【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

ギルドの価値

小屋を作って屋敷に戻ったら、アデレードとマヤが何やら話をしていた。僕達が帰ってきたことを確認すると、「土いじりしてきたのだから、お風呂に入ってきて」というわけで今日も全員でお風呂に入る事になった。今日は、お風呂での会議はなしで、各々身体を洗って、温まったら寝室に戻ることになった。
僕は、サウナに向かった。サウナでは、サリーカとルナが汗を流していた。僕もそこに加わって、遊戯室で作る娯楽品のことを話をした。娯楽品もMOTEGI商会が認められたら、作ってみて、アデレードや使用人や学校の子供たちの意見を聞きながら順次販売していく事になる。サリーカとルナが限界が来たと行ってサウサを後にした。もう少しだけ汗を流してから、クールサウナに入った。その後は、僕の定位置である寝湯にに入った。今日からは、お湯に色がついている。バス○リンだと思えばいい。今日は、濃い緑色にしてある。先客でミルが寝ていた。ミルの横に寝っ転がった。ミルと話していると眠くなってきた、ここで寝るわけにはいかないので、先に出るよと行って立ち上がると、ミルも出るとの事で手を差し出してきた、手を握って立ち上がらせた。裸体を抱きしめる格好になったが許してもらおう。それに、絶対にミルはわざとやっている。
大浴槽では女性陣が何かを話していた。僕が近づくと急に会話が止まった。イリメリとミルが何か目配せをしたことが解ったが、スルーしておくことにする。何か大事な事なら話してくれるだろう。「リン。一緒に戻ろう。」「いいよ。ミルは皆と話さなくていいの?」「うん。私は大丈夫。何かあれば後で教えてもらうから....ね」
そう言って、裸のまま腕を取ってきた。その感触を感じながら、脱衣所で身体を拭いて、今日もローブだけを羽織って寝室に戻る事にした。
「先に寝よ」という事だったので、眠くなってきているのも事実だから、先に寝ることにした。ミルがローブを脱いで全裸で僕の横に滑り込んできて、抱きつくような格好になった。
「リン。おやすみ。」「うん。ミル。おやすみ。」軽くキスをしてから目を閉じた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
なんだ、いい匂いがする。目の前に、サリーカが居た。勿論、全裸の様だ。少し寝ぼけた頭で考えるが、何もしていないのは確実だ。「はい。サリーカの負け。」「違うよ。マヤ。私はしっかりキスできて、私が起こしたんだから、私の勝ちだよ。」「あの?マヤさん。サリーカさん?何をされているのですか?それに、サリーカさんその場所だと見えちゃうんですけど....」「リンを誰が起こすかゲーム。私のキスで目覚めたから、次のデートは私なの!」「違うよ。サリーカで起きたんだから、起こさなかった。私の勝ちでしょマヤ?」ルナも参加していたようだ。
段々この生活に慣れ始めているな。楽しいことは間違いない。やはりこの生活を失いたくないな。しっかりやらないとな。皆の期待を裏切らないようにしていけばいいんだろうな。
「朝から何をしているの?早く服着て食事に行こう。そうだ、おはよう。みんな。今日もよろしくね。あぁそうそう、。アデレードギルドに行く前に時間頂戴。」「ん。わかった。服は着ていった方がいい?下着も新しくしていくね。」「・・・・あ違うからね。アデレード。従魔の相談をしたいんだよ。みんなも時間があるのなら、裏庭で従魔の話をしよう。『ライズフラワー』も受け取らないとならないからね」「なんだぁ違ったんだね。」「昨日の様な事があると怖いからね。従魔がいれば少しは安心できるから、アデレードにも従魔と活動してもらうよ。他の子も、従魔が1名なら連絡している時が不安だから、もう一名付いてもらうよ。いいね。」
食事を食べて、そのまま裏庭に移動した。コロニスはもう準備が出来ているようだった「主よ。これが、『ライズフラワー』になります。間違えてしまって、50本づつ作ってしまって、合計100株になります。少ないよりは思いましてお持ちしました。」「あぁありがとう。そうだね。少ないよりはいいね。タシアナ。半分渡すから、フレットに『ライズフラワー』だと言って渡しておいて、在庫にしておいてもいいし、加工品として販売してもいいよと言っておいて、そして、今度時間がある時に屋敷に来て貰って、フレットとアルマールとカルーネにも従魔をつけるからね。」「伝えておくよ。でも、もしかしたら、いらないって言うかもしれないけどね?」「どうして?」「え~と。彼女たち、一日中地下三階に篭って居て、マガラ神殿以外だとギルド本部とニグラ支店とマガラ支店にしかいかないんだよね。」「そうか、無理強いしてもしょうがないだろうからね。必要なら言ってきてって伝えておいて、それとも店番の方が必要なのかな?」「どっちにしろ伝えておくよ」「うん。お願い。」
「さて、アデレードは、どんな子がいいの?」「ん?それは自由に選べると思っていいの?」「うん。だって、僕の眷属になっていれば、能力貸出スキルレンタルで僕が持っている陰移動をつければ解決するからね。多分、今皆が念話を使えるのも、マヤが付けたんでしょ?」「あっやっぱり解った?さすがは、僕のお兄いちゃんだね。」「・・・。アデレードも皆も街中で活動する事が多いから、獣体型になれる獣魔の方がいいよね。」「そうじゃの。いきなり、ヒポグリフに乗せられるとは思っていなかったからな。」「あっごめん。アデレード、ヒポグリフじゃなくて、進化して、グリフォンになっていたよ。」「え”お主達は、『大空の王グリフォン』を足代わりに使ったのか?」「そうみたいだね。まぁそれは置いておくとして....」【召喚-カエサル】「はい。主様。」「あぁ悪いんだけど、魔物の里に居て、獣魔で従魔になってもいいと言う連中を連れてきて、従魔使いがきつい連中が多いけど、大丈夫ならだけどね。無理強いは絶対にしないようにしてね」「はい。解っております。しばしお待ちを....」
「ねぇリン。従魔使いがきつい連中って誰の事なのかな?」「あぁぁえぇぇと、、、あっハーレイとローザスだよ。今回、屋敷にも常に従魔を待機させようと思っているし、ナッセやナナにはいいか、連絡係がほしいけど、イリメリとフェムが居るんだよね。」「そうね。それに、彼らは自分が狙われてもなんとか出来るよ」「そうか、屋敷も、考えてみると、ドラウとゴルドが来てくれているんだよね。それに、裏庭には、コロニスが居るんだよね。」「マヤはどう思うの?」「正直に言っていい?」「うん」「確かにスペックは高いけど、私もだけどまだまだ戦いに慣れていないから、10倍くらいのスペック差で同じくらいだと思った方がいいと思う。ミルは除くけどね。」「うん。」「そうだな」「この屋敷に関して言えば、国が攻めてきても大丈夫でしょうね。何と言っても、お堀には「あああああああ」」「どうしたのリン。忘れていた。レイクサーペントが堀に2名居るって言ったよね。」「え”」「聞いてない。」「うん。この前聞いた。」「まぁ何か居ると思ってよ。『リヴァイアサン』と『リヴァイアタン』に進化したみたいなんだ。それで人化ができなくなった代わりに、水移動が出来るようになって、水中や水辺ならどこでも呼び出せるようになったんだよ。今は、微弱な魔素でも感知出来ると言っていたから、ギルドカードを持たない者が橋を渡ろうとしたら警告を出してとお願いしたから、ギルドカードを携帯しないで渡らないようにしてね。その関係で、クラーケンを後で作る。監獄の監視に回そうかと思うけど、問題ないよね?」「・・・・・」「あっまた僕やらかした?」「えぇそうね。この世界のどこを探したら、神話の生物を屋敷の警護に使う人が居るんでしょうね。それも、番犬並の使い方で?」「え?番犬も必要なら、ケルベロスが居たと思うけど、彼にも来てもらった方がいい?」「はぁ?地獄の番犬に、門を守護させるの?」「あっやっぱりダメ?」「そうだね。楽しそうだけど、止めておいたほうが良さそうだね。」「うん。それじゃお堀は、ロタンとシャリートに守ってもらう事にするね。」「うん。そうだね。話は出来るんでしょ?」「うん。勿論だよ。ヒト型にはなれないから、出てこいというのは難しいけどね。」「そう、それならいいんじゃない。」
「主様。獣魔を揃えましたが、転送が出来ないので、こちらに来ていただけないでしょうか?」「あぁそうだね。」「みんな地下二階の魔物の里に移動するよ。」「了解!」
転送した先では、カエサルとヒューマが跪いていた。いいのになぁ言っても止めないだろうからな。
先に、カエサルとヒューマに時空魔法と念話と陰移動をレンタルした。どうも得手不得手は存在するようだ。そして、許容範囲があって、詰め込みは出来ないようだ。
獣魔は、32体。魔物の里の獣魔全部になる。陰移動が出来なくて、前回の呼び掛けには参加できなかったが、今回はそれは大丈夫と伝えたら、僕達の役に立ちたいと言う事で全員が集まったらしい。カエサルとヒューマに聞いたら、全員抜けても大丈夫だと言う事だ、ゴブリンが進化してホブゴブリンになったりゴブリナになったりして、サラナやウーレンとの農作業を行う人員も確保出来ているとの事だ。また、旧魔物の里には時々魔核を持たない魔物が保護を求めてくる事があり、ヒューマが保護していると言う事だ。真命を求める者がある程度出てきたら、真命をつけて欲しいとお願いされたので、OKしておいた。
まずは、32体を男体と女体で別ける事にした。嫁達と一緒にお風呂に入るので、僕が女体じゃないと嫉妬すると言う理由で、女体だけにした。男体は茂手木が見つかった時に、つけてやろうと思った。屋敷の護衛として、裏庭に住んでもらってもいい。いざという時の伝言係にもなる。女体の獣魔は犬系4名猫系4名鳥系5名鼠系4名兎系3名だ。今、1名なのが、サリーカとルナとフェムとタシアナ。で、2名がイリメリ。ミルだけが4名になっている。それぞれ、小型化してもらって、名前と現在の種族を名乗ってもらう。スキルを気にしなくていいので、相性だけで決めてもらっても問題ない。ミルだけがすでに4名いるのでも今回は遠慮して貰って、それぞれに4名ずつ従魔を持つことになった。僕にも二名追加される事になった。最近、ワクは建築関係で地下三階から要請が多数来ているし、ロルフはマヤの所に行く事が多くなっている。僕には、ケットシーのカウラだけになっている事が多いので、丁度よい。まぁ召喚を使えば済むので困っては居ないんだけどね。
女性陣は、それぞれと話をしているが、先に僕に決めて欲しいと言う事だ。僕は、2名を従魔にすれば丁度いいようだ。
猫系はケットシーが居るからな鳥と犬にするか。オルトロスのオロスにしようかと思ったが、僕には、ケルベロスの方がよいと言われて、ケルベロスのシャラトにした。鳥は、もう向こうからアピールがあった。フェニックスに進化しているリアンになった。ルナは、僕と冒険者として出向く事が多いので、ケットシーの連携やケルベロスとの連携を考えて、犬系1名と猫系2名となったタシアナは、今兎系だから、兎系の連携が取りやすいと言う事で、兎系3名となったアデレードも、僕と冒険に行ったり、後は街中で襲われた時に出しても不自然じゃなく相手を撃退出来ると言う事から、猫系2名と犬系2名となったイリメリは、鼠系と鳥系がいいと言う事だ。フェムは、鳥系にして、サリーカが、鼠系にする。事になった。
一通り、挨拶をしてから、今日の動きを確認した。
僕は、昼ころにギルド本部に行って、ウォード家を待つ事にする。それまでに、イスラ大森林の最深部辺りに、監獄を作るようにする。ミルとルナがついてくる事になった。
イリメリとフェムは、いつもどおりギルドで打ち合わせやら作業を行う事になっている。
サリーカは、今日は学校に一日居て、算数を教える事になっているようだ。タシアナは、地下三階でアルマールとフレットとカルーネとギルドで使う道具の開発を続けると言う事だ。アデレードは、ローザスに会ってきて、昨日の顛末とこれからのことを説明した後で、MOTEGI商会の設立の許可証を準備してもらう事にした。
今日も夕方には帰ってくれるようにすることを連絡して、それぞれ移動する事になった。モルトに屋敷のことを頼んだ。
僕とミルとルナは、まずは旧魔物の里に飛んだ。そこから、最深部に向けて進んだ。何度か、魔物との遭遇はあったが、ケットシーとケルベロス率いる従魔隊にいいようにやられていて、僕達が戦うすきが一切なかった。最深部と思われる場所で川もあり適度に環境が良さそうな上に、かなりの奥地になっている。イスラ大森林の中央位に位置にした。まぁ逃げられるようなら逃げてもいいけどなっと思っている。逃げられるような施設を作るつもりも無いけど....。
さてこの辺りでいいかな?「ミル。ルナ。僕はこの辺りに監獄施設を作ろうと思うんだけど、少し集中したいから、従魔達と周りの警護をお願いしていいかな?」「うん。勿論だよ。どのくらいの大きさにするの?」「う~ん。400mのグランドがまるまる入るくらいの大きさでその真中に、監獄の牢屋とかを作って、キッチンと食堂とか施設だけでも作っておかないとな。まぁしばらくは、獣肉を焼いて食べるだけの原始的な生活を楽しんでもらうつもりだけどね。」「・・・・。了解。そのあたりは近づかないようにするよ。」「うん。でも魔法陣が展開するから解ると思うよ。作り始める時に、言うから大丈夫だよ。」
ヒューマとカエサルに、念話を繋いだ。手が開いている眷属に、建材集めを依頼したいと言うことを告げる。ただ、そんなに多くても困るので、20名までにした。選抜は直ぐにできて、眷属が20名転移してきた。
早速、木の伐採を指示した。近くに、石壁に出来そうな石材も少なかったので、石材と鉄鉱石をスネーク山に取りにいかせた。指示だけで物事が進むのは何と言っても楽でいい。ある程度の広さが出来たんで、まずは整地を行う。今までに比べて広い場所の整地だったので、何名かの眷属に建築魔法を付与して、一気に進めた。一般的な小中学校が入るくらいの整地ができた。目印となる石を8個ほど置かせた。
そこに、見本となる石壁を作成した。幅3m高さ15mの石壁を作成した。眷属には、この石壁を真似して、ぐるっと一周廻るように石壁を作らせる。僕は、その周りに、同じ高さの石壁を7m程度離れた場所に作成していく。まずは、二重の石壁が出来た。石壁から1m離れた位の位置で、間を掘り下げていく。20m位掘り下げる。今度は渡る予定も無いから橋もかけない。外側の壁から、10m位離れた場所に更に石壁を作っていく幅4m高さ20mの石壁で外周を覆う。ここにはお堀は設置しない。最後に、さらに外周の外側を10m程度の幅で20mの深さのお堀を作成し、内側のお堀に向けてトンネルを作成して、石壁は完成した。その後で、近くを流れる川を引き込む作業を眷属にしてもらった水は流れていないと死んでしまうことを伝えて、”うまく流れるように工夫してね”と言うと頭を抱えながら悩んでいた。引き込み口と出口を作って、出口側を低くすれば流れるとだけ伝えておいた。流れる時に、土をえぐっていくから、堀の中も石壁で補強しておいてねと伝えたら、嬉々として作業を行っていた。水を流し入れるのは、もうちょっと掛かりそうだったから、先に中の施設を作ってしまおう。中央部に塔を一つ作る。30m位の塔を作って、周りに3階建て程度の収容所を作成する。党の内部は一階に水回りとして、トイレと簡単な風呂を用意した勿論男女別になるようにしてある。二階部分は、食堂と談話室の様な施設を作成した。三階部分は、広い何も無い部屋を作成した、倉庫として使う予定だ。階段だけが続いて、最上部に、監視場所と共に部屋を一つ作った。中層部分に、フロアを一個作成して、そこに部屋を4つ作成した。
三階建の収容所は、3畳程度の部屋が並んでいるだけの物になっている。寝るだけの部屋になっている。
収容所の周りを取り囲むように、体育館の様な施設を数個作成した。囚人の作業場所にするためだ。
さて、まずは、エント4体とクラーケン2体を呼んでおく。監視と連絡係として、ドライアドも2体呼んだ。クラーケンには、堀の中で警護をしてもらう事になった。エントは中央で木々の栽培や指定された薬草の栽培をする事になる。それをドライアドが助ける事になる。護衛は必要ないと言われたが、心配だったこともあり、ドラゴニュートに進化している眷属を食料調達+護衛として15体配置する事にした。15体は5体づつ3組で交代して対応することにした。石壁の内側の平地に関しては、眷属達の待機場所に使う予定にした。建物などは自分たちで作成するとの事だったので、任せる事にした。そして、塔の最上部にはドライアドに居てもらう事にした。この広さなら全体を監視できると言う事だ。まぁ脱走したければ脱走すればいいと言うスタンスで居るように伝えた。どうせ、ここには僕しか来ないだろうから、転移門トランスポートの設置はしない。眷属たちには、陰移動を付与したので、帰ろうと思えばいつでも帰ってこられるようにした。
意外と時間がかかってしまったが、丁度いいかな。ミルとルナを呼んだ。丁度一汗かいて戻ろうとしていた所だった様だ。食用に出来る魔物を多く狩ってきてくれていたので、ひとまず塔の倉庫に入れておくことにした。
マガラ神殿の監獄層に飛んだ。「エベンスは居るか?」「はい。忠実な下僕であるエベンスはここに居ます。」「一人も死んだり傷ついたりしていないな。」「はい。勿論でございます。皆にしっかり言い聞かせました。先達者が居まして、彼にも協力してもらいました。」「あぁオルトだった?」「はい。そうです。」「そうか、彼も呼べ。二人に特別な仕事を授ける。それがうまく出来たら、生かしておいてやる。」「・・・はっはい。すぐに・・・。」
「ねぇリンどうするの?」「ん?こいつらか?」「うん。単純作業の労働力にする。その位は出来るだろう。出来なきゃ死んでもらえば魔物の餌にでもなってもらえばいいだろうからな」「・・・。そうだね」
「オルトを連れてまいりました。」「オルトか?」「はい。」
「そうか、今からお前達を別の日が当たる監獄に移す。お前たちの為に作った施設だからな」「??」「全員一箇所に集めろ」「はっはい。」
ぞろぞろと歩く連中も居るので、魔法でふっとばす。「遅い。待たせるな。」「はっはい」何が起きたんか解らなかっただろうけど単純に魔力の塊をぶつけただけだ。「揃ったか?」「はい。全員揃いました。」「よし」
【転送-イスラ監獄】113名だったが、転送は出来たようだ。魔力はある程度必要だったが、今のステータスでは微々たる物だ。
ミルとルナを連れて、最上階に転移した。「へぇ上から見るとこんな感じなんだね。ここが、執務室みたいな感じにするの?」「ううん。ここは監視部屋として、ロドアドとマロアドに居てもらう事にした。二人共それでいいよな?」
二人のドライアドは若いながら会釈した。「あぁドライアドに居てもらうんだね。それなら安心だね。」「その他に、クラーケンを2体お堀の中に住まわせて、エントを4体配置して、ドラゴニュートを15体配置しているよ」「・・・・まぁ安全でいいんじゃないかな。」
ミルとルナの表情が呆れ顔に変わった。
「ほら、二人とも見て、囚人たちがまるでゴミのようだ....」「・・・。」「さて、そんな事は別にして、囚人達に指示を与えないとな。」
「んっん。。」
『聞こえるか、エベンスとオルトよ。聞こえたら、両手をあげよ。』
灰魔法の応用で、イメージは拡声器の様な感じにしてみた。聞こえたようだな。二人が手を上げているのが解る。
『我の事は、ウイグル。この監獄の管理を任された者だ。』『貴様達は捕えられて、今日からここで労働しながら生活することになる。』
ぉ何か騒いでいるな。ふざけるなとか聞こえるから。もう少しだけ脅すか...
『まだ貴様達は自分たちの処遇が解っていないようだな。』囚人達の周りに雷魔法を4発動時に打ち込んだ『まだ何か言いたいようなら言えばいい。そうしたら、遠慮なく今の雷を降らせるからな。お前たちの代わりなんて腐るほど居るんだからな。』
静かになったな
『聞く姿勢が出来たようだな。エベンス。おまえを囚人代表に指名する断ってもいいが、断った場合には、誰か他の物を示せよ。オルトお前を自警団の隊長に指名する。同じく断ってもいいが、断る場合には代理の者を示せよ。』『この施設は、イスラ森林の深層部にある。逃げても構わないが、逃げるためにはそれ相応の覚悟が必要になる事と知れ』『先に説明して置こう。ここは、我の主筋に逆らった者達を捕えて置く場所だ。』『バカな主人につかえてしまった己を呪え。』『施設内には、監視塔と囚人棟と生産棟になっている。お前たちは、生産棟で我の主筋に命ぜられた物品を作って納品せよ。どういった生産方法を作ろうがお前達の勝手にしろ。ただ、何も生産しなければ、食事も与えられないと思え。』『納品された物は、主筋が適正価格で買い取ってくれると約束されている。信じるかどうかはお前たち次第だけどな。』『一人あたり、大金貨一枚を貯める事が出来たら開放してやろう。それまでは、ここで快適に過ごしてくれて構わない。』『囚人棟には、狭いが個人で使える部屋を用意してある。エベンス。皆に割り振れ』『監視塔の内部は、一階部分にはトイレと風呂を用意した。そのくらいの楽しみは必要だろう。』『二階部分には食堂と談話室を用意してあえる。』『三階部分に、倉庫を用意した、今は食料が置かれている。後で確認して見るといい。』
『それでは、エベンスとオルトよ。我からの提案を受けるのなら、監視塔の中にある階段をあがって来なさい。』
『あぁ忘れていた。お前たちに紹介しておこう。このイスラ監獄は、我の眷属で守られていて。お前たちが居る広場を守護するのが、エントが4体。それからドラゴニュートが5体が3組。監視塔にはドライアドが2体居る。そして、お前たちが見えている石壁の向こうは水が張られていて、そこにはクラーケンが二体居る。逃げ出すものは捕縛し出来ない時には殺せと命じてある。その身で試したいと言う人物は試してみるといい。』
「ウイグル様。エベントとオルト。中層階におります。」『あぁお前たちは、我の提案を受けてくれるのだな?』「勿論でございます。」『それでは、エベンスよ。汝に命じるのは、”紙”を作れ。材料や道具はすでに、生産棟に用意してある。囚人がお前達を除いてで111名居る。そのもの達を使い。3日後に6,000枚用意せよ。』「6,000でございますか?」『そうだ、一人一日20枚作ればいいから余裕だろう。出来たら、最初だからボーナスととして113枚の金貨をやろう。』「え”本当ですか?」『嫌なのか?』「いえ違います....。」『そうか、エベンスは生産部門を取りまとめろ。自分の仕事がし易いように囚人の中から人間を指名して使ってもいいからな。』「はっ」『オルトよ。お前は。警備隊として、囚人同士のいざこざが起こらないようにしろ。人が必要なら、囚人の中から選抜しろ』「はっ」『エベンス。オルト。お前たちと手足になって働く奴等には、ボーナスを与えよう。我の望む物がしっかり納品出来た時には、他のものよりも1割多い買い取りを出してやろう。今回だと、金貨1枚と銀貨100枚だな。仕事に励めよ。』「・・・・できなかった時には....?」『そうだな。出来なくても、お前たちへの罰則は無いが、納品を期日までに出来なければ、食料配給や水を止めるだけだ』「・・・・解りました。全力で当たります。」『あぁそうしろ。お前たちのためにな。』「・・・・。」『足りない物質や物品があったら、眷属の誰かに言え。我に伝わるようにしてある。』「・・・はい。襲われたりしないのですか?」『あぁ逃げ出したり、壁を登ろうとしたり、攻撃しなければ、襲わないようには言ってある。信用できなければ、頼らなくてもいいのだぞ。』「・・・はい。解りました。ご連絡したく思います。」『今から1時間後に全員食堂に集まるように指示しておけ。そこに、我の眷属を向かわせる。そこで最終の話を行う。』
「ねぇリン。」「ん?何?ミル?」「なんか機嫌がいい?」「そんな事ないですよ。ルナ。」「「いや。そんな事ない」」
「あぁそうだね。いろいろと考えていたら楽しくなっちゃってね。」「いろいろ?」「うん。どうせ、これからも囚人は増えるだろうし、ここに転送させていけばいい。それで、今から彼らにはギルドカードを作ってもらって、売上はそこに入れ込めばいい。」「うん。それはなんとなく予想が付いた」「まず、これで銀行機能のチェックができる。それで本当に、大金貨1枚分の1億レインを貯められたら開放してやってもいいと思っている。」「へぇそうなんだね。」「でも、開放された時には、宰相派の人間にその情報が渡るようにしておくから大丈夫だよ。」「あくどいな.....」「大丈夫だよ。囚人にもその事実を告げるからね。」「・・・・あぁそれは究極の選択だな」「うん。あからこそ、僕はここもある程度快適に過ごせるようにしていくつもりだよ。」「??」「例えば、月に一回とか商隊を連れてきて商売をさせたり、談話室には、ビリヤードやダーツとかのMOTEGI商会で売り出す商品を置いたりね。あぁ後、食事も週に1-2回位は料理人(見習い)を派遣してもいいだろうね。それで彼らには、ギルドカードに溜まっている自分たちを開放するお金を使わせる」「あぁアメとムチと言うわけね。」「そ、甘い飴と優しい鞭って事だね。逆らったり逃げたりしなければ罰せられない場所で、甘い飴を舐め続ければ、家畜と同じになるだろうからね」「・・・あっ」
「そろそろ時間だね。」【召喚-トパーズ】「トパーズ。御身の前へ」「うん。トパーズ。悪いんだけど、ヒト型になって、この塔の2階の食堂に言って、全員にギルドカードを発行して欲しい。その時に、抵抗する者が居たら、優しく死なない程度に指導してあげて欲しい。多分、2-3人は抵抗してくると思う。マロアドとロドアドは、トパーズがふっ飛ばした囚人に白魔法で回復させて欲しい。」
「「「かしこまりました」」」
「ギルドカードを渡す時に、無くしても再発行できない事や、商隊の話や食堂での話は説明してあげてね。」「はっ」「それから、113名が一人でもかけたら連帯責任で全員のそれまでに貯めたレインを全没収とすると伝えてあげて」「「「かしこまりました」」」
「後は頼む。何かあったら、念話で連絡してきてくれ」
「「「かしこまりました」」」
「ミル。ルナ。少し遅くなったけど、ギルド本部に行こう。いいよね?」「「うん」」【転移-ギルド本部】「りん。丁度いいところに来てくれた」「イリメリ。どうしたの?」
ウォード伯爵が、来て待っていると言う事だ。その間、イリメリとナッセが対応していたけど、そろそろネタがなくなってきたと言う。
会議室で待っているというので、急いだ。会議室に入ると、ウォード伯爵だけではなく、ルシンダ伯爵夫人も来ている。アッシュが横で少し困った顔をしている。「ようこそ。伯爵。伯爵夫人。改めて挨拶させて下さい。私が、リン=フリークス・テルメン・フォン・マノーラといいます。偉そうな名前ですが、親しい人間からは、リンと呼ばれています。伯爵もどうぞ私の事はリンとお呼び下さい。」「そうですか、リン様。昨晩はありがとうございました。」「その件に関しましては、すでにお言葉を頂いております。それに、僕も大切なアデレードを救い出す目的もありました。ですので、本当に気になさらないで下さい」「・・・はい。昨晩、帰宅してから、妻と話をしまして、ローザス皇子への支援を明確に致します。その第一歩として、ローザス皇子が掲げているギルドへの登録をしたいと思っています。許可頂けますか?」「勿論です。歓迎致します。でも、よろしいのですか?」「何がですか?」「伯爵様の所の子爵や男爵家には、宰相派閥の家もございますよね?」「えぇそうですね。」「ですので、まずは、わが伯爵家が登録をいたしまして、その後の事は、家々の自由意志に任せたいと思っております。」「そういう事でしたらこちらとしても嬉しいです。伯爵家にの登録を歓迎致します。」「ありがとうございます。登録させてもらう立場の人間ですが、一つお約束を頂きたいのですが、マノーラ侯爵様」「何でしょう。私にできる事ならなんなりとお申し付け下さい。」「お言葉に甘えまして、一つ証文を頂きたく思います。」「証文とは?」「はい。近い将来に発生するであろう、内乱の時に、娘マルティンと妻ルシンダを、侯爵のお力で安全にお守りいただくと言う証文でございます。」「あなた....」「ほぉ内乱とは穏やかでありませんな。万が一内乱が発生したとして、私が属する組織が勝つとは限りませんがそれでも、私達に味方してくれると?」「はい。」「伯爵。その自身はどこから来られるのですか?」「侯爵様。現状を考えますと、ローザス皇子と侯爵様の陣営は数が少なく、陛下が居ると言っても、全体の2割程度ではないでしょうか?」「その位でしょう。」「これが、数ヶ月後、数年後、となれば、その差は縮まり逆転しているかもしれません。」「そうなるといいのですけどね。」「いえ。それだけではなく、例え明日内乱が発生したとしても、侯爵様の眷属が全力を出せば勝つことは容易でしょう。でも公爵様はそれをお望みでは無いように思えます」「ほぉ」「焦土と化した領地を収めたくはないでしょうから、相手が疲弊するのを待っておられるのでは無いでしょうか?私にも独自の情報網がございます。それからあがってきている情報から、このギルドの生い立ちが発表されている物と少し違っているのも存じております。ですので、ローザス皇子よりも、公爵様に証文を頂ければと考えたのです。」「・・・・・解りました、なんのことを言っているのかわかりませんが、内乱だけではなく、暴動が発生した時には、伯爵のご令嬢と奥方様にはいち早く安全な場所に移動していただけるように手配致します。その為の施策を幾つか取りますがよろしいでしょうか?」「勿論です。侯爵様のご温情ありがたく思います。」「それで、その証文は、これから、伯爵様が説得していただく貴族の方々にも必要ですか?」「いえ、それは各々で考えてもらえば済むことです。それに、侯爵様の戦力を分散するのは、公爵様としても本望じゃないでしょうから.....。」「了解した。これから、伯爵とは仲良く出来たら嬉しい。今度、奥方とご令嬢とで我が屋敷を訪れて下さい。歓迎致します。」「ありがとうございます。連絡係に、このアッシュを置いておきます。すきに使っていただいて大丈夫です。いいなアッシュ。」「はっ侯爵様。これからよろしくお願い致します。」
「あぁそうだ。伯爵。忘れる所だった。」「はい。何でしょうか?」「これを渡すのを忘れていた。あぁアッシュが依頼主だったな。アッシュ。確認してくれ」「・・・・え”」「伯爵、『ライズフラワー』です。多分50株位あります。」「昨日依頼を受けたのですが、本日の昼に伯爵がお越しになると言う事だったので、『ライズフラワー』の採取を先に行ってきました。」「・・・・。伯爵。これだけの数があれば、お嬢様の症状も改善すると思います。」
扉をノックされる音が響いた
「マノーラ様。少しよろしいでしょうか?ご依頼の物が届きました。」「あぁ入ってくれ。」
ブルーノが10本の黄色の液体が入った瓶を持って来た。そして、伯爵の前にその小瓶を置いた。
「公爵様。これは?」「『ライズフラワー』の根を粉末にして、魔法薬に溶け込ませた薬で『体内の乱れた魔力を整えるのと、整えるのに邪魔をしている呪詛を解除して体外に押し出す』効用を持った薬です」「!!!!!!!」「どうしてそれを....」「あなた.....これは、」「そうですね。マルティン嬢の症状は魔力の暴走ですよね?それも、体全体に行き渡らない事で暴走を引き起こしてしまう。一度暴走してそれが収まるとしばらくは大丈夫だろうけど、暴走後は体力の低下や倦怠感に悩まされると言った症状ではないでしょうか?」「はい....なぜそれを....」「昨日、アッシュが依頼を持ってきたああとで話た症状を聞いて、そういう事に詳しい物に話をしたら、十中八九これだろうと言う事で、お会いした時に、魔力の流れをみたら、右足と左手で魔力の流れが違っていましたので、間違いないと思い。今朝の段階で薬を作らせていたんです。ただ、正式な手順で作った薬ではなく、僕の仲間のエルフの秘薬を使っています。絶対に外に出さないようにお願いします。ご依頼のお礼に、その10本はお譲り致します。詳しい物が言うには、2~3日程度寝る前に飲めば症状は収まると言う事です。もし、その後暴走の予兆が有った時に、改めて飲むようにすれば、暴走を抑止する事が出来ます。」
「あぁぁぁ.....あなた。」「侯爵様。本当によろしいのですか?」「はい。元気になった、マルティン嬢と僕の屋敷を訪れて下さい。年齢の近い子供たちも近くに居ますので、遊び相手には困らないと思います。」「はい。是非、そうさせて下さい。」
「アッシュ。今日は、このまま伯爵様をお屋敷までお送りして上げなさい。その後、ギルド本部で話をしたい」「かしこまりました。」
「それでは、伯爵。私はギルドに完了通知を持って依頼が終了した事を伝えてきます。」
僕は部屋を後にした。しばらくしたら、アッシュ伯爵達を馬車に乗せて帰っていくのが解った。
僕は、ギルドの受付に言って、依頼が終了したことを継げて、アッシュから受け取った、依頼完了通知と共にギルドカードを提示した。ブルーノが、ギルドカードに依頼料を振り込んでいた。
一通り作業が終わるまでに、1分程度ならまぁ合格だなと考えていた。
「ありがとうございます。これで依頼は完了となります。依頼料は、チームバンクの方に入っております。」「チームバンクって何?」「はい。パーティで依頼をお受けになった場合に、依頼金額を振り込ませていただく場所になります。」「それじゃすぐに使ったり出来ないの?」「はい。そういう規則になっております。パーティ結成時に、職員が説明させております通りでございます。」「そうか....よく覚えていないな。どうしたらいいの?」「はい。パーティメンバー全員でギルドにおこしいただいて、チームバンクから個人バンクにお振替をさせていただきます。その後は、窓口や地下買取所、又は裏の提携宿屋でレインに交換させていただいております。」「へぇこのままギルドカードで使えないの?」「はい。先程言いました。提携宿屋や食堂ではギルドカードの提示で自動的に引かせていただいております。レインを持ち運ぶこと無く食事や休息や買物が出来ます。」「ほぉ便利だな。その提携宿屋や食堂はどこにあるの?どこでも使えるのか?」「いえ、申し訳ございません。現在徐々に増えておりますが、今現在は、マガラ神殿地下三階とスパ。ラーロ宿屋だけになっております。」「ほぉ解った。マガラ神殿のギルド支部でもパーティメンバーと行けばチームバンクから個人バンクに振り返られるんだろう?」「はい。大丈夫です。これから増えます。各支部で同様のサービスを受ける事が出来ます。」「あぁありがとう。仲間誘って、マガラ神殿のギルドを訪れてみるよ。」「はい。ありがとうございます。またご依頼をお願いいたします。」
猿芝居を終えて、ギルドをでた。ナッセが話しかけてきた。「どうでしたか?リン様」「うん。問題ないと思うよ。タシアナとアデレードがOKだしたら、本格的に、パーティ機能とギルドバンクの機能を宣伝しよう。」「はい。かしこまりました。今から職員の教育をしておきます。」「あぁ頼む。僕は、一旦、マガラ神殿に行ってから、屋敷に戻ると聞かれたら答えておいて」「はい。かしこまりました。」
ミルとルナとマガラ神殿に移動してから、またダンジョンに入った。今日は昨日の続きから25階まで踏破してから、屋敷に戻る事にした。
そこに、アデレードが戻ってきた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「アッシュ。侯爵は何者なのだ?」「何者と聞かれましても.....伯爵様が感じている通りだとしか言いようがございませんが....」「そういう事を言っているんじゃない。」「お前は、鑑定を持っているな。」「はい。」「そのお前が見て、侯爵のステータスはどうなんだ?」「正直に言っていいのですか?」「あぁ」真命:リン・マノーラ(3)ジョブ:テイマー体力:140魔力:200腕力:130敏捷性:190魅力:650魔法:黄(6)、灰(5)、青(5)スキル:詠唱破棄スキル:弓武技(1)、刀剣武技(1)ユニークスキル:動物との会話(5)「で。間違いありません。隠蔽されている様子もありません。」「あぁそうだな。儂がステータスを確認した時と同じだ」「はい。それが何か?」「お前、テイマーで魔物を使役する条件を知っているか?」「あっ!そういう事ですか?」「あなた。何がいけないのですが?侯爵は娘をマルティンを救ってくれたのですよ」「あぁそうだな。儂は昨日まで、正確には、ギルドで侯爵に会って話をするまで、マルティンとも婚約してくれないかと聞こうと思っていた。アデレード殿下やミヤナック家のご令嬢が居るからダメかとも思っていたが....」「あら、あなた。私は賛成するわよ。それに、マルティンも王子様みたいだと言っていましたからね。」「あぁそうだな。でも、侯爵はダメだ。あれは化物や魔王だと言われても儂は納得する。」「それほどなんですか?」「えぇ奥様。私も、伯爵様に言われて気がついたのです。」「だから、何をですか?私にも解るように教えてください」「はい。テイマーと言うジョブは、ご存知だと思います。」「えぇ勿論。魔物を使役したりするジョブですわよね」「そうです。」「それでしたら、侯爵が魔物を多数従えていても問題無いのでは?」「いえ違います。テイマーと言うジョブは、使役できる魔物はステータスに”支配”として表示されます。」「??」「そして、支配できる魔物は、意思があるような魔物ではなく、テイマー本人が屈服させる事でテイムできるのです」「そうなんですね。」「はい。そこで、侯爵は、意思があり、私どもとも会話ができる魔物をテイムしています。そして、一匹でも少都市国家を滅ぼせるような魔物を多数使役しています。」「??」「侯爵は、ステータス通りのちからでは無く、もっと上位のちからを持っている可能性があるか、テイマーと言う職業ではなく、鑑定持ちでも見破れないスキルで隠蔽している可能性があるのです。全部異常な事なのです。」「あぁそうだな。それだけでも十分異常な事だが、儂との会話を覚えているか?」「はい。内乱がどうのと言うお話でしょうか?」「そうだ、儂は、あれで侯爵やローザス殿下のお心を調べようとした。」「はい」「お二人はすでにお心を決めているように思える。」「それは、宰相派との内乱を行うと言う事ですか?」「最初、儂もそう思っていた。侯爵は違った。ギルドのことを聞くと、彼らは、宰相派から離脱者を出して、勢力が弱まってから一気に攻勢に出るつもりなんだ。」「え”?」「本当に恐ろしいのは、あの年齢で、あれだけのことを言ってのける事や、ルシンダやマルティンの身の安全を保証した事や方法が多分眷属を貸し出す事を一瞬で判断して決めた事にある。」「・・・」「アッシュ。本当に、侯爵はこの前パシリカを受けたばかりなんだよな?」「はい。間違いありません。いろんな筋で確認しております。教会にも確認しましたので間違いはありません。」「儂はもしかしたら、最大の知己を得たのかも知れない。」
その後、屋敷に付いた伯爵は、貰った薬を娘の体の呪術のことを見抜いた魔法師に見せた。魔法鑑定を行った魔法師が、これは我達が作るよりも純度が高く、完治さえも可能で、市場で出回れば、価値は金貨10枚でも安いかもしれない。これを飲めば、マルティンの体調が治るのは勿論。健常者が飲めば、魔力がスムーズに流れるので、魔力が上がるだろう。と言う事だ。金貨10枚を10本。娘の病状をほぼ正確に見抜いて、それだけじゃなくて、制作に1ヶ月近く掛かるだろうと言われていた簡単に作って渡し。それだけで料金の請求をしようとしない。
「これが侯爵の力なのか?それとも、ギルドと言う集団の価値なのか?」

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