。土台の方は、装着時に真命を読み込んで、”読めない文字”で構成されている時には、効力を発揮しない様にした。土台を解析すれば解除出来るのだが、土台をこっちで独占していれば大丈夫だろう。
丁度、エルフリーデがオイゲンと一緒に来たと言う知らせが入ったので、場所を会議室に移して話の続きをする事になった。
カプセルハウスとスカウターと魔核を利用した珠は、MOTEGI商会で取り扱う事になる。デザイン性を確保したいと、エルフリーデが言うので、台座の作成から全部任せる事にした。イリメリとエルフリーデが話をして、売上の按分を決める事になった。ハーレイが、カプセルハウスの製作キットをおろして欲しいと言う話だ。MOTEGI商会からミヤナック家に独占で卸して、ミヤナック家で加工して販売する事になった。MOTEGI商会では、キットの販売はせずに、完成品の販売のみを行う事になった。簡易宿泊をミヤナック家が担当して、高級路線の物をMOTEGI商会で扱う事になった。
次に、エルフの話をする事になった。オイゲンの所で、ゴルドが家令スチュワード代理をしているが、エルフの長が承諾すれば、そのままエストタール家の家令スチュワードになってもらう事になった。合わせて、成人男性がオイゲンの所の守衛や庭師を行う事になる。夫婦者は、MOTEGI商会や開発を行う人材になってもらう事になった。基本的には、エルフ達に任せるが、こちら提示出来る物を列挙して、それぞれの役割に就いてもらう事になった。マノーラ家はモルトが面談をして、オイゲンはエルフリーデが担当して、ギルドは事後承諾にはなるが、シュトライトに頼むことになる。
「それで、リン。人数はどのくらいなんだ?」「今の所の人数は...エミール何人だっけ?」「はい。成人前が54名。成人男性が790名。成人女性が1,010名です。」「だって。オイゲン。」「そうか、それなら....「駄目です。オイゲン様。」まだ何も言っていないのに....。」「はい。でもダメです。リン様。エストタール家には、独身女性は必要ありません。夫婦者か、男性でお願いします。MOTEGI商会やお母様の宿屋にもです。」「あぁ・・はい。わかった。」
任せる形になってしまうが、全部を託す事になった。
そして、僕達は明日にでも、侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラ攻略に挑むことになる。
◆◇◆◇◆◇◆◇
昨日は、ローザスもハーレイも、オイゲン達も、マノーラ家に宿泊していった。シュターデンを呼び出して、遅くまで今後の事を話し合っていたらしい。皆が神殿攻略に行っている最中に、保護を求めてきた魔物を眷属にした結果今の僕の眷属数が3,101体になっている。それから、奴隷になっていた者達を全員解放した。本人たちは拒否したが、儲かっているのにいつまでもそのままと言うのは外聞が悪いと言う理由を付けて、解放した。僕にそのまま従う者はマノーラ家につかえてほしいとお願いした。全員が、そのまま継続する事が決定した。こでれ結婚も自由に出来るようになったから、所帯を持ちたいと言う者は名乗り出て来て、ギルド本部でなく、どこか気に入った所に家を建てると約束した。
新しく眷属になった者の中に、グリフォンが何体か居るので、4体とアンスシーを呼び出した。【召喚-アンスシー】エミール【召喚-アパッチ】アスラ【召喚-ポスグレ】イブン【召喚-スキュラ】ウナル【召喚-サーバ】オカムに騎乗するように指示して、今後、それぞれをご主人様だと思って従えと伝えて、エミール達にもそれぞれ従魔を2名づつ付ける事にした。ニンフ達に聞いたら契約魔獣は居ないとのことだったが、自分たちは必要ないということだ。
必要な事を全部やってから、最終的な荷物の確認をして、グリフォンに跨って、一路侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラを目指す事になった。
「マヤ。どのくらいで到着するの?」「多分、2日位だと思う。」「そうなんだね。休むときに言ってね。」「うん。解った」
それから、数時間空を飛んでいる。下は見渡す限りの海だ。日本に居た時を思い出す、僕達の街は海に面していた。
「リン。今日はこのくらいにしたいと思うけどいい?」「了解。ミル。黒魔法で水を大量に用意出来る?」「出来るよ。」「お願い。」
ミルが水を出した。それを灰魔法と赤魔法で形を整えながら凍らせていく。流氷を思い出しながら、逆三角形になるように整形した。海に氷の塊を浮かべた。そこに、結界魔法をかけた。自然魔法で氷の上に土を出現させた。氷がそのままの太さで海底に突き刺さるまで魔法を継続させた。これで安定すると思う。その上に、持ってきた新しい家を構築した。今度は2階建てだ!
「リン。これは?」「うん。新しい家で、2階建てバージョン!日本での僕の家を再現してみた。」「あぁ本当だ。見覚えがある。」イリメリだ。「氷も一晩や二晩位なら持つと思うから大丈夫だよ。結界魔法と認識阻害もかけてあるから、多分魔物にも襲われないと思うけど、エイダ達に屋上で見張って貰っておけば大丈夫でしょ」「・・・。あぁぁ」「お風呂だけは、僕の家よりも広くしてあるから大丈夫だよ。後は使いやすくしてあるよ」「わかった。」
日本でよくある古典的な4LDKの家だ。1階にLDKと客間があり、二階に二間部屋が作られている。二階の大きな部屋を僕達が使う事に、もうひとつの部屋をエルフ達が使う事にした。客間にニンフ達が休む事になった。
マノーラ家のお風呂の事やこのカプセルハウスの事でいろいろ文句を言われたが、聞き流しておこう。だって時間が有ったし、作り出したら止まらなかったんだからしょうがない。
翌日は、タシアナの提案で、海底に繋がる氷を切断して浮力が確保出来る事を確認してから、推進力を付与して、このまま氷を船として使う事になった。これなら、船を作った方が良かったかな?と思っても、船を作る知識は有るけど、実際にはどうやって作っていいのか一度本物を作ってみないことには解らないからな。次の宿題にしよう。
氷の船では速度がグリフォンほど出なかったが、快適な移動になった。2日予定の所が4倍近い7日もかかってしまったが、疲労を考えると、こっちの方が正解だったようだ。途中氷が溶け出したので、補充する必要はあったが全体的に十分持った。侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラに付いた。確かに、周りには、海龍シーサーペントが大量に居るが、正直に言えば多分余裕で勝てるが、襲われない限り攻撃しない事にしていた。空には、飛竜ワイバーンが飛んでいるのがわかるが、ステータスを確認するとそれほどの事はない。
「さて、どうしますか?」「面倒だから、空から入るでいいんじゃないのか?」「うん。そうだね。その前にやってみたい事が有るけどいい?これがうまく行けば、戦いも何も無く終わると思うからね。」「そうなの?マヤ。やるだけタダならやってみようよ。ダメな時には、そのときに考えればいいんだからね。」「うん。」「それじゃ、皆グリフォンに乗って、島の中央にあるだろう神殿近くまで強行するよ。多分、飛竜ワイバーンは襲ってこないと思うけど、無意味な先頭を避けて突っ込むよ」「了解。」
皆がグリフォンの背に跨って、マヤを先頭に空高く羽ばたいた。そのまま地表に向けて速度を上げて突っ込んでいく。飛竜ワイバーンは道を開けるように、左右に別れている。マヤは神殿の前でグリフォンをホバーリングさせて、
「我は、リン=フリークスに加護を与えし、アルセイド。オルプネに面会を求めたい。」「・・・・」「ルアリーナに加護を与えし、オレアード」「タシアナに加護を与えし、ドリュアス」「フェナサリムに加護を与えし、ナーイアス」「ミトルナに加護を与えし、ナパイア」「サリーカに加護を与えし、ネレーシス」「イリメリに加護を与えし、ランパス」「約定通り、7名で参った。オルプネの加護を求める者と共に来た。面会を希望する。」
「アルセイド。本当に、我の加護を求めるヒトが居るのか?」「あぁオルプネに嘘なぞ言わん。」「本当に、全員揃っているのね?」「あぁ全員加護者と共に来ておる」「我の加護を得るのは、トリーアの者か?」「あぁそれも約定通り、初代の血を受け継ぐものだ」「名を教えてくれ。」「オルプネ。その前に、主の神殿に入っていいか?このままでは話しにくい」「あぁ入ってきてくれ。ハイ・エルフも連れてきてくれ。」「ありがとう。」
「って事だから、神殿に入るよ。」
神殿の中に入る。神殿と言っているが公民館くらいの広さの所に正面に、フェアリーが一体居る。あれば、オルプネなんだろう。
「アルセイド。久しいな。」「そうだな。っといいたいところだが、アルセイドとしての記憶は殆ど封印されていて、大事な事しか思い出していない。」「そうか、我の事を覚えていてくれただけでも嬉しいぞ。」「あぁ必死に思い出したからな。それから、我の事は、アルセイドではなく、マヤと呼んで欲しい。」「解った。マヤ。それで、トリーアの娘は・・・。あぁそなたか?」
「はい。初めて御意を得ます。アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアといいます。今は、リン=フリークスの婚約者にてこの性を名乗らさせてもらっています。」「そうか、どれこっちまで来てくれ。」「はい。」
オルプネがアデレードの額にそっと触る。
「あぁ間違いない。愛しのあの方のご子孫で間違いない。あぁやっと逢えた。やっと逢いに来てくれた。リン=フリークス。お前も、トリーアの愛しの方の血筋ではないのか?」「・・・。はい。そうです。」「じゃな。おぬしの方が、あの方の愛しき方と同じ感じがする。もしかして、おぬしは転生者か?」「・・!!」「オルプネ。僕のリンは上げないよ。それよりも、募る話しもあるだろうけど、まずは、約定通り、アデレードに加護を与えてあげてよ」「あぁそうだな。アデレードよ。我の加護は、トリーア王家初代に与えた者じゃ。あの者は、我の静止を振り切って、自分で自分の首を落としてしまった。強く美しくそして脆い心の持ち主だった。アデレードよ。ソナタは、我と共に生きてくれるのじゃろうな?」「はい。オルプネ様。私は、オルプネ様と共に、ここに居る者達と共に生きとうございます。」「マヤよ。ありがとう。本当の意味で仲間ができたんだな。」「そうだね。リン。ミル。イリメリ。ルナ。タシアナ。フェム。サリーカ。は加護を受け入れている。皆を一人にはしないと約束してくれている。」「そうか、それにアデレードを入れて8名で悠久の時を過ごすのだな。」「はい。」
『我。天を司るニンフ。オルプネなり。汝、アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアの守護者とならん』『私は、アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーア。オルプネの加護をお受けいたします。』
「アデレードの陰に潜んでいる従魔よ出てまいれ。他の者達と同じように、アデレードの眷属する。いいな?」陰から、オルトロスが出てきて「オルプネ様。我等4体とグリフォンのコボルは、アデレード様の眷属に従います。」
「わかった。」
「オルトロス。ガハム。ニャイル。ニャハル。コボル。アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアに忠誠を誓いない。」「「「「「はっ我等は、アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアに忠誠を誓います」」」」」
それなら自分たちもという事で、グリフォン達がそれぞれのニンフから眷属になる事を承諾していった。これで僕の眷属がやっと10体減ることになった。
アデレードのステータスを確認して調整を行う。
名前:アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーア(39)真命:アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアジョブ:召喚師体力:1,340(+3,130)魔力:1,530(+4,010)腕力:710(+2,570)敏捷性:940(+3,310)魅力:90古代魔法:時空魔法(1)、結界魔法(1)、召喚魔法(1)、精神魔法(1)古代魔法:精霊魔法(1)、魔霊魔法(1)、操霊魔法(1)、幻惑魔法(1)古代魔法:隷属魔法(1)、自然魔法(1)、飛翔魔法(1)魔法:白(9+1)・紫(9+1)スキル:隠蔽ユニークスキル:鑑定ユニークスキル:魔法吸収、武技吸収ユニークスキル;物理攻撃半減、状態異常半減、精神攻撃半減、魔法攻撃耐性エクストラスキル:魔物召喚モンスターテイムエクストラスキル:能力強奪スキルロバーエクストラスキル:偽計検知ポリグラフエクストラスキル:神殿管理(1)管理:オルプネ神殿
アデレードも無事人外の存在になれたようだ。あと、ニンフ達の話しを聞くと、今神殿管理に追加出来るのは、二名までだと言う話しだ。これは、今後魔素が溜まったりしたら事情が変わるかも知れないと言う事だが、どこでそうなっているのかわからないと言う事だ。その為に、それぞれの神殿の管理者に僕を追加する事になった。ここで出来ると言う事なので、ニンフ全員から管理者認定をしてもらった。僕が管理責任者になると、皆がサブ管理者になってしまい。サブ管理者は一つにしかなれないと言う事なので、マガラ神殿の管理者権限をマヤが外している。僕が、8つの神殿の管理者になり、皆がサブ管理人になった。
その設定を終えて、管理コンソールを開いたコンソールの上部に一つのメッセージが表示されていた。

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