【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

嫁達を待つあいだ

マヤから念話で話しかけられた。明日の昼過ぎには、マノーラ家に到着できるとの事で、アデレードを除く6名は神殿の攻略を終えて、無事ニンフ達の加護を得る事ができたと言う。それよりも、誰一人と欠ける事なく帰ってきてくれるのが嬉しい。
◆◇◆◇◆◇◆◇
最初の一ヶ月は、心配はしていたが、無事で居てくれているのだろうと思って、ギルドの仕事やマノーラ家の事を行っていた。何度か王城にも呼び出された。陛下から婚姻の事を言われた事もあった。
オイゲンの所と、フレーゲルの所が大変な事になってきてしまった。入植者が増えてしまったのだ、村ごとの入植者も多く、すでに、用意していた入植地が埋まってしまった。今、オイゲンの街の近くに更に衛星都市を作って、そこに入植地となる村を作成している。オイゲンが男爵になってから、一度目のかわら版の発効のときに、試しに宰相派の街だけではなく周辺の村々にも商隊を派遣して、魔核の買取や食料の売買を行った。かわら版は、僕の手を離れて、アッシュ主体で作られるようになった。今回は、エスト街と森林街の入植情報を載せたようだ。それに合わせて、前回の御前会議で公開できる情報だけを、載せて各々に説明を加えている。そこで、マノーラ家とエストタール家で守備隊を組織する事になったと有った為に応募が殺到した。マノーラ家に関しては、モルトが捌いてくれている。数回選抜試験の様な事を行ったが、全員不合格となったが、そのままギルドに登録して冒険者となったようだ。選抜試験は簡単で8人ペアになって32階まで踏破する事であった。これができて準守備隊となれる。モルトに依頼されて、難易度を少し上げている。25階までの踏破者は多くは無いが出始めている。8人パーティだと守備隊応募者の2割程度が踏破できるが、そこから32階までが難しいようだ。まだ一人も合格者が出ていない。その話を聞いたガルドバさんが昔の仲間達を集めて踏破を目指したが、29階を越えた所でリタイアして帰ってきた。僕が聞いている最高到達点がこの29階になる。オイゲンの所の、エストタール家は、迷宮ダンジョンを最初に25階まで踏破した事が認められて、僕の配下になって街を任されて、次々と珍しい施策を打って准男爵になったと言う事になっている。その為に、迷宮ダンジョンへの挑戦者も多くなっている。そのおかげで低層で取れる素材の供給もやっと落ち着いてきた。
ミーシャやウィンザーからの陳情に対応する為に、ローザスと少し交渉する事になった。寮はすぐに増やしてあげられれる。それも、ミーシャとウィンザーからの要望通り、2人部屋や3人部屋を基準として作る事にした。合わせて、男子寮と女子寮を学校を挟んで反対側に作る事にした。それに合わせて男子寮の寮長を二人任命しないとならなくなった。ライカとランカにやらせようかと思ったが、年齢的な事もあるので、二人では難しいと言う事だったので、今年12歳になった子から二人選別して寮長をやってもらう事になった。2週間に一度ほど男女の寮長が集まって話し合いをして、マノーラ家に陳情する事や現状を報告する事にしたようだ。学校で教える先生に、ローザスから紹介された前の宮廷魔道士長や引退している戦士長などが来てくれた。ローザスには、権力志向ではなく後進を育てる事に重きをおいてくれる人でという注文を付けたが、思った以上にいい人材が来てくれた。前の宮廷魔道士長には、学校の校長を依頼した。快く引き受けてくれて、僕がやろうとしている事に全面的に協力してくれると言うことだ。学校の生徒数も増えに増えて、今では、1,000名を越えるほどになってしまっている。入植者の子供たちも通い始めた事もだが、魔道士長や戦士長が学校に居ることや、ハーレイやローザスの紹介で貴族で家令スチュワード執事バトラーやメイド長をしていた人物も招聘できたことで、子供のうちにこの手の技術を学ばせる事で、貴族家への道が広がると言う話が広まって、ニグラや貴族の領地からも入学申し込みが殺到している。また、貴族の子弟も各家で教える負担を軽減できると言う目論見から、学校への入学を希望する事が増えてきた。その為に、入学制度を設ける事にした。今年度は希望者はいつでも受け入れると言う体制をつくる事にした。来年までに、二学部制にする事にした6歳~12歳までのパシリカ前と、13歳~16歳までの職業訓練校を作る事にした。流石に、職業訓練校になると、地下二階では手狭になってくる。今、ローザスに交渉して学校を立てる場所を探してもらっている。
イスラ大森林の監獄に関しても、すでに”街”とになってきている。ローザスが王国が捕えている囚人に関しても、預かって欲しいと言う事を交渉してきた。エベンスやオルトとしては問題は無いが、正直な話として、自分たちは戦争や紛争犯罪人であって、通常の犯罪人ではないと言う認識を持っているとの事だった。その言葉を受けて、監獄を増やす事にした。通常犯罪人は一番外周に近い部分に監獄があり、収容人数は1,000名規模の建物になっている。その内側が、戦争や紛争でマノーラ家に捕えられた者達で、報酬をまだ貯められていない者が生活する場所で当初の監獄になっている。中心の塔から南東の方角に一つの通路を作って、監獄から出た場所に集落を作れるようにした。この集落は、約束の報酬を貯めたり、呼び寄せた家族が住まう場所になっている。自身の買取が終わっていない者は集落には移動できないが、家族が塔に面会に行くことはできるようになっているし、塔の内部でなら一緒に過ごす事ができる。塔の中層から上層までに改良したエレベータを設置して行き来できるようにしたホテルの様に作成を行った。このときに全室にユニットバスを作成した。イスラ街と呼ばれるようになった集落は壁に覆われては居るが、マガラ神殿と転移門トランスポートがつながっている上に、教会まで設置されている立派な街となっている。代官が必要だと言われたので、忠誠を誓っている上に、ドライアドの監視が付いている、エベンスに代官をやらせる事にした。そして、オルトをそのままイスラ街の守備隊の隊長に任命して部下たちをそのまま格上げした。今までは、商隊を派遣していたが、その必要もなくなって、イスラ街の住民達が自分から進んで、監獄街で商売を行うようになっている。エベンスに相談されて許可を出した。イスラ街の住民が地下三階で物品を仕入れて、それを監獄街で売る事に許可を出した。監獄街からの買取だけは許可しなかった。買取に関しては、今まで通りに行う事にしている。そうしなければ、罪を償う事にはならない。それに関しても、二人からは不満は出なかった。むしろ、買取価格が高いのではないかと言うことだったが、他の物品や遊び道具などの実験に使っているので、今のままにする事になった。これらの事をまとめて、ローザスに報告しに行った。そのときに、必要な人頭税や商取引の税などをエベンスの名前で申告するようにしておいた。ローザスからは、税金なんて必要ないのにと言われたが、宰相派に突っ込まれた時の為にも綺麗にしておいたほうが良い。財務局に申告書を提出した。えらく待たされると思ったら別室に呼ばれて、財務局局長を名乗る自分物から税の詳細の説明を要求された。おさめるのに文句を言われたのではやってられないとは思ったが、人数の把握及び街の規模構成などを説明した。その後、局長と副局長がイスラ街を見てみたいと言う事だったので、4人でマガラ神殿からイスラ街に移動した。転移門トランスポートは知っていたようで、説明の必要がなかった事がありがたかった。眷属を通じて、エベンスに今から行くから資料を準備しておくようにと伝えておいたのが良かったのか、かなりの好印象を与える事ができた。その上で、罪人には人頭税が必要ないと言う事や、労働力として使った場合の事などの説明をしてくれた。正直、分からなかったが、多く納めてしまっているとの事だった。今後も、同じように納税するのなら、イスラ街を王国の街として認める必要があるとの事だ。マノーラ家として納付しても良いが新しい家を作ってしまったほうが楽ではないかと言う事だ。僕の顕現で準男爵なら納税の義務が発生するが、作成できるのだと言う。
「エベンス。」「はい。リン様。」「お前、今日から、準男爵な。ローザス。准男爵って1代限り?」「あぁそうだな。でも、マノーラ家が続く限りイスラ街の代官を准男爵にすると決めれば、代替わりの度に任命すれば同じことだよ。」「そうか、エベンス。必要な人材や物は後で連絡よこせな。」
「・・・・。あの?リン様。私でよろしいのですか?」「あぁお前が一番適任だと思うぞ。」「通常。こういう時は、他の領主の三男とかを養子に貰ってきてとやるのが....」「そうなのか?ローザス」「あぁそうだな。それで恩を売るって事だな。」「へぇでも僕の関係者だと伯爵家になっちゃうからダメでしょ。」「あぁそうだな。身内で・・・っと言っても、身内も居ないんだよな。」「そ、だから、エベンス。准男爵に任命する。」
「・・・かしこまりました。不肖、エベンス・ストローク。これからも、リン様のお役になりまする。」「あぁ任せる。オルト。お前も、准男爵家の守備隊として、エベンスとイスラ街を頼むな。」「はっ」
僕直轄では問題があるとの事で、エベンスは、オイゲンの寄子となる事が決定した。正式な決定は、次の御前会議になるが、それまでには準備をせんぶ終わらせておく事になる。監獄と言うだけ有って、そこそこ優秀な人材が揃っている。それらを使って、準男爵家にふさわしい陣容にしてくれるだろう。
アゾレム家への嫌がらせも着々と進んでいる。まずは、奴隷の入手ルートをアッシュが尽く潰している。それにより、エストタール家やフレーゲル家の領民が増えている。同じ宰相派やゴーチエ家ブォーノ家からの購入までは止められないが、奴隷の価格を上げているので、金銭的にもきつくなってきているようで、ここ一ヶ月位は、目に見えての奴隷の搬入はなくなっている。その為か、採掘場所に立花達が出てくるようになった。確認できた時点で眷属たちを引かせている。四六時中張り付いているわけではないので、居なくなったときに眷属には安全マージンを取りながら、採掘場所の破壊と鉱夫が居た時には拿捕するように言ってある。投資詐欺の方には動きはない。宰相からは何度か進捗らしき報告をもらったが、それっきりになってしまっている。投資詐欺に関しては、暫く放置でいいだろう。
忙しく過ごしていたわけでは有るが、気分転換にはじめた、風呂の改造が思った以上に楽しくなってしまって、いろんなギミックを付けてしまった。きっと、イリメリとフェム当たりからは怒られるだろう。でもはじめてしまった事は最後までやらないと気がすまないので、もう全部作りきる事にした。あと、使用人達からの要望で風呂場の掃除や寝室の整頓をさせて欲しいと言うことだ。皆からは自分たちでやるからいいと言う事だったが、皆が旅立った後で全員で直談判に来たのだ。寝室の掃除は、皆がやると言っているので許可できないが、風呂場の掃除やプールの清掃は任せる事にした。広い風呂だから、まる一日かかってしまいそうだと言うことだったが、それに関してはすでに解決している。大まかな部分の清掃は自動で行う様になっている。シャンプー類の補充やボディタオルの交換・補充で、3階に作った冷魔庫/温魔庫の補充を行ってもらう事にした。両方共、時間が止まっている部分と進んでいる部分が存在するようになっている。時間が停止している方に入れられている物は熱い物は熱いまま。冷たい物は冷たいままになっているし、時間が進む方は、冷たくする事もできるし、温める事ができるようになっている。
執務室で、上がってきた数字を眺めていると、「リン様。少しよろしいですか?」「あぁ大丈夫だ」
モルトがノック後に執務室に入っていた
「どうした?」「はい。マヤ様からお聞きしていました地域のおおよその場所が判明いたしまして、その近くにある豪商や有力商人のリストを作成いたしました。」「そうか、ありがとう。ローザスとハーレイにも送ってくれたか?」「はい。眷属に依頼しまして、送り届けています。」「それでローザスとハーレイは?」「夕方には、こちらに到着するそうです。」「わかったありがとう。二人が来たら、ここに通してくれ。」「かしこまりました」
見事に分かれているんだなナパイヤ神殿は、マカ王国オレアード神殿は、フランクール王国ランパス神殿は、南方連合国サウスワード・コンドミニアムネレーシス神殿は、ヴェスタ王国ドリュアス神殿は、ラグラン王国ナーイアス神殿は、ラグプール王国よくもまぁ綺麗に別れているな。アデレード当たりが見れば多少違った意見が出てくるかも知れない。僕としては、それぞれの国にはそのままで居て商人を取り込めればいいと思っているんだけど、うまくいくかな?その辺りをローザスやハーレイから意見が聞ければいいんだけどな。一番最後にモルトによる。商人への手紙の雛形が書かれていた。文面的には問題無い。もう少しだけ僕の功績を小さくしておいてくれたら満点なんだけどな。
「リン様。」「ローザスとハーレイが来たんだね。入ってもらって」
ローザスとハーレイが入ってきた。
「まだ、ルアリーナ嬢やアデレードは帰ってこないんだね。」「予定では3~4ヶ月だから、ながければ半年位だからね。後2~3ヶ月は必要だと思うよ。」「それはいい。それで、リン。お前はどうしたんだ。」「そうですね。彼女たちが、渡したリストの神殿を攻略してくるのは目に見えているので、彼女たちの功績を無にしないためにも有効利用したいんですよね。」「マカやラグランは協力してくれるだろうな。」「そうか、ねぇラグランやマカの国内にマガラ神殿みたいな場所ができたら困る?」「そうだな。俺は別に困らんが、ラグランと取引が多いウォード家は多少困るか」「いや。大丈夫だと思うぞ。」「どうして?」「ラグランの街で商売をする時には、その国の許可証が必要で、今それをトリーアで発効出来るのは、王家とウォード家だけだし、王家は基本発効しないから、実質ウォード領内の商人に限られると言う事になる。」「でも、それだとラグランの街に許可証の発効をお願いすればいいんじゃないの?」「そうだな。その場合でもどうやってラグランに行くのかって問題は残るよな。」「あぁそういう事か、神殿と神殿を結ぶ時でも、国境の街シャルムを通るようにするか、国境の街シャルムに変わるような施設を神殿に作ればいいんだね」「・・・・。それならいいが、そんな事出来るのか?」「どうだろう?それで、ローザスとハーレイに相談をしているんだよ?」「・・・そうか、そうだな。」「なんとなく事情が解ったよ。ようするに、神殿がある国々の出張所みたいな物を作って、そこで審査したり出来るようにすればいいんだね。」「そうだな。そうなると、リン君がトリーアの侯爵だって事が問題になりそうだけどな。」「そうか、僕がその気になれば、大軍を国の中枢に一気に出現出来るって事だね。」「出来るのか?」「出来るよ。そんな面倒な事はやらないけどね。」「面倒ってお前...」「だって、国を奪っても、統治しないとならないでしょ。誰かがやってくれるのならいいけど、僕は嫌だよ。自分の国を作るのならいいけど・・・。」「・・・・それだ。リン君。君。独立しなよ。」「独立?」「あぁ初代が行った事だけど、幾つかの国から認められて貴族になって、新しい国として建国する。それなら、文句を言われる心配はないよ。」「・・・」「たしか、侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラを攻略するんだよね?」「うん。そのつもりだよ」「それなら好都合だよ。あそこは空白地点で、どの国も領有権を主張できないんだよ。」「できない?」「あぁあの島は上陸がやたら難しい。ほぼ不可能と言ってもいい。海龍シーサーペントの巣窟になっている。上空は飛竜ワイバーンが飛び回っている。良質な宝石や鉱石の宝庫だと言われていて、今まで誰しもが上陸を試みたが成功していない。あの島に上陸して占拠したら、小さや王国の出来上がりだよ。」「へぇそんなんでいいの?」「・・・・君に取ったらその程度なんだろうけどな」「それで上陸した後でどうしたらいいの?」「上陸は問題ないとでもいいたげだな。」「だって、解らないでしょ。どの程度難しいのか、とか・・・・だったら、上陸した後の話を聞いておかないとね。」「そうだな。上陸して、安全が確認できたら、各国の有力者に書簡を出すといい。特に、海に面している、マカ/フランクール/南方連合国サウスワード・コンドミニアム/ヴェスタ/ラグプールとトリーアだね。後は北方連合国ノーザン・コンドミニアムに出しておけばいいだろう。後は、小国だからある程度の賛同が得られた時点で書簡を出せばいいだろう。」「そうなんだ。そんなに難しくなさそうだね。まずは、それを目指してみるよ」「・・・・。まぁリンだからな。ようやく、ルナやアデレード嬢が言っていた意味が解ってきたぞ」「ひどいなお義兄さん。」「お前、殺すぞ。」「まぁまぁハーレイも認めているんだろう。リン君の事は」「・・・・そんな事はない。」
「ねぇローザス。僕が侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラに国を作ったとして、オイゲン達はどうしたらいいの?」「本人たちに任せればいいと思うぞ。俺としては、残ってくれる方が嬉しいけどな。リン君の身分も変わらないで、侯爵の地位は変わらないからね。」「へぇそうなんだ。面倒じゃなきゃいいかな。」「それは大丈夫だとおもうぞ。今王国はマノーラ家の税収をかなり当てにしているからな。面倒だから全部移動なんて言い出さないように特例法でもなんでも施行してでも楽になるようにすると思うからな」「それなら、移動も面倒だし、個々の希望を優先する事にする。」「ハハハ。」「どうした、ハーレイ」「二人の会話がもう侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラを攻略したかのの様になっていたからな。伝説級の魔物の巣窟何だし、いくらリンでも手こずるだろうとは思わないのか?」「どうだろうね。僕一人だったら手こずると思うけど、侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラに行く時には、頼りになる妻達が他の神殿を攻略してパワーアップしていると思うし、楽にとは言わないけど、苦労しないで攻略は出来ると思うよ。」「・・・そうだったな。ルナも神殿を攻略したらニンフの加護を得るんだった。」「うん。どこまでステータスがあがって、どこまで人外になっているか楽しみだね。皆が帰ってくる時には、二人も声かけるからね。」「・・・・。あぁ楽しみにしているよ。」
ローザスとハーレイを食事に誘ったが振られてしまった。この後も用事が有るのだという。
「モルト悪いな。資料無駄になりそうだ」「いえ。構いません。今度は、各王家への書状ですか?」「あぁそうだけど、外交ルートを通さないと問題になるだろう?」「そうですね。とりあえずは、陛下に今までの話を率直に申し上げておくのがよろしいかと思います。」「そうか、解った書状の文面は任せていいか?」「かしこまりました。」
本当に長いな。マヤ達は今頃どうしているのだろう?
◆◇◆◇◆◇◆◇
マヤからの連絡が入ってすぐに、ローザスとハーレイに連絡を入れた。明日の昼にはマノーラ家に行くようにすると言う事だ。
僕は、お風呂の最終チェックを終えて、冷魔庫と温魔庫に、作っていたいろいろな物を入れておいた。気がついてもらえるか解らないが、まぁその時はその時だろう。ローブも人数分用意した、マヤの話だとニンフが全員とハイ・エルフの従者が5名ついてくると言う。ローブを7着とニンフ用にも一応ローブとタオルを用意して、従者にもローブを用意しておいた。
それから、僕にとっては些事なことだが、陛下から返答が来た。トリーア王家としては、侯爵領がそのまま残されるのなら問題ないと言う返答で、侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラ攻略が成った時には、証人になっても良いと言う事だ。
陛下から現在解っている侵入不可能な島ヴァル・デ・ハラの事が書かれた資料も送られてきた。上陸する場所はなく、島の周囲を800m級の山が囲んでいると言う。数カ所に、海龍シーサーペントの巣も確認できている。近くまで行った者の話だと、飛竜ワイバーンも確認できたと言う。島の大きさがよくわからない単位になっているので、帰ってきたらイリメリに教えてもらう事にする。
◆◇◆◇◆◇◆◇
執務室に居るときに『リン。もうすぐ着くよ。どこに降りればいい?』『おかえり。マヤ。裏庭に降りて』『了解。』
ローザスとハーレイはまだ来ていないが、僕は裏庭に急いだ。空を見上げると、認識阻害を切ったグリフォンが羽ばたきながら地上に降りてきた。7匹も並んでいると壮大だななどと思いながら、皆を出迎えた。
「みんな。おかえり。なんか、お土産が有るみたいだけど、まずはお風呂で疲れを取ってきてね。少し、お風呂を改造しておいたから、喜んでもらえると思うよ。」「ただいま。」「リン。ただいま」
一番最初に降りてきたのは、タシアナだ。抱きついてきた。それから、なんだか照れくさそうにミルが降りてきた。後ろからエルフの女の子が続いている。続いて、フェム。アデレード。サリーカ。マヤとイリメリが最後に降りてきた
「イリメリ。お帰り。」「只今。いろいろ話と相談が有るんだけど....」「うん。僕の方もいろいろ有ったからね。でも、まずはお風呂に入ってきて、ご飯を用意させるから、一緒に食事にしよう。そちらのエルフのお嬢さんもよかったらお風呂に入ってきてね。」「・・・・。侯爵様?」「ん?そうだけど?」「ええぇぇ・・・!!もっと偉そうな・・・いや申し訳ありません。わたくし。」「いいよ。挨拶も、後で聞くよ。マヤやミル達とお風呂に入ってきてね。楽しめると思うからね。」「いいのですか?」「マヤ・・・は、もう行ったか、ミル・・・じゃダメかな、アデレード。」「なんじゃ3番目か?」「そう言わないでよ。」「なんじゃ。」「この子達と一緒にお風呂に入ってもらっていいんだよね?」「問題ないぞ。」「それなら、案内よろしくね。僕は、少し執務が残っているから、後で食堂に行くよ。」「あぁ解った。風呂から出て、落ち着いたら、誰かを呼びに行かせればいいんじゃな。」「うん。お願い。2時間はかからないと思うからね。」「あぁ解った。」
マヤ達がお風呂に向かってから1時間位経ってから、「リン様。ローザス様とハーレイ様がご到着されて食堂にお通ししました。」「うん。何か食べるか聞いて出しておいて、僕も後少しで向うから、ね」「かしこまりました」
グリフォン達にも一体一体労をねぎらった「リン様」「何?」「我も、ミル様の眷属になりたいのですがよろしいですか?」「ん?それは、他の4名の様にって事?」「お気づきでしたか?」「うん。本人達から連絡が入ったからね。」「そうでしたか。いえ、そうですね。我も、いや、我達が眷属になる事を希望しております。」「いいよ。僕には、エイダが居るからね。」「ありがとうございます。後日、お願いいたしたく思います。」「うん。そうしてね。丁度、神殿巡りをするからそのときにしてもらおうよ。」「はい。」
グリフォン達は、裏庭で羽を休めるようだ。
僕は、食堂に向かった。ローザスとハーレイが珈琲を飲みながら、サンドウィッチをつまんでいる。「リン君。アデレード達が帰ってきたんだって。」「あぁ。今風呂に入っているから、2時間位は掛かると思うよ」「そうか、それなら丁度良かった。父上からの伝言がある。」「??」「『白金貨が数枚有るようなら、マカ/フランクール/南方連合国サウスワード・コンドミニアム/ヴェスタ/ラグプール/北方連合国ノーザン・コンドミニアム辺りに保証だと言って預ければ話が早くなるぞ』だそうだ。リン君。なければ、王国が貸し付けるぞ」「モルト。」「はい。」「今、白金貨何枚ある?」「使える物ですか?」「そうだ。」「使える物ですと、白金貨では24枚ほどです。預託として預かっている物を入れましたら、43枚です」「はぁ?なんで?」「・・・・」「モルト。ありがとう。それは使っても問題ないんだよな?」「はい。リン様の持ち物をオークションにかけたりして作った物です。」「そうか、案外高くなったな。」「はい。」「リン。何をしたんだ。」「あぁ宰相派の資金源で非合法な組織とかを片っ端から潰して、北方連合国ノーザン・コンドミニアムのオークションや市場に、宰相派の連中が商品を流していたから、同じ商品を奴等よりも安値で大量に出したり、目玉だと出した物よりも良質な物を同じオークションにぶつけたりしただけだよ。あぁ後、行けそうな距離の街で魔核の値段を調整する為に大量に魔核放出しただけだよ。ギルドは関係なくて、全部僕の眷属が持ってきた物だけだよ。あと、鉱石の取引もはじめているからね。町中に良質な金属が増えてきたでしょ?」「・・・あぁぁ。お前の仕業だったんだな。」「仕業なんて、市場に出しているのは鉄だけだよ。石炭とミスリルはまだ出していないよ。」「それだけで、これだけ稼げるのか?」「月に、白金貨4~5枚って所だよ。」「税金払ってだよな?」「勿論だよ。」「そうか、父上が独立を簡単に認めたわけだ。すでに王国の税収を越えているからな。」「一過性の物だよ。しばらくしたら、1/100程度に落ち着くと思うよ。」「それでも、大金貨4~5枚だろ。」「そうだね。でも出て行く金貨も多いんだよ」「学校とかか?」「うん。」「そうか、人数も増えているんだろう?」「そ、ローザスのおかげかな。今は、1,000名を越えているよ。」「そうか」「学校は、将来的に僕の国に移すからね。」「そうだな。そのほうがいいだろうな。」
「モルト。各国に預託する金貨がどの程度がいいのか産出しておいてくれ。できれば、ギルドと両方でって事にしておいてくれれば嬉しい。」「かしこまりました。文面もそれをベースに書いたほうがよろしいですか?」「そうだな。国を作って、そこをギルドの総本山にして、学校国みたいな感じで誰にでも平等に勉強できるチャンスを与えるとかかな。」「かしこまりました。」
「そうだ、リン君。オセロ強いんだって?アデレード来るまでやらない?」「いいですよ?」「ハーレイも付き合うだろ?」「いいだろう。」「リン君。今、ニグラでオセロが大人気なの知ってる?」「へぇそうなんだ。」「あぁルールは単純だけど、奥が深いそうだからね。」「そうですね。ハーレイは、今22連勝中なんだよ?」「ローザス違う。今は29連勝中だ。リンに勝って30連勝になる」「だそうだよ。」「そうなんですね。いいですよ。」「製作者だが、俺の方が強いからな。」「はいはい。やってみればわかりますよ。」
部屋を遊技場に移して、オセロをやる事になった。まずは、ローザスと僕がやる事にした。ローザスが黒で初めた、結果は8枚残しで僕の勝ち。途中全滅の目も見えたがあえてそこは残す事にした。
その後に、ハーレイとの勝負を行う。まぁ確かにうまいが強くない。いろいろ考えているがまだ甘い。AI対戦ながら最強と言われるオセロゲームで連勝できる僕の相手ではない。ただ、ハーレイには手を抜かない。序盤はいい戦いの様に見えたが、中盤からハーレイの顔色が変わってくる。うまいので、読めるのだろう。このまま行けば負ける事が。だが、その読みも甘い。完全勝利をおさめる筋道が見えている。後は、そこに置いていくだけでいい。そして、ハーレイを完全勝利で負かした。やはりと言うか、白黒逆転してやるといい出した。そちらでも完全勝利をおさめる。無様だったが、途中で置く場所がなくなると言う手段しか使えなかったのが心残りだ。そして、気がつけば、オセロじゃなくてダーツが得意だといい出して、ダーツで勝負するも、僕の勝ち。ビリヤードでも結果は同じだ。日本でお一人様でやっていただけ有る。それに、身体は日本のときよりも思い通りに動く。魔法特性を使わないでも十分な位だ。
そして、遊技場の入り口から「ハー兄様。いい加減にしたほうがいいよ。私達でもリンには勝てないんだから....」

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