【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

幕間 ドリュアス神殿攻略

ネレーシスはツンデレで間違いなさそうだ。いっときもサリーカから離れようとしない。お風呂に入る時も一緒に入ると言って今お風呂に入っている。わざわざヒト型になってお風呂に入っている。そう言えば、ランパスもお風呂にもついてくる。トイレにも着いてこようとしてそれは辞めてもらった。流石に恥ずかしい。
「ねぇマヤ。ニンフ達ってこんなに甘えるのが普通なの?」「どうなのかな?寂しがり屋なのは間違いないよ。じゃなければ、管理層から出て着いてこようなんて思わないでしょ」「そうだけど....今はいいけど、マノーラの屋敷に戻ったときはどうするの?」「いいんじゃない。一緒に寝るか個別の部屋で寝てもらえば?」「一緒に寝るって、リンも居るんだよ?」「そうだけど?」「何、その何か問題でもって感じの返答は?貴女は平気なの?」「う~ん。平気かな?だって、ニンフって加護を与えた人と一心同体になるからね。相手が女性だとね。私の様に、相手がリンだと、リンが上位者になってしまって、感覚同調とかはできないんだよね。」「へ?初めて聞いたよ。」「うん。初めて話したと思うよ。」「・・・・。えぇぇぇ。それじゃ、私がダメージ受けたら、ランパスも痛みを伴うの?」「そうだよ。逆も同じだから、僕は、イリメリ達が戦っている時に、常にニンフ達を防御結界で守って居るんだよ?気が付かなかった?」「あぁそうだったんだね。ありがとう。マヤ。」「いえいえ」「それって....痛みだけじゃないよね?」「うん。勿論。」「・・・・・。」「そうだね。だから、一緒に寝ても平気かなってね。それに、ニンフが実際に子供産めるかもわからないからね。私は、多分産めると思うけどね。ヒト族に憑依した形になっているから!」「あぁそれで、ひどく独りになるのを怖がったり、知らない所で死なれるのが嫌なんだね。」「うん。」
すべてが納得できた。そんなに簡単に加護しなければいいんだろけど、独りで居るのには寂しすぎるんのだろう。
「まぁマヤ。この話は...」「いいよ。そんなに難しい話でもないし、皆そのくらいじゃ加護を諦めるなんて言い出さないでしょ」「そうだね。私もだけど、そんな気持ちにはならないから大丈夫だよ。」「他のニンフ達にも言ってあるから大丈夫だよ。」「了解だよ。何かのときに話をするよ。」「うん。」
サリーカがお風呂から出てきて、獣魔の眷属化をネレーシスにお願いした。ネレーシスが了承して
「コルドバ。シャナナ。シャイーラ。シュリアム。サリーカ・セトラスに忠誠を誓いない。」「「「「はっ我等は、サリーカ・セトラスに忠誠を誓います」」」」
名前:サリーカ・セトラス(33)真命:サリーカ・セトラスジョブ:風来師体力:1,780(+1,900)魔力:1,590(+2,350)腕力:990(+730)敏捷性:920(+1,700)魅力:60古代魔法:時空魔法(1)、結界魔法(1)、召喚魔法(2)、飛翔魔法(1)古代魔法:精霊魔法(1)、幻惑魔法(1)、隷属魔法(2)、自然魔法(1)魔法:赤(9+1)、灰(6)、黒(3)、白(5)スキル:隠蔽、詠唱破棄、集団強化スキル:肉体強化、精神強化、絶対嗅覚、絶対聴覚スキル:事象改竄、毒物生成、魔法生成スキル:短剣武技、短弓武技、属性付与ユニークスキル:価値鑑定エクストラスキル:絶対感染パンデミックエクストラスキル:完全鑑定アプレイザルエクストラスキル:神殿管理(2)管理:マガラ神殿管理:ネレーシス神殿
サリーカのステータスを確認すると、なんかとんでもない文字が見える。
「サリーカ。スキルの絶対感染パンデミックってどんなスキルなの?」「ん?鑑定するとね。『毒物への感染を行ったときに、その感染者の周りにも影響させることができる』って事みたい」「あぁまさにパンデミックだね。でも、これで、サリーカも人外だね。」
「サリーカ。これから一緒だよ。」「うん。ネレーシスとも一緒にいられるね。」「おぉぉ」ネレーシスが照れ隠しなのか、横を向いてしまっている。
「マヤ。次は?」「ドリュアスだよ。やっぱり、2日位の距離だよ」「それじゃ明日の朝出発でいいんだよね」「そうだね。予定よりは早いからゆっくりしてもいいんだけどね」「ううん。早く帰れればその方がいいからね」「それでも、明後日にしよう。明日は、休養と補充に時間を使おう。」
今日は、武器の損傷はないし、魔物との戦闘はなかったが、休養する事になった。補充も森の中で木の実を採取するのがメインになる。確かに、肉だけでは胃が疲れてしまう。持ってきた米ももう残り少なくなっている。野菜も多めに持ってきたが、食べなくてもいいはずのニンフ達も食事に参加するので、野菜の在庫も怪しくなってきている。食事が楽しくなるからそれはそれでいいのだけれどお、そのためにも補充をしておこうと言う事になった。
翌朝起きて、眷属を連れて、私は木の実探しに出た。マヤとタシアナとフェムは、近くに人里がありそうだったから、そこに野菜を買いに行く事にした。
マヤ達は無事に大量の野菜を買ってきた、魔物の肉と交換してきたんだと言う。魔法の修行に来ていると言う事で話を通したらしい。かなり村に都合がいい交換だったために、あまり込み入った事は詮索されなかったんだと言う。村を出るときに、数人の男衆が襲ってきたけど、獣魔に返り討ちにして貰って、木に逆さ吊りにしてきたと言う。やはり、女の子だけの集団は甘く見られやすいのだろう。帰ったらリンに相談しよう。
木の実の方も沢山集まった。元々、魔物が多く生息している森だったので人は入ってこないようだ。
補充も十分にできたので、明日の朝にドリュアス神殿に向けて出発する事になった。
いつもの様に、飛び立ってマヤの予定通り、2日で到着した。森林の中に大きな木が一本立っている。その幹の中腹辺りに入り口があるのだと言う。
今日は、幹から少し離れた所に家を展開して休む事にした。「ねぇランパス。ドリュアスってどういうニンフなの?」「どういうとは?」「う~ん。木の精だって事は知っているけど、どんな形なのかなって思ってね。」「あぁ我が梟形態な様に、何形態かって事なら、確か兎形態だったとおもいますよ。なぁそうだよな。」「俺が覚えているのも兎だったぞ」「そうなんだ。それなら余計にタシアナにはいいのかも知れないね。」「うん。イリメリ。私がどうしたって?あ、お風呂空いたよ。あと、イリメリだけだよ。」「解った、もう少ししたら入るよ。ありがとう。あぁそれでね。ドリュアスが兎形態だって話をしていたんだよ」「へぇ兎なんだ!!」「そ、タシアナと所の子も兎系の獣魔だったよね。」「そ!」「それなら良かったね。」「うん。でも、また美人さんなんだろうな....。」「うん。ずるいくらいに美人だと思うよ。」「まぁ考えてもしょうがないか!会った時のお楽しみって事にするよ。」「そうだね。」「あっイリメリでお風呂最後だからね。」「了解。ありがとう。おやすみ。タシアナ。」「うん。おやすみ。」
お風呂に向うと、ランパスもしっかり付いてきて、脱衣所で私が脱ぐと、ランパスもヒト型になった。二人でお風呂に入る。最初は抵抗があったが今では気にならなくなってしまった。それよりも、ランパスとの強い繋がりを感じる。お互いに背中を洗い合って向かい合って湯船に浸かる。少し狭いが二人ならなんとかなる。リンも一人で入ると思ってこのサイズにしていたのだろうけど、今度作る時には、二人で入れるサイズにしてもらわないとな。マノーラの屋敷のお風呂も大きくしてくれるかな?ランパスに、リン=フリークスってどんな人なのって聞かれたが、パスがつながっているからなのか、ランパスもリンの事が気になってしょうがないようだ。会えば解ると言っているが、マヤとかから聞いている限りでは、かなりの人物ではないかと思われているようだ。ぶっ飛んでいるけど、実際贔屓目なしで見た時には、どうなんだろう?十分いい男だと思うんだけどな。そして、お風呂から出て、身体を拭くと、ランパスは梟形態に戻って私の肩に止まる。ガウンだけを来て寝室に向うと皆もう寝てしまっているようだ。私もガウンを脱いで布団に潜り込む。ランパスは枕元に座して寝てしまった。
布団に入って目を閉じた。
「イリメリ。朝だよ。ご飯にしよ」ランパスに起こされた。勝手に食べてに行ってもいいと言っているのに。ランパスは、私を起こしてから食堂に行く事にしているらしい。「うん。おはよう。ちょっと待って着替えるからね。」「うん!」
食堂では、各々食事をしている。私が座る場所も決まっている。ニンフ達もそれぞれの場所でくつろいでいる。
「さて、食事を取ったら行きますか。」「おぉ!」
ドリュアス神殿の攻略に向う。まずは、グリフォンに言って、幹の中腹にある入口まで運んでもらう。幹がそのまま神殿の様になっている。入り口は、アリスが迷い込むような形状になっている。中に入ると、転移門トランスポートが置かれていた。迷わず入ると、そこはドアが一つだけある部屋になっていた。
「ミル。どう思う?」「ドアの向こうからは気配を感じるけど、ニンフじゃないね。」「開けないと進まないし、ドアを開けよう」「そうだね。」
ドアを開けると、そこは、マガラ神殿の地下一階と同じような光景が広がっていた。魔物の気配はあるが、こちらを伺っているのか近づいてこない。地下に降りる階段から転移門トランスポートを探す。ミルの見立てでは、この階にはニンフはいないと言う事だ。
戦闘がないまま階層の探索を行う。ニアミスは何度かあったが、無理に追わないで居ると、魔物から逃げてくれる。戦闘がないまま下層に降りる階段を発見した。そこは、小屋の様な物で覆われていた。下層に降りると同じような世界が広がっていた。ここにも魔物は生息しているが、戦う必要はなさそうだ。第一層での探索に時間を取られてしまった為に、二層目の探索は後日に持ち越す事になった。襲ってこないとは思うが今日は順番で見張りに付くことにした。私は一番最初にしてもらった。二人づつで3時間の見張りに付く12時間の休憩を取る事になる。それぞれが仮眠になってしまうが戦っていない現状からは十分だと言える。
ミルとルナが調べてみるが、下層への階段や小屋を発見できないでいる。もしかしたら、阻害されているのかも知れないと言う事だ。二日目の夕方に、下層に行く階段を発見した。三階層に降りてみる。そこも同じ作りになっていたが、ミルとルナの見解で、魔物は居ないと言う。広いだけの草原を探し歩くので時間だけが取られてしまう。それでも、4階層・5階層と進んでいく。6階層目に入ると地形に変化が現れた。石畳が整備されていた、そのまま石畳を進むと、7階層に行く事ができた。7階層・8階層と同じ作りになっている。
9階層にたどり着いた。ここまでですでに神殿に入ってから7日が経過しているが、その間戦闘は一度もしていない。9階層はガラッと雰囲気が変わった。ダンジョンと言うべき迷宮になっている。魔物の徘徊もあるようだ。
「ミル。ルナ。どんな感じなの?」「ヤバそうな雰囲気はないけど、多分戦闘になると思う。」「了解。先頭は私、タシアナとフェムは私の後ろに、ミルとルナで二列目をマヤは3列目でニンフ達と一緒に、後方をサリーカとアデレードで」「了解。」「いくよ。」
魔物が襲ってくるようになった。レベルは20前後。虫系の魔物が出てくるようだ。やばかったのが、G系の魔虫が出た時には、前線は崩壊、ミルが気絶寸前に追い込まれた。救ったのは、アデレードだ。彼女だけGに耐性があったのだ。手のひらサイズの奴に魔法を放って、そこに弓矢で攻撃をした。死んだ所を回収しないで、ミルとルナが消毒でもするように燃やした。誰もそれに文句を言わなかった。
ワーム系も気持ち悪いには違いはないがやつに比べたら大丈夫だ。きっちり盾で防いで、フェムとタシアナが倒していく。
何度目かの戦闘後に開けた場所にたどり着いた。エリアボスでも居るのかと思ったが、そうではなく安全地帯の様だ。後退で見張りをしながら休憩を取ることになった。
やつは置いておくとして、蜘蛛。蟻。蜻蛉。甲虫。鍬形。蝉。蝶。蜂。蟷螂。蛾。結構な種類が居た。マガラ神殿の上層階でもこれだけの種類が居なかった。この階層をクリアしない事には意味はない。まずは、階層を踏破する事を考える事にした。
お風呂に入って仮眠を取ってスッキリした状態で、攻略を開始した。9層の攻略を再開した。
ボス部屋もなくすんなりと下層への階段が見つかった。10階層も同じ様な作りになっている。魔物のレベルが少しだけあがっているようだが、対処が解ってきた為に、さっきよりは楽に戦えるようになっている。11階層・12階層・13階層・14階層・15階層と仮眠を取りながら踏破している。全部、魔虫で構成されていた。かなりの数の魔虫を倒してきた。単体では出てこないために、素材だけでもかなりの数になってきている。魔核も小さいながらも確保できている。多分、2,000や3,000位は倒していると思う。魔虫が、日本の虫と比べて大型と言っても、15cm位で大きくても30cm程度でオーバーキルになりやすい。素材の意味ではもったいないと言う事で、探索が多少遅くなってもいいから、リンの為に新しい素材と意味でも、なるべく傷をつけない状態で倒す事にしている。赤魔法で冷却させた、黒魔法で水攻めにしたりと言った感じだ。
15階層で、下層に繋がる階段を発見した。16階層を覗いてから考える事にして、下層に降りた。そこは、今までと違って部屋が一つ用意されている。奥に続くドアがあり、明らかに今までの雰囲気と違う事からボス部屋だろうと判断した。ミルとルナの見解も同じだ。ドリュアス神殿に入ってからすでに3週間近くが経過している。食べ物や飲み物に関しては、これが後1年続いても問題になる事はないだろう。
アデレードが「マヤ。戦闘中に結界を張っているようだが何故じゃ?」「ん。ニンフ達を守っているんだよ。」「それほど弱くはないと思うのだが....」「うん。戦闘能力って意味はそうだね。でも、一つ問題が有ってね。」「なんだ?妾が聞いても問題ない事なのか?」「うん。丁度いいから、他の人にも聞いてもらおう。アデレード。悪いけど、皆を集めてもらえる?」「あぁわかった。」
「マヤ。説明は、私がする?」「ううん。僕が説明するよ。」
しばらくしたら、皆が集まってきた。
「もしかしたら、ミルやルナやサリーカは気がついているのかも知れないけど、ニンフの加護を得て繋がりが強くなっているんだよ。」「・・・」「マヤ。それがなんだ?当然じゃないのか?」「うん。アデレード。そうなんだよ。僕とリンの様にヒト族の男性に加護を与えるのと違って、女性への加護を与えると、感覚同調が発生してしまう状態なんだよ。」「感覚同調?」「あぁそういう事....」「なるほどね。」「そうなんだよ。だから、ミルやルナやサリーカやイリメリは、リンよりも少ない眷属でも多くの古代魔法やスキルを得ているんだよ。」「・・・」「マヤ。それで感覚同調ってなんじゃ?」「あぁごめん。そうだね。ナパイアちょっといい?」「なに?」
ナパイヤが、ミルの膝の上から飛び上がって、マヤの方に向かった。そして、マヤはナパイアの顎の下をティロティロと触っている。
「マヤ!」「あぁそういう事なんじゃな。」「そ。感覚が同調しているから、くすぐったい や 痛いが伝わってしまうんだよ。ヒト型になっていれば、弱まるみたいだけど、今の段階ではヒト型で過ごすのは難しいでしょ?」「あぁそうだな。防具はあるし下着類もあるけど....確かに、それに、ヒト型の状態では魔力を使うんじゃったよな?」「うん。そうだけど、ナパイアなんかは、ミルとの同調がかなり進んでいるから、ヒト型でも疲れないんじゃない?」「ぼく?そうだね。ヒト型でも大丈夫だよ。それに、下着とか服はミルのを借りればいいかなって思うんだけど、ミルがダメって言うんだよね。マガラ神殿に戻ったら買いに行くってね。」そう言って、ナパイヤはヒト型になった。どことなくミルに似ている。サイズを一回り小さくした感じのためい、二人で居ると仲がいい姉妹に見えるだろう。
「他のニンフ達も徐々になれてきているし、そうなったら大丈夫だと思うけど、それまでは感覚同調が切れないから、僕が防御結界で守っているんだよ」「ほぉ・・・。そういう事情があったんじゃな」「うん。ニンフ達も戦えばいいんだけど、ニンフがダメージをおった時に、加護者がそれで対応がおくれたら困るでしょだからだよ。」「事情は了解した。それなら無理に着いてこなくても良かったんじゃないのか?」「ううん。やっぱり、僕達がついて行った方が話が早いからね。」「あぁそうか。」
「それで、イリメリ。どうする?」「どうするとは?」「ボス部屋みたいだけど、仮眠取ってから突入するか?」「アデレードはどうおもう?」「そうじゃな。妾がまだそんなに疲れていないということは、人外は大丈夫だろう。マヤが大丈夫なら、早々にボスを倒してしまおうか?」「なんか、ひどい言われようだけど、僕もそれに賛成かな。」「大丈夫。私と違って、ミルは最初から人外だったから、私もアデレードの意見に賛成。かなり長いこと神殿に入っているからそろそろ決着を付けたい!」「そうだね。それじゃ今回も順番に仮眠を取ってから突入しましょう。今回は、私とミルとルナが前線で、フェムとサリーカはマヤ達を守って、アデレードとタシアナは後方で支援をお願い。」
それから、順番にお風呂に入って仮眠を取った。
ボス部屋に突入した。そこには、今までの魔虫と違って、一回りから二回り程度大きな物達で構成されていた。そして、一番奥にそれよりも二回り以上大きな雌雄の鍬形が鎮座している。あればボスなんだろう。数は、全部でも500に満たない程度。力押しでなんとかなるかもしれない。
「アデレード。全体の指揮をお願い。前線は私とルナで支える。ミルは、状況を見ながらアデレードの指揮に従って、フェムとタシアナは、マヤ達をお願い。サリーカ。後方からの支援よろしく。行くわよ!」「おぉ!!」
戦い方はいつもと同じ、私が盾で防いでいる最中に、ルナとミルが魔虫を倒していく。後方からサリーカの弓矢で数を減らしていく。アデレードが全体を見ながら、どちらの方向から来ているのかを指示してくれる。
最後に残った鍬形をミルが一閃倒した。宝箱が現れて、いつものように下層への階段が出現した。
そのまま下層に向うと、草原に戻っていた。違うのは、下りた先でエルフ族が出迎えていた事だ。
「ようこそ。アルセイド様。ナパイア様。オレアード様。ランパス様。ネレーシス様。それに勇敢なヒト族の少女達よ。話が主、ドリュアス様がお待ちです。」「???」「ねぇマヤどういう事?」「僕に聞かれても・・・。」「ヒト族の少女よ。大丈夫です。ドリュアス様の加護は、この里の者は受けておりませぬ。」「余計にわからないんだけど?」「ドリュアス様からご説明するそうです。どうぞこちらへ....。」
大樹まで案内された。大樹の前には、神殿なのだろうか、社が組まれていて、そこには、可愛らしい兎が一匹ちょこんと座っている。
「ありがとう。お前たちはさがってよい。また後で呼び出すから、それまで宴の準備をしておいて欲しい。」「ドリュアス様。解りました。」「うん。今宵は我達が待ちに待ったときだからな。」「はっ盛大にお祝い致します」「うむ。任せる。わしも楽しみにしているからな」
エルフたちがさがって、社の扉が閉まると、「久しいな。アルセイド。ナパイア。オレアード。ランパス。ネレーシス。あぁ今のアルセイドは初めてじゃったな?」「そうだね。知識としてはあるけど、会うのは初めてだね。それから、僕の事は、アルセイドではなくて、マヤと呼んで。」「解った。それで、わしの加護を受けるのは誰なんじゃ。」
タシアナが一歩前に出て「私です。タシアナ=エルンスト・ブラウンです。ドリュアス様。よろしくお願いいたします。」「タシアナか、それから、他の者も言っているであろうが、わしの事は、ドリュアスと呼んで欲しい。これから、永き時を過ごすのじゃ畏まられても息が詰まってしまう。」「解りました。ドリュアス。」「友として接してくれんか?」「わかった。これでいい?ドリュアス。」「タシアナ。これからよろしくなのじゃ加護を与えるぞ。説明はもう必要ないだろう?」「うん。大丈夫。ドリュアスと一緒に永き時をリンや皆と過ごす。」
『我。木を司るニンフ。ドリュアスなり。汝、タシアナ=エルンスト・ブラウンの守護者とならん』『私は、タシアナ=エルンスト・ブラウン。ドリュアスの加護をお受けいたします。』
「タシアナ。それで、獣魔達は?」「バンゲン。ゼフリン。クロネカ。ハルシュナ。」「お前たちもいいんだな?」「「「「はっ我達は、タシアナ様に従いたく思っております」」」」
「バンゲン。ゼフリン。クロネカ。ハルシュナ。タシアナ=エルンスト・ブラウンに忠誠を誓いない。」「「「「はっ我等は、タシアナ=エルンスト・ブラウンに忠誠を誓います」」」」
タシアナは加護を得て獣魔を眷属にする事ができた。
「それで、ドリュアス。さっきのエルフたちはどういう事?」「それは・・・。」「保護を求めてきたんじゃろ?」「ん?どういう事?」「この神殿に入る前に、幾つかの村を上空から見たときに、パーティアック教の神殿様式が見えたのでな。」「パーティアック教?」「あぁ古い宗教でな。ヒト族以外は魔物と定義して迫害しているんじゃよ。勿論、エルフ族もな。」「それで、エルフ達はドリュアスに庇護を求めてきたんじゃな。」「そうだね。もうかれこれ数百年前だね。それから、外の雰囲気は変わったけど、ここでの暮らしに慣れてしまった彼らはここに残る事にしたんだよ。」「そうだったんだね。それじゃ私が管理者になると困るんじゃないの?」「あぁそれを含めて、おぬしらと話がしたいから宴の準備をさせておるのじゃ」「・・・?」
「ドリュアス様。いかがでしょうか?」「ん。いいぞ。」「宴の準備が整いました。」
「さぁタシアナ。皆も一緒に来てくれ。彼らの代表を紹介する。」

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