【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

僕の生きる場所

今日もダンジョンに入ってい見た。印象的には、魔物は増えていないと思う。狩った分だけ減っている印象はあるが、ある一定数以下にはなっていない印象もある。明日は、何も無ければ2階から25階までを踏破するようにしよう。安全地帯の設置も行っておこう。
25階に到達したので、今日はそのまま屋敷に変える事にした。魔物の素材は、明日にでもギルドに持っていけばいいだろう?
屋敷に着いて、風呂に向かおうとした。「ねぇリン。」「なに?ルナ。」「あのね。ダンジョンに潜って帰って来て、お風呂で汚れを落とすのが決まりみたいになっているわよね?」「そうだね。」「大浴場の横にプールみたいな施設作らない?」「あぁ汚れを落とすだけの施設みたいな感じ?」「そう、それもあるんだけどね。ハー兄様が連れてきた貴族連中が、侯爵の事をお風呂好きの侯爵って言っているみたいなんだよね?」「へぇそうなんだぁまぁ確かに、ギルドにもお風呂はあるし、ラーロさん所にも作ったし、学校にもあるし、スパもあるからね」「うん。それで、この屋敷にないと変に勘ぐる貴族も出てくるかもしれない・・・よ。」「あぁこの屋敷はダミーだって感じで?」「そう、だから、お風呂とは言わないまでも、スパみたいに水着で入れる場所を作っておくのは必要だと思うんだよね」「へぇそうなんだね。それなら、男子トイレの横の通路から裏庭に抜ける道を作って、そこにプールを作ってみるよ。」「うん。」「ミルとルナも手伝って。」「「了解」」
プールなら手慣れた物だ....少しだけ凝ってみよう。外側を水が流れている。所謂流れるプールチックにした。そして内側を波のプールにして、砂浜を作成した。シャワー施設と更衣室を設置した。うん。満足!!
「リン?何を作ったの?」いつの間にか現れていたアデレードだ。
「いや....汗を流すプールが欲しいって言われて....あれ?ルナとミルが居ない?」「・・・・さぁ?ルナとミルなら、さっきイリメリに捕まって連れて行かれたわよ。」「あ....。ほら、アデレード。楽しそうでしょ。それに、ダンジョンから返ってきたら軽く汗流してからの方がいろいろいいでしょ?」「そうですわね。」「ほら、だったら....」「それだけのことをするのに、なんで水が流れたり、波が立つ必要があるの?」「いや、そのほうが楽しそうだったから....ダメ?」「はぁもういいですわよ。皆が”リンだから”って言葉がよくわかりますわ。」「そんなぁ....あぁそれよりも、みんな食堂に集まっていますわよ」「あぁありがとう。一緒に行こう。」「えぇもちろん。」
アデレードに手を握られて立ち上がって、そのまま手を繋いで食堂に向かった。
食堂には、マヤを除く全員が揃っていた。ミルとルナは複雑な表情を浮かべていた。
「リ・ン・く・ん。プールが必要な理由は、皆納得できたわよ。でも、そのプールが流れるプールや波のプールである理由は、理解できる理由が有るんですよね?」「イリメリさん。ごめんなさい。僕が皆と入ったら楽しそうだなと思って作ってしまいました。だから、ミルとルナは許してあげて欲しい。」「はぁ.....そんな事だと思っていましたよ。」「・・・。」「眷属達は裏庭が狭くなっても大丈夫なのですか?」「うん。普段は表にもでてきているし、寝床としての裏庭を使っているだけだから大丈夫だよ。」「そう....それならいいんだけど....」
「ねぇ食事にしない?僕お腹空いちゃったよ」「そうね。それなら、リンも席に座らないと、オージュ達が困ってしまうよ。」「うん。」
食事をしながら、今日の報告会を行った。僕は、監獄を作ってきた事とギルド本部でウォード家を味方に引き入れた事を説明した。
監獄に関しては、中で自治を認めるが、行き過ぎた場合には制裁を加える。まずは、紙6,000枚を三日後までに作らせる様にした。ウォード家は流れで、マルティン嬢とルシンダ婦人を護衛する事になったことを継げた。陰に潜る必要もなく、立花達や宰相派との戦闘が始まったら、即座にマガラ神殿に逃がす為の準備なので、眷属が順番に警護すればいいだけだろう。
僕の方はそんな所だと思う。ダンジョンに関しては、ミルとルナが報告している。ギルドで訓練しているエルフ達も覚えがいいので、1週間もすれば物になりそうだと言う事だったので、ダンジョンのオープン日を一週間後に決めた。イリメリとフェムで調整しながら動くと言う事が決まった。
サリーカからの報告で、少し地方や辺境の方でおかしな状況になっているから調べてみたいと言う話が来た。丁度良かったので、諜報活動を行う部署を作ろうと思うがどうか?と言う話しになった。当初、サリーカは商人の取りまとめを行う予定だったが、イリメリとフェムが商人との間に入ってうまく廻っている事や、ナナがマガラ神殿をまとめてくれているので、それほど手間ではなくなって、従魔に鑑定のスキルをレンタルする事で、イリメリとフェムの従魔が買い取りができるようになってきている。サリーカが改めて諜報活動に付くことになった。サリーカには、コボルトから、ハイ・コボルトやレイザ・コボルトに進化して、隠密行動に優れた個体も現れている。全員に透明化インビシブルと陰移動と念話の能力を付与した。これでより一掃隠密行動が取りやすくなるだろう。一対になっている、キング・コボルトとクイーン・コボルトに引き合わせて、これからの諜報活動を行う方法を考えてもらう。
タシアナには、アルマールやフレットやカルーネにも伝言をお願いしていた。MOTEGI商会を立ち上げる時に、目玉になりそうな商品を作ってもらう。一点ものは、マノーラ家の遊技場や王家やミヤナック家に設置する事になる。それらを模写した物を、ゴブリンから進化したホブゴブリンやゴブリナ達が作成している。それらをMOTEGI商会で売っていく事になる。売れ行き次第では、監獄でに作らせる事になった。まずは、エレベータは、王家とミヤナック家に設置する事が決まった。準備が整い次第作業を行う。遊具としては、ビリヤード。ダーツ。トランプとトランプ台。オセロ。僕考案の軍人将棋が作られる事になった。将棋とチェスと囲碁はルールが複雑になるので、軍人将棋の売れ行きを見てと言う事になった。これらは、マノーラ家の遊技場とマガラ神殿の地下三階とギルド本部と、監獄に置くことにした。商品化は、僕ら以外の意見を聞いてからにする。
あと、タシアナから報告があがってきて、アルマールが女性向けの下着を何着が作ったから試着して欲しいと言う事だ。これは女性陣に任せる事にする。僕に意見を求められても困ってしまう。
イリメリとフェムからは、ギルドへの登録状況の報告がされた。マノーラ家として、僕がグランドマスターになる事が正式に発表されてからにはなるが関わっていく事には違いはない。ギルドには、やはりと言うか予想通り、商人が先に登録数を伸ばしている。同時に、貴族からの問い合わせも入るようになっている。一番多い貴族からの問い合わせは、ローザス殿下への執成しができるのかと言う事だが、これに関しては、出来ないが、パーティなどでローザス殿下に会う機会は増えるかもしれないと言う事にしているらしい。あと、ミヤナック家から商会された男爵や子爵が登録と領内への転移門トランスポート設置の依頼が来ている。今まとめているので、そのうち一気にやる必要が出てくるだろうと言う事だ。まだ、ギルド支部の設置にはまだ消極的だが、明日フレットが教会関係者とマガラ支部を訪れて話をする事で変わるかもしれないと言う事だ。教会側はかなり乗り気で、マガラ神殿ないの教会がかなりの物だったようで、それに見合う司祭を送る事を約束してくれた。領内にギルド支部がある村には、教会をギルド資本で建設することになりそうだと言う。当初は、初期メンバーが支部の受付業務を行う事になるが、現地採用を目指す事になる。ニグラでの教育制度を掲げた事で、かなりの人数が来る事が予測されると言う事だ。この当たりは、イリメリとフェムがうまくさばいてくれると思う。
最後に、アデレードからの報告だローザスとハーレイと話をしてきたと言う事だ。まずは、昨日の出来事の顛末を説明して概ねOKを貰ったと言う事だ。それから、ウォード家からローザスにも連絡が入って、ギルドに協力したい旨言われたようで、まずは、ローザスを交えて、何を行うのかを話す事になった。次に、ギルドの値段は「金貨2枚。それ以上は受け取らないし、まけられないと言う事だ。」「どうする。リン?」「うん。解った。金貨二枚分を銀貨で用意するよ。重くなってしまうから魔法の袋マジックポーチで持っていこう、勿論、魔法の袋マジックポーチは袋だから、そのままローザスにプレゼントしても問題ないだろう。ね。」「・・・・ハハハ。お兄様が手の上で転がされるのを聞くのは楽しいな。その役目は私にさせてくれ。リン。」「勿論。そのつもりだよ。アデレードが、袋に入れた銀貨2,000枚を運んでくれ。」「了解。クックク。お兄様の顔が楽しみだ。」「うん。認証は付けないでおくから、もし、認証を付けたければ、賤貨5枚で引き受けると言っておいてくれ。」「あぁ了解だよ。明日が楽しみだ。」
「あぁそれで、アデレード。MOTEGI商会の許可は貰えた?」「あぁ忘れていた。すぐに発行してもらってきたぞ。本店は、ギルド本部の横でいいんだよな。あと、支店を出す時には、各領主の判断で出せる商店にしてもらったぞ。」「おぉありがとう。早速に、本店を作りに行かないとね。夜中にこっそり作って置くか。MOTEGI商会はなぞの商会で、ギルドに委託販売をするって設定だから、僕の家の印章を刻印して販売するのがいいんだろうな。」「えぇそうね。売るのは、あくまでギルドで、MOTEGI商会は、発案と商品開発だけをしていると言う体裁の方が楽に動けると思うわよ。」「そうなると、MOTEGI商会の部屋は会長の部屋と商品のサンプルを並べる部屋と商談の部屋と言う感じでいいのかな?客には、ギルドでお買い求め出来ますと言う感じにすればいいんだよね?」「そうね。商談の部屋もいらないと思うわよ。それこそ、会長の部屋だけを作って、開店休業状態にしておけばいいんじゃない。店番を一人置いて、会長を訪ねてくる人間には、会長はどこに居るか解らないと言ってもらっていればいいんだからね。」「うん。それで行こう。開発者 MOTEGI商会 販売委託先 マノーラ家 販売 ギルド って感じにすればいいんだね。」
「それでいつから売り始める?」「そうだね。建物だけは先に作っておいて、販売は1週間位後でいいと思う。そのくらいになれば商品の量産も出来ているだろうからね」
各自の報告が終わって、デザートになってきた時に、「ねぇイリメリ。デザートってなんとかならない?」「なんとかって具体的には?」「なんていいうか、もっとガツンと甘い物が食べたかったり、ケーキみたいな物が食べたいなって思ったりね。」「う~ん。正直、今そこまで手が廻ってない。それこそ、本当に茂手木君が見つかってから考えない?」「そうだよね。ごめん。果実や作物を作るだけなら、エントにお願いすればなるかなって思ったんだよね。似たような植物を探して栽培させればいいかなぁとかね。」「あっ!リン。それなら、エント達に言って、地下二階で実験農場を作っているから品種改良を含めてやらない?」「あぁいいね。僕のスキルを使えば、確定変化ができるかも知れないからね。1代目だけど品種改良が出来れば、その後はそこから頑張ればできるかも知れないからね。それに、ドライアドもいるから作物促進ができるみたいだからね。明日にでも、サラナとウーレンに会って聞いてみるよ」
明日の事を少し話して、今日はもう休む事になった。お風呂に入ってもいいし、プールを楽しんできてもよいと言う事になったが、僕はお風呂に向かった。滑り台を降りて、身体を洗って、同じコースでサウナに入って、クールサウナで冷却してから、寝湯に向かった。結局プールに向かったサリーカとアデレードとタシアナもお風呂に入ってきた。温まってから寝る事にしたらしい。
フェムが珍しく寝湯にやってきた。僕の隣に寝っ転がる。「ねぇリン。」「何?」「大丈夫なんだよね?」「さぁわからないけど、大丈夫なように準備をしていないとね。」「そうだよね。」「うん。それに、情報が少ないからね。サリーカに期待だね。アッシュの情報網も使えるから、そのあたりの情報を併せて分析をしてみたいとだね」「うん。なんかね。」「うん。」「すごく不思議な感じなんだよね。」「何が?」「日本に居たときも充実した日々を過ごしていたっと思うけど、なんかこっちでの生活の方が楽しいんだよ。」「僕もだよ。こんなかわいい奥さんを沢山もらえるんだからね。日本じゃ考えられないよ」「バカ・・・そうじゃなくてね」「うん。解るよ。僕も、こっちの世界は本当に死と隣合わせだけど、なんて言っていいのかな....そう、生きているって感じがするんだよね。」「そうね。」「日本でも生きては居たけど、生かされているって感じがしたし、自分が主体で動いては居なかったんだろうね」「うん。本当にそう思う。」「今なら、リンがこっちに残りたいって言う気持ちは理解できるよ。私も、日本の両親や友達の.....ごめん。」「いいよ。多分、僕も状況が許しているから、はっきり言えているだけだからね。きっと立場が違ったら別の考えになっていたと思うからね。」「そうね。今頃、日本の私の身体どうなっているんだろう?」「・・・アドラが言うには、集中治療室に居る事になっているんだろうね。意識不明の重体みたいな感じなんだろうね。」「うん。植物人間みたいになっているのかな?なんかやだなぁ」
ん?植物人間。確かにそうだな。僕と言う意識はここにいるんだから、向こうに有るはずがない。でも、アドラは言っていたよな。『異世界の君は消える事は無いよ』と、それだとおかしなことになる。世界は違うけど、僕が二人存在出来てしまう。マノーラ。悠が言っていた事も引っかかりを覚えた。未来はいくつも存在する。もしかしたら、僕達は壮大な何かに巻き込まれているんじゃないのか?偶然選ばれた様に見える21人が全員関係していた事実。そして、自分の理想を体現したかのような姿。何もかもが調整されているようにさえ思える。一番の疑問は、”死に行く者”を選ぶという行為が目的のはずなのに、異世界に旅立つと言う事が選択できると言う事。それでは、何が目的でこんな面倒な事をしているのか?悠が言った神々の悪戯ラグナロクとは?情報が足りなすぎる。そう言えば、トリーア王家の初代も日本人らしき記述が残されていると言う話だったな。ん?時代が合わない?僕達は、この世界が1440倍で動いていると説明されている。トリーア王家は300年程度は系譜として残されている。初代がどのくらいの時代から居たのかは不明だが、300年前に存在したとして、地球では43万年前と言う事になる。43万年前だと日本人はまず無理だろう。ギリギリ北京原人とかの時代だったろう。無理がありすぎる。トリーアの町並みが300年進歩していなかったとしても、中世ヨーロッパがいいところだろう。12世紀といったところだろう。宗教観はまだ解らないが、神々を敬っている様子や信仰心などを考えると、宗教改革が発生する16世紀以前だろう。いろいろ都合がいいように作られているとしか思えない。
「ねぇねぇリン。どうしたの?」「あぁごめん。少し考え事をしていたよ。」「そう、それならいいんだけど、すごい怖い顔していたよ。」「あぁ.....そうだ、フェム。」「なに?」「こっちでの13歳以前の記憶ってあるんだよな?」「勿論あるよ。リンはないの?」「あるよ。でも、日本での17年間の記憶もしっかりある。」「うん。それが?何が不思議なの?」「いや。不思議じゃないけど、不自然なんだ」「....ごめん。言っている事が解らない。」「ううん。僕の方こそごめん。もう少しまとまったら話をするよ」「うっうん。解った。」
先に、お風呂からあがって寝室に向かった。いつもの様にローブだけの格好であがって、天井を見ながら考えてみた。答えが出ないもどかしさがある。でも、何か見落としている気がしてならない。はっきりした時には、遅くなってしまうかもしれない。
そうだ!パシリカだ。僕達は13歳になってパシリカを受けた時に、記憶を取り戻したのだと思っていた。でも、パシリカ自体は、実は年齢ではなく、スキルが顕現する時期が13歳だから、13歳頃に行っている儀式な様な物で、パシリカ球体自体が、古代魔法で作られている。それに触れて記憶を取り戻すとかおかしい事になる。今までの話では、スキルが顕現させる機能はなく、真命を表示させる事で、ステータスを使えるようにする機能がパシリカだと言う事だ。だから、タシアナがドラウに聞いてパシリカ球体を作る事が出来たのだ。それに、アドラは”13歳で”と言った。トリガーの様な物が必要で、それがパシリカだとは考えられる。
その時に、皆がお風呂からローブを着て上がってきた。
「フェム。変な事聞くけどいい?」「ん?リンのどこがすきって事?」「その話は、後でゆっくり布団の中で聞きたいけど、先に、パシリカの時の事を覚えている?」「・・・・布団の中....あっパシリカの時の事?」「そう。あの時、パシリカ球体を触った後で、待合室の様な場所でひどく疲れた様な状態になっていたよね?」「うん。リンもあの時に居たんだよね?」「あれって、日本での記憶が蘇ってすぐじゃなかった?」「そう言えばそんな感じがする。」「他の皆は?」「そうだね。触った瞬間じゃなくて、触ってから少し経ってから思い出したって感じで、思い出してからひどく疲れたって感じだったわね」「うんうん。そんな感じだったよ。」「そうそう、それで私は、パシリカが終わって疲れて出て来る女子に大丈夫って言うフリして確認していたんだからね」「それがどうしたの?リン。」「うん。まだなんとなく引っかかっているってレベル何だけどね。パシリカの事とか違和感が有るんだよね」「??」「僕たちは、パシリカで記憶を取り戻したと思っているけど、パシリカって教会や国がスキルを管理しやすくする為で、13歳と言う区切りはそれほど意味が無いんだよね?」「そうね。リンの言うとおり。でなければ、私が12歳でパシリカを受けられるはずがない。」「うん。それに、タシアナが再現に成功している。パシリカの装置何だけど、結局理論としては、真命にかかっているロックを外すだけなんでしょ?」「えぇそうね。もう少し有るけど、精神魔法と隷属魔法の組み合わせみたいな物ね。それで元々スキルやステータスや真命にかかっているロックを解除すると言う感じだね」「うん。そうなると、僕達の記憶はどこに有ったんだと思う?」「はっ!」「あっ」「なっ」「この辺りが解れば、もしかしたらが実現できると思うんだけどな.....」「ねぇリン。もしかして.....」「う....ん。まだ14年以上あるし、もう少し調べたいかな。」「ねぇイリメリ。歴史って得意だっけ?」「私?歴史は、サリーカの方が得意じゃない?テストの点数何回か自慢されたよ」「そうなの?サリーカ?」「えぇ....と。偏っているよ。得意なのは、日本史だけ...世界史は、イリメリの方が得意。」「そうか、物理と数学は.....あれ?なんでみんな目をそむけるの?ねぇミル?タシアナも?フェムさん?」「リン。物理と数学と科学は、あんたが一番だよ。それは間違いないと思う。私達は、苦手じゃないけど、ダメだよ」「へぇそうなんだね。」「でも急にどうしたの?」「あぁちょっとした歴史認識の確認何だけどね。」「アデレード。トリーア王家の初代の時代って今から何年前?」「なんじゃいきなり。こっちに話をふるなよ。安心して居た所なのに...初代様?」「うん。」「確か、390年位前だと思うぞ。数年後に生誕400年祭をやるとか、お兄様が言っていたからな」「そうか、400年前かぁ」「それがどうしたのじゃ?」「ん。ルナ。400年×1440は?」「何いきなり、その数字は....ちょっと待って」「57万6千年」「ぉぉぉミル。」「それでは、イリメリさん。地球の約58万年前はどうなっていたのでしょうか?」「あっ!そうだね。文化なんて無くて、北京原人が居るかどうかってレベルじゃないかな?」「だよね。そうなると、アドラの説明がおかしな事になる。」「えぇそうね。」「イリメリ。二人だけで解った風な雰囲気作らないで説明してよ」
「ルナ。私たちは、この世界に来る時に、地球で7日間と言う時間を貰ったのは覚えているわよね?」「もちろん。」「その7日間は、アドラの力が復活して、18名を蘇生するのに必要な時間だと言われたわよね」「うん。異世界では1,440倍で時間が流れているから、約27年を生きる事になる」「えぇそうね。でも、トリーア王家の初代が、日本人だったと考えられる。そうなると、日本人が何らかの原因で、この世界に来たと考えると、時間的な矛盾が出て来る」「??」「こっちの時間で、約400年前は、地球では、58万年前と言う計算になるから、日本人は愚か文化も何も産まれていない。火がやっと使える位になっていたんだと思う。」「そうかぁ確かに不思議だね。」
「ねぇアデレード。この世界には地図って有るの?」「何言っているんじゃ。有るに決まっているだろう?」「それって、トリーア王国だけじゃなくて、全部の王家が解るものなの?」「ん?全体と言う事だとわからん。」「解らないって地図が無いって事なの?それとも、地図は有るけど、解らない地域が存在していると言う意味なの?」「あぁ後者じゃな。」「へぇそうなんだね。アデレードは地図を見たことがあるの?」「勿論じゃ」「ねぇそれってこんな形じゃなかった?」
フリーハンドで、覚えている限りヨーロッパ周辺の地図を書いたアフリカ大陸の上部から地中海を挟んで、ヨーロッパ大陸を書いていった。西側をスペインにして、上部の方は適当だね。東側は黒海手前のトルコ位まで書いてみた。以外と覚えている物だな。
「なんで、お主が知っておるのじゃ?」「あぁやっぱりね。」「リン。どういう事?」
皆にも書いた物を見せた。
「え?」「これって....」「そう、ヨーロッパの地図。正確に言えば、地中海周辺だね。」「へ!?」「リン。お主何を言っているんじゃ?」「うん。もう少し、情報を集めてみるよ。12世紀から13世紀って確か、文化が生まれるのと、共和政治が産まれ始める事だよね?産業革命前で、封建社会体制の歪が目立ち始めてくる事じゃなかった?貨幣経済や市場なんかも発達していくんだよね?」「そうね。マルコポーロなんかが東方見聞録で中央アジアや中国を商会している事だと思うわよ」「はい!」「何かな?タシアナ君」「先生。頭が痛くなってきました!」「そうだね。それでは簡単にまとめます。これだけは覚えておいて下さい。」「はい!」「僕達は、もしかしたら、転生では無いのかもしれません。転移でも無く、もしかしたら精神体として、異世界に飛ばされたのではないかと想像しています。それも、分体を.....」「え”」「それでなければ、説明が付かない事が多すぎます。まず白い部屋の会話を思い出して下さい。僕達に出された条件は次で間違っていないですよね1.地球時間の7日間を異世界で過ごす2.その中で一番異世界に影響を与えた者を決める3.トップの者が死ぬ人間を3名選ぶ4.残りの18名は生き返る。その時に、異世界の能力を少し持って帰られる。5.死ぬのではなく、異世界に残る事を選択する事ができる。6.18名も異世界では存在し続ける。ですよね?」「そうだね。ミルが質問したんだよね6番目は。」「うん。だって、私は死ぬつもりだったし、その時に、異世界と言えリンが居てくれたら嬉しいって思ったんだよ。日本では、イリメリが一番近い存在だったけど、異世界のリンは僕が...私が、って思ったんだよ。」「ミル....。僕っ娘だったの?」「リン。今、そこに食いつかなくていいんだよ。」「いや、超絶に可愛い子の僕っ子っていいなっと思ったんだよね。あぁ気にしないでね。」「あのね。リン。」「何、イリメリ?」「あなた、今そんな事を言うと、みんな明日から僕っ子になるわよ。」「!!!そんな事無いよね?」「・・・・・。」「あっ絶対に無理に合わせないでね。自然と出てくるのはしょうがないけどね。」
「話を戻して....その6個が異世界と地球を結ぶ鍵になっているんだよ。」「先生。難しいです。」「うん。そうだね。僕もまだ考えがまとまっていないので、この当たりで終わりにして、今日は寝ましょう。」「はぁーい。」「今日は、私とイリメリだよ。」そう言って、ルナとイリメリがなぜかローブを脱いで抱きついてきた。「わざわざローブを脱がなくてもいいと思うのですけど....」「だって、そう決めたからね。」「イリメリ。」「嫌なの?」「嫌なわけないよ。でも、寒くない?」「大丈夫。この部屋って温かいし、お布団の中はもっと温かいから裸くらいで丁度いいんだよ。」
二人に両脇から抱きつかれながら、布団に入っていく。器用になったものだと思いながら横になって目を閉じた。もし、仮説が現実なら、僕はいろんな物を手に入れる事ができる。でも、そのためには、神を凌駕する力を手にする必要があるかもしれない。それを目指してもいいのかも知れない。もう、何も誰にも奪われない。
僕にできる方法は、眷属を増やす事。それに寄って生まれるスキルを使って魔法を構築していく事。その先に、目標の物があるのかも知れない。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品